※この作品はR-18です。

ISの世界に舞い降りた一人の男   作:メシキ

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無言投稿




66話 小便は済ませたか?神様へお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はOK?

 

 

 

「なぁ、俊葵!!教えてもらったスペックよりも強くないか!?」

 

「多分それ俺の所為」

 

「なんで!?」

 

「こいつのAIはパスィほどじゃないにしろソコソコのモノを積んでいるからね。俺との戦闘で学習したんだろ」

 

さっきの戦闘と比べて動きが格段に良くなっている。セシリアのビットを華麗に避け、ラウラの長距離射撃を予測して反撃、鈴の近接攻撃は言うに及ばず、シャルルの火力ではなかなかダメージが出ない。ダメージソースとなるのは一夏の零落白夜だが肝心の一夏があともう少しというところで避けられてしまう。

 

なので命中している攻撃はシャルルの散弾と俺の偏向射撃だけだった。それでも縮退炉を搭載していない嵐や散弾の攻撃程度では絶対防御は抜けない。

 

「くそ…やっぱり嵐じゃ火力が足りないか。仕方ないから宇宙を探しに行く。一夏、お前は付いて来い」

 

「俺もここに残ってみんなと戦う!!見捨てていけるか!!」

 

「俺のシールドピッドが無ければ今頃お前は全身大やけどで海に浮かんで魚のえさだ。落ち着け一夏、落ち着いて周りをよく見ろ。エネルギーの残りが少ないお前はどのみち補給が必要だ」

 

「そうだけど…」

 

「それとも俺たちの恋人が信じられないか?うん?」

 

少し考え一夏は外部スピーカーをオンにして振り返った。

 

「少しだけ持ちこたえてくれ!!すぐに戻る!!」

 

覚悟完了したみたいだな。

 

俺は一夏の手を取って全速力で俺が死んだ海域へ急いだ。

 

……

 

…

 

「私たちは行かなくて良かったのお姉ちゃん」

 

「俊くんの報告だと亡国企業が近くにいる可能性が高い。それに敵は景子さんが裏切ったことを知っている。だったら彼女を守る人が必要でしょ?」

 

「元は某国企業の人間なのに……本音は?」

 

「隣の部屋でお菓子を食べてるわ」

 

「その本音じゃない」

 

叱られた楯無さんは肩をすくめながら口を開く。

 

「この場を和ますためのジョークじゃない。本当の事を言うとまだ信じきれないわ。俊くんの選んだ女性だとしてもね」

 

「手厳しいわね」

 

「許可さえ出たら殺したいくらいには嫌いよ。俊くんの傘下に裏切者はいらないもの」

 

「あらあら…随分と」

 

肩をすくめるとぬるくなったお茶を啜って一息つくと携帯端末を取り出して何かを確認し始めた。

 

「妙な動きはしない方が良いわよ?それを口実に貴女を殺すから」

 

「突入は10分後、5人編成の小隊が4、主装備はサプレッサーを付けたサブマシンガン、副装は各々個別にハンドガンを装備、配置はこんな感じよ」

 

そう言って端末の画面に映し出された周辺の地図を見せる。地図には現在地を表す赤いマーカーと敵を示す青いマーカーがある。

 

「なるほど、守ってほしいわけ?」

 

「違うわ。あなたたちを助けるのよ。元同僚の首を20個渡したら信用してもらえるかしら?」

 

「バックアップはしない…よ」

 

「必要ないわ」

 

そう言ってふすまを開けて出て行った。

 

……

 

…

 

自室へ戻った景子さんは戦闘に備えてとある武器を着物の袖にしまうと携帯端末で敵の位置を改めて確認した。

 

「顔も名前も知らなくて良かったわ。だって何も気負う必要がいないんですもの」

 

「凪…いや、ここでは清洲景子だったな。織斑千冬の所在は?」

 

振り向くと開いた窓から一人の兵士が土足で足を踏み入れていた。

 

「お茶はいかが?」

 

「早く答えろ。時間が無い」

 

「そう…つまらない男。あの人はそんなんじゃなかったわ」

 

スッ…と景子さんが手を払うと男の首が綺麗に切れて畳の床へ落ちる。

 

「これでも諜報部の幹部の一人なのよ?あなた達のような平社員が勝てるわけないじゃない。さて…隠れていないで出て来なさいな」

 

何もない空間に呼びかけるが返事はない。

 

「そう…」

 

今度は両手を突き出して思い切り左右に開く。すると壁が綺麗に切れて崩れる。そして瓦礫と一緒に人間4人分の肉片が生まれた。

 

「あと15人、この調子だとすぐに終わりそうね。ここは私の世界なの…あなた達はここで死ぬのよ。お小水は済ませましたか?神様への御祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はよろしいでしょうか?」

 

死体から通信機を取り、他の部隊へ連絡をした。敢えて自分の位置を教える事で敵を迎え撃つのだ。その方が広い場所で戦うよりも有利だと分かっているから。

 

……

 

…

 

「なぁ俊葵、お前が死んだのはこの辺りか?」

 

「この辺りだよ。でもおかしいな…宇宙の反応が全くない。海流の動きも計算して現在地を算出したはずなのに」

 

しばらく探していると遠くの方で漁船を見つけた。作中に出てきた不法入国した漁船だろう。本来はこの辺で一夏達が戦っていたのか。なんだか物語の裏を見てる感じ…違うかな?

 

そんな事より俺のISだ。周辺数キロに亘ってサーチを掛けたが全然反応が無い。

 

「探し物も大事だけどあそこの漁船に避難勧告を出さないと。このままだと巻き込まれちまう」

 

「そうか…そうだな。行こうか」

 

漁船に近づくと中国語で何か話している。

 

「パスィ、自動翻訳と変声機能ON」

 

これで良し。一夏には下がらして一歩前へ出る。

 

「今この辺りの海域はIS学園が貸し切りでとある訓練を行っている。その訓練では実弾も使用している。だから今すぐにこの海域から離脱して近くの漁港へ入ってくれ。そして然るべき処置を受けてもらう」

 

「分かった。すぐに出て行く」

 

「そうか、良かった。ちゃんと指示に従ってくれて…ところで何を釣っていたんだ?」

 

沖合に出ている船にしては甲板に釣り竿の一本の無い。網で魚を取っている雰囲気でもないので訊いてみた。

 

「あ、あぁ…ちょっとした…そう、宝探しだよ」

 

「宝探し?」

 

「そう、宝探し」

 

「日本の領海で手に入った物なら日本政府の物だ。悪いが確認させてもらおうか」

 

すると船員は目の色を変えて俺に近づいて来た。

 

「悪いがそれは出来ない」

 

「すぐに出て行く、荷物は海に捨てる。それでいいだろう?」

 

「良くない。警察に見つかったら嫌なものなのか?良いじゃないかお宝くらい」

 

なんだか気になったので多少無理矢理ではあるが甲板の床を開けて船内を探す。もし資源的な物ならコレを口実に中国へ制裁を行える。

 

「おいおい、勝手に入るな!!訴えるぞ!!」

 

「俺の国で好き勝手やったんだ。これくらいの覚悟もなしに日本の領海を犯すな」

 

漁や釣りに関係の無いものばかりが散乱している。近くの木箱を開けてみると…。

 

「ひゅ~~、こいつぁすげぇ。一夏、これ見てみろよ」

 

甲板にいる一夏を呼んで箱の中身を見せる。

 

「おい、これって銃だろ。詳しくないからどの銃とかってのは分からないけど密入じゃないか」

 

「へへ、とんだものを見つけちまった…な。一夏、アレ…」

 

倉庫の奥の方を見るとぼぅ、と光が漏れている。近づいて布をめくると医療カプセルだった。

 

「なんでこんな高価な物が…」

 

俺が使っているものと構造が似ていたので、設定を弄り有色ガラスを無色へかえた。すると中には宇宙を装備した俺が入っていた。

 

「一夏…先に皆と合流しろ」

 

「でも…」

 

「いいから合流しろ。ここで俺に何が起きても振り向かずに飛ぶんだ。行け!!」

 

倉庫の壁を壊して一夏は皆の元へ飛び立った。残された俺は医療カプセルを壊して宇宙を回収し式神を札へ戻す。

 

「見られちまったね…」

 

返事もせずにショットガンの銃口を頭に合わせて発砲する。即席の肉塊の完成。

 

この船は沈めなきゃいけない。束の宇宙を汚い手で触ったゴミは掃除しなきゃね。

 

銃を手に取り応戦してくるがISに対して自動小銃程度の火力じゃ傷一つ付ける事さへ叶わない。俺は静かに怒りを落ち着けながらゆっくりと一人一人確実に頭をつぶしていった。

 

 

 






今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます

レディプレ見ろよ(迫真

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