※この作品はR-18です。

ブラコン病弱審神者の強かな本丸日和   作:駒由李

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へし博・んしょさに♂描写有 安宅切と男審神者が抜き合いっこする話 例によって出られない部屋ですが今回はちょっと趣が違います
pixivより転載


【おてさに♂前提あたさに♂(強制)R-18】「意識してしまいました。どうしましょう」

 ゲートを潜り抜けると、そこは「〇〇しないと出られない部屋」だった。

「は?」

 政府での仕事に慣れさせるために連れて来た安宅切と、その主である審神者が同時に言った。

 振り返るとゲートはなく、部屋の扉と思しき場所がゲートのようだった。部屋の作りはどこかの単身者向けアパート、と言った風情だ。ただし窓がない。ワンルームだ。ベッドがある。ヘッドボードに箱ティッシュが置いてあった。ただそれだけである。それで、審神者は周囲を確かめながら言った。

「こいつは……困ったな。ただの出られない部屋じゃない」

「あの、主はそれほど出られない部屋、とやらを経験しているので……?」

「審神者業を11年もやってればそんなトンチキに慣れちゃうんだよね。ただ、今回はバグとかじゃないな。見てこれ」

 そう言って、審神者は棚に並べられていた本のような形の石を退ける。

 ……そこにはカメラのレンズが光っていた。

「ほぼ間違いなく裏ビデオを撮るための部屋だと思う。安宅切はまだ新入りだから、『新人デビュー!』みたいなAV作りたいんじゃないかな」

「主が何を仰っているのかわかりません」

「あー、要は盗撮」

「と……」

「困るんだよなあ、また組対部案件か……ここまで大仰だと資金も入ってるな……しかしこれは、無理に扉を開くというわけにいかないな。そもそもがゲートだから開けないし」

 ぶつぶつと呟く審神者に、安宅切は硬直していた。

 実のところ、審神者も振る舞いほどにはあまり冷静ではなかった。十中八九セックスさせられる。しかも今回は外からの応援は期待できない。そして時折バグで生じるそれと異なり、本当にお題をクリアしないと出させてもらえないだろう。困っていた。彼は御手杵と結婚している身だった。浮気は避けたい。安宅切だって困るだろう、と考えていた。

 そして、ふと思い出す。肝心要のお題を確認していなかった。

「安宅切、そう言えばお題は──」

「……お題とは、あれでしょうか」

 そう言って、安宅切は手袋越しの指で示す。

 ゲートの上には、毛筆で書かれたお題が浮き上がっていた。

『抜き合いっこしないと出られない部屋』

 審神者はガッツポーズをした。

「ヨシ! ギリ浮気じゃない!!」

「十分浮気では?」

「少年同士の戯れみたいなもんだよ。要は相互オナニー。さて、ヤろうか」

「え、あの……」

「ベッドあるからベッドでシよ。硬い床の上よりマシでしょ」

「あの、カメラの画角に入るのでは……」

「入らないとお題クリアしたって判定下らないだろうからね。諦めよう。何、自分のエロ動画がネットに流れるぐらい最近じゃ普通だから」

「お待ちを、流されたことが?」

「小さい頃の話だから」

「小さい頃の!?」

「あー、ほら、気にしないで」

 なおも言い募ろうとした安宅切をベッドに座らせる。それから、彼の前を寛げた。自身も着流しの前を寛げた。

「さっさと済ませよ。ガチセックスを求められなかっただけマシと思って。あ、もしかして相手いる?」

「今のところはいませんけど、あの……」

「ならお前には問題ないね」

「あっ」

 そう言ってから、安宅切自身に触れた。

「……安宅切も、俺のに触ってくれないと困るよ」

「あ、は、いっ……」

 慣れた手つきで安宅切自身を扱きはじめた審神者に、安宅切は新鮮な反応を示しながら、手袋を脱いで審神者自身に触れた。

 ……互いに無言。扱き合う手つきは、安宅切は心許ない。当然だろう、昨年の12月に来たばかりの上に特定の相手もいないという。つまりはほぼ確実に童貞の上、下手をすれば自慰の経験もないだろう。審神者はそれに対して非常に申し訳なさを覚えたが、状況が状況なので仕方ないと思って欲しいと考える。それでも拙い動きながらも審神者が性感を覚えはじめたときだ。

 息を荒げていた安宅切の顔が、近い。否、こんなことをしているから位置が近いのは当たり前なのだが、明らかに顔を寄せて来ていた。

「主……」

 湿った声に気付く。審神者は空いていた手でそっと安宅切の口を塞いだ。それに安宅切は不服そうに眉を顰める。

「主、なぜです」

 もごもごとする感触がややくすぐったかったが、それを我慢して真面目に答える。

「キスは駄目。浮気になる」

「こういうことをしているのに」

「お題に沿ってるだけだから。それ以上のことしたら言い訳もできないよ」

「私としては……」

「安宅切。手が止まってるよ」

「っ、はい」

 それ以上言わせず、扱く手に力を籠める。それで一瞬怯んだ安宅切は、再び拙い動きで審神者自身を扱き出した。

 ──結果として、先に果てたのは安宅切だった。そのあと5分ほどかかって審神者も達した。汚れを置いてあったティッシュで拭うと、衣服を整えた審神者は、まだ顔の赤い安宅切が手袋をはめ直すのを見てから、開いたゲートをくぐった。

 ゲートの先は再び政府で、審神者は安宅切を伴って事の次第を組織犯罪対策部に通報したのだった。

 

 さて、その日の夜。

「御刀様、相談が」

「なんだ」

 風呂から上がったばかりの安宅切は、長谷部の元を訪ねた。

 よその本丸では恋愛関係に至っているこの2振りもいるが、少なくともここの本丸の2振りは違った。長谷部は善き先達で、安宅切はそれに倣う後輩だった。長谷部に対してコンプレックスは抱いているものの、大きな問題は表出していなかった。

 そういうわけで、安宅切はこの日あったことをごく普通に話したのだった。長谷部には先達としての意見を求めたのだった。

「……そういうことがあって」

「そ、そうか……」

「それで、主を意識してしまったのですが、どうすればよいでしょう」

 ──そう、安宅切に生じた問題はそれだった。

 審神者が御手杵と結婚していることは知っている。左手の薬指も見た。

 だが、本日の出来事で、つい意識してしまった。否、しない方がおかしいのだが、ここの審神者と比べてはならない。ここの審神者が異常なのである。

 果たしてこれが異常事態に対する一時的な一種の防御反応なのか、本当に惚れてしまったか。それは尋ねた安宅切も、尋ねられた長谷部にもわからなかった。だから、長谷部は考えてから答えた。

「……とりあえず言えることは、お前が一時的に錯乱しているかガチ惚れしているかにしても、どちらにしても主には御手杵がいるということだ」

「はい……」

「だから明日からお前は第2部隊配属になる」

「はい?」

 藤色の目を瞬く安宅切に、同色の目の長谷部は眇めて言った。

「第2部隊は相手がおらず且つ花街で性欲を発散している奴が所属している部隊だ。否、元は違ったんだが、気が付いたらそうなっていた。隊長の宗三は最近リア充になったが強いので据え置きだ」

「あの……私はそういうつもりでは」

「ちなみに、だ」

 長谷部は視線を逸らしながら言った。

「最近花街で評判の陰間に、白い狼が化けたのがいるらしい」

(作者註……この審神者は白髪に白皙、赤い眼をしている)

 長谷部は視線を逸らしたまま言った。

「相手をしてもらったらどうだ? 人気と言っても十分予約は取れるらしいぞ」

「……お詳しいのですね」

「断っておくが俺には博多がいる。そういう情報は11年も刀剣男士をやっていれば耳にする。ついでに、『そういう特徴の相手』を求める男士は他にもいるということだ」

「私は」

「言いたいことはわかってる。それで、どうする? この話は断ることもできるぞ。他の部隊でも花街に通っている者もいるし。ただ、第2部隊の方が通りがいいな」

 安宅切は迷った。迷った。迷って。

 それでも答えた。

「……第2部隊配属。承りました」

「あぁ、このことは主に承諾をもらう。特別な裁可が必要なことでもないしな。ちなみに主は第2部隊の特徴も把握しているが、お前が今日のことで性的なことに目覚めた程度にしか思わんだろうからその辺りは安心しろ」

「……安心して良いのですかね……」

 安宅切はぽつりと呟いた。それから、長谷部の部屋を辞した。

 ……長谷部は内心で不安を覚えていた。雲生が来たときのように、安宅切が審神者に強く迫ることがないように願っていた。

 

 一方、審神者。

「あっ♡♡らめえ♡♡♡」

「……っあんたいい加減にしろよ、あんた、自分が誰のもんか理解してんだろうなっ……」

「御手杵のものです♡♡♡」

「わかってんならいい、っ」

 ──本日のことで色々揉めた末、御手杵による上書きセックスをしていた。そのため安宅切のことは頭から抜け落ちていた。

 

 さて、安宅切の審神者への気持ちは、果たして一時的なものかそうでないか。今のところ誰にもわからなかった。

 

 

 

 

 

了

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