※この作品はR-18です。

遊戯王ARC−V 幻影の魔術師   作:しょごりゅう

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第34話 バトルロイヤル

 

ーSide/遊奈

 

翌日、零児とそのまま社長室で待っていると部屋にユースクラスでベスト8に入った8人が入ってきて並び、その数分後、隼、遊馬、零、遊吾、ヨハン、遊戯、アテム、柚子、権現坂が入ってくると壁際に並ぶので、私もヨハンの隣に並ぶ

 

「おはよーみんな」

 

「おはよう遊奈。泊まりがけだったみたいだが大丈夫か?あんまり無理しちゃダメだぜ?」

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと休める時は休んでるので!」

 

「まあ、零児君の事だから無理はさせないと思うけど、僕達も何か手伝える事があったら遠慮無く言ってね?」

 

「ああ。テスターくらいなら出来るからな」

 

遊戯さんとアテムさんの気遣いに有難く思いながらありがとうございますと話しているとユースクラスの8人が少しざわついていた。

 

それに対し零児が咳払いをして場を沈める。

丁度会場では今回の第3試合、バトルロイヤルの説明をしていた。内容は前回零児が話していた通りの状態になっている。

 

バトルフィールドの問題上、原則として2日間はスタジアムや街を出れない事等は事前に知らせてあったため特に批判もなく進行が進む。

 

「街中でのバトルロイヤルとは考えたわね。零児さん、遊奈さん」

 

「あ、私は別に…零児…さんの提案に意見したまでですよ」

 

「いや、この計画は君がいなければ街にもっと混乱が起きていたかもしれなかった」

 

「でも、最小限の被害に収めるためとはいえ、他の参加者を騙して巻き込む事になってしまったのだけは申し訳ないって思ってる。奴らが来たらなるべく私達だけで対応するとはいえ万が一もあるから…」

 

「それに関しては散々話し合って決めた事だろう。この件に関しては我々も同罪だ」

 

零児の言葉に全員が頷く。

 

「ごめん、話を蒸し返して…」

 

「いや、被害が0ならそれに越したことはないからな。最善を尽くすしかないだろう。それに君が開発したリアルソリッドビジョンの小型化と改善、新ルールも感謝している」

 

リアルソリッドビジョンの小型化という言葉に先程までの重い空気が散乱し、全員がギョッとする。

 

「あんなでかい機械の小型化に成功したのか!?」

 

「さっすがー俺の娘だぜ!」

 

「私だけの力じゃないけどね」

 

一同驚いた状況の中、ヨハンだけは遊奈の頭を撫でて褒める。

 

「みんなには配っておこう。これが新たに開発された新型リアルソリッドビジョンシステムだ」

 

全員にカード型のリアルソリッドビジョンシステムを手渡されると、それについての説明をうける。

漫画版のリアルソリッドビジョンを携帯出来るように改良したモノと考えてもらえれば問題ないかな?

それプラス戦った相手の通信機能等を一時的に使えなくしたり出来る優れもので、漫画版みたいに敵を閉じ込めたり、外から敵が入らないようにもなっていた。

 

「…という事だ。何か質問ある者は…」「待て!」「…君は何故ここにいる…?」

 

零児の言葉を遮りながらドアが開くと監視されていたはずのセレナが入ってくる。

 

「「「「「柚子!?」」」」」

 

「あ、セレナやっほ♪ちゃんと来れたみたいだね」

 

「ああ…遊奈、君の(精霊の)おかげでな」

 

《クリクリ♪》

 

セレナのそばにいたクーちゃんが私の元に戻ってくる。

 

「遊奈どういう事だ?説明をしてもらいたい」

 

「彼女の話を聞いて欲しくてね。でも…」

 

「…分かった。君達、先に行って迎撃の準備を」

 

「LDSの名誉の為、私達の世界を守る為、頼みましたよ」

 

「「「「「「「「はい!」」」」」」」」

 

ユースクラスの人達には出て行ってもらい、その場には後にランサーズと呼ばれるメンバーだけ残る。

 

「それでセレナ、君にみせた記憶の感想はどうだったかな?」

 

「……信じたくないと思ってしまうが、あれは実際にあった話なんだな」

 

「…何の話だ、遊奈!いったい何をみせた!?」

 

「……ここからは俺が話そう。彼女に見せたのは俺の記憶だ」

 

遊奈から変わった遊斗の言葉に一同が驚く。

 

「……遊斗、何を考えている!アカデミアなんぞに今更!」

 

「確かに私はアカデミアの戦士だ。スタンダードにいるエクシーズの残党を倒せば、私を戦場に出そうとしないプロフェッサーに… 赤馬霊王に実力を示す事が出来る。そう思ってこの次元にやって来た」

 

「俺達を倒すために…?」

 

「ああ…だが、私はアカデミアが他次元を統一する為に戦う事は正義だと思っていた。その戦いで武勲を立てることを誇りに思っていた。だが、我々の仲間がエクシーズ次元で正義にも劣るような事をしていると知った。…まるでハンティングゲームをするように、楽しげに…笑いながら人々に襲いかかっていた…」

 

「…奴らは無防備な市民をまさにゲームの様に狩り続けた…。あの顔、あの笑い声は今も俺達の目や耳に刻み込まれている…。決して忘れる事など出来ない」

 

「っ…ならば黒咲と言ったな。君の妹が攫われたって言うのは…」

 

「事実だ。だが、何故君は瑠璃や柊柚子に似ている?」

 

「リンにもそっくりだぜ。それにシンクロ次元のリンもアカデミアに攫われた」

 

「…十代もな」

 

「!…そうか…何故プロフェッサーが私に似た人物を攫っているのかは分からない。だが、十代さんについては覇王とプロフェッサーは呼び、この戦のキー戦略になると言っていた」

 

「覇王だって!?彼奴ら…十代の覇王の力を狙ったのか!」

 

「その覇王の力とはどういうものなのですか?」

 

「ああ…」

 

ヨハンが十代が覇王と呼ばれた時の昔話を、覇王の力が正しき闇の力という事、自信も正しき光の力を持つ者という話もする

 

「なんと…それが本当ならこの世界が…全ての次元が消える事に…」「させないよ。お母さんやユベルの力は悪用させるつもりないし、私が絶対に止める。お父さんとお母さんが正しき力を持つ者なら、時空のバランスを保つモノ…それが精霊としての私とファントムの役目だから…」

 

遊斗に交代をしてもらうと零児の言葉を遮る形で告げる。

 

「……そうか。だが、我々は仲間だ」

 

「分かってるよ。ひとりじゃないから私はどんなに怖くても前を向いていられるんだ」

 

ペンデュラムの首飾りを握りしめながらそう笑う。

 

本当はこれからどうなるかなんて分からないし怖い。でも前に進まないと行けないっていうのは分かるから、どんなに辛くても私は自分の心を奮い立たせて戦うんだ。守りたいものを守るために

 

「…それでセレナはこれからどうするの?」

 

「…私も入れてくれないか?真実が知りたい。プロフェッサーが何を考えているのか、私は知らないといけない」

 

「…よかろう。元からそう考えていた。しかし君はアカデミアに追われてる身、しばらくは私の傍で待機をして貰えないだろうか」

 

「…分かった」

 

零児の話にセレナは少し不満そうにしながらも頷く。

 

「…それと、分かっていると思うが黒咲、君の使命はスタジアムにいる残りのメンバーの中から来たる有事にて結成されるランサーズに相応しい者を見出す事だ」

 

「敵とは戦うなということか…約束は出来んな。さっきの8人が全滅したら俺も加わる。その時にはそんな事言っていられなくなっているだろうからな」

 

「…分かった。許可しよう。それではよろしく頼む」

 

零児の言葉に全員が返事をすると各自持ち場へ戻った。

 

 

私、権現坂、柚子、遊馬、隼はスタジアムに戻るとまだニコさんのルール説明の段階だった。

 

『それではルールを説明しましょう!開始時間は正午きっかり!その瞬間例によってAカードがばら撒かれます!そしてここが肝心!街には予めL.C社製のペンデュラムカードが隠されてます。参加者は街に出てペンデュラムカードを2枚以上見つけてからデュエルする事!勝負はそのペンデュラムカードをかけたアンティールールで行われます。勝者は敗者からかけた枚数のペンデュラムカード受け取り、その枚数を競って頂きます。制限時間は明日の正午。しかし、夜の0時から早朝5時まではこちらが用意したホテルで休息を取っていただきます!その間はアンティールールでのデュエルは行えませんのでご注意下さい!また、デュエルに際しましては街は4つのエリアを持つフィールド魔法『ワンダー・カルテット』が発動します。また事前にお知らせ頂いてた通り、その間はお客様方も各スタジアムからは出る事も、選手が逆にスタジアムに入る事も出来ませんので悪しからず。参加選手はどのエリアで戦って頂いても構いません!」

 

会場が高揚していく中、正午が近づく。

 

『開始時間が迫ってきました!参加選手はデュエルディスクのご用意を!』

 

ニコさんの指示に参加選手全員がディスクを起動させる。

 

『ゲートオープン!』

 

スタジアムから外に通じる通路が開く

 

『では参ります。戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!観よ!これぞデュエルの最強進化系!アクショーン!!』

 

「「「「「デュエル!!」」」」」

 

アクションカードが街全体に散らばる中、全員がゲートから街に出て散らばる

 

「手筈通り、遊馬は柚子と行動して。権現坂は私とお願い」

 

「「「分かった(わ)」」」

 

「隼君はどうする?」

 

「俺は単独行動をする。赤馬に依頼された事もやるようだしな。何かあれば連絡しろ」

 

隼の言葉に4人が頷くと隼は先に行ってしまう。

 

「先ずはペンデュラムカードをゲットだな!柚子行こうぜ!」

 

「うん!じゃあ遊奈、権現坂またね」

 

「「うん!(ああ)」」

 

そして柚子&遊馬ペアと別れると権現坂と共にペンデュラムカードをゲットする。

 

『それでは選手達のバトルフィールドを用意しましょう!フィールド魔法『ワンダー・カルテット』発動!!』

 

ニコさんの声が響くと漫画版のリアルソリッドビジョンのように4つのエリアを持った巨大なフィールドに変わる。

 

柚子&遊馬がいる場所は氷山エリア、私と権現坂がいる場所は火山エリアに変わり、他にもジャングルエリア、古代遺跡の4つのエリアに変わった。

 

しばらくしてペンデュラムカードをゲットすると私と権現坂は梁山泊塾の2人とデュエルになり、柚子&遊馬もLDSの留学生2人組とデュエルになり、更に黒咲はナイト・オブ・デュエルズの3人組にデュエルを挑まれるが、それを難なく突破する。

だが自分は相手の最後の悪あがきで権現坂とはぐれてしまい、それを狙って1VS2を挑まれてしまうが、デュエルが始まる直前にLDSブロードウェイ校からの留学生であるデニス・マックフィールドがタッグを組んでくれて無事勝利した。

 

「改めてありがとう。はいこれ、報酬のペンデュラムカード」

 

「いやいや!女性を寄って集って襲おうとしたのは美しくないと思ってね。でもありがたく頂いとくよ。改めて僕はデニス・マックフィールドさ!君、ファントムだろ!?僕、君のお父さんに憧れてエンタメデュエルを志しているんだ!」

 

「そ、そうなんだ。ありがとう」

 

手を握られて興奮したようにブンブン握手をされてしまう。

 

「1度会いたいと思ってたんだ。榊遊勝のJr.に!そしてやっぱり最高だった!ここに観客がいないのが残念なくらいだ」

 

「確かに。デニス君のおかげで最高のエンタメデュエルが出来たよ。楽しかった!」

 

「僕もだよ。楽しかった!お互い、最後まで勝ち残ろう」

 

「うん!約束ね!」

 

再び手を差し出されて、それに答えて握手をすると、デニスと別れ遺跡エリアに向かって歩き出す。

 

《これで合計3枚?》

 

そうだね。権現坂とのタッグは勝ったけど私が吹っ飛ばされたから権現坂が2枚持ってるだろうし

 

《先程のデニスといったか…?あいつがスパイなのは確かなのか?》

 

あ、遊斗兄、私の記憶見た感じ?らしいね。遊里姉とアニメだと接触してたから。あくまでアニメだけど

 

《そうか…。それよりも権現坂とは合流しないのか…?》

 

それなんだけどね…。結構吹っ飛ばされて座標狂ったせいで戻るよりかはすぐ横に見えてる遺跡エリアに向かった方がいいと思ったのよね。ここはただでさえ暑いから熱中症になったらまずいし、何より視界が良すぎる。

 

《なるほど。この試合は明日まである長期戦、リスクを考えたら隠れる場所があり、休憩出来る遺跡エリアの方がいいという訳か》

 

合流出来るとは限らないからね。権現坂にも、はぐれた場合の話をしてあるから大丈夫なはず。

 

《そうだね。ここは権現坂を信じて先に進もう。最悪の事態は柚子とセレナがアカデミアに攫われる事なんだから》

 

ファントムの言葉に遊斗と頷くと遺跡エリアに足を踏み出した。

 

 

一一一一一

 

休憩を挟みつつ、しばらく進むと隼が遺跡の入口にいるのが見えたので近づくと彼も気づいたのかこちらに視線を向ける。

 

「隼君!」

 

「遊奈達か。権現坂はどうした?一緒じゃないのか?」

 

「それが勝てたけど、デュエル中にはぐれちゃったんだよね…。いつまでも火山地帯のあそこにいたら集団で狙われそうだったのと熱中症とか怖かったから一先ず近くに見えた遺跡エリアに来たんだよ。そっちは?」

 

「そうか。俺はナイト・オブ・デュエルズの3人とデュエルしていたが、期待外れだったな」

 

「ナイト・オブ・デュエルズって海外の「このカードはモンスター効果でダイレクトアタック出来る!」っ!」

 

声がした方を向くと騎士の姿をした人物とモンスターがいた。

 

「俺は『アサルトナイト・スラッシュ』でダイレクトアタック!」

 

「「!?」」

 

こちらに向かってくる攻撃を咄嗟に躱す。

 

《あっぶな!?》

 

「『アサルトナイト・スラッシュ』はバトルによるダメージを0に出来る」

 

アサルトナイトの攻撃を向かいのアサルトナイトが防ぐ。よく見たら3人に囲まれていた。

 

「ナイト・オブ・デュエルズの!危ないじゃない!」

 

「こいつら、性懲りも無く!」

 

《2人共無事か!?》

 

「大丈夫。てか、君達騎士道はどうした!?騎士道は!?」

 

「ターンエンド。なんかよく分からん石ころがほざいてるな」

 

「邪魔な石ころなんて蹴散らそうぜ。俺のターン、アサルトナイト・スラッシュで、ダイレクトアタック!」

 

「「ぐっ!」」

 

再び剣撃が飛んでくるのを2人で横に飛んで避けるが、こんなのいつまでも続かない。早く脱出しないと…

 

「アサルトナイト・スラッシュでダメージを0にする」

 

「くっ…自分達のデュエルに託けて俺を痛めつける気か。巻き込んで済まない」

 

《騎士道精神はどこ行った》

 

「隼君のせいじゃない。それよりも…」

 

「ターンエンド。石ころが粉々になるまで永遠に続けられるぜ」

 

「嫌なら入ってくりゃいいんだ。乱入ペナルティ2000払ってな。俺のターン!アサルトナイト・スラッシュでダイレクトアタック!」

 

「「うわああああ!!」」

 

等々避け切れずに攻撃が当たり吹き飛ばされ転がり込むと遺跡の壁にぶつかって止まる。

思わず息が詰まりそうになるがそうも言ってられなかった。

攻撃が当たる瞬間に隼が咄嗟に自分を庇いダメージを軽減してくれたのだ。

 

「隼君!しっかりして!?」

 

「っ…!大丈夫だ…」

 

抱き起こすが頭などは打たずに済んだみたいだ。隼も少し呻くが直ぐに意識を取り戻した。

 

「俺達はただ、デュエルしてるだけだぜ?」

 

「ルール違反なんてしてねぇし」

 

「ふっふっふ…w」

 

立ち上がりながら睨みつける。

 

《こいつら隼だけじゃなく遊奈まで…!遊奈変われ!》

 

駄目!まだカメラの中継が繋がってる。変わる所を見られるのは不味いよ。

 

《待って遊奈!何か来るよ!》

 

遊斗と口論になっていて気づくのが遅れたが複数人の足音が響き出す。

警戒をしてるとヘルメットに青い制服の男達3人とその後ろから素良が現れる

 

「素良!?良かった!」

 

「待て、貴様らアカデミアだな」

 

「我々を知っているという事はエクシーズの残党の1人か。「待って。君達はあの鎧着た雑魚3人をお願いするよ。黒咲は僕の獲物だ」分かりました」

 

「素良!」

 

「…ごめん遊奈。ケジメを付けたいんだ」

 

「!」

 

私にしか聞こえない声量で素良が謝罪すると黒咲と共に遺跡の中へ入って行った。

 

「「「ぐわあああ!!!」」」

 

「!?しまった!」

 

素良達に気を取られてしまった隙に、アカデミアの騎士3人がナイト・オブ・デュエルズの3人を倒してしまった。

このままだとあの3人がカード化されてしまう!

 

「ひぃぃ!何なんだよ!?お前ら!?」

 

「許してくれぇ!」

 

「何するつもりだ!?」

 

アカデミアに追い詰められる3人に駆け出そうとするが、頭がグラグラして脳裏に遊斗の記憶が映し出される

 

《許さない…許さない…許さない…》

 

《遊奈!!遊斗!!気をしっかり持つんだ!!憎しみに囚われたら駄目うわああああ!!》

 

ファントムの悲鳴を最後に身体が浮遊感に襲われ、まるで暗闇の海の中に落ちていくような感覚を覚えながら意識が沈んでいった…

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