※この作品はR-18です。

ブラコン病弱審神者の強かな本丸日和   作:駒由李

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ようやく成立したんしょんじの話 前回、雲次に押し倒されながら「好き」と言われた雲生が……
pixivより転載


【んしょ→さに♂(だった)前提んしょんじR-18】「お情けじゃないの?」

「もういいよ。嬉しかった」

 雲次は、今にも泣きそうな微笑を浮かべてそう言ったのだ。

 

 ある朝のことだった。

「雲次」

 本当に寝起きのことで、雲生の声も掠れていた。雲次は寝惚けながら「おはよう。なぁに」と返した。

「この間の返事なのですが」

「うん……?」

 このときの雲次は、雲生の言葉が今一つわからなかった。低血圧個体ゆえ、寝起きが悪いのである。それをわかっているはずなのに、雲生は朝に言ったのだった。

「私もあなたのことが好きです。お付き合いしましょう」

「うん………………えっ」

 脳に染み渡るのに時間を要した。その間に雲生はさっさと布団を仕舞い、身支度を整えはじめる。雲次は寝間着と寝癖のまま、布団からはい出した。

「あのっ、雲生?」

「はい」

「お付き合いってのは、その……恋人としてのお付き合いってことでいい?」

 振り向いた雲生は、黙って微笑んだ。

 

「あれ?」

 その日のうちに、加州は気づいた。近侍の仕事をしながら雲次に尋ねる。

「お前ら付き合いはじめた?」

「うん!」

 加州に問われ、雲次は元気よく答える。一方、雲生は苦笑していた。

「雲次、あまりこういう関係は詳らかにするものでは」

「雲生硬いなー、ウチの本丸の念友連中堂々と痴話げんかするよ。俺も安定とよくするし」

「あ、大和守と付き合ってるんだ加州」

 雲次はそんなことを言いながらも、気がかりなところがあった。

 ――雲生は、周りにこの関係を決して悟らせたくないのだろうか。

 それで、不安が募りはじめた。

 

 情を交わすことを最初に持ち掛けたのは、雲次の方だった。

 手っ取り早く仲を深めるにはこれが1番だろうと考えたのだ。思い詰めた様子の雲次に何を思ったかはわからないが、雲生は了承し、そして彼を抱いた。

 それはそれは、割れ物に触れるかのような、優しい抱き方。どうしたいかを訊いてきて、それに答えて、挿入して良いか尋ねて来る。手本のような抱き方。

 それで、さらに不安が募った。

 その不安の名は――

 

 そしてある日の夜、冒頭の台詞を、雲次は雲生に投げかけたのだった。

 風呂上がり、あとはもう眠るだけ。布団を敷いていた雲生は、告げられた言葉の意味を咀嚼する。それから、顔を強張らせて尋ねた。

「もういいよ、とは」

 その言葉に、堪らず雲次は答える。拳を握った。

「だって、雲生は僕にお情けで付き合ってくれてるんでしょ」

「――は」

「もういいよ、これ以上は僕が惨めになるだけだから」

 雲次は雲生の視線を振り切った。

「それじゃ、おやす――」

 布団に入ろうとする、その手を雲生は掴んだ。それは雲次が今まで感じたことのない、雲生の強い力。逃げることを許さない、と言わんばかりの。

「何、離して」

 雲次が振り払おうとするも、その手の力は本当に強い。あるいは、彼の雲生への未練によるものか。

 雲生はひどく真剣な顔をしていて――

 抱き寄せて、口付けて来た。

「っは、」

 最初は唇を重ね合わせるだけ。次は舌を押し入れられる。肉厚なそれが、雲次を軽い窒息に追いやる。舌と舌が絡み合い、硬口蓋をなぞり、歯列をなぞり――雲次は生理的に目尻に涙が溜まる。酸素が、欲しい。

 ――気が付くと、雲次は布団の上に押し倒されていた。雲生の香りがする。あぁ、そういえば情事のときは決まって雲生の布団の上で、雲生の香りに包まれながらするのがすごく幸福で――

「や、」

 寝間着を脱がされる。乱暴な手つきで。常の雲生ならば決してしないようなやり方だ。抵抗しようとしたところで、再び唇を重ねられる。それから、雲生は低く呟いた。

「……わからせる必要があるようですね」

 

「んっ、ふ、あ……!」

 既に何度達したか、雲次は正確なところを憶えていない。それほど気をやった。

 汗、涎、精液。それらを雲生との体の間に絡めていた。雲生の常にない抱き方で、雲次の精嚢は既に空だ。弱いところを正確に把握されている。大きな喘ぎ声をあげたが、他の部屋から咎められることはなかった。あるいはこういうことはよくあるのかも知れない。もしくは明日咎められるか――

「……他のことを考えているんですか?」

「んっ、あぁっ……!」

 ずい、と突き上げられる。イイトコロを押し上げられ、もう何十回目かわからない嬌声を上げた。既に雲次自身からは透明な液体しか出ていない。

 そもそも雲生も、1度目のときに挿入してからずっと出していない。何度も中出ししているのに、その後も3度抜かずに射精している。ぬかろくって本当にあるんだ、などと雲次が考えていたところで、太腿を持ち上げられた。ナカで、雲生のそれがずれる感触がして喉を逸らした。

「あっ、あ」

 その喉に、太腿を押し上げて来た雲生の唇が触れる。れろ、と舐められる感触がした。それから、ゆっくりと口付けられる。

 それに、雲次はぽろりと涙を零した。

 それまで頑なに敷布を掴んでいた雲次の手が、彼自らの顔を覆う。

 雲生は優しい声音で問いかけて来る。まるでいつものように。

「どうしたんですか?」

 雲次は、顔を手で覆ったまま答えた。

「……こんな風にされるなんて、まるで愛されてるって勘違いしちゃうじゃないか」

「――」

 ぴたりと、雲生の動きが止まる。それに不思議に思って顔から手を離した途端、結腸を抉られた。

「ひぐ、うっ!?」

 突然の強すぎる刺激に、目の前が白くなる。ちかちかと星が瞬く。夜空は、障子越しでは見えないのに。

 思わず、雲次の腰を掴んでなおも結腸を抉る雲生の腕を掴む。

「も、もうやめ」

「やめません」

「も、限界……!」

「やめません」

 雲生は頑なだった。

「あなたに、私があなたをちゃんと愛しているのだと伝えられなければ、意味がない」

「はぇ……? ――あっ、あぁ、っ――!」

 再び口づけを落とした雲生は、そしてとうとう「抜かずの六発」をしてしまったのだった。

 

 雲生は、腕の中でぐったり凭れている、キスマークと噛み跡、それに体液塗れの身体を愛おしげに口付ける。それから、意識が朦朧としている雲次に、囁きかけた。

「愛してるんですよ、あなたを。私は2人以上の人を同時に愛せるほど、器用じゃありません」

 そう告げられたとき、雲次の目の曇りは晴れた。

 そして同時に、ぽろぽろと涙を零した。それに今度こそギョッとした雲生は「すいませんやりすぎました、痛むところでも」と慌てる。

 しかし、雲次はそれをやんわりと否定した。喘ぎ過ぎて嗄れた声で。

「ううん。強いて言えば腰が重いけど、そういうことじゃなくて……」

 目元を擦りながら雲次は言った。

「嬉しい。主じゃなくて、俺を選んでくれたことが」

 雲次は雲生の手から降りると、彼の肩口に額をこすりつけた。

「雲生、好き、好き、大好き」

 その彼の頭を撫でながら、つむじに唇を落とした。

「えぇ。私も愛してます。……あなたが後悔しても遅いぐらいですよ」

 後半の言葉は、雲次の可聴域外だった。

 

 翌朝、雲生は審神者には会って早々言われた。差し出されたものを見る。

「防音札……?」

「雲次をあれだけ喘がせるぐらいならこれあげるから。効果は長くて一晩。剝がせば時間が経ってなくても効果はなくなる。そういうブツだから、取り扱いには気を付けるように」

「わかりました」

 そう答えて大人しく受け取り懐に仕舞う雲生に、審神者は溜息を吐いた。

「全く、お前らがくっついてくれたようでなによりだけどさ。もう俺を巻き込まないでよね」

「善処します」

 雲生はそれはいい笑顔で答えた。

「……雲次が嫉妬して来たら話は別ですが」

「こら、聞こえてるよ。その雲次は?」

「そうでした。主に『今日は足腰喉がやられてて出陣は無理』だそうです」

「雲生」

「はい、私のせいです」

「も~……」

 審神者が額を抑える。その様を申し訳ないなと思いつつ、微笑ましいものを見てしまう。

 しかし、それは既に恋愛感情から主従愛のようなものに推移していた。

 

「雲次、食事を持ってきましたよ」

「あ"り”がどう”」

「……口移ししましょうか」

「ぞ、ぞれ”は早い”……」

「可愛い人ですねぇあなたは」

 

 

 

 

 

了

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