昴に案内され、奥へと進み、着いた場所は右も左も見渡せば、頑丈な鉄格子で作られた牢が横にずらりと並ぶ場所だった。
「………昴…、あんた、こんな趣味を持っていたとはな…。
引くわ……、物凄く……。」
「違うからね!!誠斗君!! 僕は断じて、そんな趣味はないからね!!? これは、有効活用だから!!」
牢を見渡して、完全に身体全体でドン引きする誠斗。それに対し、慌てて誤解を解こうとする昴。正確に誠斗の言う”趣味”という意味を理解した時点で、怪しいものだが。
「これは、僕がこの屋敷に住む前からある地下牢だから!!
多分、前の持ち主がそういった”趣味”を持っていて、作らせたんだね~、うんうん!!
なんとうらやま……!! あ、いや~、違うよ~? 僕は、ちゃんとした牢の使い道、しているからね…!?
別に、前の持ち主みたいに、牢にお気に入りの女子を連れ込んで、調教プレイからの契りなんて、そんな事は絶対にしないよ!!」
「……………俺は、何も言っていないけどな。」
「あ!!」
誠斗がどんどん目を細めて、疑う目に変わっていっているのを感じた昴が言わなくてもいい事をぺらぺらとしゃべってしまった結果だ。慌てて、口を塞いでももう遅い…。
誠斗は、昴の相手も面倒になってきたので、早く本題に入ろうと口を開き、話を振ろうとした。しかし、誠斗が言葉を発する前に、司によって遮られ、話があらぬ方向へと流れ始める。
「なるほど、そんな人がいたとは知らなかった。私も知らない事があるのだな。あありがとう、昴殿。いい勉強になったよ。」
(いや! 司さん!! こんなのは勉強にもならねぇ~よ!! 寧ろ脳みそに害虫を入れこんだようなもんだ!!)
「そ、そうですか? そう言ってもらえると助かります! 」
「…しかし、女性をこんなところへ連れ込んで、虐げるというのは、私としては納得いかない事ではある。………ふむ、女性の保護や人権等、少し考えなければいけないか…。
どう思う?若葉。」
「………私は、司様の命に忠実に従う事こそが己の生きがい…でございます。
司様が女性の保護や人権について掘り下げて見てみるべきだとお考えならば、それを私は陰ながらお支えさせて頂きます。
…司様の本意はいずれ、この国にとって、良い兆しとなるでしょう…。」
腰を折って、頭を下げたまま、無表情で(頭下げているから顔は見えないけど、声色で?)そう語る若葉さんの回答に、ふむ…と頷く司。
(いや~…、見事な回答だったぜ、若葉さん…。あくまで司さんにそのまま返しただけだけどな。)
急に話を振られたにもかかわらず、完璧に答えた若葉さんに感心した誠斗だったが、次の昴の衝撃な真実に感動は完全に崩れ、砕ける事になる。
「いや、司様の思っているのとは違いますよ? 逆です、逆ですよ~!
前の屋敷の持ち主が虐げられる側だったんですよ~~!!『そっちの方が燃えるんだ!!私は!!ハァ~、ハァ~!!』って尻に足を置かれて、ぐりぐりされているのに、頬を赤らめ、涎垂らして、息も荒げに喜んでましたから~~!!
『ああは~~~~ん!!!そこ!! そこをもっとぉ…!! 踏み付けて下さ~~~い!!…あっ……ああ~~~!!』って感じで。」
説明しながら、その時の再現を見事にして、雰囲気も醸し出す昴に、言葉が出ない三人…。
身体に衝撃の嵐が落ちた感覚を覚えた三人は、意識が復帰するまでしばらく固まったのだった。
何で昴がそれを知っているんだ~~~!!
その理由は次に!! もうなんとなくわかると思うけど!!