※この作品はR-18です。

遊戯王ARC−V 幻影の魔術師   作:しょごりゅう

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軽ーく毎日投稿。
筆が乗るばどんどん書けるのになぁ(尚文才はお察し…)


第29話 侵略される未来都市

 

「遊奈」

 

第二試合が終わってしばらく控え室のソファで休憩を取っていると零児に声をかけられる。立ち上がろうとするとそのままでいいと言われたので身長差もあってかなり見上げる感じになる。

 

「あれ?どうしたの?てっきり解析室にいるかと思ってたのに」

 

「ああ、先程までいたのだが、遊奈姉さんの所へ行ってきたらと零羅に言われてしまってな…遊奈お疲れ様、素晴らしいデュエルだった。それと零羅が2回戦進出おめでとうと言っていた」

 

「零羅君がそんな事を…!嬉しいな…2人共ありがとう」

 

「…ところで大丈夫だったか?」

 

「ん?あーもしかして見てた…?」

 

思い当たる節が、私の試合前にあった事だろうと納得する。

 

「まあ…最初から権現坂と同じ塾生じゃないのは何となく予想着いてたんだけど、アイツらが持っていったのが本物の権現坂の襷だったからさ……そんな睨まないでよ。これでも喧嘩とかならそこそこ強いんだよ?」

 

「…君は分かっていない。君が強いのは理解しているし、守られるだけの女性じゃないのも分かっている。私が言いたいのは何でも1人で解決しようとする事だ。君には頼りになる兄や仲間…私もいる。それとも、我々は君にとって頼りにならない、足でまといと思っているのか?」

 

零児の言葉にハッとなり顔を上げると首を横に振り否定する

 

「違う!違うんだ零児…」

 

「違わない。頼らないと言うのは足でまといと見てるのと同義だ」

 

「……ごめん。ただ、巻き込みたくなかったんだ…。遊馬達だって試合前だったし…いや…ただの言い訳だね…」

 

零児の顔を見ていられなくて俯きながら自嘲するしかない。

零児の言う通りだ。私は昔から何も変わっていない…

 

そんな自己嫌悪をしているとフード越しの頭にポンと軽い衝撃が来る。

いつの間にか見上げていた顔は自分より低い位置にある。

 

「…すまない。君を追い詰める気はなかった。ただ、分かって欲しかったんだ。頼られないと言うのは結構寂しい事なんだということを」

 

「零児…分かったよ。今度からは頼るようにする」

 

「ああ、そうしてくれ。君は1人ではないのだからな」

 

「うん…ありがとう零児。心配してくれて」

 

少し不安気な顔をしている零児に大丈夫だと言うように頭部を抱き抱えるように顔を埋めると零児の肩から力が抜けてそっと腰に腕を回される。

 

「あのさ、昨日の決意表明が終わった時、真っ先に拍手してくれたのは零児でしょ?」

 

「よく分かったな」

 

「五感は普通の人より鋭いからね。…あの時、凄い不安だったんだ。でも零児が直ぐに拍手してくれて、みんなも同じ様に拍手してくれて…、私の事を変わらず応援してくれるって言ってくれる人達もいてさ…。私、エンタメデュエルを続けてきて良かったなって…父じゃなく私自身を見てくれて嬉しかったんだ」

 

「…そうか。私は君の勇気と決意にそうしたまでだったのだがな」

 

「零児の人に流されずに自分の意見や行動が出来る所、凄く尊敬してる。そういう零児を見て勇気を貰った人も多いんじゃない?」

 

私もその1人だしとフフっと笑いながら話すと耳がうっすらと赤くなっているのが目に入る。

 

「零児?」

 

「…私も、君の相手のいい所も悪い所も認めて受け入れる所は尊敬してる」

 

「れ、零児…」

 

顔を上げた零児はおでこを私のおでこにコツンと当ててそう言って来る。至近距離で告げられドキドキしてしまう。

 

「遊奈…」

 

「……」

 

零児が言いたい事の意味を捉え、返事の代わりに眼を閉じる。

暗闇になるが恐怖はなく、胸の高鳴りだけを感じた。少しして唇に柔らかい物が触れる。

 

「…っ」

 

「……!」

 

初めて幸福を感じたキスに感じ入る暇もなく、直ぐに離れようとする熱を感じて思わず襟首のマフラーを引き寄せ、私からキスを仕掛ける。それに驚いた様な気配を感じたが直ぐに持ち直すと私のキスに答えてくれる。しばらく啄むようなキスを繰り返すと名残惜しそうに唇を離した。お互いに息が乱れている。

 

 

「っ…今日はここまでにしよう。これ以上したら自分を抑えられそうにない…」

 

「はぁ…はぁ…」

 

少し残念に思いながらもこくりと頷く。大事にしたいという零児の思いを知っていたし、次の試合の時間も迫ってきていたからだ。

 

そんな私の気持ちを汲んでくれたのか、おでこに触れるだけのキスをされる。

 

「そんな顔するな。今は難しいが大会が終われば時間を取る」

 

「うん…。そういえば零児、前私が言ったこと覚えてる?」

 

「…君が前世で観たこの世界を元にしたアニメの事か…」

 

肯定するように頷く。零児には大会前にペンデュラムカード開発も兼ねて私の前世の事を話してある。

 

「…これを」

 

「これは?」

 

とあるカードを零児に手渡す。それは今零児と共に小型化を目指しているプログラムだった。

 

「…まだ試作段階だから1回しか使えないけど…」

 

零児にしか聞こえないように用途を伝える。それに驚いた後、納得したように頷くとカードをしまう。

 

「それと第三試合の件、大丈夫?」

 

「ああ、時間と場所を制限して、時間外は会場近くのホテルを参加人数分確保している。観客には避難も兼ねてシェルターにもなってる会場に待機、その他の住民にも初めての試みとして、年に一度の大会記念と称して大会を中継するモニターを設置した各地会場に集まって貰う手筈になっている」

 

ああ…そういえば、数日後に舞網市全体で大会記念日として学校、会社全てが休みになっていたはずだ。

 

「だいぶ大掛かりになっちゃうけど大丈夫?」

 

「少し、出費が痛いが人の命には変えられないからな。大会中継を見れば最悪理由も察するだろう。それに当時の会場やシェルターは君と私が開発しているこのプログラムの大型を使えば大きな侵入は防げるだろう」

 

「うん。私も中から隼君や遊馬と共に、会場に紛れてる敵を捕らえるのを優先するよ。だから、外の敵と柚子達は零児達に任せる」

 

「ああ、任された。ではそろそろ私は戻ろう。遊奈…」

 

「今夜の事なら大丈夫。この件に関しては零児は見守って欲しい」

 

「…分かった。だが異変を感じたら直ぐに援軍を向かわせるからな」

 

「うん」

 

ため息を吐きながら渋々そういう零児に少し申し訳なく思いながらも頷き、零児と別れる

 

──────────────────────

 

第三試合が終わる。勝ったのはダブルアップチャンスとホープのコンボでトドメを指した遊馬だった。続いては第四試合、素良VS黒咲。

 

ニコさんの進行で進められる中、事件が起こる。それはアクションデュエルのフィールド魔法選択の時だった。

選ばれたのはフィールド魔法『未来都市ハートランド』。それに私を含めエクシーズ次元のメンバーが息を飲む。

 

「あの社長…後で覚えてやがれ…」

 

「『……』」

 

零が零児に向かってそう呟く。遊斗と隼はかつてのハートランドを思い出してるのかただ、前を睨みつけてる。

 

「…なあ、遊奈」

 

「ん?」

 

そんな中、隣にいた遊馬が私に内緒話するように話しかける

 

「…零児はなんであんな事したんだ?」

 

「…多分だけど、隼君の闘志を付けたかったんじゃないかな?」

 

《…随分と意地悪な事をするのだな》

 

「まあ、私もちょっと意地悪かなって思うけど、零児は隼君の実力も見たいんだと思うんだよね。それは遊馬にも言えるよ」

 

「《?》」

 

同じタイミングで首を傾げるアストラルと遊馬に懐かしく思いながらも先程の試合を振り返りながら話す

 

「さっきの遊馬と北斗君の試合でもアクションフィールドは北斗君が得意な『聖域コスモ・サンクチュアリ』だったからね。その時点で、零児は遊馬を試してるんだなって思ったよ」

 

《なるほど…。確かに一理あるな。私も味方の実力は知りたいと思う。零児と同じ立場なら似たような事をするだろうな》

 

「ふーん。そういうもん?」

 

「まあ、実力は認めてると思うよ。ただ、確認する時間が今回なかったからさ。こういう形になったんだと思うよ。味方の動きとかどんな事を考えてるか分かれば何かあった時に対処しやすくなるしさ。タッグ組んだ時に、親しい人とそうじゃない人とだとだいぶ動きが変わるでしょ?」

 

「ああ!確かにな!そういう事なら分かったぜ」

 

遊馬に分かりやすくデュエルに例えながら説明するとようやく納得したように頷いてくれた。

 

《うん…遊馬に説明する時はデュエルを絡ませれば大抵何とかなるのは相変わらずだねw》

 

ファントムの言葉に同意しながらも試合を見ると話しがだいぶ進んでいるようだった。

 

どうやら私が遊馬に説明している間に、隼君がエクシーズ次元で起こったことを簡潔に話していたようだった。そのまま試合が進む。

 

『少しは狩られる者の気持ちが分かったか?貴様達はいつも笑いながら俺の仲間達を襲い続けた。だが最早、俺達は無抵抗で倒される獲物ではない』

 

「「「「……」」」」

 

「ねぇ、遊奈…素良達が襲ったってどういう事…?」

 

零だけでなく遊斗、遊馬、ヨハンまで深刻そうな顔をして試合を見続ける雰囲気に柚子が耐えきれなくなって不安気に私に尋ねてくる

 

「…今はまだ説明が難しいかな。でも隼君が言ってきたことはこの次元とは違う場所で実際に彼らが経験した事っていうのは理解して欲しい。…この話は君にも関係がある話だから」

 

「私にも関係がある…?」

 

「うん。だから柚子、今はこの戦いを見届けて欲しい」

 

「……分かったわ」

 

柚子は不安そうな表情を浮かべながらも頷くと素良達のデュエルに集中するように前を向く。それに習い私も素良達の会話に耳を傾ける

 

───────────────────────

 

ーSide/素良

 

 

「はぁ?余裕が無い?冗談言うなよ。こんなデュエル、キャンディ舐めながらでも僕には出来る」

 

そう言いながらピンクのぺろぺろキャンディを取り出すと一気に噛じる。

 

……おかしい…いつもより美味しくない…。

 

いつも好んで食べている美味しいやつなのに、不味い…何でだ?

 

内心焦りながらも、顔はニヤッと嘲笑うのを止めない。

 

「遊びさ。本気でやる訳ないじゃん!」

 

これなら遊奈が作ってくれた料理の方が…っ!

 

 

『素良ってさ、甘味以外、あまり感じることが出来ないんじゃない?』

 

『んー。経験…かな?私も昔、味覚障害起こしてたことあってね…』

 

『三大欲求の一つである食事が美味しく食べれないのは結構来るものがあるのも知ってる…。だからちょっと素良の事が心配になってさ。知り合いに料理研究家がいて、前から相談していたんだ。お菓子やジャムなんかだと砂糖の摂りすぎで身体に悪いから、自然な甘さで料理が食べれないかなって。口に合ったなら良かった』

 

「…どうして…」

 

『ん?だって素良は私の友達だから』

 

友達を助けるのは当然のことでしょ?

 

一一っなんで!なんであの時の記憶が!遊奈の笑顔がチラつく!?

 

「…僕の仲間だってそう…みんな遊びで君達を狩ってるんだ!だって君達は、僕らにとってハンティングゲームの獲物なんだか…ら…」

 

 

『素良、デュエルは楽しいか?』

 

「何さ藪から棒に…」

 

『だってよ、お前のデュエルを見てると、なんかこう…胸がモヤッとするって言うか、辛そうにデュエルをしてる時があるからさ』

 

「!?」

 

『うん。確かに遊奈の言う通り、俺にもお前が本当に悪い奴には見えねぇわ』

 

「そ、それってどういう…」

 

『だからさ、この大会で素良と戦う事になって、俺が勝ったらさ…素良が抱えてるモノ話してくれよ』

 

一一そんでもって、ちゃんと友達になろうぜ?

 

一一五月蝿い

 

「お前の言葉が真実なんだとしても、遊奈は化け物なんかじゃない…!」

 

一一違うこんなの僕なんかじゃない!

 

『ありがとう…2人とも。化け物じゃなくて、私自身を見てくれて、嬉しかった…』

 

『うん。だから2人は逃げて』

 

『大丈夫。私も脱出、出来るよう頑張るから』

 

一一良かった。素良達が無事で

 

一一っ

 

「僕のターンドロー!!」

 

思い出を振り払う様に僕はカードを引いた

 

───────────────────────

 

ーSide/遊奈

 

素良が召喚したマッド・キマイラの効果で隼君のブレイズ・ファルコンが奪われる

 

因みにマッド・キマイラの効果は以下の通り

 

【デストーイ・マッド・キマイラ】

融合/効果モンスター(オリジナル効果)

星8 闇属性 悪魔族 攻2800 守2000

「デストーイ」融合モンスター+「ファーニマル」モンスターまたは「エッジインプ」モンスター1体以上

(1):このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

(3):このカードの攻撃力は、元々の持ち主が相手となる自分フィールドのモンスターの数×1000アップする。

(4):モンスター3体以上を素材として融合召喚したこのカードは戦闘・効果では破壊されない。

 

あれれ?素材軽くなってるし強化されてるぞ?

 

『これで君のモンスターも僕の物になっちゃった。分かっただろう?君に僕は狩れない。狩られるのは常に君達だ!これからもずっとね!』

 

「素良…」

 

何処か無理をしてるように笑う素良を見て胸を痛める。

なんで、私と歳が1つしか変わらない素良やもっと幼い子ども達が自分の心を歪ましてまで、こんな悲しいだけのデュエルをしないと行けないのだろうか…

 

『せめて最後は自分のモンスターの手にかかって終わらせてあげるよ。ブレイズ・ファルコンのダイレクトアタックで1000ポイントのダメージを与えれば、残りLP400の君は…』

 

『笑止』

 

『何!?』

 

『俺達レジスタンスは常に最悪の事態を想定しながら戦ってきた。共に戦ってきた仲間を、敵に連れ去られる事も考えながら』

 

「!?」

 

『例え奪われたとしても俺達は決して見捨てない。仲間は必ず奪い返す!』

 

『!?』

 

そこからは早かった。伏せていた『RAM-レヴォリューション・フォース』を発動し、奪われたブレイズ・ファルコンを取り戻し、ランクアップエクシーズチェンジで『RR-レヴォリューション・ファルコン』を召喚するとその効果でキマイラを破壊し、キマイラの攻撃力の半分のダメージを受け、勝者は黒咲になった。

 

「素良!」

 

いくらリアル・ソリットビジョンだとはいえ、崩れた建物の下敷きになればひとたまりもない。

 

素良はそのまま救急車に運ばれ、病院で治療を受けている。

 

幸い、瓦礫が素良を潰す前にリアル・ソリットビジョンが消えた為、大事には至らなかったようだ。

 

しばらくして解散になる、修造おじさんとヨハンは子ども達を返す為に帰り、この場には権現坂、柚子、私だけだ。遊斗達は先に帰ったみたいだが…

 

恐らく、遊斗は素良の病室に戻ってるよね…

 

「…ねぇ遊奈。あの黒咲って奴、LDSを狙っていたのは誤解だったって言ってたよね。その誤解って何だったの?」

 

「何!?誤解だったとはいえ何故LDSを襲った奴がLDSに所属しているのだ?」

 

「……LDS…正確には零児を含むごく1部の選ばれたデュエリストと遊斗達の敵が同じだったんだよ」

 

「1部の選ばれたデュエリスト…まさか!それに遊奈も!」

 

「Yes。敵の敵は味方。遊斗達レジスタンスは零児達と協力関係になったんだ」

 

「ならどうして素良にあんな敵意を向けていたのだ?」

 

「…素良が何処から来たか二人は聞いてる?」

 

「いや…」

 

「いいえ…」

 

「…素良はこの世界とは違う別の次元から来た敵だ」

 

「違う次元…!?冗談…じゃないのよね?」

 

「素良が敵とはどういう意味だ?」

 

「…順を追って話すよ。この世界は4つの次元が重なり合うように存在しているんだ。俺達がいるこの世界がスタンダード次元と呼ばれている。そして、それぞれのエクストラを使った召喚法が各自発達した世界の為、他の3つの次元は、シンクロ召喚が発達したシンクロ次元。エクシーズが発達したエクシーズ次元。そして敵がいる、融合が発達した融合次元に別れてる。素良は融合次元から来た存在だ。そして、遊馬、零、隼君もエクシーズ次元の人間だよ」

 

「4つの次元…なら遊斗は!?」

 

「遊斗は正真正銘スタンダード出身だよ。ただ、父さんが行方不明になった時、遊斗はエクシーズ次元に飛ばされていたんだ」

 

「…それならもしかすると遊斗以外のお前の家族は他の次元にいる可能性があるというのか?」

 

「うん。おそらくだけど」

 

「なるほどな…その話が本当なら何故融合次元の連中は敵対する事になったのだ?」

 

「融合次元にあるアカデミアと呼ばれる組織が、エクシーズ次元を襲ったんだよ。文字通り侵略さ」

 

「「!?」」

 

「遊斗達は攫われた隼君の妹を探してこの次元に来た。そして私とヨハンお父さんも大切な人をアカデミアに攫われてる」

 

「黒咲の妹さん…それに遊奈とヨハンさんの大切な人…?」

 

「…ヨハンお父さんの妻で、私にとってもお母さんと言える人だよ。私に生きる希望をくれた人だ」

 

 

───────────────────────

 

ーSide/???

 

「おはようございます。…我らが覇王様」

 

「…その呼び方やめろ」

 

「えへ!すみません十代さん」

 

そういう紫の髪の少女が茶目っ気たっぷりに謝るのを見てため息を吐いて許す。いつもの事だからだ。

 

「それで?俺はいい加減この場所から出たいんだけど」

 

ヨハンも心配だし…

 

そう心の中で呟くと思い出すのは自分の最愛の夫や、昔亡くなった我が子達である

 

《僕がいるじゃないか》

 

ムスッとしたような声が内から聞こえてきて内心苦笑いを返す。

 

「ダメですよ。十代さんはプロフェッサーからこの部屋を出ちゃいけないと命令されてますから」

 

「…はぁ」

 

少女の変わらない言葉にため息を吐きながら部屋を見渡す。1人で過ごすには広いが何処か寒々しさを感じる部屋だ。実際、十代は何ヶ月もずっとこの部屋に監禁されている。

 

この部屋を訪れるのは目の前にいる自分の世話係である紫頭の少女と内緒で訪れているらしいツインテールの少女、そして俺を攫った奴らの親玉であるプロフェッサーぐらいだった。

 

自力で脱出しようともしたが、この部屋を出る事すらままならなかった。何故なら、精霊の力を封じられていたからだ。自分の半身であるユベルの声は聞こえるし元気そうだが、ユベルの力を使う事が出来ない。扉も色々と特殊で無理だった。

 

プロフェッサーやアカデミアはきな臭いが、世話係である少女ともう1人の少女は何だかんだと気に入っていて色々と話す中であった。

 

色々と朝食を並べながら話をしていると少女はこれから任務があるからと部屋を出ようとする

 

「なぁ、お前は何のためにデュエルをするんだ?」

 

「……何のためなんでしょうかね。僕も分かりません」

 

そう悲しそうな顔をしながら少女が部屋を出ていき、十代だけの時間が戻る。

 

《…ほっとけないのかい?》

 

そりゃあな。あいつの表情を見てると長女を思い出す。

似ているんだ。ただただ言われた通りに動く人形みたいだったあの子に…

それに、ユベルだって気づいてんだろ?

 

《ああ、悪趣味な事をする》

 

反吐が出る様な態度を取るユベルと同じ思いになりながらも、料理に罪はないと思い直し、とりあえずは、少女達の無事を祈ることにして少女が持って来てくれた朝食を食べる事にした。

 




前半書いてて恥ずかしくなってました。
いやぁエロかける人、ある意味尊敬します()
そしてやっと十代出せたよ。赤遊要素もいい感じに出せたので中々満足。

第24話の話

  • そのまま、前みたいにR15一般公開
  • 冒頭部分をカット編集してR15一般公開
  • このままR18作品として続ける
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