実際には、そこまでなかったけどね~~。でも…。
(…なんて、綺麗で、逞しい身体なんだろう…。目が離せられない…。)
ベッドに眠る誠斗に窓から入る月明かりが淡く照らす。
静かな寝息を立てる誠斗の姿を見て、思わず見惚れてしまう椿。それもそのはず…。この時の誠斗は月明かりも相まって、神々しく見えたのだから。
なぜか寝間着を着ていない事には少し不思議だったが、それがむしろ魅力的に引き上げていた。ネクタイを緩めて、ボタンをはずしたシャツの大きく開けた襟から厚くて立派な胸元がはっきりと覗かせていた。それに、シャツの裾もズボンからはみ出していて、ほんの少し、へそが見える。更に、シャツ沿いだが、湿ったシャツの下から鍛え上げられて割れた腹筋がくっきりとその存在を浮かび上がらせている。
天然癖毛の黒髪も寝転がったりしたのか、ボサボサというより、もさもさしていて、触ってみたい感覚になる。
寝顔も、子供みたいに無邪気なもので、何か楽しい夢を見ているのだろうか…、安らかに眠るその寝顔に、和んでしまう。
(もっと、誠斗の寝顔、見てみたい…。)
そう思った椿は、ゆっくりと誠斗のそばに寄り、起こさないようにベッド横に腰掛けて、長い黒髪を掬って耳に掛けながら、誠斗の寝顔を見つめる。
椿は知らなかったが、この時、ようやく椿の存在に誠斗が気づき、目を覚まして、様子見がてら眠っているフリをする事にした。何の夢を見ていたか、誠斗は覚えていないが、子供の頃の楽しかった思い出を見ていたのかもしれない…。
誠斗が実は起きている事を知らない椿は誠斗の寝顔が可愛らしいと微笑み、飽きることなく、見つめていたが、ふと寝汗にしては掻き過ぎる量の汗が額に流れているのを発見する。すると、頬や首元、身体全体が汗をかいている事を知った椿は、もう一度寝顔を見ると、安らかに眠っている寝顔だが、若干きつそうにしている風にも見える…。
それに、頬や鼻先が赤くなっている…。
訝しそうな表情を浮かべた椿は、頬にそっと触れてみる。
すると、驚くほどに熱い誠斗の肌に思わずビックリ仰天し、手を退ける。
(何…!? この異常なまでに熱い肌…! こんな状態で寝ていたの…?
きっと体温もこれ以上あるはず…。 ひ、冷やさないと!!)
異常な暑さの誠斗を冷やそうと考えて、顔を右往左往する椿は、脳裏ではとんでもない事を思いついていた。
(!! そうだわ! 私、手も冷たいし、身体も…。 私の冷えた肌を誠斗にくっ付いて冷やしてあげれば、誠斗も少しは楽になるはず…。
でも…。は、恥ずかしい!! た、た、貴臣にもまだ私のは、裸見せた事ないのに~~~。む、無理無理無理!!
……でも、今、誠斗の冷やさないと、どんどん熱が上がっていく一方だし…、誠斗を助けたい…!
ど、どうしよう~~~!!)
冷えた自分の肌を沸騰しているくらい熱い誠斗の肌にくっつけて冷やそうという嫁入り前の女性では考えられない発想をするものの、羞恥心を捨てきれず、その発想に今一つ、踏み出せずにいた。
脳裏には自分の発想に妄想が色味を付け、自分がワンピースを脱いで、裸になり、眠る誠斗にその体を絡ませて、冷やす光景が頭に流れ込む。
その光景に思わず、顔を真っ赤にして、耐えられなくなった椿は再び、誠斗の額に触れ、小さな肌と肌との接触をした後、音を立てず、しかし急ぎ足で誠斗の部屋を後にするのであった。
その顔には、未だ真っ赤にして恥ずかしげな表情を浮かべていた。
自分の発想と妄想に撃沈して、それを考え付いた事に激しく悶え、ぐるぐると目を回して、ある場所へと向かって行く。
…部屋に残された誠斗は椿が去った事を気配で感じ取り、溜息すると、目を開けて、上半身を起こす。頭痛とだるけさを感じつつも、椿が部屋に入ってきたことに嬉しさを隠さずに感じながら、その行動を不思議に思う。
しかし、知らなくてよかったかもしれない…。もし、椿が間違った勇気を出して、裸で誠斗にくっ付いたなら、寝ているフリをしていた誠斗は更に自分でも知らなかった熱を高めていたかもしれない。…必死に嬉しさと照れと肌の快感と…椿の柔らかい匂いにひたすら顔に出さないという天国と地獄を同時に体験していただろう。
ま、誠斗は地獄と考えるより、天国だと感じるかもしれないが。
椿もその場合の結果としては作戦失敗になる恐れが高かったから、止めておいて正解だったかも。冷やすどころか、確実に温める事になっていた。…この事に、椿は気付いていない。それもそうだ。誠斗が一途の愛を注いでいる好きな相手が実は椿であることを知らないからね…。
こうして、肌と肌が密着するというおいしい場面?はお預けとなった誠斗は、頭痛がひどくなりながらも、椿が部屋にやってきた理由を懸命に考えるのだった。
今回は、脳内で絡ませてみた!! 肌と肌…。
肌って気持ちいいよね~~。癒されるもんな~~。
プ二プ二していて、ほっとする~~。
赤ちゃんの肌♡