※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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裏がある、そんな感じ。

でもお偉いさんは読み方通りに偉そうだよね~~!!


『魔女のマリハの歌』(後編)

 

 

 村の存亡がかけられたあの日から2ヵ月経った、約束の日―――――

 

 

 

 国のお偉いさんは部下の秘書や数十人の衛兵を連れて、再び村へと赴いた。その目的は、辺境の村を国の地図から消し去る事…。お偉いさんは村人がたった2ヵ月で活気を取り戻せるとは思っていなくて、あの時は退屈もしていたので、その余興気分で軽く村人の要件を請け負っただけだった。そして約束の日に絶望に落とされて哀れな姿で共に暮らしてきた村人と一緒に村が完全に消える様を想像し、ほくそ笑みながら、村へと向かっていた。

 

 そして、村に着いたお偉いさんは目の前の光景を疑った。

 

 

 2ヶ月前は何もない古ぼけて、家屋も傷んでいた村が国の小都市で見られる立派な家屋へと変わっていて、村人の服も新鮮で綺麗な服になっており、村には商人たちが集まって、村人と何やら交渉して、活気溢れていた。もう既に村というより、町のような広さになっていた現状にお偉いさんは驚き、場所を間違えたかと錯覚する。

 

 しかし、お偉いさんの一行に気づいた村人がお偉いさんに拝謁し、声を掛けてきた。その村人は、お偉いさんにこの件を提案したあの村人だった。見た目も大きく変わり、ボサボサした頭と汚れた身体に服を着ていた若い青年が随分とさっぱりとし、さわやかな好青年へと変化していた。

 

 

 「これはいったいどういう事だ?」

 

 

 お偉いさんは村人に尋ねた。すると、その村人は服から何かを取り出し、それをお偉いさんに渡すと、説明しだした。

 

 

 お偉いさんに渡したのは、一輪の花…。

 

 

 その花は、美容や健康の効果を持った薬草の一種で、葉を磨り潰して乾燥させた粉末は病の苦しみから解放する薬になり、また花の蜜は肌を潤す効果を持っていて、香水や美容液としても使える。それ以外にも、調味料としても料理に混ぜると、一風変わった味となり、それがまた美味で病み付きになるほどの美味しさになる。

 

 そしてこの花が育つのは、この国の辺境で、程よい土と風、水が十分にそろったここでしか育たない貴重な花なので、『他にはない珍しい調味料』といううわさを聞きつけた商人たちが毎日のように村に訪れて買い付けに来ると嬉しそうに説明する村人に手に持つ花を凝視して、考え込む。

 

 

 「……よかろう。約束は守ってやろう。お前たちの処分は解除する。

 

  その代わり、そちらも約束を守ってもらおう!!私の功績を商人たちだけでなく国中に広まるようにしろ!!それからこの花で得た全ての報酬の8割を俺によこせ!!」

 

 

 「…8割ですか?」

 

 

 少し自分が約束したのと違うと思った村人にお偉いさんの秘書が2か月前の契約書を持って、内容を見せる。そこには、確かに『8割の利益を受諾する』と記載されていた。何かの間違いだと思いたかったが、正当な契約書へサインしてしまっているため、無効にはならない。

 

 

 「ふん!! まだ2割だけおいてもらっているだけありがたいと思うことだな!!お前たちは俺様がいなけりゃ、ここまで必死にしようなんてしなかったはずだ。それなりの俺への礼儀を見せろ!!」

 

 

 お偉いさんの言い分も一理あるため、口をつぐんで、村人たちは利益の8割を渡し、お偉いさんはルンルン気分で帰って行った。思いもしなかった誤算だったが、嬉しい誤算であるため、鼻高々にして、帰っていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからは村の珍しい花は『マリハ』と名づけられて、国の各地に拡散していった。そしてその珍しく貴重価値の高い『マリハ』の調味料や薬は高い値段がつけられるようになり、王族や貴族が買い占めるようになっていた。

 それにより、村が大都市になるほどの栄光を手にした元村人たちは花の栽培に力を注ぎこむ。それがいつしか過酷な労働となり、その苦痛を和らげるために『マリハ』を摂取して、多量の注文にも耐えていた。

 しかし、それがこの国の破滅へといざなうことになる。

 

 

 『マリハ』は確かに美容や健康の効果があるが、多量に摂取し続けると、錯乱状態になり、自分が最も恐れるものが悪夢として繰り返させるのだ。そして、依存性も高く、『マリハ』を一度口にすれば、永遠に欲しがるように神経が働く。だが、末期になると、直接『マリハ』を摂取することを望むようになり、食事は一切取らないようになり痩せこけ、それが却って、錯乱を酷くし、発狂して死に至る。

 さらに、『マリハ』が身体になじんでくると、常人の力とは思えないほどの力を発揮し、少しずつ人の川を被った化け物へと変化する。

 感覚もマヒし、急所を与えるか、完全に殺さない限り、止まらない…。

 

 

 

 

 

 そんな『マリハ』の真の効力がとうとう発症し、王族や貴族は突然発狂し、人が変わったかのように乱心し、家族や使用人たちを殺め、内乱を起こす。そして、内乱が勃発したことで、元村人たちも『マリハ』を自分のものにするため、奪い合いをし、かつての仲間同士で殺しあった。

 

 

 

 

 …国は戦火に飲み込まれ、上級階級の殺戮が続いた。

 

 

 

 しかし、『マリハ』を摂取していなかった下級階級の国民の手によって、事実上のクーデターが起き、上級階級の者たちは粛清を受け、国は滅んだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国が滅び、国民が共和制を新たにした国の開国を喜び、歓喜を上げる都市の大きな建物の屋根から人々を見下ろす、あの黒い外套を身にまとった女性が狂気な含み笑いをして、見つめていた。

 

 

 彼女は魔女で、魔女を蔑む人間を大量殺戮したくて、今回の実験を思いつき、実行した。そしてその野望は果たしたと、魔女は姿を消す。

 

 

 

 

 

 

 その魔女がいた建物の一室には、今回の実験で難を逃れ、生き延びた元村人が腹を引き裂かれ、大量の出血をし、瀕死の状態で倒れていた。

 

 その元村人は、これまたあのお偉いさんに意見したあのさわやかな好青年の村人だった…。

 

 

 青年はたった一輪の『マリハ』を握って、それを愛おしそうに見つめ、掠れた声で最期の一言を口ずさむ。

 

 

 

 

 

 

 「マリハ…………、………」

 

 

 

 

 最後はもう声にもならなかった彼の言葉は霧散し、一筋の涙を流し、青年は息を引き取った…。

 

 

 

 

 

 

 魔女は国を後にし、また旅に出ながら、美しい声色で歌を歌う。

 

 

 

 

 

 

 それは、悲しい歌…、鎮魂歌(レクイエム)のよう………。

 

 

 

 




なんか意味深で終わったな~~!!

こういった物語の最後って考えさせられる要素を残して、終わるよね~~!!
みんなはどう感じたか、感想を聞かせてくれるとうれしいな~~!!
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