※この作品はR-18です。

遊戯王ARC−V 幻影の魔術師   作:しょごりゅう

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やっとここまで来た…
あ、皆さんに聞きたいんですがこの作品、R18に一応してあるんですが、前まではR15で一般公開してたんですよね。
恐らくガッツリなシーンとか書かない(書けない)と思うんですよね。恐らく前の前の話の冒頭に書いたくらいしか書かないと思うんです。
それで、あれってR18に値しますかね?R15とR18の境目がいまいち分からないんですよね。
ガッツリ致してるシーンとか書いたらそりゃあR18になりますけど、そこまで書いてないので…なんで、この作品R15として出しても大丈夫か、それともその部分をカットしてR15とするか、それともこのままR18に知るべきかアンケート取りたいと思います。
御協力よろしくお願いいたします。
長々と失礼しました。本編どうぞ!


第26話 開催!舞網チャンピオンシップ

 

遊勝塾の前に隼を覗いたメンバーが集まっていた。

 

「遊奈、柚子、素良、遊馬、タツヤ、アユ、フトシ!遂にこの時が来た!我が遊勝塾の塾生全員が舞網チャンピオンシップ出場出来るとは!俺は、俺は…お前達をっ誇りに思うぞー!!って!?」

 

涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった修造おじさんが抱きついてこようとした為、一斉に半々で交わして避けるとそのままおじさんは勢い余って地面に倒れ、コントのように走ってきた自転車に轢かれる

 

「……なぜ避けるっ」

 

「お父さんテンション高すぎ…」

 

「まだ会場にも行ってないのに…」

 

恨めしそうに言うおじさんに、柚子とアユが呆れたように言う

今回ばかりは私も柚子達と同意見かな…

 

「とりあえず、落ち着いてくださいよ。普段落ち着かない遊馬君も落ち着いてるんだし」

 

「おい!一言余計だ」

 

「2人も落ち着きなよ。零も遊馬を煽るな。遊馬も零の挑発にいちいち乗らない」

 

「「…はーい」」

 

「あ、えーとすまなかったな」

 

「まあ、我が子や生徒が大きい大会に出るってなれば浮かれるのも無理ないですよ。俺も嬉しいですしね。ところで、今回の大会ってどうなってるんですか?」

 

「では改めて説明しておくぞ!舞網チャンピオンシップはジュニア、ジュニアユース、ユースの3つのクラスに別れて行われる。タツヤ、アユ、フトシはジュニアクラス」

 

「「「はい!」」」

 

「遊奈、遊馬、柚子、素良はジュニアユースクラスで出場だ!」

 

「「「「はい」」」」

 

「言うまでもないがLDSが主催する舞網チャンピオンシップには、舞網市内全てのデュエル塾だけでなく、日本中いや、世界中から出場資格を満たした者が集まってくる。我が遊勝塾のエンタメデュエルのアピールの為、何が何でも全員優勝を目指せ!今、この瞬間からお前達は共に学んだ仲間であるのと同時に互いにライバルとなるのだ!皆全力で戦え!迷うな!悔いるな!自分が学んできた事を信じて燃えろ!熱血だぁ!」

 

一人で燃えてるおじさんを、みんなスルーして車に乗り込む…のを見てその場をそっと離れた。

 

 

──────────────────────

 

MCSの会場が見える大きな橋の真ん中の柵に座ってスタジアムを見つめる。

 

ここは3年前、父達が失踪する前日に母を除く家族全員で来た場所だった。おそらく今頃みんな心配してるだろうけど、どうしても大会前にこの場所に来たかった。

 

昔の記憶が蘇る…

 

「今度のちょうせん者、ストロング石島ってすごくつよいんでしょ?」

 

「でも、親父ならいつもの様に勝ってくれるだろ?なぁ?」

 

「分かりませんよ?遊吾。父とてぜったいに勝てるデュエルなんてモノはないんですから」

 

「おい遊里!」

 

「遊吾落ち着け。遊里はかのうせいの話をしただけだ」

 

「って言って、遊斗もしんぱいなくせに」

 

「な!?そんな事は…」

 

「確かに遊奈が言うように強いが、まあ心配するな。どんなに強い相手でも父さんは精一杯頑張る。だからお前達もジュニア選手権頑張れよ」

 

「「「「うん!」」」」

 

「絶対優勝して、親父みたいな決闘者になる!」

 

「遊吾、それは少し違うな。父さんみたいじゃなくて、遊吾は遊吾らしさを大事にするんだ。これは遊奈、遊斗、遊里にも言ってるんだぞ」

 

遊吾の頭を撫でた後、遊奈、遊斗、遊里の順に頭を撫でられながらそう父は語る。

 

「分かった!俺は俺の目指す決闘者になる!」

 

「僕も負けませんよ」

 

「ああ、俺も負けるつもりは無い」

 

「みんなライバルって訳だね。私も同じだよ!」

 

川と海が合流する場所だからか潮風がマントを煽る。

それをどこか遠くで感じながら、普段頭に着けているゴーグル越しに、首から外したペンデュラムのネックレスを持ち上げそれを眺める。規則正しく左右に揺れるペンデュラムを見ていると頭が空っぽになり落ち着いてくる

 

「やはり、ここに居たか」

 

「遊斗…!」

 

声にハッとして後ろを見ると遊斗がやれやれと言った顔をして隣にきて柵に身体を預ける。

 

「懐かしいな。3年前、ここで父と皆で話していたな」

 

「…うん」

 

「お前がいなくなってみんな心配してる」

 

「うん。…ねぇ遊斗これから本格的に始まるんだね…」

 

「…辛いか?」

 

「お母さんを助け出したい。でもデュエルは人を傷つける物なんかじゃない。でも、それを悪用してるのなら止めなくては行けない。覚悟は出来てる。でも、他にも方法がないのかと諦めきれないんだ」

 

「俺も、遊奈と同じ気持ちだ。デュエルでみんなが笑顔になれる世界を取り戻したい。だから俺は戦うんだ」

 

「……Originに飲まれた時、遊斗の記憶を見たんだ。前世で似た世界に暮らしていたからかな…崩れていく街を、人々を見て涙が止まらなかった」

 

「…そうか」

 

「だから…辛くても、みんなが笑顔になれるよう私は戦うよ。それこそ、敵も笑顔になれるようなデュエルをしてみせるんだ!」

 

「敵も…か…遊奈らしいな」

 

「うん。遊斗と話してスッキリした。ありがとう遊斗」

 

「なら、行くぞ。主役が遅れちゃあカッコつかないからな」

 

新たな決意を胸に遊斗に手を引っ張られるようにスタジアムに向かった。

 

──────────────────────

 

 

「榊遊矢が逃げたってさ…!」

 

「ええ〜父親と同じじゃん!」

 

会場中に遊奈の悪い噂が広がっている中、柚子達を見つけたので駆け寄りながらみんなを呼ぶ。

 

「あ!いたいた!みんなー!」

 

「すまない!遅くなった!」

 

「「「遊矢お兄ちゃん!」」」

 

「遊矢…もう!急にいなくなって心配したんだからね!」

 

「そうだぜ!ヨハンさんやおじさんも心配していたからよ、後で謝れよ?」

 

「前にも言ったよな?こういう時は連絡入れろって、忘れたとは言わせねぇぞ」

 

「ごめん。ちょっと用事があってさ。それよりも、そろそろ入場でしょ?並びに行こうよ。それじゃあ零に遊斗行ってくる」

 

「ああ、頑張ってこい」

 

「はぁ…まあ、しゃーねぇから応援してやんよ」

 

「もう。遊矢ったら…」

 

「あはは、ごめんって……」

 

会場に向かうべく歩き出すが目の前の男の人に気づいて足を止めるとそいつは振り返って私を見下ろしてくる

 

「久しぶりだな。弱虫」

 

「貴方は…一体何の用?」

 

ニヤニヤと嫌な笑みを向けて来る奴は3年前、誘拐事件が起きる前に虐めてきた…名前は確か暗黒寺。権現坂の兄弟子で今は破門されたと聞いてる。

一瞬フラッシュバックしそうになるがファントムのおかげで何とか平常心を保つと、なんでもないように返す。

 

「大事な大会前だから、てっきり逃げ出したのかと思ったぜ。お前の親父みたいに」

 

「父は父だよ。関係無い」

 

まだ近くにいた遊斗達が来ようとするのを目で制しながら、嫌味をバッサリ切り捨てる

 

「チッ、お前みたいなやつがストロング石島を破ったなんて俺は認めねぇ!」

 

《あー、そういえばこいつストロング石島のファンじゃなかったっけ?3年前も、いちいちウザ絡みされてた記憶があるよ》

 

ファントムがげんなりした様子で当時のことを語ってくれる。

 

「…誰?」

 

「…さぁ?」

 

「「……」」

 

素良がタツヤに訪ねてる傍で 柚子は動揺して動けずに、遊馬も遊奈に来るなと訴えられた為、動けずにいる。

 

「なんなら今ここで、俺が叩き潰してお前が本当は腰抜けだって事を証明してやろうか?ああん?」

 

「くだらないな。そんなことしたところでなんの意味もない。決闘者なら正々堂々大会で決着つけなよ」

 

「何だと!」

 

私の言い方に頭に血が上ったのか暗黒寺に手首を掴まれ引き寄せられる。それに一瞬顔を顰めながらも、奴の目を真っ直ぐ睨みつける。

 

「っ…私は逃げも隠れもしない」

 

「そこまでだ、暗黒寺ゲン」

 

「権現坂!」

 

暗黒寺の方に手を乗せ、二人を止めたのは権現坂だった。

権現坂に止められた暗黒寺は舌打ちをしながら私の手を離す。

 

「へ!兄弟子を呼び捨てか。偉くなったもんだな権現坂」

 

「あんたはもう兄弟子ではない」

 

『まもなく入場です。選手の皆さんは各チームのプラカード前に整列して下さい』

 

「へ!俺がぶっ潰すまで精々頑張るこったな」

 

一触即発の雰囲気だったが集合の放送が流れ、興が削がれたのかそう捨て台詞を吐いて行ってしまった。

 

「はぁ…」

 

「大丈夫か?遊矢。まさかあいつとここで会うとはな」

 

「だね…。まあ大丈夫だよ。そんな事より権現坂、君も出場出来たんだね!」

 

「おう!この男、権現坂。登録締切ギリギリで勝率6割を勝ち取った」

 

「そっか良かった!権現坂」

 

手を差し出すと彼も意味を汲み取ってくれて握り返してくれる。

ライバル同士、お互いに頑張ろうと…

 

──────────────────────

 

 

『皆様ー!大変長らくお待たせしました!年に一度の決闘者達の祭典、舞網チャンピオンシップの開幕でーす!!開幕式の進行はこのニコ・スマイリーが努めさせていただきます!一それでは!選手の入場でございます!』

 

『さあー!!入場行進が始まりました!先頭は昨年、全クラス優勝という偉業を成し遂げたLDS、レオ・デュエル・スクール!毎年多くのプロ決闘者を輩出している優れた名門からは今年も最も多くの選手が出場しております!』

 

入場行進の順番待ちをしながらテレビ中継を見ていると、LDSの行進中に黒咲隼がいるのを発見する

 

「あれ?なんで隼君がLDSに??」

 

「あ!どうしてLDSに!?」

 

柚子と思わず顔を見合わせてから遊馬の方を向く

 

「あーなんか零児からの依頼だっていってたかな?」

 

「ええ…聞いてないよ」

 

あー、そういえばアニメでもこんな展開だった気がする。

 

「あの人は遊馬達の知り合いなんだよね?」

 

「ああ、まあ見た目こえーけど、根はいい奴だからさ」

 

「ここだけの話、彼がLDSに被害を与えていたのは勘違いからだったんだよ。今は誤解が解けて零児と協力する仲になってるよ」

 

「そうなの…?ならいいんだけど…」

 

柚子の耳元でこそこそ話をすると一応は納得してくれたようだ。

テレビ中継に視線を戻す。

 

『続いては武闘派決闘者達の総本山、梁山泊塾です!エースの勝鬨勇雄(かちどきいざお)君は昨年のジュニアユース準優勝者!今年こそは打倒LDSに燃えております!そしてそして!海外参加の国際チーム、ナイト・オブ・デュエルズ!』

 

次々と呼ばれていく中、遂に遊勝塾の番がまわってきた。

 

『続いてはエンタメデュエルで話題の遊勝塾です!』

 

「遊矢!みんな楽しんで行けー!」

 

「頑張れよ」

 

「ふん…」

 

「うおー!遊勝塾ファイト!!」

 

観客席から聞こえる-特におじさんの声が- 方へ手を振る。するとあっちこっちからファントムコールが聞こえて来た。それに内心驚きながらも顔には出さず笑顔で会場全体に手を振る。

 

『この遊勝塾所属の榊遊矢君は新たな召喚法、ペンデュラム召喚で話題!ファントムとの二つ名で今大会注目の1人です!!』

 

ふと、スタジアムの観覧席を見ると零児達がいた。私が見たのに気が付くと微笑んでくれる。そばにいた零羅も手を小さく振ってくれていた。

 

それに先程とは違う笑顔で零児達に返すと前に向き直った。

 

しばらくして、選手が全員並び終える

 

『えーここに集まった君達は、数多の決闘者の中から勝ち上がった精鋭達です。フェアプレイ精神で全力を尽くしたデュエルを期待します』

 

市長の挨拶に会場が拍手に包まれるとニコさんが変わる

 

『続きまして、選手宣誓を行います!選手代表はー遊勝塾、榊遊矢君!!』

 

ファッ?

 

「遊矢が選手宣誓!?」

 

えーちょっと待って聞いてな…

 

思わず固まってしまった中、あれよこれよと壇上に上がらされてしまう。

 

「遊矢君、これもエンターテイナーへの一歩、さあ、お願いします」

 

うう…腹くくるしかないかぁ。話さないといけないこともあったし、少し前倒しになっただけだ。うん

 

『… Ladies(レディース) and(アンド) Gentleman(ジェントルメン)!! Boys(ボーイズ) and(アンド) Girls(ガールズ)!これより選手宣誓!っと行きたいところですが、ここは私の話を聞いてください。私は皆さんに隠していたことがあります。私の本当の名前は榊遊奈。あの榊遊勝の娘です」

 

性別を偽っていた事を暴露すると、会場が騒然する。柚子や権現坂も驚いたように私を見ていた。

 

『私が榊遊矢として性別を偽っていたのには訳があります。先程も言ったように私の父さんは決闘者の榊遊勝です。世界最高のエンタメ決闘者です。でも、皆さんも知っての通り、3年前デュエルが始まる前に私と母だけを残して、私の兄弟と同じように失踪しました。そして、そんな母も、家族が失踪して数ヵ月後に…亡くなりました。一人残された私はみんなに逃げた決闘者の子ども、親に捨てられた子だと色々言われましたが、家族がいなくなってしまった私にも心配してくれる友や大人がいました。しかし、その更に数ヵ月後、私は誘拐されそうになっていたある子を助ける為に奮闘しましたが、呆気なく2人して攫われてしまいました。その子はお金持ちの子だったみたいで、身代金目的の誘拐だと後で知りました。ですが私には身寄りがいません。犯人達は私が榊遊勝の子どもだと知っていたようで、金にはならないと知った途端、……襲ってきました』

 

会場がシーンとなる。緊張からか、トラウマからか、ドキドキうるさい心臓を鎮めるため深呼吸すると続きを語り始める。

 

『その後、警察のおかげで救助されましたが、私はPTSDと診断されました。それから私は何とか日常生活を送れるようになりましたが、未だに世間は私には冷たく、自分を守る為には性別を偽るしかなかったのです。ですが、月日が経ち事件が解決したのかと言うとそうではありませんでした。犯人のうち一人は捕まっていなかったのです。3年後、犯人はまた私を攫いました。今度は身代金目的では無く私自身が狙いでした。時計も無く陽の光が差さない、時間の間隔が無くなる場所で私は監禁されてました。でも、私をあの地獄から助けてくれた人がいました。そして、こんな私を愛してくれました。…その人の為にも、そして何より自分のためにも、今の本当の私を、私のデュエルをしたい!もっと皆に私のデュエルを知ってもらいたいって思うようになりました。そして、私は誰かの笑顔になれるような、誰かの心に残るような、そんなデュエルが出来る最高のプロ決闘者になりたいです!自分も相手もみんなもデュエルが好きになる…そんな決闘者に、なりたいです!』

 

私の話が終わった瞬間、観覧席の方から拍手がされると堰を切ったように会場全体から拍手が響き渡る。

 

それに内心びっくりした私は顔を上げ会場を見渡してしまう。

 

《大丈夫。君を悪く言ってる奴はいないよ》

 

う、ん…何だろ…すごく安心した。

 

性別を偽っていた私の罵倒が聞こえてくるのではないかとヒヤヒヤしていたが杞憂に終わったようだった。

 

『エクセレント!榊遊矢君改めて榊遊奈さんの選手宣誓もとい決意表明でした!』

 

ニコさんの挨拶にお辞儀をすると元いた場所に戻る。

 

──────────────────────

 

ーSide/ヨハン

 

「遊奈っ…よく頑張ったなぁ…!。よく勇気を出したなぁ…!ヨハンさん、遊奈は確実に偉大なる決闘者、榊遊勝に追い付こうとしてますよ!」

 

「冗談じゃないな」

 

「え!?」

 

「あの子は遊勝さんを追ってませんよ。自分らしい最高の決闘者になろうとしてるんです」

 

「ヨハンさん…」

 

「伊達にあの子に父親と呼ばれてませんよ。それくらいの気合いがなければ、偉大な父をもったあの子は優勝なんて出来やしないですから」

 

「父も昔言ってました。父さんみたいじゃなく、俺達は俺達自信を大事にしろと」

 

「先輩がそんな事を…」

 

「ああ。遊勝さんの思いは遊奈もよく分かってるはずだ」

 

じゃなければ、あんな決意表明はしないだろうしな。

 

そう言って、どこか前よりも逞しくなった娘に若干の寂しさを覚えながらスタジアムの真ん中にいる遊奈を見つめた。

 

──────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

『では早速、1回戦の組み合わせを発表致します。選手の皆様は登録カードを各自ディスクにセットして下さーい』

 

「登録カードってこれの事か?」

 

「入場する前にもらった奴だね」

 

ニコさんの指示に従いながらカードを取り出す選手一同。

 

『登録カードは大会運営のコンピュータからの特殊な電波を受信し、皆さんの対戦相手をご案内します。もちろん勝ち進むにつれて、対戦相手も更新されていきます』

 

なるほどね。よく考えられてる

 

そう思いながらディスクにカードをセットすると、次の対戦相手は沢渡だった。

 

「ワオ!沢渡だ」

 

「私の相手は真澄!?」

 

《ワ〜コレって何の因果応報?》

 

あの社長め〜。絶対仕組んだな。

 

「…対戦日は明日みたい」

 

「私は今日の午後」

 

「俺は明日だ」

 

隣にいた権現坂も私と同じ明日のようだ。

 

「権現坂、貴方は誰と対戦するの?」

 

そう訪ねると権現坂はディスクを見せてくれる。対戦相手は暗黒寺だった。

 

これは完全にやってますな

 

「暗黒寺…」

 

「これが運命(さだめ)か…」

 

いや、多分どっかの社長のせい…

 

「俺はこの後直ぐに試合だ」

 

「私はその後」

 

「よし、それじゃあ今日はフトシ、アユ、柚子の応援だね」

 

「素良と遊馬は?」

 

「俺も明日だってさ。対戦相手は…LDSの奴みたいだな」

 

「あ、それ僕も。遊馬と同じでLDS」

 

「因みに誰?」

 

「俺は志島北斗って奴みたいだ」

 

「「「北斗!?」」」

 

「北斗君なんだ」

 

「知り合いか?」

 

「ほら、前にLDSが塾を襲撃してきた時に私が戦った相手だよ。因みに遊馬と同じでエクシーズ使い」

 

「お!マジかー!楽しみだな!」

 

「それで素良は?」

 

「……黒咲隼」

 

「ワオ」

 

「隼か…なかなか手強いと思うけど頑張れよ!」

 

「うん」

 

遊馬の励ましに曖昧な感じて頷く素良。

 

「柊柚子、貴女が私の対戦相手のようね」

 

「真澄!ええ!前までの私とは思わない事ね!」

 

権現坂とは逆の隣にいたLDSの列から真澄が柚子に話しかけてくると柚子も負けじと言い返す。

 

「俺の相手はお前のようだな」

 

「お!お前が北斗か。対戦楽しみにしてる!」

 

そのそばにいた北斗も遊馬に宣戦布告をしていった。

 

──────────────────────

 

開幕式も終わり、試合が始まる

フトシ君は無事に勝ち、次はアユの番だった。

アユの対戦相手はどうやら零羅君のようで零羅の雰囲気に近寄りずらいようだった。

 

やれやれ…ちょっと行きますか。

零羅君に声をかける為に近づく。

 

「やっほー零羅君。こんにちは」

 

「あ…!遊奈姉さん…!」

 

「うちのアユちゃんと対戦みたいだね。どっちも応援するから頑張ってね」

 

「う、うん…」

 

うーん。なんか、思い詰めてるね。

屈んで零羅君と同じ視線になると話しかける

 

「零羅君、その人形持っててくれたんだね」

 

零羅君は私がこの前あげた猫のぬいぐるみを抱えていたので話題作りとして先ずはあげてみる

 

「うん…!兄様以外で初めてもらったプレゼントだったから…」

 

「そっか、そんなに大事にしてくれるならその子も喜んでるよ」

 

「喜ぶ…?」

 

「うん。物には魂が宿るって聞いた事ない?どんな物でも、悪く扱えば悪い魂に、丁寧に扱えば良い魂が宿るんじゃないかなって私は思うんだよ」

 

「そっか、なら今まで通り大事にする…!」

 

私の言葉に顔が綻んだ零羅君に私も笑いかける

 

「やっと笑ってくれた。零羅君、デュエルは勝つ事だけが全てじゃないんだよ。もっと大事なモノがある」

 

「大事なモノ…?」

 

「そう。先ずは自分が楽しまないとね。デュエルは人を笑顔にする物だ。だから零羅君には楽しくデュエルをして欲しいな」

 

「……デュエルは楽しむ物…でも、母様は勝ちなさいって…」

 

《あの毒親しばき倒したい》

 

気持ちは分かるけど止めてくれ、一応将来お義母さんになる人なんだし…

 

「零羅君の中では難しいかもしれないね。直ぐに出来なくても良いんだよ。ただ、私の言葉を覚えて置いて欲しいんだ」

 

「…分かった」

 

零羅君はこくりと頷くともう試合の時間になる為フィールドに向かい、私はみんなの所へ戻ることにする。

 

なかなか闇が深いな…

でも可愛い義弟君だもん、地道にカウンセリングしよう。

 

《いっそう遊馬から、カウンセリングを教わったらどう?》

 

あ、それいい考えかも。教わるってよりかは相談になると思うけど

 

今後の事を考えながら、みんながいる場所に戻った私は2人を応援する事にした。

 

 

──────────────────────

 

 

結果としてアユは零羅君に負け、柚子は無事に真澄に勝つ事が出来たみたいだった。

 

明日は、権現坂、私、遊馬、素良の順番での試合になる。

気を引き締めないとなと思いつつ、明日に備えて早めに寝る事にした

第24話の話

  • そのまま、前みたいにR15一般公開
  • 冒頭部分をカット編集してR15一般公開
  • このままR18作品として続ける
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