※この作品はR-18です。

ISの世界に舞い降りた一人の男   作:メシキ

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約一か月ぶりの投稿したので初投稿です



71話

 

 

 

流石に女子高生2人と夜遅くに森の中というのは事案になりかねないので2人は先に旅館へ帰ってもらった。今は一人で崖の上に座って潮風とタバコを楽しんでいる。鼻につくこの独特の匂いもまた癖になりそうだ。しかしこの匂いはタバコの匂いだけじゃない。

 

「隠れていないで出て来たらどうだ?姿は隠せてもその殺気だけは隠せていないぞ」

 

振り返ると木の陰からフルフェイスのメットを着けた女性が現れた。ISスーツを着ているので体格がもろに分かる。ぷりぷりのヒップにくびれたウエスト、そして豊満なバスト…体格だけなら束そっくりだ。

 

「福音の暴走はあんたの仕業か?」

 

「お前には関係ない。死んでもらおうか…」

 

「へへ、人気者は辛いね。でも俺は殺されないよ」

 

「それは私が決める事だ」

 

そういうとISを呼び出すが両手を覆ったところでISの装着は止まった。いや、彼女は自分で装着を止めている。

 

「私の恋人に手を出すとは言い度胸だな…私の刀がお前の首をはねるのが早いか、それともお前がISを装着するのが早いか…。勝負しても良いがこの刀はISのシールドだろうが切り裂くぞ」

 

かなり怒気を含んだ声色で千冬さんは彼女の首筋に刀を押し付けていた。

 

「だから言ったでしょう。俺は殺せないって」

 

「……そうか、どうしてお前は……いや、殺したければ殺せ。死んだところで後悔はない」

 

「そうか…なら罪を償え」

 

千冬さんは本気で首をはねそうだったので少しのあいだ動きを止める事にした。なぜだか彼女には死んでほしくない、そう思ったからだ。

 

「嘘を言っちゃあいけないよ。君にはまだまだする事があるはずだ」

 

「う…ぐぅ…俊葵、何をする」

 

「ごめんなさい、千冬さん。その人が生きていた方が俺も敵ができて戦う口実ができそうです。いつでも俺の命を狙っていいよ。でも強いヤツをけしかけてね。弱い奴らを虐殺するのも良いけど今回みたいに強い相手を倒すたびに自分の強さを再確認できるから」

 

「お前は…どこまでも人を見下す奴だ」

 

「そりゃあ俺はお前たちよりも上の存在なのだから仕様がない。文句があるなら俺を殺して証明しろ」

 

「ちっ…お前のどこが良いのかさっぱりだ。凪にしてもスコールにしても…ではまた会おう。今度こそ絶対に殺してやる」

 

その言葉を最後に彼女は透明化して風の音と共に何処かへ去っていった。彼女の気配が完全に消えたのを確認してから千冬さんの金縛りを解く。

 

「なぜ生かした?戦う理由が欲しいなんて嘘だろう」

 

「あながち嘘じゃないよ?確かにアメリカに喧嘩吹っ掛けたしアレが原因で戦争になったって構いやしない。けど今回はそうじゃあない、合法的に他国に侵入して破壊行動がしたいんだよ」

 

「まだお前の計画とやらはスタートしていないのだろう。だったら大人しくしているのが良いんじゃないのか」

 

「はは、千冬さんには嘘がつけないなぁ。本音を言うとね、あの人から良い匂いがしたんですよ」

 

「香水なんて臭わなかったぞ?」

 

「なんていうか雰囲気が凄く良かったんです。それこそ達してしまうほどに最高の匂いでした。彼女は俺のモノにするって決めました。きっと彼女なら最高の相棒になってくれるかもしれません」

 

「私や束ではアイツに劣ると…」

 

あ…落ち込んじゃった。無理もないか、ポッと出の女に彼氏の興味が逸れたら嫌だよね。

 

「心の支え的な意味じゃなくて俺の駒として動いてくれる部下としてです。彼女の心は何処までも純粋に染まりますよ。俺の部下になれば誰よりも忠実に命令をこなす犬になってくれる。間違いない…」

 

「クロエがいるではないか。あいつでは役不足か?」

 

「クロエの心は確かに純粋ですが単色ではありません。俺と束の色が混ざっています」

 

「束やシャルロット、ラウラはどうだ?」

 

「俺が危険な任務を頼むのを見たいですか?」

 

「箒やセシリアは如何するつもりだ?あいつらにも殺しを頼むとさっき言っていた」

 

「やむを得ない場合には殺しだって命じます。でも基本は俺が殺しますよ。兎にも角にも彼女が欲しいんです。どこまでも俺に忠実で駒や犬のように扱える女が」

 

「ああ言えばこう言う。俊葵…まったく、お前がそう言うならそれで良い。だが私の事もちゃんと見てくれよ…寂しいのは嫌だ///それからその顔は止めろ…まるで悪魔だぞ」

 

拡張領域から鏡を取り出して顔を見ると邪悪に歪んだイケメンが一人いた。

 

「うん、イケメンですね」

 

「まったく…」

 

……

 

…

 

「ん…うぅ…」

 

「目、覚めたみたいね。気分はどう?」

 

身体中がズキズキする。まるで風邪をひいたみたいだ。

 

「ねぇ、聞いてるの?もしかしてどこか悪い?」

 

鈴の声が聞こえる。…そうか、俺たちは福音に攻撃されて…。

 

「はぁ…顔と性格以外は悪いみたいね。特に頭が…」

 

「はは、返す言葉もないよ」

 

「起きているならさっさと返事しなさいよ。心配したじゃない」

 

「心配してくれたんだ?」

 

「心配するわよ!!でも良かった…白式のおかげで助かったんだからお礼くらい言っておきなさい」

 

待機状態の白式を見ると形が変わっていた。大きなガントレットからシンプルなブレスレットになっている。

 

「へへ、また助けられたな。ありがとう白式」

 

「そうそう、あたしも甲龍に助けられたし…って言いたいけれど違うわ。あんたの白式、セカンドシフトしてるわよ」

 

「本当か!?」

 

「えぇ、どういう訳か私たちが爆風に巻き込まれる寸前にあんたの白式が形を変えて守ってくれたのよ。だから…その、ありがとう」

 

俺の白式がセカンドシフト…そうまでして俺と鈴を守ってくれたのか。ありがとう白式、なんてお礼を言っていいのか分からないよ。

 

「確かに白式には本当にありがとうだな」

 

「ま、助けてくれたまでは良かったけどこれからどうするの?あたしの甲龍は故障して呼び出せないし。でもサバイバルキットだけはなんとか取り出せたけどね」

 

「俺の方は…」

 

白式を呼び出そうとするが反応が無い。セカンドシフトをしてもダメージは治らないのかな。ISについてはまだまだ素人だし学校に帰ったら束さんに訊いてみよう。

 

「呼び出せないや」

 

「そんな都合の良い話はない…かぁ。あたしのサバイバルキットに入ってる食料と水じゃあもって1日ね」

 

「希望的観測はしたくないけど明日辺り俊葵が探しに来てくれないかな」

 

正直、不安でいっぱいだ。でも俺が気絶している間、鈴は今の俺以上に不安だっただろう。なら少しでも鈴が安心できるように俺がしっかりしなくちゃ。

 

「俊葵ならすぐにでも私たちを見つけてくれるわよ。束さんだっているんだし」

 

「それもそうだな。きっと俺たちを見つけてくれるさ。見つけてくれなかったら……そんときゃ俺たち二人がこの島のアダムとイブだな」

 

「バカ……(でもそうなったら少しは嬉しいかも」

 

……

 

…

 

「襲撃を受けたのは本当ですか俊葵くん!?」

 

「別に死んでないから良いでしょう。それよりもイイ女だったなぁ。引き締まったウエスト、豊満で柔らかそうなバストとヒップ、まるでありゃあ束の分身だよ」

 

「えぇ~~そんな女より束さんの方がスタイル良いよ~」

 

グイグイと腕に胸を押し付けてアピールしてくる。

 

「ごめんごめん、束のスタイルも最高だ」

 

「お前の最高は一体どこにあるのだ…」

 

俺の性格を知っている千冬さんはあきれ顔だ。確かに千冬さんの言う通り、俺の最高は何処にあるのか曖昧だけど…。

 

「俺が好きになった人が全て最高です。束にも千冬さんにも真耶にもそれぞれの良さが有ります。だからこうして優劣をつけることなく愛せるんです」

 

椅子に座っている俺の後ろに真耶、正面に千冬さん、右隣に束が座っている。そして胸を押し当てたりマッサージをしたりと任務で疲れた俺の身体を癒してくれている。

 

「こんな贅沢はどこの風俗に行ってもできないんだからねぇ~」

 

束の押しが少し強くなった。右腕に感じる束の体温が心地良い。

 

それに対抗してか千冬さんの愛撫も激しさを増した。

 

でもあまり嬉しくない。確かに気持ち良いのだが…なんか、こう…違う。決定的な何かが違う。

 

「ごめん、ちょっと外を散歩してくる」

 

「もう夜も更けた。就寝時間もとっくに過ぎているから外に出るのはよせ。さっき襲撃されたのをもう忘れたのか?」

 

「ほんの少しで良いんです。外の空気を吸って落ち着きたい」

 

「えぇ~夜はこれからなのに落ち着いてどうするのさ~」

 

「そうです。せめて楽しい思い出を作りましょう」

 

三人の制止を無視して部屋を出る。少し罪悪感が残ったが追いかけてこないので何かを察してくれたのか、それとも俺のわがままに慣れたのか。ともかく俺の足は本音のいる部屋に向いていた。

 

……

 

…

 

本音が宿泊している部屋のドアを開けるとまだ明かりがついていた。課外授業の定番ともいえる恋バナやUNOでもしているのだろう。しかしドアの開く音に気付いたのか、部屋の電気が蛍光灯から豆球に変わった。

 

「安心しろ、先生じゃなくて俺だ。本音に用事があって来たんだけどまだ起きてるか?」

 

「なになに~夜這いに来たの?」

 

「残念ながらそうじゃあない。ちょっとついて来てくれ」

 

羨ましそうに見つめるルームメイトを尻目に俺たちは既に人のいなくなった露天風呂へ行った。

 

「エッチがしたいならちゃんと言ってくれればいいのに」

 

脱衣所に着くや否や俺は本音の胸に顔をうずめた。

 

「ごめん…ごめん……」

 

「………」

 

自然と目から大量の涙が出る。束はそんな俺を優しく見下ろし頭を撫でてくれた。

 

「俺が強ければみんな傷つかずにすんだんだ。俺が弱いせいでみんなが苦しい思いをした…一夏も鈴も生死不明だ。二人が死んだら俺は皆にどんな顔をすればいい?何が専用機持ちだ…何が男性パイロットだ…俺は何もできないクズじゃないか…許してくれ、許してくれよぉ」

 

「大丈夫だよ、大丈夫だから泣いても良いんだよ」

 

「うぅ…情けない……ホントはこんな姿誰にも見せたくないんだ。俺は強くなくちゃいけないんだ。誰よりも何よりも」

 

「じゃあレアマッチーゲットだぜぃ。私はね、ドジだしのほほんとしてるし俊くんの役に立てるか不安だったんだよ。もし私にだけそんな姿を見せてくれるなら嬉しいな」

 

「ダメなんだ…俺はみんなに母性を求めている。それじゃあダメなんだよ。でも求めてしまうんだ。うぅ…うぅ……ぐす…求めてしまったらみんなをオンナとして見れなくなってしまう」

 

俺はこの世界に来てから何不自由のない生活を送っている。でも誰もが持っているモノに焦がれていた。お金でも力でもなく、俺は家族愛を欲していた。この世界に俺の居場所はない。だからこそ力で、魅力で、カラダでみんなを繋ぎとめるのに必死になっていた。

 

「怖いんだよ…どんなに強くなっても、どんなにみんなに愛されても足りない。どうしようもなく怖いんだ。ごめんなさい…ごめんなさい」

 

「俊くんは人の心が見えるんでしょ?だったら私の心を見て。きっとそれで安心するから」

 

「止めてくれ!!それはしないって一番最初に誓ったんだ。みんなが俺を信用してくれて俺がみんなを信用する。それなのに俺は皆に嫌われないか不安になって…」

 

顔を上げた瞬間に俺の潜在意識が本音の心を見てしまう。本音の心の泉から湧き出る水にはみんなの顔が浮かんでは消えてを繰り返して止まることを知らない。そして泉の横には俺を中心にみんなと一緒に写った写真がある。そして俺と本音が二人きりで写ったモノは水面にもどこにもない。

 

「どうして本音は…どうして…」

 

「えへへ、私は俊くんが幸せなのが一番幸せなの。もし私が俊くんを独り占めしちゃったら、俊くんは他の女の子と遊べなくて悲しくなっちゃう」

 

「良かった。俺、本音の大好ぎで良がっだよぉ~~~~~」

 

「ちゅ~~~~♥」

 

頭を両手でつかまれ熱いフレンチ・キスをされてしまった。本音の舌が俺の口の中を縦横無尽に駆け回る。

 

互いの粘液を貪るような激しいキスはしばらく続いた。

 

「私だけじゃなくてみんなも同じ気持だよ」

 

「そうか…そりゃあ嬉しい。でもこの先も俺は事あるごとに泣きつくと思う。落ち込んでみんなに迷惑をかけると思う」

 

「でもそれって私たちを信用してくれている証拠だよ」

 

「その通り!!」

 

ガラッと開けられた扉の向こうには束を筆頭に松崎ハーレムのメンバーが勢ぞろいしていた。

 

「今の話聞いていたのか?盗み聞きは感心しないな」

 

ク「俊葵様!!私は俊葵様の為に何でもいたします。どんな俊葵様でもお慕い申し上げます。ですからどこへも行かないでくださいませ」

 

束「そうだよ俊くん。ほら、折角みんな揃ったんだし皆で俊くんを囲もう。俊くんは私たちをお母さんって呼んでもいいんだよ」

 

シャ「僕たちみんなで俊葵のママンかぁ…うん、凄く興奮する」

 

「お前ら……こうなったらどうにでもなっちまえ」

 

みんなの身体に己をうずめて体温と香りを楽しむ。深刻な顔して悩んでいた自分があほらしい。きっと一夏も鈴も生きている。絶対に生きていなきゃダメなんだ。俺の物語でバッドな出来事が起きてたまるか。

 

「血の繋がりが無くても私たちの黒ウサギ部隊は家族になれた。だから俊葵、お前も家族に慣れるのだぞ」

 

みんなが俺を支えてくれる。これから先も俺は泣く、確実に。落ち込んでみんなに迷惑をかける。だけどみんなは俺の事を裏切ったりしない。みんなが俺を想い、俺がみんなを想う。家族って言うのはそんな簡単なモノだったのかもしれない。

 

 

 





今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます

暇だったのでホラー映画を見たらあまりの怖さに午後からのテストの知識が無限の彼方にレッツラゴーしてしまいました

死霊館、ゆ゛る゛さ゛ん゛!!
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