※この作品はR-18です。

ISの世界に舞い降りた一人の男   作:メシキ

17 / 102

お待たせしました。

ふぅ…頭の中に合った構想がいくつか消化できました。

今後どうなるかも少しは考えているので楽しみにお待ちください。

では…本編をどうぞ




17話 力と対価

 

 

束はコンピュータと向かい合い顔をしかめていた。そんな束を不思議に思ったのかクロエが話しかける。

 

「先ほどから顔をしかめておりますが何かあったのでしょうか?」

 

「う~ん、俊くんについてちょっと調べてたんだよ。戦闘中の俊くんをモニターしてたらどうもいつもより凶暴なんだよね~。だから調べてみた結果…」

 

「結果?」

 

「全く問題がなかったんだよね」

 

ニパーと笑顔でクロエに結果を報告する束。それを聞きクロエはあきれ顔になる

 

「はい?」

 

「だからぁ全く問題がなかったの。俊くんは精神的に不安定なんかじゃない。でもその過程で面白いものが見つかったんだ。俊くんの精神に問題はなかった…でも自我を抑え込んで戦闘を行うときに考え方や性格を変えているみたいなんだ。多分なんだけど私の為って大義で殺人の後悔や懺悔を忘れようとしているみたい。ちょっとこれを見て」

 

そう言って宇宙に取り付けられているヘッドカメラの映像をモニターに映す。映像は俊葵視点で研究員や戦闘員に対して虐殺行為を行っていた。頭を掴み背骨ごと引っこ抜いたり、口に手を突っ込んで内臓を引きずりだしたりといつもの俊葵からは考えられない行為をしていた。

 

≪束の夢を壊すようなモノを作ってんじゃあねぇよ!!≫

 

「うっ…これはひどいですね」

 

流石のクロエも口元を手で覆った。でも束は違った

 

「俊くんはきっと苦しんでる…いや絶対に苦しんでいる。ちーちゃんの言う通りだったんだ…私は俊くんに自分の価値観を押し付けて人殺しまでさせて!!最低だ…私…」

 

「きっとトシキ様は大丈夫ですよ。だって束様がいるじゃないですか。それに私も精いっぱいアシストをさせていただきます。ですのでトシキ様のメンタルケアは私たち二人で頑張りましょう!!」

 

「今更、愛してくれなんて虫のいい話だよ…私は俊くんの心に消えない傷を負わせちゃった…愛しているなんて言えないよぉ…ふぇ~ん!!」

 

遂に束は泣き出してしまった。束の心中を知っているクロエも泣きたい気分だった。でもクロエまで泣いてしまっては収拾が着かないことをクロエは理解していたのでグッっと泣くのを我慢して束を励ました。

 

「その様な事を言ってはトシキ様が悲しみます。トシキ様は本当に束様の事を愛しておいでです…ですから束様はトシキ様の気持ちに応えてあげてください。きっとそれがトシキ様を癒す最善の方法でしょう」

 

「ぐすっ…本当に?」

 

「私は主人に嘘をつくほど恩知らずではありません」

 

「えへへ、じゃあ俊くんが帰ってきたらいっぱい癒してあげなきゃ!!」

 

「その意気です束様。私はきっと傷ついて帰ってくるであろうトシキ様の為に医療カプセルの用意をしておきますね」

 

そう言ってクロエは医療質の方へ向かい、束は自分用のISを作るために研究室へ向かった。

 

 

 

俊葵サイド

 

GWの二基目を破壊して外に出た俊葵を待っていたのはパワードスーツの大隊だった。千冬さんと鈴が奮闘して幾分か数は減っているがそれでも700人以上残っている。GW攻略の際に調子づいて撃ちまくった俊葵に残された武装は人間用の武装一式とグラインドブレード、そしてIS用サーベルが数本、刀が沢山あるだけだった。IS用の遠距離武器がない今、俊葵は両手にサーベルを持ち奮闘している。

 

数が多すぎてやになるぜ、畜生。能力が使えない以上、剣だけで対応しなきゃいけねぇ…さっきから百人近く切ってるが一向に数が減ってる気配がしないぜ。ちっ…グラインドブレードで一気に数を減らすか。

 

≪グラインドブレード接続完了…不明なユニットが接続されました…システムに深刻な障害が発生しています…直ちに使用を停止してください≫

 

いつものアナウンスが流れて右腕に巨大な鉄の塊が装着される。兵士たちはそれを見て攻撃を右腕に集中させる。これだけの砲撃を受けたら流石のグラインドブレードもぶっ壊れちまう!!避けるの大変なんだからさぁ!!

 

 

 

「あの黒いISなかなかやるな」

 

「見てみろよ。あの黒いIS、何か取り出したぞ」

 

「おいおい、あんな化物みたいな武器を使うのかよ…」

 

 

さっさと逃げればいいものを…なんで諦めずに戦うんだ。あのパワードスーツだってタダではないんだぞ。頃合いを見て後退させるか…いや、ここで下げてしまっては買い手に面目が立たない…くっ、どうする。

 

すると司会者に一本の電話が入る

 

「皆様、ちょっと失礼。こんな時に一体なんだ。今はプレゼン中だと知らせたはずだぞ!?」

 

「でもそのプレゼン…上手くいってるの?GWは破壊されてパワードスーツの部隊も半数まで減った。増援が欲しいんじゃない?」

 

同僚の女の声が受話器から聞こえる。

 

「貴様のAFが無くても大丈夫だ!!買い手は付いた!!」

 

「ならいいけど…増援が欲しかったら何時でも言ってね。AFの一つや二つすぐに出撃させてあ・げ・る♡」

 

「猫なで声を出すな!!」

 

ピ!

 

あんのクソアマ…自分が担当しているAFが順調に建造できているからってぇ…。まぁ、買い手は付いたし問題はない。

 

「いかがでしょか、皆様?」

 

 

「想像以上だよ。IS三機を相手にして残り一機まで追い詰めるとはね」

 

「ここにいる者の意見はすでに一致している」

 

 

「と、言いますと?」

 

 

「購入だよ。GWもパワードスーツもな」

 

 

「お買い上げありがとうございます。ではメインディッシュをお召し上がりください、ふふ」

 

 

そう司会者が言うとモニターの中で何人かの兵が大きなバズーカのようなものを担ぎ始めた。

 

くくく…シールドエネルギーはどれくらい残っている?えぇ?黒いIS

 

 

 

グラインドブレードもここまでだな、バッテリー切れだ…ハァハァ…残り400くらいか…。シールドエネルギーもこれ以上は…ハァハァ…全身装甲でよかった、物理的に防御力が上がるからな…。

 

グラインドブレードをしまって両手に刀を握り敵へ突貫する。刃こぼれした刀は捨てて新しい刀を呼び出し、手当たり次第に切り捨てていく。所詮は量産された鈍刀…何人か切ったらすぐに刃こぼれしやがる。

 

あともう少しかな…それでも250くらい残っているけど…。ん?敵が引いて行ってるなぁ…ふっふっふ…どうやら俺に恐れをなして逃げ出したか。それなら俺も帰ろう。これ以上の戦闘は宇宙に深刻なダメージを与えることになる。ハイパーセンサーもイカれちまったし、ようこれまで戦えたよな…明日は学校を休もう…学校に着いたら絶対に爆睡できる(確信)

 

俺は敵が逃げていった方とは逆方向に飛び立つ…しかしすぐに地面に落ちる事となった。

 

チュン…

 

レーザーの通り過ぎる音がしたな。まだ諦めてなかったのかよ…だけどもう発進シークエンスに入った宇宙は止まらな…い?アレ?ナンデミギテガナインダロウ?

 

レーザーは俺の右肩を貫通しており右腕が焼き切れていた。傷口からは肉の焼ける匂いがする。焼き切れているので出血の心配は無い…のだが

 

「うわあああああああ!!おおおおおおれェェェェェのォォォォォうでェェェェェ

がァァァァァ~~~~!!」

 

よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもぉぉぉぉおおお!!許さ゛な゛い゛!!俺の腕を!!俺の物を奪ったな!!殺してやる!!殺し゛て゛や゛る゛!!

 

俺は落ちた腕を拡張領域に入れ込むと敵の方へオーバードブーストを利用して一気に距離を詰める。そして左手で剣を掴んでスナイパー部隊と思われる少人数のグループを襲う。腹に被弾して内臓が焼けるがお構いなし…突きで頭を吹き飛ばしたり、手足を切断して達磨状態にしたり、はらわたを引きずりだしたり、怒りにまかせて剣を振るう。

 

殺す!!だれ一人逃がしてやるもんか!!

 

すると俺の目の前に小さいモニターが現れる。そこにはこう書かれていた

 

≪強く成りたいですか?≫

 

愚問だな………Yes I do!!

 

俺はモニターの「はい」をタッチする。

 

≪縮退炉二号機、縮退開始。縮退炉のリミッターを解除。ワンオフアビリティ『

Schwarz Flügel』(黒き翼)を開始します≫

 

宇宙の外装がユニコーンガンダムのNT-D発動時のように割れていき黒く光り始めた。更に拡張領域にいくつかの武装とスラスターが外れてウィングガンダム(EW版)のような翼が追加される。早速、一本の槍を飛び出す。すると赤黒くて長い槍が左手に収まる。

 

ヒュッ…

 

一振りすると周りにいた兵士たちはみんな倒れた。何が起きたかは一目瞭然。≪ゲイ・ボルグ≫が周りにいた奴らの心臓をエネルギー弾で打ち抜いたのだ。宝具の名を受け継ぐ武器だけあって消費エネルギーは莫大だな…でもそんな事はどうでもいい。このまま全滅させてやる!!

 

 

 

「何が起きたのだ?」

 

「黒いISを追い詰めたと思ったら…まさかワンオフか!?」

 

「ワンオフアビリティを発現させた機体では相手が悪い…勝負は見えたな」

 

買い手たちは予想外のワンオフに驚いていた。

 

「しかしこんなにも強力なワンオフを有している機体を相手取る機会は少ない。この実験での問題は皆無だろう」

 

「そうだな。全滅しそうとはいえ兵器としては高水準の物ばかり。買わない手はない」

 

正直なところ司会者は安堵していた。一方的に蹂躙される兵士たちを見て買い手たちが手を引くと思っていたからだ。しかし結果は逆で兵器としての完成度の高さと使い易さをしっかりと評価していた。女尊男卑の世界で立場を追われて落ちぶれた人たちだったがその目は確かなものであった。

 

「では後日、商品の配送をします。お買い上げありがとうございます」

 

よかった…これで開発費が増える。次は絶対に破壊してやるぞ!!黒いIS!!

 

 

 

だいぶ数も減ったな…これがワンオフなのか…素晴らしい力だ。これなら残りも楽勝…という訳にはいかないだろうなぁ。今までの戦闘で溜まった疲労と負傷で身体は限界寸前…動け俺の身体!!

 

何とか体を反らして放たれた徹甲弾を避ける。しかし次弾が左目辺りに当たってしまう。普通の徹甲弾なら衝撃だけでそれ程大きいな怪我にはならなかったのだが、放たれた弾丸は焼夷榴弾…フルフェイスだったがシールドエネルギーが無くなった宇宙は防御のすべがなかった。焼夷剤が燃えて俺の顔を焼く。急いで左手で炎を払い消火するが左目が見えない…頬も爛れているのが感覚で分かる。

 

ぐぅ…熱い…痛い…。ハァハァ………許さない…。

 

俺は拡張領域から≪カラドボルグ≫を呼び出し横一文字切りで周りに残っていた奴らを全員殺す。どれだけ伸びるか分からなかったが…ハァハァ…ちゃんと全員に届いたようだ。ハァハァ…最初からこうすればよか…った。くそ…せめて自動操縦で…ハァハァ…場所はどこでもいい…こんな姿では束やみんなに合わせる顔がない…飛べ…宇宙。俺を適当な場所へ…

 

そこで俺の意識はなくなった。自動操縦がONになったボロボロの機体はまた形を変えブースターを装着してどこか遠い場所へ行く。

 

 

 

束は宇宙をモニターしていたから分かった。俊葵の身体は今、ボロボロになっているって事を…。しかし分からない事が一つだけあった。それは俊葵がなんでIS学園に帰投せずに別な場所へ行ったという事だ。

 

なんでココに帰ってこないんだろう…もしかしてこんな任務を押し付けた私を嫌いになったとか!?そんなの絶対に嫌!!どうにかして俊くんを連れ戻さないと!!…でも私の事を嫌いになってたらどうしよう…こんな酷い事をする私を嫌わない理由はない…。

 

「何をしょげた顔をしている?」

 

「ちーちゃん、それに鈴ちゃんも…お帰りなさい。俊くんが学校にまっすぐ帰ってこずにどこか別な場所へ向かっているんだ。」

 

ボロボロになった狂桜と甲龍がガレージの入り口に立っていた。装甲は厚めに作ったはずなんだけどあれだけ大量の敵を相手にしたらこうなるよねぇ…次はエネルギー量と戦闘速度の向上をさせないと。

 

「きっと何か理由があるんだろうけど…それより二人とも怪我とかない?」

 

「私も凰も疲れはしたけど身体は一応無事だ。それと、あいつのことなら心配するな、きっと無事だ。」

 

「分かった…二人ともゆっくり休んでよ。中国政府へは私から話をしておくから」

 

俊くんの散策も大事だけどよっぽどボロボロなのか追跡の途中で反応が途切れた。だから今はできる事からやっていこう。他国の領土で勝手に戦闘行為を行ったんだ。国際問題に発展する可能性は多分にある…はぁ…面倒くさいけなぁ。正直なところなんで私がって思うところもあるけど、これも俊くんの為って思うと頑張れる。待ってて俊くん、すぐに見つけ出して助けてあげるから

 

 

 





最後まで読んでくださってありがとうございます

いやぁ~俊葵は大変そうですなぁ(他人事

右腕と左目の欠損…うぅ…考えただけでも辛そうです

しかしこれで俊葵も無敵のスーパーマンでないことが証明されましたね(ゲス顔

あ、そうそう遂にワンオフを発現させました。ISの原作は読んでいますがワンオフの定義が私の中でふわふわしていたのでとりあえずスラスターと機体の強化と武装の追加にとどめておきました。

嵐のワンオフについてはまったく考えていないのでしばらくは出てこないです。

では次回をお楽しみにm(__)m

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。