▼へしあたかな~~あたへしかな~~ とりあえずこのネタ浮かんだからへしあた書こ!←今ココ 多分別口であたへしも書くかもしれません
▼某ソシャゲのレイド戦開始が本日18時なのとととうらぶのメンテ明けが17時なので、多分今日はパソコンとスマホ両方フル回転させてますね
pixivより転載
ここの審神者は、雪女の直系子孫だという。また、政府に強いコネクションがあるらしい。
なので、この本丸には独自の「豪雪の景趣」というものがあるらしかった。
「寒……」
新入りの安宅切は、ガラス障子の向こうで吹き荒ぶ吹雪を眺めた。
審神者は、白いキャミソールワンピースを纏った若い女性だった。断っておくが、豪雪の景趣である。つまりそのときも大雪だったのだ。それでも彼女はまるで快適な初夏の陽だまりの中にいるように微笑んでいた。
「最初はちょっと寒いかもしれないけど、すぐ慣れるからね」
そう語る彼女は、夏の風のように爽やかだった。
それからしばらく経つが、安宅切はいまだ寒さに慣れていなかった。信じられないことに、琉球の宝刀もこの寒さに馴染んでいるようで、通常の戦闘服のまま景趣の中を歩いているのを見たこともある。
福岡は沖縄に比べれば涼しいだろうが、それも誤差の範囲だろう。彼らが慣れ親しんでいるこの雪を、安宅切はもう1度見た。
雪にはなじみが薄い。普段使いの刀、という自負はあるが、この手が悴んで刀を取り落としそうなほどの寒さに晒されたことはない。奥州などの雪深い地域の武士は刀をどう扱っていたのだろうと、そんなことを考えてしまう。伊達組などに聞いた方がいいだろうか。いやしかし宮城は寒さが柔らかい方とも聞くし……などと安宅切が考えながら、縁側の角を曲がったときだ。
「おっと」
誰かとぶつかってよろけた。背丈はほとんど変わりのない相手。しかし、藤の香りがした。
「大丈夫か?」
「へし切様」
そこには、拵の写しがいた。へし切長谷部である。
尤も、写しと言っても、この本丸の彼は既に極めている。内番着姿なのでわからないが。その長谷部は、うっかり尻餅を搗きそうになった安宅切の腕を掴んでいる。安宅切を引き起こしながら、彼は尋ねた。
「考えごとでもしていたのか」
「えぇ、この本丸の寒さについて」
「あぁ、新入りには堪えるだろうな」
そう言って、長谷部は踵を返す。それに一抹の寂しさを覚えていると、その手が伸びて来た。
安宅切の手を掴む。冷たい手だった。
「え」
「来い。防寒具がある。慣れるまではせめて手袋を嵌めていろ」
そう言ってさっさと歩き出す長谷部に、慌ててついていく安宅切。
長谷部の手も冷たかった。しかし、歩いていくうちにどちらの手も温かく、熱くなっていく。それに、心も温かくなる気持ちだった。
(寒いと、暗いところを思い出して辛かったけども)
する、と指を絡める。
「っ、なんだ」
「……いえ」
それに反応して振り返って来る長谷部に、安宅切は微笑んだ。
「温かいな、と」
「……一時的なものだ。すぐ冷える」
そう言って顔を前に戻す長谷部。
その耳が赤いのを見て、安宅切はますます胸が温かくなるのを感じるのだった。
了