この25話はいつも以上に考えました。なぜなら更織姉妹の今後の関係をどうするかでかなり悩んだからです。
様々なSSを見ていると関係を修復しないものもあって、「犬猿の仲!そういうのもあるのか」と思い今回の話を書きました。
どう思われるか不安ですが…まぁ、皆さんが楽しめるように全力を尽くしたつもりです。
では作品の方をどうぞ
簪との作戦会議を終えて俺はまた街へ出ていた。今は昨日の買い物で買えなかった物を買うために電車に揺られている。昨日の仮面ではかなり目立ったので、その反省を活かして包帯で火傷の跡を隠すことにした。チラチラ見られることはあるけど昨日程ではない。束は仮面の方がカッコいいと言っていたが俺にだって羞恥心くらいはある。
それにしても………男ばっかりでむさ苦しい(;´Д`)
昨日はカップルがいて少しは花があったが今日は男しか乗っていない。しかも俺と同じ目的なオタクが若干名…女尊男卑のこのご時世にアニメのシャツって…かくいう俺もガオガイガーの服を着てるけど。
暫く電車に揺られていると目的の駅に到着した。
「さて…買い物の前に今日の一番くじで良いのが出るか占いでもしてみますか」
札を一枚だけ取り出して念写をする。
さて…何が出るかな?何が出るかな?何が出るかな?デデデデン!!
「………塔(タワー)か。何もなければいいけど…警戒くらいはしておくか」
何も知らない俊葵は某アニメショップへと足を運ぶ
物陰
「動いたわ…やるわよ」
「お嬢様、差し出がましいようですが簪様の思い人を手に掛けるというのは聊か気が引けます」
「えぇ…そうね。でもあいつだけは…私から簪ちゃんを奪ったあいつだけは許せないわ」
更織家の力をフルに活用して俊葵を暗殺しようとする楯無他数名。
「でもどうやって消しますか?今日は日曜日で人も多いし難しいですよ」
「ふふふ…なら人気のないホテルにでも連れ込んだら問題は無いわ。何のために髪の毛を黒に染めて顔と声まで変えたと思ってるのよ。あぁいった自信過剰で女ったらしの男はハニートラップに弱いのよ。私のデータに間違いはない」
『どこで手に入れたデータですか…(;´Д`)』
「動いたわ!!行くわよ!!」
路地裏では不穏な空気がうごめいていた
ふぅ…一番くじの結果は一等は当たり前、残りも俺が欲しい物が全部手に入った。…い、イカサマなんかしてないぞ!?ラストワン賞も手に入ったので今の俺は超機嫌が良い。荷物になるから拡張領域に入れてるけどね。今は…5時か。門限まではまだまだ余裕があるけど明日の事を考えるともう帰らなきゃいけない…が久しぶりに飲んで帰るか。でもその前に千冬さんに連絡しなきゃな
俺は千冬さんにダイヤルするとワンコールで出た。相変わらず早いな…
「もしもし、千冬さん。ちょっちお願いg」
≪朝帰りでなければ問題は無い。一生徒としては校則を守ってほしいが…私とて人のプライベートに口出しするほど野暮ではない≫
「なんで俺が言おうとしたことが分かるんですか…まぁいいですけど。それにしても丸くなりましたねぇ。いつもなら拳骨でもとばす勢いなのに」
≪………お前は自由過ぎるからな…追いかける身にもなってくれ///(ボソッ)≫
「ん?何か言いました?」
周りが少しうるさかったので千冬さんが小声で言った事が聞こえなかった。なんか俺が…とか言ってたけど…ま、いっか
≪な、何でもない…出来る限り早く帰って来いよ≫
「ほぉ~~い」
これで怖い鬼寮監殿の許可も出たわけだし気兼ねなく飲みに行きますか。
物陰
「ターゲットは居酒屋に入った模様。こんな時間から飲むのか…」
「追うぞ」
民間人に変装した男たちが俊葵と同じ居酒屋に入り梯子酒をする俊葵を要員を変えながら尾行を続けた。
「そろそろかしら…私も出向かないといけないわね」
そう言うとセクシーな服に着替えた楯無は俊葵へと近づいた
うぅ…流石に6件はキツイなぁ…でもまだ9時過ぎだしもう一軒くらい行ってから帰るか。
「ねぇねぇお兄さん、お暇してるぅ?」
ん?誰だこの子。俺にもこんな美少女に絡まれるほどのモテ期が…なぁんてどうせお金目的の売春だろう。
「こんなご時世だし男の俺としては色々と心配なのよ。他を当たってくれないか?」
「大丈夫…ね、お願い?タダで良いからさぁ~ん。彼氏も最近はつまらないしお兄さんみたいな逞しい人と寝たいのよぉ~」
胸の下に手を入れて大きな双丘を強調する。彼氏さん…本当にすみませんm(__)m
寝取りには全く興味はありませんが美人のお願いは無下にできないのです。束、クロエ…俺は罪深い人間だ。知り合ったばかりの女性と寝てしまうような男です…ですから………お酒の所為にしよう。
俊葵は責任を放り投げた▼
「明日は腰が抜けて学校に行けなくなっても知らないからな」
「お兄さん優しい~~」
腕に胸を押し付けてネオン街へと俺を連れて行く。
「あ、そういや君の名前は?」
「赤羽翼(あかばよく)よ。赤い羽根の翼と書くわ」
「翼ちゃんかぁ~、良い名前だな」
「褒めてもらってうれしいわ」
この後も俺たちは暫く話しながら歩いた。この時に俺の名前を聞かれなくて助かった。戸籍や保険証なんかは全て国が用意してくれたが俺と関わりを持った彼女がどこの誰に狙われるとも分からないからな。
「ここが良いわ。このホテルにはコスプレ衣装もあるのよ」
大通りから少し外れたところにあるホテルへ連れてこられた。外装も真新しいし最近できたホテルだろう。ラブホ自体ほとんど入った事が無い俺からすると料金の高さに驚いた。きっと良いホテルなんだろう。
『監視カメラの停止は完了している?』
『勿論です。他の客もホテル内にはいません。ここで何が起きようとしばらくの間は誰も関知しないでしょう』
『部屋へ向かうわ。あなたたちは隣の部屋で待機してて』
『了解しました』
「さ、行きましょ」
「あぁ…(こういった場所では)初めてだからお手柔らかに頼む」
「ま♡か♡せ♡て♡」
部屋に入ると俺はシャワーを浴びてくるように促された。まぁ、さっきまで居酒屋にいたしタバコやお酒の匂いも付いているし体を洗って歯磨きをして夜戦に備えよ…う?
服の裾から落ちた札が浴室の方へ落ちて水に濡れる。すると札の周りの水が文字のようなものを形作った。美味しい酒と料理を出す居酒屋を探すときに使った念写用の札だから水に何かを念写したらしい。
「きを…つけろ?もしかしてあの女の事かな?一応もっと詳しく念写しておくか」
濡れた床に念写をすると大きな水の塊、これは俺だな。そしてその周りに小さな水滴がいくつかと中くらいの大きさの塊が一つ。一般人なら水滴程度になるはずなのだが…これは彼女のものだな。
ガチャ
「待ちきれなくて来ちゃった」
う、裸じゃないか…凄く綺麗な身体をしてるなぁ…ってそうじゃない。
「初めては風呂場じゃなくてベッドの上が良いんだ。部屋で待っているよ」
俺は浴室から出てすぐに彼女のカバンの中を調べる…が財布、スマホ、手帳、扇子だけしか見つからない。手帳の中を念のために調べたが何日に誰といくらで寝るとしか書いてない…ビッチが。風呂に入って酔いも少し醒めたので冷静な判断ができる。財布の中身は…3万円か…援助交際をしている女子高生ならこのくらい持っていてもおかしくはない…のか?
≪その女は信用できるの?≫
た、束!?
≪ちーちゃんから連絡があったよぉ。俊くんが外泊してくるって≫
ご、ごめn
≪謝らないで。俊くんは好きな時に好きな女を抱けばいいんだよ。でも帰ってきたら私を抱いてね♡≫
……束には負けるよ。あぁ…一晩どころか二晩でも相手をしよう
≪嬉しい。じゃあ楽しんでね≫
いや、それは無い。彼女には悪いけど……死んで…もらうよ
≪え?今から抱くんじゃないの?≫
念写したら彼女の印が普通の人間よりもかなり大きく出たんだ。特殊な訓練を受けているラウラや鈴よりも大きい印だ。もしもこの出会いが偶然なら問題は無いけど俺がISパイロットだと知ってのハニートラップなら殺すよ。束に迷惑をかけそうだしね。
≪ふふ、俊くんって優しいね≫
これから殺人をする人に優しいなんて言うなよ…じゃあな
束との連絡を切って翼ちゃんが出てくるのを待つ
浴室
ふぅ…やっとここまで来れたわ。あの男の息の根をこの手でッ!!
固く拳を握りしめてから身体を拭いて浴室を出る。
出てきたな…こんな美人を手に掛けるのは気が引けるが…仕方ない。俺はすぐにベッドから立ち上がり彼女を抱きしめる。
「キャッ!!もう、いきなりなのね」
「その方がさ…刺激的…だろ?」
ユックリと抱きしめた手を上げて行き髪の毛を掴む
「女性の髪はもっと優しく触らなきゃダメよ?」
俺は何も言わず思い切り髪の毛を引っ張り彼女を壁に叩き付ける
「あうッ!!」
怯んでいる隙にM500を取り出して発砲するが避けられる。かなりの訓練を積んできたという事か…いずれにせよこの様子だと俺がISパイロットだと知っているようだ。
「いきなり発砲するなんて酷いじゃない。髪の毛だって何本か抜けちゃったし…許さないわよ?」
「黙れ阿婆擦れ。てめぇが誰か分からないが俺がISパイロットだって知っているから仕掛けてきたんだろう。どこの所属だ?」
「答えるとおもッ!!ガァ!!」
この程度の距離なら人間の反射速度以上の速さで動くことだって可能だ。彼女が答えないのは明白なので鳩尾にキツイ一撃をお見舞いする。
「どうせ答えないだろう?もういいよ…お前みたいな雑魚は殺す価値もない。命拾いしたことを幸福だと思って二度と俺に近づくな」
気絶した女を無視して俺はIS学園へと戻った。
一体彼女は誰だったんだ…く、こんな事なら心を読むんだった。はぁ…俺もまだまだ甘いなぁ結局殺さずじまいだったよ。俺にもまだ人間の感性が残っていたんだな…嬉しいような悲しいような…ハァ…
次の日
俺は昨日の事は簪には伝えなかった、きっと心配するだろうしな。今は簪と一緒にハンガーで試合が始まるのを待っていた。楯無さんは向かい側のハンガーでピットクルー達と談笑しながら試合を待っている。余裕綽々ってやつかよ…なんだかこっちが本気でやっている分腹立つな。
「作戦はちゃんと覚えているか?」
「うん…大丈夫。昨日の夜から何回も脳内シミュレーションをしてるから」
『私も風や重力の影響を受けた際の弾道の変化を数千パターン程検証しました。撃ち落とされない限り絶対に当たります。間違いありません』
それなら安心だ。俺の仕事はお前たちを送り出すだけみたいだな。
「簪、緊張しないで楽しめ」
「でも…やっぱり緊張する…。格上の相手に挑むのはドキドキするし…どうしよ」
ぎゅ…
「大丈夫…簪ならできるよ。絶対にできる…俺が保証するんだから間違いないさ」
「うん…俊葵…私は俊葵の事が大好き。本当は試合に勝ってから言おうと思ったけど今言うね。私は本気で俊葵の事が好きです」
「返事は試合の後にするよ。そのくらいの楽しみがあったほうが戦い涯があるだろう」
俺の胸板に顔を埋めている簪がふくれっ面になる。超可愛い!!(確信)
「むぅ~~俊葵の意地悪…でも大好き」
≪試合開始まで残り3分です。選手はアリーナ内で待機してください≫
アナウンスが流れて簪は打鉄二式特別仕様を纏って空へ舞い上がる。
「簪ちゃん手加減はしないわよ?」
「手加減なんてされたらもう二度とお姉ちゃんを許しはしない…覚悟してね」
お姉ちゃんのISの情報は束さんからすべて貰っているからどんなタイミング、距離、角度でどんな攻撃をしてくるかは一通りシミュレーションできている…落ち着け…私はお姉ちゃんに勝てる。絶対に勝てる!!
≪選手はマーカーの出ている位置で待機してください。………選手の待機を確認しました。それでは試合を開始します≫
ビーーーー!!
試合開始のブザーと共に簪は戦いやすい空へと急上昇した。狭いアリーナではミサイルは本領を発揮できない…勿論この動きは楯無さんも予想していた。
(分かりやすいわね簪ちゃん…その装甲の下にはミサイルが仕込んで有るのでしょう?とても分かりやすくて…残念だわ。この勝負はもらったも同然ね)
(よし…作戦の第一段階『お姉ちゃんを私のミサイルが本領を発揮できる空へと連れ出す』は完了。これからお姉ちゃんと大立ち回りを演じないと…コール、ライフル!!)
私は両手にライフルをもってお姉ちゃんに権勢をする。でも弾丸はお姉ちゃんに当たる前に透明な何かに阻まれて当たらない。あれがナノマシン…でも問題はない。パスィ!!あれ…やるよ!!
『かしこまりました。風神…発動します』
私は新兵器の一つ、風神を展開してお姉ちゃんに突っ込む。
「いくら装甲が厚くっても足が遅いんじゃ意味がないわよ?」
そう言って蒼流旋の付いている4門のガトリングで私を攻撃する…でも弾はほとんど当たってはいない
「当たってないようね。なかなか面白い装備を使うのね簪ちゃん。磁力で曲げているのかしら?だったらこれでどうかしら」
今度は高速で発射した水弾をぶつけようとするがこれも逸れて当たらない。
「あらら、これも外れちゃったわ」
それもそのはず…この風神の前では物理的な遠距離射撃、爆発はほとんど無意味と言ってもいいから。周りの大気を拡張領域に圧縮してから高速で装甲の隙間から噴出する、そして強力な空気の流れを作り出すことによって物理的な攻撃を反らすことができる。そしてその風を利用しての高速移動も可能!!
「パスィ…次はアレいくよ」
『かしこまりました。薄金≪うすがね≫…発動します』
しかもこの風神は空気の膜を作ることで大気の水分を纏い光の屈曲で姿を消すこともできる。同時にチャフも高速で空気中に散布するのでISに対してはあまり効果がないのだが数秒は時間が稼げる。つまり…
「消えた!?センサーにも!?」
ISを相手に完全な奇襲が行えるのだ
この試合が始まって初めてお姉ちゃんが焦った…ここで油断しちゃダメ。でも勝利を確信した私はお姉ちゃんを羽交い絞めにして話しかける
「もうおしまい…私の勝ち」
「獲物を前に舌舐めずり…三流のやる事よ、簪ちゃん」
ナノマシンを集結させて防御しようとするが無意味に終わった。私の風神の風がナノマシンを吹き飛ばしているからだ
「全弾発射≪フルバースト≫」
装甲の一部がパージされてミサイルの発射管が露わになる。私の勝ち!!
ドドドドドドド
激しい轟音と共に私とお姉ちゃんは火炎に包まれた。やった!!私はお姉ちゃんに勝ったんだ!!これで私は自由に
ヒュッ
風を切る音がして私の肩部装甲と胸部装甲がパックリと割れてシールドエネルギーが残り2ケタになる。なんで!?倒したはずじゃあないの!?
「ふぅ…さすがに焦ったわ。でも発射する寸前にその風が止まったでしょ?その瞬間に少しだけだったけどナノマシンを散布して火炎から身を守ったのよ。気化熱のおかげでシールドエネルギーを少ししか消費しなかったからまだまだ戦えるわよ?試合を続ける?」
パスィ…装甲全パージ…強化装甲装着…一瞬でやって
≪了解(ラージャ)≫
パスィの演算能力を極限まで上げるために言語機能を最低限まで落とす。まだ終わってない…私はまだ戦える!!
「無駄な足掻きね…」
強化装甲を装着した私はブースターを全開でお姉ちゃんから距離を取る。そして作戦通りミサイルの雨を降らす…これが私にできる精いっぱい!!
「下手な鉄砲は数を撃っても当たらないわよ…ミサイル程度を落とすだけなら開放的な場所でも使えるのよね。清き情熱≪クリアパッション≫!!」
よし…引っかかった。
破壊したミサイルから大量のチャフと煙幕が出現する。しかし二度同じ手は通用しないのは分かってる…危ないけど負けるよりは良い!!私はお姉ちゃんがいた場所の直上に移動してISを解除する。そして私の身体は自由落下でお姉ちゃんへと向かう…生身の人間をどうするの…お姉ちゃん!!
「簪ちゃんまさか!?」
「もう離さない!!」
お姉ちゃんに抱き着いてISを展開して何かする隙すら与えずに加粒子砲を発射する。勿論私にも少し当たってしまう。でも勝てる可能性が少しでもあるなら!!
≪試合終了!!ドロー!!≫
同時にシールドエネルギーがゼロになったので試合結果は引き分け…勝てなかった…。あんなに頑張ったのに勝てなかった…。
「こんなに緊張した試合は久しぶりだったわ簪ちゃん。とても良い試合だったわ…ありがとう」
私の健闘を称えて右手を差し出すお姉ちゃん。でも私はその手を弾いた。
「情けのつもり!?ふざけないで!!どうせ本気じゃ!!……!?」
急にブースターが止まって身体が落下する。
なんで!?なんで落ちてるの!?
『先ほどのゼロ距離射撃の際にジェネレーターがオーバーヒートしたようです。地上750メートルです…覚悟をなされた方が良いかと…』
私、死ぬんだ…私の人生は何もできない人生だったのかな…俊葵に出会って変わったと思っていたのに…変われると思ったのに!!パスィ…もし壊れずに残ってたら俊葵にありがとうって伝えて
『お断りします。それはご自分の口から言ってください。まだ希望を捨てるには早すぎます』
なんでそんな事が言えるの…分からないよ。私はもう助からない…誰も私を助けてくれない。俊葵も観戦席にいたからここまでは間に合わない…誰が私を…
「簪ちゃぁぁあああん!!」
眼を開くとお姉ちゃんが全速力で私を追いかけて急降下していた。どうして…どうして捨てた私を助けようとするの!?どうして………こんなに嬉しいの!?
「お姉ちゃん…助けて…死にたくない」
お姉ちゃんのISの絶対防御が働いて無い事くらい知ってる。もしも私を捕まえたとしても地面に激突してしまって大けがを負ってしまう。下手したら死ぬかもしれない事くらい知ってる…でも言わずにはいられなかった。
「大丈夫!!私はもう絶対に簪ちゃんを一人にしない!!命に代えても守るわ!!だから…掴んで!!」
お姉ちゃんが伸ばした手を掴んで抱き着く。
俊葵サイド
おいおいおいおいおいおい!!あれやべぇんじゃねぇのか!?
「一夏ぁ!!」
アリーナはISと同じシールドエネルギーによって守られている…つまり零落白夜で破壊できるという事だ。俺の意図を察した一夏は白式を展開して大きな穴を空けてくれる。
「行って来い!!俊葵!!」
「おう!!」
宇宙を展開して補助ブースターが爆発しそうになるのもお構いなしに急発進をする。間に合え!!間に合え!!間に合えぇぇええええ!!く…仕方ない…念力で無理やり機体の速度を上げてやる!!機体が壊れる?そんなの知った事か!!愛する女性を守れないで何が漢だ!!うぉぉぉぉおおおおお!!
簪サイド
もう地面がすぐそこまで…お姉ちゃん…最後に仲直りできて嬉しかったよ…じゃあね
「うぉぉぉぉおおおおお!!簪ぃぃいいい!!」
!?
俊葵の声が聞こえたと思ったら私とお姉ちゃんは俊葵に抱き抱えられていた。助かったんだ…俊葵が助けてくれたんだ。
私の目には俊葵がヒーローのように輝いて見えた。
「もう安心していいぞ簪……俺が来た!!」
「うわぁぁあああああん!!」
自分の感情を処理しきれずに大声を上げて泣いてしまった。
「怖かったよぉ………ぐすっ」
「大丈夫…もう大丈夫だから」
優しく頬ずりされてますます泣いてしまう。お姉ちゃんの方を見るとお姉ちゃんも泣いていた。
「ありがとう…簪ちゃんを助けてくれてありがとう」
「気にするなって愛している女を助けるのが男の仕事さ。さぁ、ピットに戻ってISを格納してシャワーでも浴びて来い。話はそれからだ」
そう言って私たちをピットまで運んでから更衣室の前で待っているとだけ言って出て行ってしまった。泣き疲れて落ち着いた私とお姉ちゃんは更衣室でシャワーを浴びてから着替えていた。
「簪ちゃん…私ね…」
「何も言わないで…全部本当の事だったんだね。私を守るためにあんなこと言ったんでしょ?お姉ちゃんの温かい気持ち…届いたよ」
ぎゅ…
「もう離さないでね…」
「勿論よ…絶対に離さないわ」
良かった…お姉ちゃんと仲直り出来て嬉しい。きっとお姉ちゃんも同じ気持ちだと思う。でも大丈夫かな…お姉ちゃんが俊葵を見る目が今までと全然違ったからもしかすると…俊葵の事もお姉ちゃんの事も好きだったらどうしよう…。
「お姉ちゃんは俊葵の事が好きなの?」
「……えぇ…好きよ。簪ちゃんと私の間を取り持ってくれた人だし命の恩人だし…顔もそこそこカッコいいしときめいちゃった♪もしかして嫉妬した?」
「ううん、嫉妬なんかしてないよ。俊葵もお姉ちゃんの事を嫌いじゃないだろうし一緒に俊葵の女になろう!!」
「い、良いの簪ちゃん!?」
私はもう昔の私じゃない…お姉ちゃんを微塵も恨んではいない。寧ろ尊敬している、そんなお姉ちゃんと同じ人を好きになれたのだから嬉しい。
「俊葵ならOKしてくれると思う…本気なら」
「勿論本気よ…ふふ俊葵くんも罪作りな男ね。クロエちゃんの他にこんなに美人な姉妹を手籠めにしてしまうんだもの」
「クロエ一人じゃない…束さんもいる…多分もっといるかもしれないけど」
私の見た限りでは箒、セシリア、本音の三人は俊葵の事を好き…むぅ
「え?た、束博士!?俊葵くん束博士の恋人だったの!?って事は束博士はまさかIS学園に!?それよりまずいんじゃないの!?束博士の男に手を出すなんて!!」
私はなんて事をしてしまったの!?あぁ…なんて事を…もしも昨日の事が束博士にバレていたら…ヒッ(ゾクッ
「私は束さんに許可をもらった…お姉ちゃんはまだみたいだけど」
「明日の朝日を拝めるかしら…私」
ふふ…そんなに不安がらなくってもいいのにお姉ちゃんったら。俊葵を思う気持ちが本気なら束さんはきっとOKを出してくれるのに。
俊葵サイド
ただ突っ立って待てるのは暇だったので近くのベンチに腰掛けて束と話をして待っている。
≪俊くんまた女の子をたぶらかしたでしょ~≫
何言ってんだよ…簪の事はもう済んだ話だろ。もしかして今更嫉妬か?らしくないぞ
≪簪ちゃんの事じゃないよ。あの生徒会長の事≫
生徒会長って…せめて名前で呼んでやれよ
≪だってあの女の目…絶対に俊くんに惚れてるよぉ~!!う~~!!≫
楯無さんが本気じゃなかったら振るさ…俺は本気で俺の為に尽くしてくれる女にしか尽くさないよ。
≪だから困ってるのに…ハーレムは良いって言ったけど増やし過ぎだよぉ~~。この調子で増やしていったら世界を相手に戦争をできるかもね≫
おいおい…俺にそんな野心はない。せいぜい皆が幸せに暮らせたら俺は満足だよ。
≪だったらいいけど…あ、簪ちゃんたちが出てくるから切るね~≫
ブツ
更衣室の中を監視してたのかよ…あとで映像貰おう
プシュ~
自動ドアが開き簪と楯無さんが出てきた。立ち上がり簪たちの方へ向かう。
「お待たせ…待った?」
「少しな」
「そこは待ってないって言うのが男の子の甲斐性なんじゃない?」
楯無さん…顔赤いし心を覗かなくてもバレバレなんですけど…。ま、一応覗いておくか…どれどれ?
(うぅ…束博士は怖いけど俊葵くんとは一緒に居たいし…どうやって束博士に取り入ろうかしら。私の力を使えば様々な交渉事がスムーズに進む…とか、政界に太いパイプを築ける…とか)
はぁ…こんなこったろうと思ったぜ。
「束に取り入ろうなんて考えているようだけどそんな事をしなくても楯無さんが俺の事を本気だって事は分かっています。だから多分ですけど束は何もしないし俺も楯無さんに本気ですよ」
「わ、私の考えていることが分かるの?」
「俊葵には凄い力がある…はっきり分かんだね」
俺は別にホモじゃないけどな…
「凄いのね…驚いたわ」
「凄いのはこれだけじゃないですよ。みんなにも見せていない能力もあるので全部は教えられませんがね。最後に念のため確認します…楯無さんは俺の事…本気ですか?」
「あなたに救われたこの命…あなたの為、存分に使わせていただくわ」
「私も俊葵の為なら何でもできる」
ん?今何でもできるって?ってそんな事は置いておいてこの二人は本気だ。なら俺がすることはただ一つ…
ぎゅ…
二人を抱き寄せて耳元で囁く
「離さないからな…」
「はぅ…///」
「お姉さん落とされちゃったわ///」
こうして松崎ハーレムは更織姉妹を追い足して合計4人になったのであった。あぁ…夜が大変そうだ(歓喜)
「あ、あの…二人きりで話があるのだけれど…」
「良いぞ、簪は先に帰ってな」
「うん、じゃあまた明日ねお姉ちゃん」
簪が廊下を曲がったのを確認すると楯無さんは額を地面に擦り付けて土下座した
「え?あ、え!?ど、どうしたんですか!?」
なんで楯無さんは土下座しているんだ?俺、楯無さんから何かされたっけ?全く覚えがない…。
「昨日の女…アレ私なの」
「昨日の…って、ラブホの?」
「えぇそうよ。怒りにまかせてあなたを殺そうとしたの…いくら謝っても謝りきれないわ。しかもそんな私は貴方の事を好きだなんて…」
「それ程までに簪の事が大事だったんだろう?許すよ、俺も死んじゃあいないし」
「え!?い、良いの!?」
「うん、許すよぉ~~。俊くんが許すならね」
「「!?」」
俺ではなく束が返事をしたので俺も楯無さんも驚いた。
「た、束博士!?」
「更織楯無…うん、覚えておいても良いよ。今のところ役に立ちそうな人みたいだし、可愛いし。それに相手を殺そうとする程の妹思いってのもポイント高いね。私も箒ちゃんの事大好きだし」
「俺に手を出したことに関してはお咎めなしか?」
「だってたっちゃんに手を出したら俊くんは嫌な気分になるからね」
「た、たっちゃんって…束らしいや。楯無さん…これであんたも無事にハーレムの一員だ。これからよろしくな」
「そもそもな話だけど妹好きのお姉ちゃんに悪い人はいない。もしも私がたっちゃんの立場なら同じような事をしただろうし、昨日の事は水に流そうか…って事でよろしくねぇ~~~」
「こ、こちらこそ…ハ、ハハ…凄い恋人ができちゃった」
ふぅ…これにて一件落着。無事に姉妹仲は良くなり、松崎ハーレムのメンバーも増えた。しかも束は俺に対して危害を加えようとした楯無さんを許した…奇跡だな。でもきっとそれは楯無さんが俺にとって特別な存在だからだろう。まだ束は誰が死のうが何の感情も抱かない……少しは成長してくれていたら嬉しいな。
最後まで読んで頂いてありがとうございます
如何だったでしょうか?
遂に更織姉妹が俊葵に攻略されてしまいましたね
ぶっちゃけた話をすると姉妹丼が書きたかったから仲を修復したんです
読者だって姉妹丼を期待しているはずさ!!
だったら書いてやらにゃ失礼じゃろがい!!
………とアホが申していますが気にしないでください
R-18 の投稿はまだまだ先になりそうなのでそれも楽しみに次回をお待ちください
ではでは(*´ω`*)ノシ