※この作品はR-18です。

ISの世界に舞い降りた一人の男   作:メシキ

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前回投稿した話よりも時系列が前なので初投稿です

R-18にした理由はそれに準じる語句を使用したのでそうしました



59話 R-18(本番無し)

 

 

 

「ところで俺の暴走を知ってる人は何人くらいいますか?場合によっては皆の記憶操作をしなきゃいけない」

 

夕飯が準備されている大広間への廊下を歩きながら、ふと気になったので千冬さんに訊いてみる。

 

「戦うときに裏山の方へ誘導したから目撃者はいない。ちゃんと確認も取った」

 

「私たちの怪我についても知っている生徒は限られています」

 

それは良かった。あんな酷い姿を俺以外の人間に晒すのは心が痛む。

 

「とにかく今日会った事は何の問題もない。事後処理もばっちりだ。壊れたISの修理も全力で行う…束が」

 

「えぇ~~私も俊くんとお食事したいよぅ~~」

 

「お前が出て来たら生徒たちが混乱するだろう…。せめて明日の演習まで待て」

 

「むぅ…分かった。じゃあ私は移動式ラボに居るから用事があったらそこまで来てねぇ~~」

 

そう言うと廊下の窓から飛び出して行ってしまった。確かココ三階だよな…ま、束なら大丈夫だろう。

 

浴衣の帯を締めなおして不自然じゃないか確かめてから宴会の間へ入る。宴会場は和式と洋式に分かれていた。主に外国出身の生徒はテーブルに座っている。きっと足が痺れるからだろう。みんな俺たちを待っていたのかきちんと席に座っていた。

 

それにしても畳のテーブルってなかなかアンバランスだな…俺の席~~~っと、あそこが空いてるな。

 

適当な席を見つけて座ろうとしたらいきなり腕を掴まれた。

 

「と、俊葵…お前の席はこっちだ」

 

箒に連れられるままセシリアと箒の間に座る。別にどこでも良かったのだが箒たちが一緒に座りたいのならそれも良いだろう。二人とは訓練以外で話すことが少なくなってきていたので丁度良い機会だ。

 

……

 

…

 

目の前に運ばれてくる料理は近海で取れたお魚の新鮮な刺身にタイのアラ汁、蒸した海鮮丼など多種多様。海の傍の旅館なので海の幸をふんだんに使った料理がメインだ。

 

食事が最後まで運ばれたのを確認すると千冬さんの合図で夕食の時間が始まった。豪華な食事のお陰か臨海学校の空気のお陰か分からないがIS学園での食事よりもにぎやかになる。

 

「このお花は一体どのような種類の花でしょうか?」

 

そう言ってセシリアは小鉢から飾り包丁をいれた小さなカブを箸でつまんでいた。

 

「それは花の形に切ってあるだけで花じゃないよ。多分それはカブか何かじゃないかな」

 

「日本料理は本当に素晴らしいですわね。味だけでなく見た目でも楽しませてくれるなんて。あむ……んく、出汁が芯まで染み込んでいますわ」

 

「だろ?3ヵ月前のセシリアに今のセシリアを見せてやりたいぜ」

 

「それは言わないお約束です」

 

そう言ってまた別な料理の飾り包丁に見惚れている。そして俺はそんなセシリアに見惚れている。でも見惚れてばかりでは腹の足しにならないので俺も食べ始めよう。

 

いざ刺身を食べようとして左隣に座っている箒と肘がぶつかってしまった。こういう時に左利きって面倒だ。

 

「ごめん、痛くなかった?」

 

「あぁ、大丈夫だ。それより早く俊葵も食べてみろ。これとか美味しいぞ」

 

「おう…あむ……ん。なかなか美味しい。やっぱり海が近いから昆布や魚でだしを取っているんだな」

 

半ば強引に≪はい、あ~ん≫をされてしまったがどうと言うことは無い。もう慣れた。

 

今度はぶつからないように気を付けながら食事を再開。新鮮な刺身に味の染みた煮つけ、どれも高級料亭顔負けの味だ。高校の臨海学校と侮っていた…やっぱIS学園半端ねぇよ。この調子だと修学旅行はとんでもないことになりそう。

 

「俊葵さんが先ほどから刺身に付けている、その緑色のペーストは何でしょうか?」

 

「これは山葵って言って…そうだなぁジャパニーズマスタード…いやホースラディッシュだったかな、たしかジャパニーズホースラディッシュだった。分かるかな」

 

「成る程、ではこれを刺身に付けていただきましょう」

 

あ…慣れない人がそんなに付けちゃあ…

 

「~~~~~~~ッ!!??」

 

声にならない悲鳴を上げて鼻を摘まむセシリア。よっぽどっか鼻にツンときたんだろう。

 

「と、とても……ふふふふ風味ががが」

 

若干声が震えてるじゃねぇか…震え声でもきちんと料理を褒めるのはお嬢様だからなんだろうな。育ちの良さが見え隠れしてる。

 

「ほら、山葵はこれくらいで良いんだよ。はい、あ~~ん」

 

ほんのちょっぴりだけ山葵を付けた味の刺身をセシリアに食べさせる。

 

「これが本当に先程のお刺身ですの?全然違いますわね」

 

「だろう?山葵には殺菌効果もあるからお刺身との相性は抜群だ」

 

「ところで俊葵さんはこの後はお暇でしょうか?」

 

この後とは食事の後の事を言っているのだろう。お風呂に入ったりする以外はする事も無いし暇と言えば暇だ。

 

「あぁ、お風呂に入ってからなら暇だな。部屋に来てもいいぜ?千冬さんと真耶がいるけど」

 

「千冬さんがいる部屋に行くには勇気が必要だなセシリア」

 

「えぇ、まったく」

 

「来るのか?」

 

「えぇ…まぁ…///」

 

「折角の臨海学校だし///」

 

何故そこで頬を赤らめる。まさか千冬さんと真耶のいる部屋でセックスするなんて事はないよな。逆ならこの間やったけど。

 

「せめてお風呂に入ってからね」

 

……

 

…

 

一時間くらい寝ていただろうか。枕の傍にあるデジタル時計は8時前を示していた。夕食を食べてから一休みしたんだったな。そろそろお風呂に行こうか。

 

「確か俺は専用の個室露天風呂のはず…」

 

旅館のパンフレットに書いてある見取り図で女湯の場所を確認する。

 

「うん、個室露天風呂の傍だ」

 

これなら覗くのに苦労しない。ふっふっふ…IS学園の浴室は覗きにくいからな。今日こそみんなの御姿を舐めまわすように見つめてやるぜい。

 

「ん?風呂か。ちょっと待て私たちも一緒に入ろう」

 

部屋を出ようとしたら千冬さんと真耶に捕まってしまった。ちぇ…これじゃあ覗きが出来ないじゃないか。

 

……

 

…

 

結局、千冬さんと真耶に圧される形で露天風呂まで来てしまった。はぁ…悔しいけど二人から目が離れない。しかも一枚一枚、俺に見せつけるように脱いでいる。ぐぬぬ……。

 

「ふふ、そんなに気になりますか?」

 

「見たければ見ても良いのだぞ?」

 

さ、触りたい…そのすべすべの肌を舐め回したい、揉みたい、愛し合いたい。でも目的を見失うな…俺の目的は覗き。

 

「ほら、行くぞ」 むにゅ

 

「行きましょう」 むにゅん

 

あぁ…ココは天国だ。

 

……

 

…

 

所変わって女湯

 

「なぁセシリア…」

 

豊満なバストのお陰で掻いた汗を少し強めに洗いながら箒が問う。

 

「なんですの箒さん」

 

とても大きく形の良い、とても大きく形の良い安産型のお尻を洗いながらセシリアは返す。

 

「俊葵の様子がおかしかったと思うのは私だけか?」

 

「箒さんも気づいていましたか。確かに夕方からの俊葵さんはどことなく暗いと言うかテンションが低いと言いますか」

 

「それに千冬さんや山田先生の方ばかり気にしていた…でも直接聞くのは気が引けるな」

 

「それもそうですわね」

 

箒とセシリアはもちろんシャルルやラウラも俊葵の様子がおかしい事に気が付いていた。しかし牽制し合っているのか、それとも俊葵に気を使っているのか直接聞くようなことはしなかった。

 

「………箒さん」

 

「なんだ?」

 

「なんだか視線を感じるのですが」

 

「私もだ」←箒

 

「奇遇だな、私も」←ラウラ

 

「僕も」←シャルル

 

「わ、私も…」←簪

 

「ッ~~~」←シャンプーが目にかかってしみている本音

 

……

 

…

 

女風呂付近の草むら

 

「まったく…なんで私がこんな事を…ハァ」

 

「教師の私たちに頼むようなことではありませんよ…コレ」

 

「なら断ればよかったんですよ。強制したわけじゃあないし」

 

俺はいま千冬さんと真耶の肩に足を乗せて露天風呂の岩の隙間の小さい穴から中を覗いている。

 

「断れるわけがないだろう。お前の頼みだ」

 

「確かに教師として大事な事も有りますが私も一人の女です。ましてや俊葵くんの女ですからね。俊葵くんの為なら何でもできちゃいます」

 

「し~、静かにしてください。ラウラがこっちを向いてます」

 

しばらくじっと動かないでいるとラウラがどんどん近づいてきた。

 

「どうかしましたの?」

 

「いや、この辺りから気配を感じて…」

 

バレそうだったのでちょっと遠くの草むらを超能力でカサカサと動かす。

 

「狸か猫じゃないか?豊かな自然に囲まれた旅館だし動物の一匹や二匹いてもおかしくない」

 

「確かに箒の言う通りかもな。蛇の可能性だってある…心配をかけてすまない」

 

そのままラウラは身体を洗いに行ってしまった。こうしてみるとラウラもなかなか肉付きが良いんだよなぁ。小さくて可愛いと思っていたけどオーバーウェイトにならない程度の筋肉が綺麗についている。

 

「やっぱり覗きってドキドキしますね。それに興奮してきました」

 

「はぁ…あとは勝手にやってくれ」

 

そう言うと二人は俺を下ろして個室に付属している露天風呂の方へ帰ってしまった。一人で覗きをしてもつまらないので俺も戻ろうかな。

 

「それにしてもクロエの腕、それどうしたの?」

 

「これですか?これは俊葵様からいただいた大切な贈り物の一つです。いずれシャルルさんもいただけるでしょう」

 

「何を言ってるんだシャルル、姉さんの腕には何もついていないぞ」

 

「この刺青は俊葵様のお相手をした者にしか見えないそうです。これなら温泉やプールにも入れると」

 

なんだ、俺が掛けた術の話か。なんとあの刺青にはクロエも知らない秘密が……ないんだなぁこれが。ちゃんとクロエにもあの刺青の能力について説明したしね。

 

「他にはどんな効果があるの?」

 

「俊葵様との相性なんかが分かります」

 

「相性?」

 

「俊葵様が興奮している際に光るように……」

 

突然黙りこくったクロエに皆の視線が集中する。しかしクロエは皆の視線など気にしないで辺りを見回した。

 

「俊葵様、隠れていないで姿をお見せください。ここにいる生徒は全員が俊葵様のファンクラブの者です」

 

バレちゃった…仕様がない。だからと言って素直に出て行って良いものか…。俺のファンクラブ員だけど少なからず羞恥心はあるのではないだろうか。

 

「と、俊葵様が近くに!?」

「ムダ毛の処理をしておけばよかった…」

「うぅ…夕食を食べ過ぎたからお腹が…」

 

羞恥心はあるけど見られてもいいのか…

 

「俊葵様?どこにいらっしゃいますか?クロエは何処を見られても恥ずかしくありませんよ」

 

「僕も~~」

 

「クロエ姉さんがそう言うなら私も…///」

 

よし…みんな乗り気そうだし飛び出そう。行くぞ…いち、にの、さん!!

 

膝のばねを利用してジャンプした瞬間に木の根っこに引っかかり顔面から地上にダイブしてしまった。

 

「イッテェ!!」

 

あ…思わず叫んじゃったよ。

 

「そこだ!!」

 

倒れた鼻先にラウラのナイフが突き刺さる。次にどこから取り出したのかセシリアのライフルがこちらへ銃口を向けている。

 

「まさか侵入者がこんな身近にいるなんて…」

 

「IS学園が宿泊している旅館を襲うんだ。覚悟くらいはしてきたよね?」

 

ドラムマガジンのAA-12を発射準備に入ったシャルル

 

「ちょ、ちょっと…」

 

まさか俺が誰か分かっていないのか!?

 

「木の枝が邪魔ですわ…シャルルさん!!」

 

「まかせて」

 

任せてじゃねぇよ!!

 

「俺だ!!俊葵だよ!!よく見てくれ!!」

 

大声で叫ぶとようやく俺だと気づいたらしい。俺に武器を向けた三人は顔を青ざめた。

 

「さて…ラウラ、シャルルさん、セシリアさん、この責任をどのような形でとっていただきましょうか」

 

三人の前に立っているのでこちらからは顔が見れないがきっと怖い顔しているんだろうな。三人の青ざめた顔を見ていると大体察せる。

 

クロエに手伝って貰い露天風呂へ這いあがる。湯気をくぐると辺り一面の桃源郷。あぁ…生きていてよかった。

 

「さて…俊葵様、ご迷惑をおかけしましたのでこちらへどうぞ。先ほどもお伝えしましたがここに居る女性は全て俊葵様のモノでございます。好きな方をお選びください」

 

お選びくださいって…半数は日本人だが残りの半数は外国人。アメリカ、ロシア、ブラジル、フランス、ゲルマン、東南アジアも混じっている。う~~↑こりゃまるで美人ぞろいの万国博覧会だ。

 

シャワーの前に座ると近くにいた女の子が呼んでもいないのに両脇を挟み、シャルロットが背もたれ代わりに俺の背を支えてくれた。

 

「俊葵様…この世の天国を心行くまでお楽しみくださいませ」

 

「楽しむのは良いがやっぱりこれが無いと始まらないよな」

 

拡張領域から焼酎とコップを取り出す。

 

「クロエ、コップにお湯を注いできてくれ」

 

「どれほどお入れいたしましょう」

 

「4だ」

 

「かしこまりました」

 

クロエからコップを受け取り焼酎を注ぐ。未成年のみんなには焼酎の香りがキツイのか少し顔をしかめた。

 

「お風呂に入りながらの飲酒は身体に悪いですわよ」

 

「酒は漢を磨く水、酒は百薬の長、酒は良い物なんだ」

 

「しかし…」

 

「焼酎は芋の水、水戸様は丸に水、意見する奴ぁ向こう見ず」

 

ぐいっと杯を傾け一気に飲み干す。清酒よりも度数が高いので体の中がすぐにポカポカしてきた。

 

「俊葵様の勝ちですねセシリアさん」

 

「また負けたか八連隊、今日も勲章九連隊ってな。がっはっはっはっは!!」

 

「じゃあ僕たちは俊葵の身体を洗うよ」

 

ボディーソープを手に出して三人で身体を洗ってくれる。

 

「俊葵さんの…その…とてもご立派な…ご子息ですね」

 

「そうかな?」

 

「はい、もしも俊葵さんとセックスする事になったらとAVで勉強しましたけれど日本人としてはかなり大きい方だと思います」

 

「そうかい…じゃあ頼むぜ」

 

今夜は色々と忙しくなりそうだ。

 

……

 

…

 

「なぁ鈴…お前の部屋は隣じゃなかったか?」

 

「そうね」

 

「女子は専用の露天風呂があるんじゃないのか?」

 

「俊葵のファンクラブの子たちが俊葵を招待するから貸し切り状態」

 

「最後の質問だ。どうして俺と同じ露天風呂に入ってる?」

 

「………こ、恋人だからよ///」

 

「そう…か///」

 

数秒の沈黙が二人の間に流れる。

 

『ど、どうしよう…俊葵ならこういった場面で気の利いた一言を言えるんだろうけど俺にはそんなこと無理だ。鈴のやつどことなく顔を赤らめて…俊葵に貰ったエロ本でこういったシチュエーションがあったぞ。クソ…沈まれ俺の息子……勃起しているのがバレたら鈴に殺される!』

 

『あぁ、もう!どうして何も言ってくれないのよ…あんたが一言「抱きたい」って言ってくれればこっちは抱かれる準備は出来ているんだから。…ホントは私から言うべきなのかなぁ。いつもそうだ、一夏が言ってくれないからって逃げてる。もう私のおまんこは濡れてるのよ!』

 

二人にとって体感時間数分の沈黙の後、先に口を開いたのは一夏だった。

 

「俺…実は一人部屋なんだ。だからその…もし良かったら来てくれないか」

 

い、言った…言ったぞ。誘っちまった。

 

「そうなの…」

 

1人部屋って事は…つまりそういう事よね。誘われちゃった///一夏に誘われちゃった。

 

このあと二人が一夏の宿泊している部屋でナニをしたか…それを知る人は当事者二人と二人が所有するISだけだった。

 

……

 

…

 

「世界中探しても二人しかいない男性パイロットが覗きとは…」

 

「うおっ!!びっくりした!!」

 

露天風呂に戻る途中で木の裏から女性が姿を現す。ISスーツを着ているところを見るとIS学園の関係者かな?

 

「えっと…あの…IS学園に居場所がなくなるのは困るのでこの事は内密に…」

 

「ちっ…勘違いしてないか。私は…こういう者だ」

 

ポケットから自然にサイレンサー付きのハンドガンを取りした。暗いので種類までは分からない。

 

「止めときな、ここには三人いる。三対一だと分が悪いんじゃあないか?」

 

「どこにいる?」

 

「俺とスミスとウェッソンだ」

 

俺も拡張領域から44マグナムを取り出そうと光の粒子が銃を形成する途中で撃たれる。

 

ぽひゅ…

 

「うっ…」

 

携帯電話やハンケチを取り出すような自然な動作だったので反応が遅れて腹に弾丸を受けてしまった。やっぱ撃たれてから痛覚をマヒさせても痛みが尾を引くなぁ…。

 

「ふっ…これがあの男性パイロットとは。こんな奴が千冬姉さんの教えを受けていると思うと腹立たしい」

 

千冬姉さん…まさかこいつ!?

 

「織斑……マドカ」

 

「ッ!?」

 

「織斑千冬の出来損ないが…」

 

適当な事を仄めかせれば動揺してくれるだろう。その隙に逃げれば…流石に旅館の中には入ってこない…はず。

 

「貴様…どこまで知っている」

 

「さぁね…もしかしたら何も知らないかも」

 

「良いから言え」

 

服を着ていないので両肩を直接掴んでブンブンと振り回される。傷にそこそこ響いた。

 

「自分が誰か知りたいのか?」

 

「私は…私は織斑まどかだ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「篠ノ之束なら何か知っているかもな…だが逃げた方が良いぜ」

 

「何を…ハッ!!」

 

俺から飛び退いた瞬間に彼女がいたところに散弾の雨が降る。

 

「俊くんに近づくな!!」

 

やっぱり束か。

 

「ここは退くか…俊葵とか言ったな。近いうちにまた会おう。その時がお前の死ぬ時だ」

 

煙幕と共にまどかはどこかへ消え去った。近いうちか…まさか……な。

 

「大丈夫、俊くん」

 

「そこそこな、取り敢えず千冬さんに連絡しようか」

 

腹から弾丸を取り出して傷口にお札を一枚貼っておく。これだけで数分後には傷口が塞がっている。

 

「そうだね…」

 

どこか浮かない顔をする束。まどかの事を何か知っているような雰囲気だ。これは後できちんと話してもらわないといけないな。

 

……

 

…

 

部屋へ戻ると千冬さんも真耶も部屋着に着替えて俺を待っていた。

 

「サプレッサーの音がしたが何か問題でもあったのか?」

 

聞こえていたのかよ(驚愕)

 

「うん…ちょっと、ね。悪いけど真耶ちゃんは席を外してくれないかな」

 

「はい、ロビーで待ってますから終わったら呼びに来てください」

 

束もマドカの事はあまり口外したくない事らしい。真耶が部屋を出て行ったのをしっかりと確認してドアと窓に鍵をかけてから口を開いた。

 

「マドカちゃんに会ったよ…この旅館を襲撃するのか、それとも俊くんを暗殺したいのか分からないけど」

 

「そうか、生きていたのか」

 

「あの、マドカって…」

 

二人だけで会話が始まりそうだったので口をはさんだ。

 

「VTシステムについては前に話したよね」

 

「あぁ、ラウラのISに装備されていたヤツだ」

 

「あれはあくまでトレースしてシステム通りに動くだけの機械にすぎない。だからこそ問題は山積みだった」

 

いくら千冬さんの動きをトレースできるとしても、それはあくまで第一回大会までの千冬さんの動きだ。それに機械の考えには限界が出てくる。

 

「成長に限界があるって事か?」

 

「その通り…だからみんな考えた。どうしたら継続的に成長をして限界の無い最強の兵士を作れるか…って。そして答えは出た。織斑千冬のクローンを作り自分好みに成長させる事」

 

「そんな…いったいどうやって」

 

「ちーちゃんの遺伝子を採取するのはそう難しい事じゃないよ。スポーツ選手やISパイロットなら血液検査とかは普通にやっていることだからね」

 

「私も束もそんな計画は許したりしなかった。研究所は全て破壊して……可哀想だがクローンには全員、死んでもらった。だが…」

 

マドカが生きていた…きっと二人の手から逃れたんだろう。

 

「もし二人が良ければマドカも俺の女にしたいなぁ~……なんて」

 

「すまない俊葵…きっとマドカは私を恨んでいる。だから私の恋人の俊葵を好きなることは無いだろう。その…何と言うか…本当にすまない」

 

「私はマドカちゃんの事嫌いじゃないよ…でもちーちゃんが言うなら仕方ないね」

 

「そうですか…ま、普通はそうですよね。でも千冬さん、マドカから逃げないでください。マドカの事何も知らない俺が言うのは何ですけど、きっとマドカは千冬さんの事を嫌ってないと思うんです。むしろ……変な想像しちゃってごめんなさい」

 

「いや、良いんだ。気を遣ってくれてありがとう」

 

しばらく千冬さんは俺を抱きしめた。途中から束も一緒に三人で互いの体温を確かめ合った。

 

 

 






今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます

誕生日プレゼントに圧力なべを買って頂きました

冗談半分で「誕生日プレゼントは圧力鍋が良いなぁ~」と母にお願いしたら本当に買ってくれました

こんな歳にもなって誕生日プレゼントがもらえるなんて嬉しい限りです

皆さんも誕生日プレゼントが欲しいと言ってみてはどうでしょうか?

次回予告

乗り物酔い、マッサージ、襲撃、波乱に満ちた臨海学校も終わりを告げる

………

……

…

やっと終わった(本音)

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