令和始まって最初の投稿なので初投稿
景子さんの鉄線が俺に迫る。糸はかなり細いがミクロン単位まで細くした鉄線を何本も撚り合わせて作られたかなり強靭な糸だ。ナイフや刀で切ろうとしても弛んで切れず、むしろ刃に巻き付けて折る事だってできる。
だから俺はバックステップで距離を取った。しかしいつの間にか糸は背後に回り込んでいるので袖からトンファーを出して完全に巻き付けられないようにガードした。
「残念ですが俊葵様は私の糸から逃げられませんよ」
「ッ!?」
痛みを感じる前に俺の上半身は地面に突っ伏した。そして目の前にはまだ倒れていない下半身がある。
激痛を感じるより先に痛覚を自動遮断したおかげでショック死は免れたが全然分からん。
「ストーンフリー!!」
傷口を糸にして結び合わせて身体を元に戻す。避けたと思ったら回り込まれ、防いだと思ったら攻撃されていた。
「キングクリムゾンか…とんでもないスタンドをあげちゃった。今までたった一人にこんな負傷を追わされたのは初めてです。使いこなせているようですね」
「俊葵さんのお願いとは言え傷つけるのは不本意です。これ以上続けますか?」
「あともうちょっと続ける」
Uziを両手に構え乱射する。弾丸は跳弾し景子さんに襲い掛かる。
「全て見えています」
糸を編んで盾にして防ぐ。防ぎきれない弾丸は時を消し飛ばして避けているようだ。しかし一発の弾丸が景子さんのふとももに命中した。
「弾丸を避けたのは失敗でしたね。弾道は見えたかもしれませんが着弾した自分まで未来を見ないと。それから時間を飛ばせる時間、クールタイムも計算に入れないといけないですね」
透明な弾丸なら未来においても見えていない。いくら予知できても見えないものは感知できない。
「うっ…」
「景子さんと本気で戦ったのは初めてだったけどとても楽しかったです。今、傷を治しますね」
弾丸を取り出して傷を治す。傷痕は綺麗に消えて血の染みだけが残った。
「やれやれ、キングクリムゾンも万能ではありませんね」
「そうでもないですよ。対一の戦いならほとんど無敵のスタンドです。俺みたいにスタンドの弱点を理解している相手でもない限り負けることはあり得ませんって」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。朝食はどういたしますか?クロエさんがいらっしゃらないので今日は私がご用意させていただきます」
「クロエが居ないのって今日だっけ?」
「はい、昨日の夜から束様と箒さんと共に二人のご実家の方へ行かれています。何か不都合な事でも」
そう言えばそうだった。神社で祭りがあるからって巫女さんやってる箒は帰るんだった。それに束も実家を出て行ってから顔合わせてない両親に会いに行くって。
「そんなに不都合って訳でもないけどクロエが居ないのはなぁ…」
「束様のお世話を任せると仰ったのは俊葵様ではないですか」
「寂しいから慰めて…」
割烹着を着た景子さんに抱き着いてわざとらしく泣いたふりをした。
「まったく…束様もクロエさんも俊葵様を甘やかしすぎです。私は甘やかしませんよ。えぇ、決して甘やかしませんとも」
「……ホント?」
「もちろん本当です。試してみますか、私は構いませんよ」
「じゃあなんで抱きしめてくれるの」
景子さんの手は俺の背中に廻っていて優しく抱きしめている。
「抱きしめて優しく撫でる事はまだ甘やかしの『あ』の字もありません。『か』の字くらいまでなら教養範囲です」
「それじゃあベッドの上で優しくおちんちんをしごいて♥」
「……まぁ、それぐらいなら良いでしょう」
朝食前に朝勃ちの処理を手とおっぱいとおまんこでやってくれた景子さんはとても優しい女性だと思う。多分、こんなにも優しい女性はそんなにいないだろうな。
……
…
久しぶりに実家の土を踏んだ。何も変わっていない。神社も変わりなかったけど裏手にある実家も全く変わった様子がない。
「本当に大丈夫か、姉さん」
「だ、大丈夫…よし、入るよ」
ガラッと立て付けが少し悪い引き戸を開けて敷居を跨ぐ。むわっとした湿気と熱気が顔を包む。それはクーラーなんて便利なものはこの家には無い事を示唆していた。
「た、ただいま…」
「あら、箒。帰って来るなら連絡を……。束?」
「う、うん…ただいま」
「えっと…おかえりなさい。部屋はそのままにしてあるわ。長旅で疲れたでしょう。そちらのお嬢さんもどうぞ中へ。お茶を用意しますね」
ここに来るまでは凄く緊張していたけど会ってしまえばそうでもない。ドキドキは止まらないけど少し気が楽になった。
「クーちゃんも上がって。折角だし私の部屋に行こうよ」
「畏まりました。それではお邪魔します」
「箒ちゃんはどうする?」
「私も部屋に戻ろうかな」
箒ちゃんと分かれて自分の部屋の扉を開ける。ベッドも机も何も変わりない。本棚には工学系の書籍ばかり置いてあるし、一世代以前の試作型ISのコアも全く動いていない。
「ここが束様のお部屋。とてもらしいお部屋ですね」
「子どもらしからない飾りっ気のない部屋。なんだかこの部屋にいると昔の事を思い出して嫌だな。リビングに行こうか」
「お供いたします」
リビングではお父さんと母さんが私を待っていた。いま一番会いたくない人とのご対面は精神的にくる。お父さんに対して嫌な思い出があるとか厳しくて厳格な人だったとかそういった訳じゃあないけど、なんとなくお父さんは苦手だった。
「ただいま…」
「お帰りなさい…変わりないか?」
口数はもともと少なかったし、笑顔を見た記憶もあまりない。そんな父が厳格な顔で私も前に鎮座している。
「うん、元気でやってる」
「そうか…。箒から聞いたが恋人ができたそうだな」
「うん…」
いきなり核心をついてきた。やっぱりこの人は苦手。他に会話することは無いの?なんでこの質問かな…。
「人付き合いが苦手なお前がな。とても驚いたよ。でも安心した…『私の娘はどこの馬の骨とも知らん奴に渡さない』という気持ちもあった。でも『その人』はとても優しい人なんだろう?」
「うん…凄く優しい」
「箒から全部聞いたから知っているよ。『その人』は色々な女性と関係を持っているそうだね。腹も立ったし切り捨ててやろうとも思った」
いまクーちゃんが右手をピクリと動かしたのを私は見逃さなかった。私のお父さんだから手は出さないだろうけど少し心配だな。ちょっと身を寄せて安心させる。
「だけど幸せそうなお前たちの顔を見たら『その人』に任せられるって思ったのだ。18の頃、この家を飛び出してからお前はもう一人立ちしていたんだな。束、もう私から言うことは無い。もう分かるだろう」
父さんの目の端に涙が見えた。
「父さんはお前が幸せそうで凄く嬉しいよ。良い人を見つけたな」
「うん!」
「箒も姉と同じ人を好きなって良かったと思うか?」
「勿論です。私は俊葵を愛していることを誇りに思う」
「そうか…母さん……嬉しいなぁ!」
「えぇ…えぇ!」
良かった…父さんも母さんも俊くんを認めてくれた。ほんのちょぴり不安だったの。だって俊くんと両親どっちを取ると言われたら迷ってしまうから。
「あ、そうそう。この子はクーちゃん。俊くんの恋人兼私の助手。クーちゃん、私のお父さんとお母さんにご挨拶」
「はい、初めまして。クロエ・クロニクルと申します。俊葵様の奴隷兼束様のメイドをしております」
「奴隷?メイド?」
「はい、俊葵様に私は命を救われました。その時から私は俊葵様の奴隷になると心に誓ったのです。しかしそんな私を『恋人』や『助手』として扱ってくださる皆様には心の底から感謝感激しております」
「そ、そうなのか」
「とにかくクーちゃんは良い子なの」
「まったく…その俊葵という人はとても魅力的な人間なんだろうな」
「私も会ってみたいわ。ところで箒ちゃんは今日の神楽舞はどうするの?代演の巫女なら用意はしたけれど…」
「今夜は俊葵が来るから私が舞おうと思います」
「そう、それじゃあ準備を進めるわね」
「私もお祭りの運営で町内会の人と会議があるから出てくるよ。三人ともゆっくりとくつろいでくれ。それから束、箒、帰ってきてくれてありがとう」
父さんも母さんも出て行ってしまった。残された私たちは箒ちゃんが着付けをしに行くまで近くの森を探検したりレトロゲームをしたり楽しんだ。
……
…
俺は和装に身を包み電車に揺られていた。普段着ないような服を着るっていうのはとても変な感じがする。しかも俺はふんどしすら締めないノーパンスタイル。和服は全裸に着るってエロ本から知識を得ていたからそれに倣っている。
ただでさへ目立つのにノーパンだとかなり興奮する。間違っても勃起しないようにしないと。
なんで目立つかって?俺の周りには吉原の花魁も霞んで見える美人たちが囲んでいるから。
「みんなの予定が合って良かったよ。折角の神楽舞だからみんなで見に行かないとね」
「そのカグラマイとは何ですの?」
「外国人の僕たちには馴染みの無い言葉だから教えてもらえるかな?」
「情報を求む」
「神楽舞ってのは神様に贈る踊りみたいなもんかな。神様のご機嫌を取って田んぼや畑の豊作を願うんだ。正直、箒の神楽舞を奉納される神様をぶっ殺したい気もするけどね」
「へ~、日本人って信心深いんだ」
「今の俺のセリフ聴いてなかったのか?まぁ良いよ」
こうして俺たちは電車を何度か乗り継いで箒の実家の神社まで来た。神社の境内の出店で買い物をする頃には夜になっていた。
結構大きな神社だからなのか階段下の通りまで露店が立ち並んでいる。境内も広くて人も多い。だからみんなと来たけど早速逸れてしまっていた。
耳触りの良い喧騒と祭囃子を聞きながらたこ焼きを左手に持ち、豚串を三本も右手に持ち、太ももにはかき氷を挟んでベンチに座っている。祭り特有のB級以下料理も楽しい雰囲気がカバーしてくれている。もうすでにたこ焼き4皿、串焼き15本を平らげていた。
「すみません、もしかして俊葵さんですか?」
顔を上げると子連れのお父さんが話しかけてきた。
「もしかしなくても俊葵さんですよ」
「宜しければ娘と一緒に写真撮影をして欲しいんですけど」
全くもって宜しくないけれど娘が可愛い幼女なので写真撮影を承諾した。ハメ撮りならいざ知らず俺はあまり写真を撮られることがあまり好きではない。修学旅行でも自分では撮るけど集合写真以外ではあまり撮られたくないタイプだ。
「どんなポーズが良いですか?」
「あいえすといっしょにとりたい!!」
「流石にISは無理かなぁ~。悪いけど我慢してくれるかい?」
「やぁだぁ~やぁだぁ~!!あいえすととるの~~~!!」
我が儘を言う幼女は可愛いと思っていたけど三次元ではそんな事ないみたいだな。メチャクチャ腹立つ。これが自分の娘なら可愛いと思えるのかもしれないけど。
「公衆の面前でISを装備するのは法律違反で……でもIS学園は完全治外法権なわけだし別に問題ないか。校則違反だけど……折角の夏休みに補習受けたくないし、これ以上千冬さんの仕事を増やすのも心苦しいし…やっぱダメだ」
「俊葵さんもこう言っているし我慢しなさい」
「う~~~」
納得していないような顔だけど我慢してくれたようだ。きちんと躾ける事の出来る親御さんは好感が持てる。
「ほら、抱っこしてあげるから」
幼女をお姫様抱っこしてカメラに向く。幼女はダブルピースしているが俺は両手が塞がっているので何もポーズを取れない。
「はい、チーズ」
「ちーず!!」
撮影を終えて下ろそうとしたときにバランスを崩してしまって幼女が着物の襟をつかんでしまった。地球には重力ってのがあるようで襟を強く握りしめた幼女はそのまま地に降り立った。そして俺は上半身裸になってしまった。
「うちの娘がどうもすみま…せ……」
傷とタトゥーだらけの俺の身体を見るや否やみんな俺から二歩後ずさった。しかし幼女は無邪気にも俺に近寄って来た。
「どーしておにーちゃんは体に絵がかいてあるの?」
周りの民衆が息をのむ音が聞こえる。GBMが停まった瞬間のホラー映画のワンシーンみたいに静まり返った。
「君も紙じゃなくて壁にお絵かきしたりするだろう?」
「うん!おこられるからちょっとしかやらないけど!」
「それと一緒だよ。お兄ちゃんは紙じゃなくて体にお絵かきするのが好きなんだ」
「じゃあなんでココはだの色がちがうの?」
傷痕をなぞる幼女の指はとても柔らかかった。そして気持ち良い…マジで。
「これは怪我の痕なんだ。大事な人を守るために怪我したんだよ」
「なんで?」
「女の子のキミには分からないだろうけど男は大事な物を守る為なら死んだって構わないんだ。そもそも命をかける覚悟もない奴が女性を愛すること自体が間違っているんだよ。男って言う生き物は守るべきものを守れないで生き延びても死ぬんだ。男じゃなくなっちまうんだよ」
「じゃあまもれなかったら女の子になるの?」
「ハハハ、玉無しって意味ではそうかもな。難しいだろ?」
「うん!むずかしい!」
「今はそれで良い。大人になったらわかるさ」
幼女の頭を撫でてその場を離れる。俺が近寄ると周りの人だかりはモーセが割った海のように道が開けた。
「まったく…なんでこう俺ってば目立つのかな。これだから日本人は嫌いだ…」
……
…
しばらく身を潜めて騒ぎが収まってから民衆の流れに身を任す。すると逸れたセシリアに出会った。
「さっきぶり」
「あら、俊葵さん。どちらに行っておりましたの?」
「ちょっとね。セシリアは?」
「私は日本の祭りを堪能しておりました」
セシリアの手には水風船のボンボンとリンゴ飴が握られている。
「随分と楽しんでいるようで」
「そうでもありませんわ。どのお店でも私の事を外人さん外人さんと呼びますし、料理も冷めています」
「確かに祭りの店で買った料理は冷えてるよな。でもこれはセシリアの口にも合うと思うぜ」
「これは?」
「ミニカステラと豚串、こういった場所では素材の味を楽しむ料理を食べるべきだね」
受け取ったセシリアは上品に豚串を食む。
「とてもジューシーですわ」
「気に入ったのならそれやるよ。俺はもう何本も食ったから」
「では私はここで休憩していますので皆さんと楽しんできてください」
「良いのか?」
「ふふ、私の事を気遣ってくださるのですか?もちろん良いですとも。皆様にも私と同じように楽しんでほしいです」
「それじゃあ行ってきます」
……
…
日本の心は何処へ行ったのか右を見ても左を見ても髪を染めたりピアスを着けたりしている女性が必ず一定数見つかる。厳かな女性はいなくなってしまった。俺の隣を歩くラウラの方がよっぽど大和撫子だ。
「日本の祭りというのはとても楽しいな」
「だろ?これぞ日本の心だ」
「まったくその通りだ。しかしデビルフィッシュを料理するなんて驚いたぞ」
「たこ焼きの事か?」
「そう、たこ焼きだ。なかなか美味しいな。やはり日本人の食に対する独創性と向上心は目を見張るものがある」
日本人の事を褒められて悪い気はしない。だって広義的には俺の事も褒められているから。褒められることは大好きだ。ラーメンと同じくらい好き。……やっぱりラーメンの方が好き。
「他に食べたいものはあるか?何でも奢るぞ」
「それじゃあ射的と言う奴をやってみたいな。ドイツで鳴らした私の腕前を見せてやる」
と意気込んでいたのは五分前の事。今はお祭りの理不尽さにあえいでいる。
「何故だ!!今確かに当たったぞ!!」
「あのなぁ外人の嬢ちゃん…当たればいいってもんじゃあないんだよ。倒さなきゃあいけないんだ」
「ぐぬぬ……仕方ない。バッドカンパニー」
射的屋の台の上にスタンドを並べて銃口を向ける。
「他の人に見えていないとはいえスタンドを使うのはまずいな。あの大きなぬいぐるみが欲しいなら俺が取ってやるよ。おっちゃん、俺も一回」
「一発で取れたらおまけに好きな商品を持って行って良いぞ」
「そりゃあごうつくだ。よし…」
ウェザーリポートでエアーガンの圧力を挙げて発射する。実銃並みの音が鳴ってしまったけどぬいぐるみはちゃんと倒れた。
「一発で取ったからこいつも貰うぜ」
おっちゃんからぬいぐるみと高級時計を受け取った。チラッと見えたけれど高級時計がのっかっていた場所には接着剤のカスみたいのがついていた。
「これに懲りたらまっとうな商売をするんだな」
「ありがとう。本当に貰っても良いのか?」
「その為に取ったんだ」
500円で高級時計とラウラの笑顔を見られたのなら安いもんだ。
……
…
ラウラと別れた後は簪と一緒にお祭りを楽しもうと思っていたのだけど簪は楯無、本音、シャルルの『四人で行動する』と行ってしまった。まぁ、夏祭りは別な場所でもあるだろうし構わないのだけれど正直意外だった。
ここに居るはずの束とクロエが真っ先に俺に会いに来てないから他のみんなが別行動しても衝撃は受けない。ほんのちょっぴり寂しい気はするけど…。でもまぁ、みんなにもプライベートな時間は必要だろう。
だったら俺はグッとこらえて一人でお祭りを楽しもうじゃあないか。
と心新たに露店の列へ足を踏み出したとたんに背中に衝撃と冷気が走る。振り返るとかき氷を持った赤毛の可愛い女の子が立っていた。
「す、すみません!」
地面見たら零れたかき氷が有るのでどうやら俺の背中にぶつかってこぼしてしまったらしい。
「俺のほうこそごめんな。君のかき氷が美味そうだったから俺の着物が喰っちまった。弁償するよ」
「いえ、そんな……俊葵様?」
「そうだけど、君は誰?」
「私は五反田蘭って言います!中学三年生です!」
蘭ちゃん…どっかで聞いた事のある名前だな。どこで聞いたんだっけか。人の名前を覚えるのはとても苦手だ。記憶喪失後はハーレムメンバーの名前を覚える事すらままならなかった。
「蘭ちゃんね…どこかで会ったことあるかな?なんか聞き覚えのある名前なんだよね」
「いえ、初対面のはずですが…もしかして一夏さんから私のことを聞いていたとか」
「あぁ~思い出した。友達の妹が蘭って名前だったって言ってたな」
「へへ、一夏さん学校で私の事話してくれたんだ///あっ!それより着物です。早くしないと染みになっちゃいます」
「それじゃあちょっと待ってて」
草むらに入って全裸になり拡張領域から取り出した新しい着物に着替える。今度は黒い下地に金糸で鳳凰が描かれた高級感あふれる物にした。
「どうかな?」
「とても似合っています!」
「そりゃどうも。それじゃあ新しいかき氷を買いに行こうか」
「良いんですか?」
「あんなところでぼうっと突っ立ってた俺も悪いって。それに俺もかき氷を食べたいから買いに行く」
蘭ちゃんの手を引いて祭りの喧騒の中にもう一度身を任せた。
……
…
「へー、蘭ちゃんってIS学園受けるんだ。俺は男だから受験とか無かったから楽に入学できたらしいけ…いや、できたんだけど難しいよ。倍率は一万倍を超えるしISの適性でまず落とされるって先生が言ってた」
「IS適性なら問題ありません。このあいだ市役所で調べたらAでした」
「凄いじゃん」
「俊葵様の適性はいくつですか?」
「俺はSS+」
「凄い…Sランクなんてあったんですね!流石は俊葵様です!」
「はは、ありがと。ところでその俊葵様ってなに?」
「いえ…その…実は俊葵様の大ファンでして…///」
「ファン?」
「はい、夏に入ってから急に雑誌のインタビューやグラビア写真集に登場したのは不思議に思いましたけど一目惚れしちゃいました」
「一目惚れねぇ…俺、蘭ちゃんが思ってるほど良い人間じゃあないよ?」
「そうなんですか?私はそう思いません。インタビューでは『人間は皆幸せであるべきだ。その為にお金が必要なら喜んで寄付するよ』と言って100億円も寄付する人が悪い人なわけが有りません」
「パフォーマンスだよ」
「パフォーマンスでお金を手放すなんてすごいです!」
この子すんごいな。俺に対して憧れと愛情しか抱いていない。
初対面の女の子に能力を使うのは気が引けたけど記録によると千冬さん似の女の子に殺された過去があるから慎重になり過ぎて悪いことは無い。
「俺はいろんな女の子に手を出す変態で最低な男だぞ?」
「経験豊富なんですね!!私にも…その…///」
何でそんなに前向きな考え方ができるのだろうか。ここは普通『最低です。失望しました』っていうところだと思う。
「俺より一夏の方がカッコいいと思うんだけど。あいつ真面目だし優しいし男前じゃん」
「一時期は一夏さんも好きでした。でも年上のお兄さんに対する憧れだって分かったんです。こう見えて大人なんですよ?」
「俺に対する思いも憧れかもしれないよ?」
「絶対に違います。一夏さんへの想いと俊葵様への想いは全然違います」
「そっかぁ…それじゃあ仕方ないね。身体だけの関係になるかもしれないよ?」
「それでも構いません」
手の握り方を恋人繋ぎに変えて肩を寄せる。蘭ちゃんからは女の子特有の良い香りがする。まさか中学生に欲情するなんて思っていなかった。いや…むしろ中学生だから欲情したのかもしれない。おそらく14歳が15歳…青い果実って美味しいじゃん。
今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます
遂に蘭ちゃんの登場です
蘭ちゃん可愛いですね
だから俊葵に喰わせる事にしました
理由は二つ
一つは一夏に浮気させたくなかった
一つは蘭ちゃんとみんなと乱交パーティをさせたかった。蘭だけにね!!
次回予告
表より
裏が賑わう
村祭り
次回『初体験』
あ、ふ~ん(察し