▼詰めたかったネタを詰め込めるだけ詰め込みました
pixivより転載
火車切は学校から帰ってきて、家路につく。学生服で。ピアスが歩く度にちゃらちゃらと揺れていた。
自宅アパートは裏通りにある。アパートと言う響きに反して割と広いところだ。帰宅途中で買って来た食材の入ったエコバッグを片手に、てふてふと歩いていく。
アパートが見えて来た。2階の自宅に灯りが点いている。大倶利伽羅はもう帰ってきているのだろう。そう当たりをつけた火車切は、足早に階段を駆け上がると玄関の扉を開いた。
「ただいま、『兄ちゃん』」
「……あぁ、お帰り。『かしゃ』」
ソファに座る大倶利伽羅が、首だけこちらを向いた。
「食材買って来たよ」
「あぁ」
「冷蔵庫しまっとくね」
言いながら通学用鞄とエコバッグを床に置き、冷蔵庫にネギやら豆腐やら突っ込む。仕舞い終えた辺りで、それをずっと見ていたのだろうか。大倶利伽羅が声をかけてくる。
「かしゃ」
それは、常ではない甘い声。火車切はそう呼ばれただけで背筋がぞくぞくとしてしまう身体になってしまっていた。振り向くと、大倶利伽羅がやはり首だけ火車切の方を見ていた。
「おいで」
その言葉で、ふらり、と火車切はソファへと誘われる。
ローテーブルには雑多なものが置かれている。その前に置かれたソファで、大倶利伽羅は両手を広げていた。火車切は無言で促されるまま、彼の膝に乗り上げた。火車切の細い腰に手が回される。火車切は、大倶利伽羅の顔を手で挟んで唇を重ねた。何度か口づけを交わすと、火車切の吐息が熱っぽくなる。
けれど不意に、大倶利伽羅が尋ねてくる。
「それで、今日の潜入結果はどうだった」
「――〇〇と言う教師が、1部の霊力の強い生徒を教導して歴史修正主義者の価値観に染めようとしている証拠は掴んだ。不良校の中で『非行少年に理解ある教師』として振る舞ってる」
「こちらも似たようなものだ。そろそろ任務も終わりだな」
時は数か月ほど前に遡る。
とある本丸に、現世への潜入調査が依頼された。
「ある中学と大学に歴史修正主義者の動きあり」とされ、刀剣男士の中で大学生ぐらいの見目と中学生ぐらいの見目の者たちが求められた。
結果として、2人暮らしの兄弟として通じる現行の広光派が選ばれたのだった。
――尤も、これは審神者の思惑が絡んでいた。
実は既に恋仲の2振りを現世で2振りきりで過ごさせようと言うものだった。仕事には真面目な2振り――ましてや片方は政府刀――なのでそちらの期待もあったが。
なおこの思惑に関しては、2振りを執務室に呼び出し「2人きりで存分にいちゃいちゃしてきな。仕事はしなよ」と直接宣ったので2振りの関知しているところである。
火車切は所謂不良校、大倶利伽羅は所謂Fラン大学。それぞれで潜入任務することになった。
中間報告を挟み、潜入調査の結果は今のところ上々と言ったところだった。
ついでに性生活も充実していた。
火車切は大倶利伽羅の膝の上、熱い息を吐く。学生服の下に着ていたTシャツの裾から手を滑らされて、火車切はぴくりと反応してしまう。
「んっ、制服……」
「脱がせたからいいだろう」
「皺になっちゃう」
「気にするような奴がお前の学校にいるか?」
「……いないなぁ……んっ、Tシャツは自分で脱ぐから……」
言いながら、火車切はおずおずとTシャツを脱ぐ。肌色とよく似た健康的な小麦色の尖りが主張していた。大倶利伽羅は火車切の腰を引き寄せると、その突起に舌を這わす。再び反応してしまう。大倶利伽羅の肩に置いた火車切の手が震える。火車切の薄い腹筋に手が這い、ベルトが外される。
「あ」
と呟く暇もなく、大倶利伽羅は器用に火車切からスラックスと下着を脱がせた。そしてその辺りに放る。無防備に晒されたそれは、既に形を成しつつあった。大倶利伽羅が薄く笑う。それは彼以外にはほとんど見せない表情だった。
「……乳首を舐めただけだろう」
「そうなんだけど、大倶利伽羅にされるとっ……」
「こら、かしゃ」
「んっ……!」
曝け出された火車切自身を、大倶利伽羅が柔く握る。それだけで火車切には十分だった。
「……ベッドでは、兄呼びだろう」
「んっ……ここ、ソファ」
――それは、本丸にいた頃からの取り決め。それは大倶利伽羅の倒錯的趣味によるもの。
『布団の中では兄呼びしてくれ』
それを聞いたとき、「兄ちゃん? 兄さん? 兄貴? どれがいい?」と裸の火車切は機嫌よく訊いてしまったものだった。今は現世で兄弟を演じているため、普段から兄呼びしている。
「屁理屈を捏ねる奴にはお仕置きするぞ」
「え、何してくれるの……?」
「……そういうはしたない期待する悪い子にはしてやらない」
「ケチ……」
唇を尖らせる、その仕草が愛らしいと大倶利伽羅は思ってしまう。思わず口付けてしまう程度には。そして、じゅっと火車切自身を強く扱いた。高い嬌声が上がる。そのまま乱暴に扱き続けるから、火車切は堪らない。
「あっ、兄ちゃん、兄ちゃん」
「……かしゃ」
最早大倶利伽羅の肩に置く手に力は入っていない。ほとんど彼の胸に凭れかかっている。それでも大倶利伽羅は火車自身を扱く手を止めない。やがて先走りが大倶利伽羅の手を汚し――果てた。
火車切が息切れする中、大倶利伽羅は「テーブルのそれを取ってくれ」と頼んでくる。何かと思えば――軟膏。それの意図するところを正確に察した火車切は、ただでさえ紅潮していた顔色を更に赤くさせる。それでも軟膏の瓶を大倶利伽羅に渡した。
「火車切、膝立ちになれ」
言われるがまま、火車切は大倶利伽羅の肩に手を添えたまま、ソファに膝立ちになる。
軟膏を手にたっぷりと取った大倶利伽羅は、火車切の後孔にたっぷりと塗りつけ――ナカに挿入した。
「んっ……!」
1本、2本、3本。充実した性生活ですっかり火車切の弱いところを把握していた大倶利伽羅は正確に性感を高める部分を押していく。その度にびくびくと震える火車切に加虐心のようなものを感じつつも――人はそれをキュートアグレッションと呼ぶらしい――、無体は強いたくなかった。だからできるだけ丁寧に解す。
大倶利伽羅自身を突き入れるぐらいには解れた後孔。そこで、火車切が言い出す。
「今日、騎乗位したい」
「騎乗位? あれはお前の身体に負担が……」
「偶にはそう言うのもいいでしょ」
「……お前の好きにしろ」
言いながら、大倶利伽羅は前を寛げる。火車切の痴態ですっかり元気になっていた大倶利伽羅自身。それを、火車切が後孔で受け止める。
「ん、はっ……」
大倶利伽羅自身を飲み込んだ火車切は、背もたれに寄りかかる彼の前で腰を振る。
はじめはその媚態に注目していた大倶利伽羅だったが、不意に気付いた。
「どうせ不良校に入るんだからそのままでいいでしょ」とそのままだったピアス。それが、火車切が大倶利伽羅自身を飲み込むピストンを繰り返す度に、しゃらしゃらと音を立てて揺れる。裸の火車切の中で、唯一彩るピアスが揺れる。
それがあまりに煽情的で。
「んっ……兄ちゃん、大きくなった……」
「気にするな」
「気にするよ、あっ、あんまり大きくしないで……!」
そう言われる度に火車切のピアスはしゃらしゃらと揺れる。主人の媚態を煽るようなそれに、大倶利伽羅は「これからも騎乗位をしてもらうときはピアスをつけてもらおう」と心に決めつつも、火車切がぎゅうと後孔を絞め付け、大倶利伽羅も火車切も果てた。
さて、無事に任務から帰投した広光兄弟。火車切が大倶利伽羅を「兄ちゃん」と呼ぶようになり、微笑ましい周囲に対しなぜか顔を赤くする火車切が目撃されることになる。
了