※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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新たに新キャラを登場させました!!

これからの明治編に重要なアドバイスをしてくれる…と思うキャラです!!


洋館に住まう者

 

 

 

 

 

 

 港町の中心地から少し離れた場所にあるこの古ぼけた洋館は、どこか異様な雰囲気を放っている。しかし、こんな窓を閉めまくって、鉄格子がある密閉したこの洋館には、人が住んでいる。驚くかもしれないが、本当の事だ。廃屋にもなっていそうな感じだが、ここに住んでいるある人物との面会のため、司は若葉さんだけでなく、誠斗を連れ出したのだ。腕に覚えのある誠斗を。

 

 司はその人物がいる洋館の玄関先に入っていき、ベルを鳴らす。

 

 そして、扉の奥から、こちらにやってくる気配をしっかりと捉えた誠斗は司の後ろに控えながら、気を引き締める。

 

 

 「はい、どちら様…、ああ…!! これはこれは、司様ではないですか~。こんな所へ来て平気なんですか?」

 

 

 扉を開け、現れたのは、ボサボサな短髪で、髭を生やし、薬品の臭いを体中から発して、パイプを咥えた30代の男だった。

 

 汚れもついた白衣を着て、何日も風呂に入っていないような身嗜みで現れた男は、その外見とは裏腹に、陽気な口調で司に話しかける。

 

 

 「これも私の仕事の内だからね。

  それより君も、いい加減屋敷の修繕をしたらどうかね?

  私が折角、修繕費を工面しても、それを使ってくれないのは、寂しいものだよ。」

 

 

 「ハハハハ!! それはすみません。

  何分、色々と必要な物がたくさんあって…。」

 

 

 「ああ、分かっている。私も君の人柄は知っているからね。だから何度も修繕費といって、渡しているんだ。それが君や港町の人々のためなら、何も謝る必要はない。

  これからもしっかりと励んでくれ。」

 

 

 「…ぶはっ!! …ははははは!! これは一本取られました!! やはり司様には、敵いませんな~。」

 

 

 「………お言葉を差し挟ませていただきます。そろそろ、屋敷の中へ案内していただいても構いませんか?…立ち話もなんですし。」

 

 

 司と白衣の男の会話に割り込んで中に入れるように要求する誠斗。

 その瞳には、若干の苛立ちが垣間見えた。

 

 男の方もそれを感じ取ったのだろう。申し訳なさそうな表情をして、司達三人の来客を屋敷に招き入れた。

 

 

 そして三人を連れてきたのは、数々の棚に並べられた大量の薬品の瓶や書類が山積みになって簡易のベッドと机がある部屋だった。

 こんな部屋が応接間という訳ではない。断じてない。華族である司を招きいれる部屋としては完全に間違っている。しかも、ほこりが付いた椅子に腰かけるように、男は言って、自分は自分専用に改造した椅子に断りもなく、腰かけた。

 

 こんな状況…、絶対に許容されるものではないが、司は何も言わない。

 

 それどころか、言われたとおりに誇りを被った椅子に腰かけようとする。すかさず、椅子の上に若葉さんがハンカチを広げる事で、司の服が汚れる事を防いだ。

 誠斗もこの事に口を挟まない。

 

 誰も口出ししない。それは、この状況に慣れたのと、ここでは当たり前だと割り切ってしまった結果である。三人ともここに訪れるのは、初めてではない。特に、誠斗は…。

 

 

 「またまた、こんな場所ですみませんね~。

 

  他の部屋は書類やら、参考書やらで埋まっていまして…。まぁ、気楽にしてください。」

 

 

 「いや、気楽には出来ないだろ…。」

 

 

 「そうかな~? 僕には、居心地がいいんだけどな。」

 

 

 「…同じゴミだからな。」

 

 

 「酷い!! 誠斗君が僕をいじめてくるぅ~~!!」

 

 

 「[苛っ…] 無駄口たたけねぇ~ように、してあげましょうか? 昴さん?」

 

 

 「…ごめんなさい。 お、落ち着こうね~、誠斗君。うん、君の拳は殺人級だから。僕、簡単にあの世行きになるから。」

 

 

  誠斗に襟を掴まれ、地獄へと誘われそうになっている所を、笑いを堪えるのに必死な司が若葉からの呆れた視線を受け、咳き込んだ後、二人を止めに入る。

 

 

 「昴殿、誠斗。その辺にしてもらえないかな。続きはまた後にしてくれて構わないから。」

 

 

 「はい!! 申し訳ありません、司様」

 

 

 「助かっ……、いえ! すみません」

 

 

 二人とも一礼して、この場を丸く収めた。

 

 

 仲が良い?雰囲気で盛り上がる昴と呼ばれたこの白衣の男…。

 

 

 名前は、川永 昴(かわなが すばる)。

 

 

 実は、この地域では有名な医者である。

 

 

 

 どんな病でも、原因を突き止め、最善を尽くす。そして最後まで患者に付き添う名医だ。異国にも留学経験があり、異国で学んだ医術も取り入れ、港町の人々の治療をし、徹夜してまで、日々医学の研究に没頭している。

 …ただ、お気楽で、変わった性格で、しかも面倒くさがりなので、洋館は荒れ果て、書類整理もままならず、散らかり放題。おまけに風呂には興味を持たない限りは入らない。手間がかかる困った医者でもある。

 

 一応、この異様な洋館は診療所となっているが、港町の人達はこの中へと入ろうとしなくて、治療を頼みたい時は、電話や電報で呼ぶようにしている。昴のこの事には、「逆に、いつも綺麗にしなくて済むし、気軽に研究に打ち込める」と何ともマイペース。それなら一層、研究所にしろよ!!と突っ込むところだが、(実際に誠斗は、何回も言っている)別の意味での診療所もしているため、強くは言えない。

 それを重宝している司や誠斗にとっては。

 

 

 だからではないが、この乱れきった部屋に入れられようが、ほこりを被った椅子に座らせられようが諦めの領域で受け入れているのだ。

 

 

 そんな名医の昴と誠斗がじゃれ合っている内に若葉さんが用意した紅茶を司と特別に、昴が口に含んで、紅茶を堪能した所で、司がカップを置いて、本題に入る。

 

 

 「……頼んでいた事は調べてもらえたのかな? 昴殿。」

 

 

 「ああ…、もちろん調べた。 あんなのは初めてだったんで、かなり手こずったな~。4日間完徹ですよ。」

 

 

 そういう昴は、目の下にクマを作っていながら、顔は目が輝いていた。

 

 しかし、急に真剣な表情をして、ある書類を司に差し出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「言っておきますけど、今回のは…、まずいですよ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 差し出された書類を一枚巡った司はまだ見だして、数秒も経っていないのに、顔を顰めた。

 

 

 その書類に書かれた内容があまりに悲惨だったから…。

 

 

 

 




グロイ内容になってきそうだな~。

で、誠斗がまた巻き込まれる感じ~!!

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