※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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貴臣が参戦!!
この三角関係をもっと掘り込んで~~~!!!


逢引を見守る儚い想い

 

 

 

 

 

 

 「椿ちゃんに会いたくて、逢引………に来たんだよ。」

 

 

 

 月光が照らす貴臣の笑顔と再会の言葉の感動で、椿は顔を真っ赤にして、逆上せるくらいに幸せを感じるのだった。

 

 

 椿はあまりにも突然で驚く。だけどそれ以上に嬉しさと愛しさで胸がいっぱいになる。顔もほころび、会いに来てくれた喜びを噛み締めて、思わず嬉し涙が流れる。

 

 

 「貴臣…。私も逢いたかった……。」

 

 

 「うん…。僕もだよ。」

 

 

 互いに微笑み合いながら、視線を絡めるようにして見つめ合う。

 

 

 その光景を傍から見届けている誠斗は、苦笑しながら二人の再会を喜ぶ。

 

 

 

 

 

 (よかった…。椿のその嬉しそうな顔が見れて…。俺にはもう引き出す事も…、向けてもらう事もない表情…。

  貴臣も、椿に逢えてよかったな。

  お前と椿はお似合いだぜ…。 悔しいほどにな。

 

  でも…、二人が幸せになってほしいと思うのも本心だ。

 

  それを傍で見守り、支えるのが俺の使命だしな。

 

 

  ………本当によかった。)

 

 

 

 

 

 そう思いながら、誠斗は椿の私室に隠しておいた縄を取りだし、窓に放り投げた。

 

 無事に一階まで到達した縄が貴臣の前に下りてきた。

 

 

 「そんな場所で話していたら、他の使用人たち…、ひいては司様に見つかってしまいます。貴臣様には申し訳ありませんが、この縄を伝って登って来てもらいませんか?」

 

 

 「ははは…。誠斗、そんなに気を使ってくれなくてもいいのに。

  僕はこのままでいいよ。」

 

 

 「そうはいきませんよ、貴臣様。ここ最近夜は冷えてきましたから。そこで話し続ければ、間違いなく風邪をひきます。

  そうなれば、お嬢が心配してしまいます。…・・それに未来のお嬢の夫になられる貴臣様の身を守るのも、当然でありますから。」

 

 

 「…はぁ~。誠斗には敵わないな…。

  分かりましたよ。僕がそちらに行きますから。」

 

 

 貴臣は仕方ないという顔で縄を掴み、スラスラと登ってくる。

 

 誠斗は縄を支えるために、窓から距離を取って、縄を身体に巻きつけて足を踏ん張る。

 

 椿は徐々に近づいてくる貴臣を窓から見続け、小さな声で応援している。

 

 

 誠斗はまたチクッと胸が痛む。

 

 

 

 そして、ついに窓枠に貴臣の手が掴み、無事に椿の私室に辿り着いた。

 

 貴臣が部屋に入った瞬間、椿が貴臣に抱きついて、涙を浮かべながらギュッと抱きしめる。

 

 それほど経っていないのに、随分前から逢えていなかったかのように感じていた椿は、久しぶりの貴臣の温もりを感じていた。

 

 

 「嘘…。これは夢ではないの…?」

 

 

 「夢じゃないよ、椿ちゃん。 僕はここにいるよ。」

 

 

 「……嬉しい。ずっと…、貴臣に会いたかったの…!」

 

 

 「僕も、君に逢いたくて、ここに来たんだ。ずっと君の事を想っていた。」

 

 

 「私も…!」

 

 

 貴臣も椿を抱きしめて、抱きしめ合った。お互いの体温を感じる為に。

 

 

 しばらくして、椿が貴臣の胸から顔を上げると、貴臣と視線がぶつかり、思わず恥ずかしくて視線を逸らす。

 

 

 「……椿ちゃん、こっち向いてほしいな。

  君の顔がもっと見たい……。」

 

 

 貴臣の甘い声でそんな事言われたら……

 

 

 椿は耳まで赤くなっている顔を自覚しながらも、貴臣を無視する事は出来ず、ゆっくりと振り向く。

 

 

 「うん……、椿ちゃん、綺麗だよ。」

 

 

 「……もう、貴臣ったら…。」

 

 

 二人が顔を見合わせ、顔が徐々に近づいて………

 

 

 

 

 

 

 

 「………では俺は、二人の邪魔してはいけませんので、外に出てますね。」

 

 

 不意に自分たち以外の声が聞こえ、思わず二人の身体がはじけ、離れる。

 

 

 「ま、誠斗!!いたの!?」

 

 

 「……今まで傍に居ましたよ? お嬢はほんの少し前の記憶がなくなるほど、貴臣様に夢中になってたんですね~。」

 

 

 「!!もう~~!!誠斗の馬鹿~~!!」

 

 

 「お嬢、これは控えておいた方がいいですよ。他の使用人が来ちゃいますよ。」

 

 

 「あ…。」

 

 

 「……それでは失礼します。」

 

 

 誠斗は二人に一礼して、開いていた窓から近くの木へと飛び移り、どこかへと行ってしまった。

 

 

 

 それを見送った二人は、互いに見合わせて、すぐに顔を逸らし、頬を赤く染める。

 

 

 

 

 

 

 

 ((誠斗に見られてしまった……!!))

 

 

 

 

 

 

 

 

 他人の目の前で、二人の世界に入っていた事を知り、恥ずかしさで頭が逆上せるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ~…。全くあの二人は…。俺がいるってのによ…。

  まぁ、出て来れてよかったぜ。 あのまま二人を見ているのは………辛かったしな。」

 

 

 

 ため息を吐いて、独り言を口にする誠斗は、椿の私室がある真上の屋根裏に腰を下ろし、専属護衛の務めを果たし、警備をしていた。

 

 腰のポーチから、警備用の夜食として、パンを取りだす。

 

 

 それを食べながら、月を見上げる。

 

 

 

 「覚悟していても、目の前で見ると、やっぱり辛いもんだな…。」

 

 

 

 パンを持っていない手で胸に手を置き、先程から痛む胸を擦る。でもそうしてみても、胸の痛みが消える事はない。

 

 それよりも前から抱いていた胸の痛みよりも激しく痛む。

 

 

 二人が本格的に愛し合っている現場を目の前で見てしまったのだ。

 

 

 

 自分の入る隙間がないほどに…。

 

 

 

 誠斗は二人の世界を見て、それを痛感したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 (俺は、これから…、今日みたいな二人を見ていく事になるのか…。

 

 

  …いや、これはよかったと思え! これは予行だ!! 今の内に慣れてしまえば、二人の前でも笑顔でいる事が出来る…。

 

 

  ……慣れれば、……………こんな気持ちにならずに済むのか?)

 

 

 

 

 

 

 

 儚いこの恋を持ち続ける限り、この苦しい思いとも付き合っていく事になる。

 

 しかしそれは自分が選んだ道だ。

 

 

 

 誠斗は、言葉にならない悲しみを抱えながら、それを口にせず、屋根裏に寝そべって、夜空に浮かぶ月を見続けるのだった。

 

 

 

 

 




好きな人が親友といい感じになっているのを、身近で見てしまった誠斗。

泣きたい気持ちを堪え、二人の幸せを願うその優しき心。

……感動ものだ!!!
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