※暴力シーン注意です。
ーSide/遊奈
あの後、分析室のチームを紹介してもらい、また後日会うことになった私は零児と別れL.Cを後にして家に向かっていた
沢渡議員も帰ったみたいだし、夕日も落ちてきたから暗くなる前に早く家に帰らなきゃ。
…ん?あれは…
「柚子!素良!」
「ん?あ、遊奈!」
「こんなところで会うなんて奇遇だね」
修行帰りの柚子と素良に気づいて声をかけると、気づいた柚子達がそう言いながら私の側まで来て一緒に歩き始めた。
「うん。ちょっと零児…赤馬社長に会ってたんだ」
「あの赤馬社長に!?酷い事されてない!?」
「何でまたぁ?」
「柚子落ち着いて。ほらこの前、迷惑かけたお詫びと私が大会に出るのが決まったからそれのお祝いの言葉を送りたかったみたい」
「なるほどね。でも信用して平気なの?」
「柚子が思ってるほど零児は悪い奴じゃないよ。だから安心して?」
「ならいいんだけど…」
少し納得がいかないような柚子に苦笑いする
まあ、前回会った時は結局有耶無耶になってしまったから仕方ないかな
「にしても名前呼びとは随分仲良くなったんだね?」
「そうよ!どういう事かしら?」
「え、えっと…実は私は覚えてないんだけど、昔零児と会ってたみたいなんだよね」
「社長さんと?それはまたすごいね」
「でもこの前会った時はそんな素振り見せてなかったじゃない。騙されてない?」
「そんなことないと思う。何となくだけど零児と話してて懐かしい感じがしたし、それに嘘つくメリットもないでしょ?」
「うーん…」
「まあねぇ」
柚子だけじゃなく素良まで…
零児の信用の無さに逆に笑えてくる
実際にファントムは絶賛大爆笑中だ
「ところで柚子達は…《遊奈!》…柚子!素良!走るよ!」
「え?ちょっと遊奈!?」
「う、うん!」
ファントムが何かに気づいたのと同時に複数の悪意と人の気配を感じ、曲がり角で柚子の手を繋ぎ2人に一言声をかけると全力で走り出す。
素良も何か気づいたのかあまり抵抗せずに一緒に走ってくれる。
悪意を持った人の気配を避けながら走っていた為、気づけば更に人気が無い場所にある行き止まりの空き地に来てしまった。
「行き止まり!(しまった!誘導されたか!)」
「いきなりどうし「遊矢!」」
「「!」」
素良の呼び掛けに振り返ると黒スーツにサングラスといういかにも裏世界の人間といった出で立ちの男が複数人現れ唯一の脱出経路を塞がれてしまう
「いきなり何なの…?」
「こいつらは…?」
「分からない…。でも2人共警戒してくれ…」
警戒をして小声で会話をする
「榊遊奈だな?主がお前を所望している。大人しく我々に着いてくるなら手荒なことはしない」
リーダーらしき男がボイスチェンジャーを通したような声で確認してくる。
「何の話かな?俺は榊遊矢。遊奈なんて奴知らないな?」
「ククク…隠さなくてもいい。お前の身体に宿るその
「《!?》」
「?!(遊奈に宿った白き竜?なんの話しだ?)」
「どういう事…?」
ファントムが見えてるのか!?
いや、見えてるだけじゃない私の中に宿っているファントムの魂を感知したって事だ
《グルルル…!》
「いったい何者…?そのサングラスもただのサングラスじゃないみたいだし」
ファントムが男達に向かって威嚇をする中、焦りを隠すように笑みを浮かべながら問いかける。
少しでも時間稼ぎが出来るように…
「ククク…時間稼ぎのつもりか?無駄だ」
後ろの方にいつの間にか待機していた男から放たれた銃弾がファントムに当たるとファントムを隔離するような膜が現れ、閉じ込められてしまう
《!なんだ!?これ!?出せ!》
「ファントム!」
ファントムに触ろうとしてもカプセル状になった膜に電流か何かが流れているためバチッと弾かれてしまう
「これってオッドアイズ!?」
「どうなってるの??」
どうやら柚子達にもファントムが見えるようになっているらしい、あのカプセルが原因か?
そのままファントムはカプセルのせいで引っ張られ、奴の手の中に収まってしまう
「お前!ファントムに何をした!」
「怖い怖い。ただこのデュエルモンスターズの精霊を隔離しただけだぞ」
「隔離だって?ふざけてないでファントムを返せ!」
「そんなに息を荒らげるのは良くないと思うぞ?」
「うっ…!」
急に息苦しさを覚えると立っていられなくなりガクッと膝から崩れ落ちる
「はぁはぁ!」
《はぁ…はぁ…》
何があったのかとファントムの方を見るとカプセルの中で同じ様に息苦しそうにしていた
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ーSide/素良
「遊奈!」
「遊奈!しっかりして!貴方達、遊奈に何したの!?」
崩れ落ちた遊奈に柚子と共に慌てて駆け寄り男達に殺気をとばすが、男達はそんな殺気をものともせず、やれやれと呆れたように返す
「言わんこっちゃないな…。何も分かってなさそうなガキに説明してやろう。こいつはデュエルモンスターズに宿ると言われてる精霊さ。聞いたことくらいはあるんじゃねえか?」
「デュエルモンスターズの精霊…」
「これが…」
男が後ろ手で指を指す。
2人はオッドアイズ・ファントム・ドラゴンに視線を向ける。
よく見ると遊奈と同じくらい呼吸が荒くなっている。
「従来、カードに宿る精霊はカードを通して精霊界から空気を吸っているんだ。さて、このカプセルは精霊を隔離するモノだ。ここまで来れば察せれるんじゃないか?」
「…はぁ、精霊は、カードから、隔離されれば、生きて、いけない…」
「そんな!?」
「でも、何で遊奈まで息苦しそうなのさ!」
「さっきも言ったが、そいつの身にはこの精霊の魂が宿っているのさ。いや、正確にはこいつは精霊と魂を融合した化け物さ」
「精霊と魂の融合…?」
「遊奈が…?」
「っ………」
2人の視線が遊奈へ向けられる
「そうさ。だから、半身である精霊を隔離すれば、それはそいつにも影響が出る。まあ、普通の精霊と違って死ぬ事は無いだろうがな。化け物の癖に人間と仲良くなんざ反吐が出る」
「ふざけないで!遊奈の事何も知らない癖に!遊奈は私の大切な親友よ!」
「お前の言葉が真実なんだとしても、遊奈は化け物なんかじゃない..!」
僕、何でこんなに必死になっているんだろう?
何でこんなにも怒りが湧いてくるのだろうか…?
そんな事を心の片隅に思いながらも男を睨みつける
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ーSide/遊奈
「ふざけないで!遊奈の事何も知らない癖に!例え人じゃなくても、遊奈は私の大切な親友よ!」
「お前の言葉が真実なんだとしても、遊奈は化け物なんかじゃない..!」
「柚子…素良…」
そう言って私を庇うようにデュエルディスクを構えた2人を見上げる。
くそっ!力が抜けていく…
何も出来ない状況に唇を噛み締める
「友情ごっこって奴か?泣けるね。それでデュエルか?無駄だ、俺の周囲にはデュエルディスクを妨害する電波が放たれている。つまりデュエルは出来ないって事さ!」
「なんだって!?」
「そんな!?」
「安心しな。お前達はここで死んでもらう。まあ、口封じって奴だな」
男達は銃の安全装置を外す音を聞いてさあっと青ざめる2人
2人を殺させるわけにはいかない。私のことを知っても私を見てくれた彼女達を…!
ファントム…!
《(…分かった)》
さすが相棒。アイコンタクトで私の考えを理解してくれる
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ーSide/柚子
あいつ、今私達を殺すって言った…?!
男の言葉に頭が一瞬真っ白になる
冗談ではなく本気だと嫌でも分かってしまい、身体が震えるのを必死で抑える
ダメ!遊奈は今動けない。なら、私と素良で何とかしないと…
「柚子、素良…」
「遊奈…?」
「どうしたの…?」
しゃがんだ状態で必死に考えていると後ろから声がかかり遊奈と目が合う
「遊奈…その眼…」
「綺麗…」
思わずそう呟いていた
遊奈の瞳はいつもの赤色では無く、紅と翠に輝いていた
思わず見入ってしまっていると遊奈が安心させるように笑いかけるのを見てさっきまでの恐怖が溶けていくのを感じる
「ありがとう…2人とも。化け物じゃなくて、私自身を見てくれて、嬉しかった…」
「何言ってるのよ…!当たり前でしょ…!?」
「そうだよ…!柚子の言う通りだよ」
「うん。だから2人は逃げて」
遊奈に背中を触れられると身体が光り出す
「「「「「「!?」」」」」」
「「遊奈!?」」
「大丈夫。私も脱出、出来るよう頑張るから」
ニッとイタズラが成功したような表現を浮かべた遊奈を最後に見る。
そのまま光に飲み込まれて、少しの浮遊感を感じた後、突然光がなくなり、代わりに重量で、下に落ちておもっいきり身体を床に打ち付けてしまう
「「痛たた…!」」
「君達は…!?」
驚いた声がする方を見るとそこにはヨハンさんがいた
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ーSide/遊奈
「貴様!あいつらをどこにやった!?」
「がはっ…!」
《遊奈!!》
腹部に鋭い衝撃が走る。先程柚子達を飛ばしたせいで限界になっていた身体は簡単に吹っ飛び、ファントムの叫び声が響く中、地面を数回転がる
「チッ…化け物が」
少しずつ意識が薄れていく中、男がそう吐き捨てる音を拾う。
それにひそりと笑う
先程、気づかれないように零児に信号を送った。
柚子達もお父さん達がいれば保護してくれるはず。
薄れゆく視界の中で泣きそうな相棒を見た気がした…
文章力が欲しい…
拙い文で申し訳ないです。