pixivより転載
基本的に、事に及ぶときは置行灯の仄かな光の中でする。はじめて火車切が大倶利伽羅に抱かれたときは昼日中の居間だったが、そのときは感じることに精いっぱいで気付かなかったのだ。
明るい中では、自身の顔が丸見えだと言うことに。
――だから、夜。煌々と灯りを点けたまま事に及ぼうとした大倶利伽羅に、火車切は最初抵抗した。
「ちょっと待って大倶利伽羅、何するの」
「ナニだが」
「それはわかるけど、で、電灯消して……」
布団の上で抵抗する火車切。それに、大倶利伽羅は笑った。獣性丸出しの笑みだった。
「断る」
にべもないとはこのことだ、と火車切は思った。
「あっ、やぁ……!」
大倶利伽羅に後孔を突き入れられ、火車切は体を揺すられる。電灯が眩しくて、火車切は目を空けていられない。そもそも顔を見られたくない。今はぐずぐずに溶け切って入るはずだ。だから股を大きく開かれ、帯に引っかかっただけの寝間着と言うあられもない姿もしているのもあり、顔を見せられない。火車切は必死で顔を手で覆った。
――けれど、大倶利伽羅は無情だ。
彼は火車切に挿入したまま体を重ねてくる。そして、大倶利伽羅は火車切の手を丁寧に顔から退けた。
金色の目が、同じ色の目を射抜く。
「顔を隠すな。俺だけを見ていろ」
電灯の下で、火車切の顔が赤く染まる。
「や、やだ、見ないで」
「見慣れてるから大丈夫だ」
「見慣れてる……?」
聞き捨てならない台詞を聞きとがめると、大倶利伽羅はしまったというような顔をする。それでも顔は背けなかった。彼は宥めるように火車切に囁く。
「俺たちの目の色素が、比較的薄いのは知っているだろう」
「うん……」
「それに、お前は暗がりでも恥ずかしがって顔を隠しがちだから気付かなかったかもしれないが」
大倶利伽羅は言った。
「俺も打刀だ。夜目が利く」
夜目が利く。そのひと言で火車切は全てを察した。
つまり、大倶利伽羅に翻弄され、本能のままにぐずぐずの顔が、大倶利伽羅にはすべて見られていた――
「……っ!」
「おっと。逃げるなよ」
言いながら及び腰になった火車切の腰をしっかりと掴む大倶利伽羅。火車切は抵抗を試みる。
「は、放して」
「いいのか? ……ここがこんなことになっているのに」
「んぅ」
やや強く火車切自身を握られる。それは大倶利伽羅の腹筋と火車切の薄い腹筋の間で硬くなっていた。片手が空いた隙に顔を隠そうとするが、すぐに大倶利伽羅は手を退ける。
「大丈夫だ」
火車切の耳元で、火車切は囁かれる。
「お前はかわいい」
そう言う問題ではないと言いたい火車切だったが、その言葉で火車切は達しそうになる。
その瞬間、大倶利伽羅は火車切の最奥を突いた。
「あ、あ……っ!」
火車切は大きく喘ぎ、果てた。
なお、この件でいじめすぎたせいでしばらく火車切に口を利いてもらえなくなったために、大倶利伽羅はご機嫌取りをすることになる。
了