長い為、何話かに分割しました。
お待ちいただいた方(いるとは思いませんが…)には大変遅くなってしまいすみませんでした。
それではどうぞ
「遊奈!遊斗が見つかったって本当なのか!?」
翌日、塾に行くとさっそくおじさんから問い詰められる。
「う、うん。本当だよ。ちょっと今日は来れないみたいで…後日、連れてくるよ」
「そうか…。無事でよかった」
そうおじさんは、涙ぐむ。
そんなおじさんを見てちょっとだけ心が痛む。
遊斗が来れないというのは嘘だからだ。遊斗達には今日1日、家で待機するようにお願いしている。
『遊矢はそんな奴じゃない!!』
「「!!」」
外から男の怒鳴り声が、聞こえてくる。
「この声…権現坂か…?」
「どうしたの!?遊矢、お父さん」
塾の奥から柚子が駆け寄ってくる。
「分からない。取り敢えず、外に出てみよう」
外に出てみると、権現坂と男三人…沢渡の取り巻きが言い争いをしていた。
「いったい何の騒ぎだ!?」
「ああ、塾長。遊勝塾を覗く妖しき三人の男に気づき、問い詰めた所、昨夜遊矢が闇討ちしたなどとけしからんことを…」
「闇討ち!?」
「俺が?何の話だ…?」
思わず眉を寄せながら答える。
犯人は遊斗なのだが、あれは柚子を守るため、言わば正当防衛にあたる。それなのに遊斗が疑われるのなら自分が疑われた方がマシだ。だから遊斗には家に居るように言ったのだ。
「惚けるな!忘れたとは言わせねぇ!」
「俺達もその場にいてこの目で見てるんだ!」
「なら問うが、物的証拠はあるのか?」
「し、証拠はないが証人が4人…いや、5人いれば充分だろ?なあ?柚子ちゃん?」
「何の話?あの場には遊矢は居なかったわ」
そう言ってキッと取り巻き3人を睨む柚子。
柚子も察してくれたらしい。
「惚けるなよ!」
「…なら仮に俺がその沢渡襲撃の犯人だとしよう、だがそうだとしてもそれは、そっちが行って来た強盗傷害行為に対する防衛行為って事になる。実際、何日前の放課後にはLDSからの指示で俺からペンデュラムモンスターを盗もうとしたし、更に昨日の夕暮れ時に、俺に闇討ちを仕掛けようとしているのをこの耳で聞いているから、ね?柚子」
「ええ。私も聞いたわ」
「なっ!?何を証拠に」
「これ、その時にそっちの上層部と沢渡による通信を傍受したのと、闇討ちを仕掛けようとしているのを会話する様を録音したのが入ったメモリーなんだけど…LDSの理事長さん?」
「くっ…何故それを持っているのですか!?」
赤い髪の女性が車から降りながらそう言った。
そっちの黒を隠蔽して、こっちのグレーを突こうなんて千年早いのよ。
遊星兄に鍛えられたメカニックスキルを甘く見ないでよね!
《そうだそうだ!遊奈に喧嘩売るなんて千年早いんだよ!》
ファントムがそう言う中、おじさんは思わずといった様子でその名前を口にした。
「貴方はLDSの!?」
「はい。理事長を努めております、赤馬日美香と申します」
この辺り結構曖昧なんだけど、社長さんの母親が来るとは思わなかったなぁ
にしても髪型凄い目立つね。
《遊奈も負けてないよね》
うるさいよ。
緑と赤のトマト見たいな髪型が、かなり目立つからこうしてフード被ってるんじゃないか。
気を取り直して話しを続ける。
「…さて、上層部も絡んだ組織的なペンデュラムモンスターの強盗傷害未遂、逆恨みによる闇討ち、まだこの件に関して俺がグレーでも、クロだと判明しても罪に問われる可能性が低い防衛行為に対する恫喝…これが明るみに出ればLDSはどうなるか、まあ深く考えずとも分かりますよね?」
「我々を脅迫するつもりですか…?」
《先に仕掛けて来たのはそちらのはずだよ》
全くだよ。そっちから喧嘩売って来たんだから、こっちだって容赦しない。でも向こうも引きそうにないな…
「このままじゃあ話は平行線になりそうですね。一先ずは保留にして、デュエルで決着を付けましょうか?ちょうどそちらのデュエリストが何人かスタンバイしているみたいですし」
「良いでしょう…。貴方達、出て来なさい!」
VIPカーから、私と同じ位の、少年少女3人が降りてくると、双方の要求を話し合う。
「我々は貴方が持っているメモリーと、遊勝塾をLDSの物にする権利を要求します。」
「…ならこちらは、沢渡の件を不問にする事と、今回の件の賠償金として、そちらの最新式ソリッドビジョンシステムを2基と遊勝塾のリフォーム工事の費用を要求します」
「…良いでしょう。その要求で構いません」
あれ?意外とすんなり要求が通ったね。
《勝つつもりでいるんじゃない?でも遊奈達なら大丈夫だよ。遊奈のおかげで、柚子達も原作よりずっと強くなってるからね。でも油断せずに行こう》
「(そうだね)では、始めましょうか?貴方達LDSと遊勝塾をかけた
そう言い放つと、私はというか私達は遊勝塾内に戻って行った。
「遊矢、いつの間にあんなメモリーを用意してたの?」
「ん?沢渡に拉致された時から。ああ言う奴は、なかなかしぶといからね」
「そう…」
どこか納得したように柚子が頷くと、おじさんが話しかけて来る。
「遊矢、まさか今回の件…」
おじさんが、言おうとしてるのは遊斗の事だと分かったので頷いておく。
「そうか…。でもあいつは本当に無実なんだな?」
「当たり前だよ」
「分かった。なら俺も覚悟を決めよう」
「…男、権現坂。俺もお前たちを信じよう」
「ありがとう。みんな」