※この作品はR-18です。

刀剣乱舞SS集(BL・NL・友情主従ごった煮)   作:駒由李

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ボーイッシュJC審神者、二筋樋に進級を祝われる
pixivより転載


【ふたさに♀】真相を知るのはしばらくあとのことである

 二筋樋はやや唐突に尋ねた。

「なぁ、あんた、何が欲しい」

「ほぇ?」

 書類にボールペンを走らせていた審神者は、首を傾げた。

 さて、春である。暦は4月だ。年度刷新にて書類手続きなど煩雑なものがたくさんある。基本的にはホロモニターとホロキーボードを使う審神者も、ボールペンを使うときもあった。主に走り書きのメモなどにだが、23世紀になってなお手書きの書類を求められることもある。万年筆でのサインを求められることもあるが、今のところここの審神者はボールペンのみ使っている。

 そんな彼女は、八つ時のおやつと茶を持って来た二筋樋に問い返した。

「えっと、私、誕生日でもなんでもないよ?」

「知っている」

「教えたっけ……?」

「それはともかく。……進級しただろう」

「あぁ、それね」

 言われて気付く。

 二筋樋が来たときは中学1年だった審神者は、この4月で2年生となった。しかし特別祝われるようなことでは……と審神者が思っていた中で、二筋樋は真面目腐って言う。

「うん。真面目に勉学に励んだおかげだろう。これほどめでたいことはない」

「中学はそんなに滅多に留年しないよ……?」

「わかっている。だがあまり学校を休んだりすると支障を来すだろう。審神者をやりながらも真面目に通っていたあんたは偉い」

「そ、そんな風に言われると照れちゃうな……他にも同じことやってる子いるのに……」

 審神者がもじもじしていると、二筋樋はそこで叩き込むように言った。

「だから! 是非祝わせて欲しい。この本丸で経歴が浅い俺だからこそやらせて欲しいんだ」

「そ、そこまで……? まぁいいけど……」

 ボールペンをくるくると回していた審神者は、二筋樋の熱弁に苦笑してから、ふと手元を見る。審神者になってからリピートし続けているボールペンのブランド。

「あ、じゃあ、ちょっと良いボールペンがいい」

「ちょっと良いボールペン?」

 眼を瞬く二筋樋に、持っているボールペンのブランドを示しながら言う。

「このブランドのボールペン、安くても書き心地がいいんだけどね。ここのブランドのちょっと良いやつが欲しい」

「わかった」

「早っ。ま、まぁ宜しく。それと今日のおやつなに?」

「チョコまんだそうだ」

「わぁい」

 

 数日後。

 審神者に贈られたのは、ネーム入りのブランドボールペンだった。刻まれているのは審神者名だったことを、このときの審神者は内心で安堵していた。が。

「わざわざネーム入りにする必要はなかったんだよ……?」

「この方が特別感あるだろ」

「あるけどさぁ……というか2年に進級しただけでこれって、高校進学とかしたらどうなるの」

「そのときは相応のものを贈らせてもらう」

「怖い……なんでそんなに鬼気迫ってるの……」

 審神者は胡乱な目で二筋樋を見た。が、嘆息する。

「……とりあえず、有難う」

「どういたしまして」

 二筋樋は笑った。

 ──内心を綺麗に覆い隠して。

 

(高校卒業まで手を出さない、高校卒業まで手を出さない……カウントダウンしよう……)

 

 

 

 

 

了

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