※この作品はR-18です。

遊戯王ARC−V 幻影の魔術師   作:しょごりゅう

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最近、育児をしつつ、ポケモンをやって小説を書いてって感じで家に引きこもりすぎてヤバいです。

みなさん、正月太りしましたか…?
私は…ヤバいです笑
自粛中って言うのもあって、なかなか思うように行かないですが、頑張って行きましょう。


第15話 反逆の影と虹との再会

ーSide/零児

 

「これは!」

 

「今朝、スクールに差出人不明で送られて来ました」

 

「マルコとティオ…」

 

「何故、我がLDSのエースデュエリスト2人のカードが…。犯人はなんのつもりで、こんな事を…?」

 

「昨日、市内で再びエクシーズ召喚の強い召喚反応を検知しました。直後、ティオの行方が分からなくなったとの報告を受けていたのですが、まさかカードに封印されていたとは…」

 

「封印ですって!?まさか!そんな事が…では、彼らはこのカードの中で…」

 

「生きています。私もこの事例を実際に目にするのは初めて…詳しく調べて見なければ正確な事は言えませんが、おそらく」

 

「…彼らを救う方法は?」

 

「残念ながら今の我々の力では…。しかし、一つ疑問が。事件はこれまで三度起こっている。最初の被害者は沢渡シンゴ。だが、彼は封印されていない。二度目のマルコ、そして三度目のティオはこうしてカードに…。この2つの異なった事実から導きられる可能性、犯人は二人」

 

「何ですって!?「議員!お待ち下さい!!」」

 

中島の慌てたような声が扉の向こうから響くと、扉が勢いよく開き、沢渡議員とその後ろから慌てた様に中島が入ってくる

 

「いったいなんばもたもたしとるとですか!赤馬理事長!」

 

「沢渡先生!?」

 

「勝手に入られては困ります!どうかお引取りを!」

 

「うるさーい!私は理事長に用があると!」

 

「っしかし!いきなりアポも無く」

 

「政治家が後援会の会長に会いに来てなんか悪かとか!?」

 

「中島、控えろ」

 

「は、はい!」

 

とりあえず、中島を止めて場を沈めると沢渡議員が語り出す

 

「また、事件が起こったそうじゃなかですか!?」

 

「いったい、何のことでしょう?」

 

「次期市長である私の情報網を侮って貰っては困る!ちゃんと耳に入っておりますぞ!スクールの講師に続いて、今度はLDSのトップ中のエースが襲われたらしいと!」

 

「……」

 

「…本当なんですな?」

 

動揺を見せる母に沢渡議員も確信した様に尋ねる

これは、話した方が良さそうだな

 

「それは…」

 

「本当です」

 

「なら何故!手をこまねいてる!さっさと犯人を捕まえたらよかじゃなかですか!」

 

「犯人は現在調査中です」

 

「調査?いったい何の調査をする必要がある!うちの息子が明確に証言しとると!自分を襲ったのは、榊遊矢…否、榊遊奈だと!」

 

沢渡議員がそう言って懐から二枚の写真を机にたたきつけるように出した。

 

一枚は白いフードマントをつけた、通称ファントムと呼ばれている姿のあの子、もう一枚は榊遊勝に抱き上げられながら写っているまだ、女の子らしい姿をした幼い頃のあの子の写真だった。

 

「…ご子息は今もそう言っているのですか?」

 

「退院してから会っておらんが証言が変わったとは聞いとらん!故に犯人は榊遊奈に違いない!聞いた話だと学校にも男子生徒と偽って通学しているらしいじゃないか!男装趣味のある女なんぞ、何をしでかすかわかったもんじゃなかとです!そもそも理事長も納得し、自分に全て任せると言ったじゃなかか…。なのに何の手も打たずにあの女を野放しにしたまま第二、第三の事件を!もはや黙ってはおれん!舞網市の治安を守るためにも、私自ら警察を動かしこの手で榊遊奈を!」

 

「それはお待ち下さい」

 

「待てぬわ!!」

 

バンッ!

 

机がおもっいきり叩かれる音が鳴りびびく

零児が台バンをしながら立ち上がったためだった。

 

「っ!」

 

「調査中だと申し上げた。我々も手をこまねいてるばかりでは無い。レオ・コーポレーションとLDSの総力をあげて犯人を追っている」

 

「だから犯人は榊遊奈だと!」

 

「彼女は犯人では無い!」

 

「っ!…ぐぬぬ…」

 

「真犯人は必ず我々が捕まえる。それまであなたには黙って見ていただきたい」

 

「しかし!「まあまあ沢渡さん、落ち着いて下さい」誰だ!あ、あなたは…!」

 

沢渡議員がびっくりしながら入ってきた人達を見ていた。

これから会う予定だった、武藤遊戯と武藤アテムだった。

 

「御無沙汰してます。沢渡さん。それに零児、理事長も」

 

「なんか、すみませんね。連絡を貰ったとはいえ入ってきちゃって…」

 

「いえ、元々私がお二人を呼んでいたのですから構いませんよ」

 

「遊戯君にアテム君久しいですな!でも、あなた達には関係無い話…」

 

 

「そうでも無いですよ。理事長。なんでも相棒の知り合いの子を疑ってるそうじゃないか?俺達としても真犯人を探し出したいんだ」

 

「それに、さっき零児君も言っていたけど、あの子はそんな事する子じゃないよ。あの子は他人の痛みを良く知ってる子だ。なんの理由もなく暴力を振るう子じゃない。ましては彼女にとって神聖なデュエルなんかでね」

 

三人の真っ直ぐな視線に耐えれなくなったのか、沢渡議員は「捕まえられんかったら承知せんばい!」と捨て台詞を吐きながら写真を回収して帰って行った。

 

心の中でため息を吐くと零児は頭を切り替える

 

「中島、市内の警戒度を一段上げろ。このカードは明らかに我々への挑戦…どんな事態でも、対応出来るようにな」

 

「はい!」

 

「それと、このカードを分析室に回し、徹底的に調べるんだ。二人を…いや、全てのデュエリストを救う手立てを見つける為に」

 

「分かりました。失礼します!」

 

「私もこれから用があるので失礼しますわ」

 

中島に二人のカードを渡すと、中島と母は部屋を出ていった。

それを見届けると、ドカりと椅子に座って思わずため息を漏らす

 

「お疲れ様」

 

「大丈夫か?」

 

「すまない。わざわざ来ていただいたのに、こんな事になっていて…」

 

「それは構わないぜ。それよりもさっきの話本当か?犯人は二人いるって」

 

「おそらくですが、可能性は高いかと。それに近々、私は榊遊奈と話をするつもりです。彼女は犯人では無いですが、何かを隠している…。この前のデュエルでそう感じました」

 

「そうなんだ。確かにあの子は昔から一人で悩みを抱え込んでしまう子だったから、無茶をしていなければいいんだけど…」

 

「そういえば、遊戯さん達は彼女の事を知ってるみたいだが、どういう間柄なんですか?」

 

「俺は会ったこと無いから相棒の話で知ってる程度だぜ」

 

「うん。なんて言うのかな…たまたま偶然なんだけど、知り合いの子どもって言うのかな?その子に会った時に遊奈ちゃんにも会ったんだよ。ちょっと昔に色々あった子だったみたいで気にかけてはいたんだけど、僕達も色々忙しかったからやっと会えたのがこの前の事なんだよね」

 

「そうだったんですね」

 

「零児君こそどうなの?遊奈ちゃんの事知ってたみたいだけど」

 

「…昔、会ったことがあるだけですよ。彼女は忘れてしまったみたいですが…」

 

昔を思い出したのか零児の姿はどこか憂い顔をしている

 

「(零児君にとっては遊奈ちゃんは大切な人なんだね…) …零児君」

 

「…なんですか?」

 

「もし、何かがあったとしても、あの子の事を受け入れてあげてね」

 

「?。それはどういう…?」

 

遊戯さんの真剣な眼差しに戸惑いを隠せないまま問いかけるが、遊戯さんはただただ笑いかけるだけで答える気は無いようだった。

 

「…分かりました」

 

「うん。今の言葉忘れないであげてね」

 

そう言う、遊戯さんは少し悲しそうに笑っていた。

 

 

───────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

なんか、朝から懐かしい夢を見たなぁ。

と思いつつ、ニコさんに言われた場所に向かって歩いていた。

 

《懐かしい夢?》

 

前世の…龍奈だった頃の夢だよ。ヨハンお父さんがいたんだけど、なんの夢だったのか忘れちゃったな

 

《そっか。…ん?》

 

どうしたの?

 

何かに気づいたファントムが見る方向に視線を向けると、何やら騒がしかった。

 

よく見るとLDSの制服を着た三人の男に向かって、随分身長が低く小太りしたおじさんが何やら文句を言っていた。

 

あれって…もしかして沢渡議員か…?

 

情報収集がてらネットサーフィンしている時に見かけた姿に何となく似ていると思いつつ彼らの会話を聞いてみることにした。

まあ、盗み聞きってよりも、あんなに大声上げてれば嫌でも耳に入っちゃうけど

 

「お前達!次期市長の命令が聞けんのか!?私は現役の市会議員だぞ!一番偉いのは市長!市長こそ最強権力者!!」

 

《いやいや…市長より上の権力者なんていっぱいあるだろうに…》

 

「誰あれ…?」

「ほらアレ、市会議員の沢渡だって…」

「まだ、市長にもなってないのに偉そうに…」

 

あまりのうるささに、周りもザワザワし始める。

 

やっぱり、沢渡議員だったか。確か沢渡の父親だったよね?

 

面倒な事になる前にこの場を離れた方が良さそうそうだと思い、その場を離れるように走り出す。

 

「待てー!榊遊矢!!」

 

すると、何故か後ろからLDSの三人と沢渡議員も後ろを追いかけてくる

 

「え、ちょっ!?なんで、着いてくるんですか!」

 

「私の可愛い息子を襲った犯人を逃がすな!!どうせ、今までの事件もお前の仕業だろ!」

 

「ふぁ!?違いますよ!俺じゃないって!! っ!」

 

「っ!」

 

角を曲がった時、誰かとぶつかってしまった。

 

「ご、ごめんなさい!今追われてて…」

 

「遊斗?」

 

「え?遊斗は兄ですけど…」

 

ん?あれ?この黒いコートと口元を覆う赤いマフラーにサングラスをかけた、いかにも不審者の出で立ちの人はまさか…

 

「!そうか、お前が遊斗の妹の…」

 

「もしかして、黒咲隼さんですか?」

 

「何故俺の名を…」

 

「遊斗達から聞きました。ってそれよりも!」

 

後ろからバタバタと足跡が近づいて振り返ると例のLDS三人と沢渡議員が現れた。

 

「追い詰めたぞ!榊遊矢!!」

 

「LDS…ならばここは俺が相手になろう」

 

「待って!黒咲さん!LDSは敵じゃ」

 

「無いとなぜ言い切れる。現に追われていただろう。下がっていろ」

 

「…!…ならカード化だけはお願いです。しないで下さい。彼らはエクシーズ次元での出来事には無関係なはずです」

 

何を言っても今の彼には届かないと分かった今、せめて最悪の選択はしないようにお願いする。

 

「…甘いな」

 

「なんだお前は!?邪魔をするな!」

 

「来なければ、こちらから行く!」

 

「こいつ!もしかしたら!」

 

「ティオやマルコを…!」

 

「本部に連絡を」

 

「ええい!あんな奴など放っておけ!それより早く榊遊矢を!」

 

「俺は手札から『RR(レイド・ラプターズ)-バニシング・レイニダス』を召喚!」

 

RR-バニシング・レイニダスATK1300

 

RRの起点とも言える緑の機械鳥が現れる。因みに何故か最初から場に一体のバニシングさんがいたので黒咲の場には2体のレベル4がいる状態だ。

 

「このモンスターの召喚に成功した時、手札から更に『RR-バニシング・レイニダス』を特殊召喚出来る!」

 

RR-バニシング・レイニダスATK1300

 

これで、場には三体のバニシング・レイニダスが並んだ

 

「俺はレベル4のバニシング・レイニダス三体をオーバーレイ!」

 

「間違いない!」

「二人を襲ったのは!」

 

ブラックホールに飲み込まれる三体のモンスター達

 

「エクシーズ召喚!」

 

───────────────────────

 

L.C司令室

 

サイレンと共にモニターに映されたのはXYZの文字

 

「市内中心部のエリアでエクシーズ反応!エネルギー最大レベル、前回検知したものと匹敵…いえ、それ以上!」

 

 

───────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

 

視界が悪い状態で判断基準が素材だけだけど、おそらくRR-ライズ・ファルコンだろう

ソリッドビジョンじゃない、本物の強風が吹き荒れ、沢渡議員が飛ばされる

 

まずい!

 

気づかれないように、精霊の力を借りて沢渡議員が大怪我をしないように風を起こして衝撃を和らげると自力で柵に捕まってくれた。

 

しまっ!

 

ライズ・ファルコンがLDSに攻撃を加える度に風の威力が増し、沢渡議員の方に気を取られていた遊奈を襲い、勢い良く吹き飛ばされてしまう。

 

「うわあああ!」

 

ガンッ!

 

上手く受身が取れないまま、吹き飛ばされた衝撃で壁に思っいきり頭をぶつけて地面に叩きつけられる

 

《遊奈!しっかりして!》

 

油断、してたなぁ…。ごめ…ファン…トム…

 

傍でファントムの心配する声が聞こえて来たが、だんだん視界が暗くなっていき完全に意識が途切れた

 

 

───────────────────────

 

ーSide/ファントム

 

《遊奈!しっかりして!》

 

ダメだ。反応が無い。

 

よく見てみると遊奈の頭から血が流れているのを確認する。

 

まずい、頭を強く打ったのか!

 

助けを呼ぼうと辺りを見渡すが、先程いたLDSも沢渡議員も、不審者も誰もいなくなっていた。

 

僕が実体化して遊奈を抱えたとしても街がパニックになるだけだ。

それに、脳震盪の場合、無理に動かすのは良くないと聞いた事がある。

普通の人間と違って僕と魂で繋がってる為、そう簡単には死なないが、ほっとくのはまずい状態だ

 

《遊奈、ちょっと待ってて!僕が助けを呼ぶから!ローザ!》

 

《分かってます。私はこの事を遊斗達に》

 

ローザを呼ぶと彼女は直ぐに現れ、遊斗達の元へ向かってくれた。

 

 

ピシッ

 

! なんで、こんな時に時空が裂ける音が聞こえるんだ!

 

最悪な状況で思わず舌打ちをしたくなるが今は遊奈を助けるのが先だ。

 

 

不審者、後でぶっ飛ばす…!

 

そう心に誓いながら、助けを呼ぶ為にこの場から離れた。

 

 

───────────────────────

 

ーSide/???

 

「いててて…参ったぜ…どこだ?ここ?」

 

《ルビルビ?》

 

「俺は大丈夫だよ。しっかし、慌てて入った時空だったから、ここがどこだか分かんないや」

 

《そこの君!》

 

「ん?」

 

誰かに呼ばれて後ろを向くと、そこには虹色の翼を生やした白い龍の精霊がいた。

 

 

───────────────────────

 

ーSide/ファントム

 

 

遊奈を助ける為に助けを呼びにあちこち動き回ったが、そもそも、精霊を見聞き出来る人間がいないと話にならず。

気づけば、先程、時空が裂けた場所の近くにいた。

 

ん? あれは…!

 

 

後ろ姿だったが、青い髪に青いジャケット、ヒラヒラの袖という特徴的な服を着た男の人を発見した。

しかも、よく見ると彼からは強い精霊の気配と遊奈と似たような気配を感じる。

そして、彼は紫色の猫のような精霊と話していた。

 

彼がなんで、この世界に来たのか分からないが藁にもすがる思いで声をかけた

 

《そこの君!》

 

「ん?」

 

振り返った彼の顔は、自分が思った通りの人物で、思わず名前を聞く。

 

《君!ヨハン・アンデルセンだろ!?》

 

「そうだけど…なんで、俺の名前…」

 

《君の娘から聞いてる!それよりも助けて欲しい!遊奈が!君の娘の龍奈が大変なんだ!》

 

「龍奈がここにいるのか!?…分かった!案内してくれ!」

 

《ありがとう。着いてきて!》

 

死んだはずの娘の名前がファントムの言葉から出てきて、驚いた様子だったが、質問よりも動くのが先だと分かったのだろう、ファントムの後を追いかけ走ってくる

 

《僕の名はファントム。オッドアイズ・ファントム・ドラゴンの精霊だよ。今は諸事情で、オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴンの姿になってる》

 

「そうか、ファントム一つ質問いいか?」

 

《なんだい?》

 

「さっき、龍奈の事を遊奈って言ってたよな?」

 

《…今のあの子の名前さ。あの子は転生して榊遊奈になったんだ。詳しい話は後にして今は急ごう》

 

「…分かった」

 

ファントムの言葉に納得するように頷くヨハンを見て、二人は更にスピードを上げた。

 

 

 

《遊奈!》

 

しばらく進んでようやく遊奈の所へ着いた。

路地裏だった為、相変わらず、倒れた遊奈以外は人気がない

 

「…しっかりしろ。…頭を打ったのか?」

 

《うん。時間的に気を失ってから10分くらいだと思う》

 

「…脳震盪か?とりあえず、傷を塞ごう」

 

そう考えながら、ヨハンは力を使い遊奈の頭の傷を癒していく。

 

しばらくすると傷口は塞がり、遊奈の身体が微かに動く

 

《しっかりして!》

 

「遊奈!」

 

 

───────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

《…奈!しっ……して!》

 

「遊…!遊奈!」

 

「…ん」

 

誰かの呼ぶ声が聞こえてきて意識が浮上する

 

この声は…ファントムと誰だっけ…?

 

どこか聞いた事がある声に懐かしさを感じながら目を覚ます。

 

「遊奈!大丈夫か?」

 

「…え。私、死んじゃったのかな?だってお父さんがいるはずないもん…」

 

目の前の光景に頭が理解出来ずに思わずそう呟いてしまった。

だって、前世で私の父親だった、ヨハン・アンデルセンその人がいたのだから

 

「しっかりしろ。ちゃんと生きてるし、父さんも生きてるよ」

 

ヨハンは苦笑いを浮かべながら遊奈をゆっくり抱き起こすと、遊奈の頭を撫でてあげた

 

その感覚に、やっと現実だと理解した途端、今度はどうしようもない感情が湧き上がり、それは涙に変わっていった

 

「お父さん…」

 

「うん。俺はここにいるよ」

 

「お父さん!うえぇーん!」

 

そう言ってヨハンは遊奈を抱きしめると、遊奈は今まで泣けなかったのが嘘みたいに素直に子どもらしく大声をあげながら泣きじゃくった

 

 

「……落ち着いたか?」

 

「うん…ひっく…。ありがとう、お父さん」

 

「家族なんだから当たり前だろ?それにファントムが助けを求めてくれたんだ。お礼ならファントムにも言ってくれよ」

 

「そうだったんだ。ファントムもありがとうね。わざわざ飛んで探してくれたんでしょ?」

 

《うっ、時空が裂けるのを感じたんだ!まあ、ヨハンだったから良かったけど…》

 

オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴンの姿のままのファントムを見ながらそう言うと、照れてそっぽを向いていつもの姿に戻ってしまった。

 

「いったい、何があったんだ?」

 

「あっ!黒咲さん!ってもういなくなっちゃったか…」

 

ヨハンの質問に今までの事を思い出して慌てて辺りを見渡すが、誰もいなくなっていた

 

《あいつなら、遊奈が気を失った時にはいなくなってたよ。次会った時は絶対にぶっ飛ばしてやる!》

 

「黒咲?」

 

「えっとね…」

 

カクカクシカジカ今までの事を話す

 

「なるほどな。すまない。ずっと1人にしてしまって…」

 

「ううん。こっちこそごめんなさい…。勝手に人を捨てて、勝手に死んで…」

 

「遊奈がそう判断して、後悔してないんだろ?確かに、親としては普通の人としての人生を歩んで欲しかったけど、お前が決めた事なら俺も、母さんも何も言わないさ」

 

「もう、血の繋がりも無い今でも私の事、家族だと思ってくれるの?」

 

「当たり前だろ。血が繋がってなくてもお前は俺と母さんの立派な娘だ。母さんもきっと同じ事を言うと思う」

 

「ありがとう…」

 

昔と変わらない、慈愛を感じる微笑みにまた、泣きそうになるのをこらえる。

 

「にしても、父親としては娘を傷つけた奴とちゃんとお話したい所だな…」

 

ちょっと怖い顔をしてる父に、あ、黒咲さん終わったなと思ってしまった。

 

「まあ、彼も妹を「遊矢くーん!!」…あれ?ニコさん?」

 

一応、フォローを入れようとしたが、そこにニコさんが私を呼ぶ声でキャンセルする事になった。

 

うん。やっぱ、骨は拾ってあげる…

 

そう心の中で合掌しながら、ヨハンと共に立ち上がって(立ちくらみでクラっとしたが、父が支えてくれた)駆け寄ってくるニコさんに向き直った。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。ちょっと立ちくらみしただけ…」

 

「遊矢君!こんな所で何やっているんですか!試合に遅れてしまいますよ!

 

「すみません。ちょっと体調が悪くなったみたいで、休ませていたんですよ」

 

「そうだったのですか!?わざわざすみません!遊矢君大丈夫ですかな?」

 

「あ、はい。大丈夫です。だいぶ回復したんで、試合は出来ると思います」

 

「試合?」

 

「うん。ジュニアユースっていう大会の参加権の為に、後3回公式戦でデュエルしないとなんだよ。えっと…時間は何とか大丈夫かな?」

 

時計を見ながらそう呟く

 

「へぇーそうなのか。なあ、それって俺も観ていいか?」

 

「おと…ヨハンさんが応援してくれるなら心強いな」

 

流石にお父さん呼びは変に思われちゃうか…

お父さんも流石に気づいてくれてるみたいだ。

少し悲しそうにはしていたけど

 

「なら、一緒に行きましょう。これから路面電車に乗りますよ」

 

ニコさんの言葉に頷くと駅に向かって動き出す。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたな。私の名前はニコ・スマイリー。榊遊矢君のマネージャーをしております」

 

「俺はヨハン・アンデルセンだ。よろしく」

 

「よろしくお願いします。ヨハンさんですか、外国の方のようですが遊矢君とはどういう…」

 

「遊矢とは昔から実の子のように可愛がっていたんですけど。仕事の関係でしばらく日本を離れていたんです。帰国したら体調が悪そうな遊矢に会ってびっくりしましたよ。未だに俺の事をもう1人の父のように思ってくれてるようで安心しました」

 

「おと…ヨハンさん、恥ずかしいからやめてよ」

 

「そうだったのです…遊矢君も両親がいなくなって心配していたのですが父のような存在がいてくれて安心しました。別に無理しなくても大丈夫ですよ」

 

「ニコさんまで…//」

 

ニコさんの無理とはお父さんを名前で呼ぶ事だと気づき、二人の顔を見ていられなくなりフードを深く被って、二人より前に出て歩く

 

 

───────────────────────

 

ーSide/ヨハン

 

 

「すみません。照れてるだけだと思うんで気にしないで下さい」

 

「分かってますよ。いやー遊矢君のあんな顔初めて見ました。多分あなただからですね」

 

「そうですかね?だといいんだけど」

 

「自信もって下さい。今の彼には貴方が唯一頼れる大人なんだと思いますから」

 

「そうですね。分かりました」

 

ニコさんの言葉に、見た目は派手だけど人を見る目はあると感じ、彼ならマネージャーとして遊奈を支えてくれるだろうと確信した

 

 

───────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

《大丈夫かい?》

 

大丈夫…。久しぶりに心をかき乱してしまった…

 

《気にすることないよ。僕としては昔の君に戻ったみたいで嬉しかったよ》

 

ファントムまでそういうこと…

 

「遊矢君大丈夫ですか?」

 

そう、ニコさんが横から声をかけてきたので少しびっくりしてしまった。

いくら電車の中に乗ったからって気を許し過ぎだ。

気を引き締め無いと…

 

「さっきからボーとして」

 

「大丈夫です。少し考え事していただけなんで」

 

「そうなんですか?ところで、遊矢君はクイズとかは得意ですか?」

 

「クイズですか?まあ、人並みだとは思いますが…」

 

今でもアストラル達と一緒にクイズ番組を見たりしてるから多分大丈夫だとは思う

昨日も今日の為にクイズ番組をある程度みて復習したし

 

「そうですか。なら大丈夫ですかね?」

 

そうニコさんがもらすと、ちょうど降りる駅に着いたらしく降りて目的の場所に向かった




という事で、無事赤遊要素とヨハン出せたよ!やったね!

まあ、赤遊ってより赤→遊に近いですけどw

本当はヨハンの話も出したかったのですが、ニコさんが邪魔して出来ませんでした笑
次の次くらいには出せるんじゃないかな?←(すっとぼけ)

おまけで、ローザサイドを載せさせてもらいます。


おまけ
───────────────────────

《いた!遊斗!それに遊馬と零もいますね!》

「ローザ?そんなに慌てて何があったんだ?」

「まあ、とりあえず落ち着けよ?ほら?深呼吸」

《…すみません。取り乱して…》

遊馬の言う通り落ち着かせると、何があったのか話す

「はあ!?隼の奴が!?」

「あいつ…遊奈まで巻き込みやがって….許さねぇ!」

「落ち着け。二人とも」

「落ち着いてなんか居られねぇだろ!お前だって自分の妹を傷つけられてんだぞ!」

「真月落ち着けって!ちゃんと遊斗を見てみろよ…あいつ、本当は、はらわた煮えくり返ってるんだ(ボソッ)」

遊馬に言われて遊斗をよく見ると微かに手が震えている
それを見てハッとした真月は冷静さを取り戻した

「すまねぇ。それより遊奈は?」

《遊奈は…。! ああ、よかった。先程意識を取り戻したみたいです。もう大丈夫ですよ》

「そうか、無事なんだな。隼がいた場所はどこだ?」

《街の中心部の方だったはずです。案内しますよ》

「遊馬はこれから試合だろ?なら俺と遊斗の2人で行くからお前はデュエルに集中しろ」

「分かった」

───────────────────────

こんな感じで遊奈達とは入れ替わりで例の路地裏に向かいます。

補足として、ローザは、ファントムを通じて遊奈が無事だと言うのは分かっていますが、ヨハンの事とかは知らないまま、遊斗達と行動します

ヨハンの事を知るのは遊奈達が帰ってきてからになる予定です。

では、ここまでありがとうございました。
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