▼おそら きれい でも4千Ptまで頑張ったので1万課金しました 天井で来ました 久々の爆死で吃驚した ソハヤ(初回)のとき以来です 確定報酬より鍛刀の方が話が早い方だったんですが…… まぁ今回久々に爆死したし次の鍛刀CPのための厄落としはしたでしょ(?)
pixivより転載
桜が、舞う。
「新しく配属された二筋樋貞宗だ。護摩箸を11に見立てて……とは、何を考えているのやら」
「よっしゃ来たー!!!!」
名乗り口上ののち、しばし呆然としていたと思った審神者らしき男がそう叫んだ。
「っ!?」
「やりましたね主」
「安宅切も有難う! 天井だけどここまで一緒に頑張れたね! ヒャッホウ今夜は祝杯だ!」
……テンションがおかしいことになっている。黒く重たい前髪にカソック姿の男(恐らく彼も刀剣男士)も、恐らくガラではなさそうなのに、審神者と思しき男とハイタッチをしている。
一頻り安宅切とくるくる回っていたかと思うと、急に顔が引き締まった。キリリと二筋樋に向き合う。
「それで、はじめましてだね二筋樋貞宗。これから宜しく」
そう言って手を差し出してきたので、二筋樋は困惑しながらも、手袋を外して握手に応じたのだった。
それから数日は平和だった。
年末に安宅切と言う新入りを迎えたばかりの本丸。さらに予定では恐らく2月にも新入りが来るということで、しばらくはドタバタしそうだった。それでも平和だったのだ。
事態が動いたのは、二筋樋と鯰尾がなんらかの会話を交わしたらしい、ということを耳にしてからだ。
初の鯰尾ならば話が合わなかっただろう。彼は記憶を喪っていた。しかし極の現在は記憶が復活していたと聞いていたのでそれなりに話は弾んだかもしれない。それが楽しい内容かどうかは置いておいて。審神者はそう思った。
その鯰尾は、二筋樋が審神者と並んで話をしているときなどに、じっと彼らを見つめることがあった。二筋樋はそれが気になった。自分などが審神者と話しているのを訝しんでいるのか……? そうとも考えた。なお、審神者は鯰尾の奇行は今にはじまった話ではないのでスルーしていた。
そんなある日のことだった。
その日も審神者が二筋樋と話していると、鯰尾はじっと彼らを眺めていた。
そして、この日は近寄って来たのだ。
なんだなんだ、と2人が動揺するのに構わず、鯰尾は腕力で審神者を二筋樋に押し付ける。なお二筋樋の体幹はがっしりしているためにこゆるぎもしない。それよりも審神者を押し付けられたこと事態に戸惑った。
「鯰尾? お前どうしたんだ」
「苦しい、鯰尾苦しい、お前の腕力と二筋樋の胸板で挟まれて苦しい」
「あ、すいませーん! ちょっと思いついたことがあって」
少しも悪びれる様子もなく言った鯰尾は、2人並び立つのを見て、偶々傍を通りかかった鶴丸と三日月に言った。
「お2人とも、ちょっと見ていってください」
「お? 主と二筋樋じゃないか。なんか面白いことでもあったのか」
「なにかあったのか」
そんな2人に向かって、審神者と二筋樋を示して、ひと言。
「一発芸、『商業BL』」
「ぶほっ!!」
「?」
「……ちょっと鯰尾」
即座に吹き出した鶴丸と、言葉の意味が理解できなかったらしくきょとんとしている三日月が対照的だ。なお、理解できていない組には二筋樋も含まれている。だが彼は何やら揶揄されたことだけはわかった。
「鯰尾、お前今一体何を言った」
「えーそのままですよー? 『商業BLみたい』って」
「ぶっほ!!」
「鶴や、大丈夫か」
「だ、大丈夫じゃねぇ……!」
ひたすらにツボにはまってしまったらしい鶴丸。彼を気遣う三日月はひたすら優しい。二筋樋はらちが明かないと思ったのか、審神者を見下ろした。それに審神者は答える。
「えーとね、BLはわかる?」
「薄らと」
「ネットでのBLは専ら二次創作……原作ありきなんだけど、創作BLというジャンルがあって。それを版権にしてちゃんと商売にしたものが商業BL」
「……要はそれの特徴が俺たちに当てはまると?」
「話が早い! さすが二筋樋さん!」
鯰尾はキャラキャラと笑う。
「まずお巡りさん攻めというテッパン! 次に受けの主さんは見た目の印象から作家とか俳優とかなんらかの芸術家とか、そういうのが似合いそう。主さん見た目も儚げだし、力強い攻めと儚げな受けってことで1本連載が書けそうですよ!」
「……鯰尾」
二筋樋は声を低めた。
「つまり俺たちを馬鹿にしているな?」
「馬鹿にはしてませんよ、面白がってるだけです」
「よし、そこを動くな」
「やだー! 拳骨喰らいたくなーい!!」
「待て鯰尾!!」
逃げ出した鯰尾と追いかける二筋樋。置いて行かれた審神者たち。
審神者は、まだツボにはまっていた鶴丸に問うた。
「……それで、お前らも俺らのこと『商業BL』って思う?」
「正直思った」
「よくわからないが、相性は良さそうだなとは思ったぞ。俺も」
「そう……御手杵に浮気だと思われたくないなあ……」
それから審神者は、ふと思いついたように言った。
「というか、俺が当たり前のように受けだと思われていたことに物申したい」
「御手杵に抱かれてることは周知の事実だから仕方ないんじゃないか?」
「こういうときだけ冷静になる鶴丸、きらい」
「機嫌を直してくれハニー」
「お前のはにーは俺だろう」
「三日月、話がややこしくなるから」
その後、二筋樋と審神者が並んで立っていると「商業BL」と言われるのが俄かの流行りとなる。
そして御手杵の不機嫌度がマックスになってキレたときにその流行は終わりを告げるのだった。なお、主な犠牲になるのは審神者の尻である。
了