前回の投稿からほとんど時間が経っていないので実質89話
つまり初投稿
「俺は蘭ちゃんが思っているほど良い人間じゃあないよ」
「良い人はみんなそう言います」
俺と蘭ちゃんは恋人のように寄り添いながら祭りを楽しんでいる。その間、蘭ちゃんについて色々と教えてもらった。
まず彼女は中学三年生でIS学園への進学を希望している事。生徒会長で全校生徒から慕われており男女問わず告白されて参っている事。そして一番重要なのは俺の事を好きだって事だ。
俺だってこんな美少女とキャッキャうふふなお付き合いができるなら最高だ。でも俺にはみんながいるし彼女が俺を受け入れるか分からない。彼女は一般人だ。
「蘭ちゃんを境内の裏へ連れ込んでレイプするかもよ」
だからこそ俺の事は諦めてもらいたい。
「だから俺の事は諦めてくれ。金が欲しいなら一生かかっても使いきれないほどの大金だってやれる。IS学園に入学したいなら俺が推薦したっていい。こう見えてもIS学園の偉い人とは仲が良いんだ。他にも俺にできる事なら何でもするよ。だから諦めて欲しい」
「……理由は何ですか?自分で言うのはアレですけど不細工じゃないと思います。俊葵様が…その…熟した女性が好きならどうしようもないですけど私は熟女になっても気持ちは変わりません。それに貞操は守ります」
「そういった問題じゃあないんだよ。理由も話せない」
「それじゃあ諦める代わりに理由を教えてください」
「それは…」
蘭ちゃんはとても真っ直ぐな瞳で俺の濁った眼を見つめる。きっとこの瞳が人を引き付けるんだろうな。結局、根負けした俺は口を開いた。
「単刀直入に言うと俺は人殺しだ。フランスの山奥にある原子炉の爆発、中国砂漠地帯での核実験、どれも俺が関与している。実際は反社会的な組織の基地や大型兵器を破壊した。そこで俺は大量虐殺を行った。そういう人間なんだよ俺は…」
「正義の味方なんですね!!」
こんな話を聞いてもまだキラキラと目を光らせている。
「俺は正義の味方じゃあない。正義そのものだと思っている。だから俺の行いは正当化されないといけない。自己中心的なバカだろ?」
「そんなことありません。俊葵様は強いです。強さこそこの世の真理だと私は思います。財力、知力、体力、力は様々ですが今世界を支配しているのは間違いなく力です。ですから強い俊葵様は正しいと思います」
この子…若いのに心理を突いている。本当に中三か?
「浮気するぞ?」
「私は俊葵様の事を想えるだけで幸せです」
この物言い、まるでどっかの誰かさんみたいだ。
「そうかい…それじゃあ仕方ないな。でも俊葵様ってのは無し。俺の事は俊葵さんでよろしく」
「でも…」
「口答えするなら…いや、秘密を知られたし……でもこんな少女を…とにかく俊葵さんだ。それ以外なら無視する」
「分かりました、俊葵さ、さん」
俺は蘭ちゃんの手首を掴んで境内の裏に連れ込んだ。
……
…
「クーちゃ~ん、俊くん来てるってホントぉ~?」
束はレイアウトを変えた自室のベッドに寝転がりガリガリ君を食べている。
「はい、先ほど見かけました」
一方クロエはいつもの様に背筋を伸ばして直立不動。蒸し暑い部屋の中でも汗だくになりながら
「どこでぇ?」
「境内の裏でセックスをしておられました」
「えっ!?誰と!?」
束は決して俊葵の浮気を咎めたりはしない。ましてやほんのちょっぴりの怒りも感じない。この場合は『誰としてるの?ハーレムメンバー?私も混ざらないと!!』と思っている。
「存じ上げません。メンバーではないようでした。しかし赤毛でとても綺麗な方でした。おそらく近所の中学生ではないでしょうか。私が言えたことではないですがとても幼い方でした」
「ちょと見に行くよ」
元々神社の裏手にある家から俊葵たちが激しく愛し合っている現場までそう時間が掛かるものでもない。しかしなかなか見つけられないでいた。
「もぅ…どこ行っちゃったの?」
「結界を張っているのではないでしょうか。同じような目的でここへ来た人間に俊葵様の事情を見せるわけにはいけませんから」
「成る程ぉ~それなら電話しちゃおぅ~」
束たちは俊葵からの着信をワンコールで出る。その秘訣は着信を携帯ではなくISでしているから立体画面に着信がすぐに表れるからだ。しかし俊葵はそうしていない。携帯端末で着信を受けるようにしているしバイブレーションも着信音も無しにしているのでまず電話に出ない。
「出ないなぁ~~」
三度目の正直と電話を掛けたらようやく出た。
「ハァ…俺、今忙しいんだけどッ!ハァ…クッ…何の用?」
「私も混ぜて欲しいなぁ~って」
「ぐ…それじゃあ後一歩前に出ろ」
言われた通りに一歩前へ出たら俊葵が蘭を犯していた。どういった原理かは分からないけれどそんな事を気にしたいのが二人だ。
「俺のオンナと電話しながらオナホ処女マンコに生中出しって最高…うっ!」
二人の結合部を見るとピンク色の精液がボトボトと滴っている。まるで柔めのグミのような精液がとても美味しそうと束は思っているだろう。
「ねぇ~俊くぅん」
「分かった分かった。相手してやるから……ちょっと待って」
束を抱き寄せて耳打ちする。
『神社の周りに張っていた結界が反応した。俺に敵意ある第三者が接近中』
『殺す?』
『こんなの朝飯前だよ。蘭の相手をしてやってくれ』
「ごめん蘭ちゃん、おれちょっと出てくる。束とクロエに気持良くしてもらうんだよ」
「ふぁ、ふぁ~い♥」
トロンとしたアヘ顔を晒しながら絶頂の余韻を楽しんでいる。あんな顔をされたらますます犯したくなるがココはいっちょ我慢して侵入者を殺しに行かなくては。
……
…
結界の反応があった場所まで来たけれど誰もいない。おかしい、俺の結界は絶対だ。
「初めまして…」
声がした方を見ても誰もいない。左目のセンサーにも反応が無いのはおかしい。
「ふふ…驚かれるのも無理はありません。私は超能力者で暗殺者です。この能力で沢山の人を殺してきました。貴方にも死んで頂きます」
な、何だって!?超能力なんてものがこの世に存在……するだろうな。
「私はこの能力を≪ヴァーチャル・インサニティ≫(得体の知れない狂気)と呼んでいます。面白いでしょう?」
左目やISのセンサー、周りの蟲も総動員で探しているのに見つからない。
「無駄ですよ。私の能力は決して看破されません。大人しくしていてくださいね。でないと苦しみますよ」
「バカが…殺すときに近づくだろ。その瞬間に殺してやるよ」
「それは無理ですね。私の他にもう1人来ています」
腹が痛くなったと思ったら右腹部が血で濡れている。急いで痛覚をシャットアウトして前方をザ・ワールドで手当たり次第に攻撃するが当たらない。
「クソ…」
「俺の能力は…」
綺麗な女の声だ。一人称が俺なのはとても好感が持てる。
「もう、またなの?」
「正々堂々と戦うのが俺の主義だ。俺の能力は武器を生み出せる。正確にはカラスを武器に変化させることが出来る。カラス以上の大きさの武器は生み出せないし生きているカラスじゃあないと壊れた武器になる。それが弱点。俺は≪メカナイズド・メモリーズ≫(機械人形の魂)と呼んでいる」
「へぇ…それじゃあ俺のワールドも見えているのかな?」
「見えているわよ。面白い人…殺すのが惜しいけど」
「これも仕事だ」
今度は心臓を一突きにされた。しかし何も見えない。凶器のナイフも見えなかった。それどころか彼女たちの存在すらない。さっきから周りの空間を衝撃波で攻撃しているのに全然当たっていない。
スタンドは距離が近くないと力を発揮できない。もし隠れるスタンドならこれ程の能力だ…近くに居なきゃあ割に合わない。
しかし分からない…幻覚か。それはないだろう。俺が幻覚に掛かること自体がおかしい。それに幻覚に掛かっているなら今頃死んでいる。だから幻覚ではなく俺の感覚全てに働きかけて自分の姿を消しているのか…それなら衝撃波での全方位攻撃が外れた理由が分からない。
とにかく観察だ…観察するんだ。
周りを見回しても衝撃波で傷ついた木しかない。しかも暗くてよく見えない。こんな状況で刺客二人も相手にしないといけないとは…ん?あの木、なんで傷ついていないんだ?両隣の木は裂けているのにあの木だけが無傷だ。
無意識のうちに攻撃するのを避けていたのか?何故だ?何で攻撃を避けた?もしも彼女の能力が自分に対する攻撃とかを弾く能力なら或いは…。
試しにもう一度攻撃してみる。しかしその木に当たる直前で川の中に有る大きな岩に裂かれる水の流れのように衝撃波は外れた。
「成る程…それがお前の能力か。見えない理由は分からないけど攻撃を弾いているな。防御は完璧だが死なない相手は殺せないだろう」
「なら死ぬまで攻撃を続けるまでよ」
「こいつは心臓を撃たれて腹を裂かれているのに死なない。いったん退こう」
「もう遅い!!ウェザーリポート!!この世で最も有害な物質って何か知ってるか?それは酸素だ。酸素の濃度次第で人間は死んでしまう」
空気中の酸素濃度を一気に下げる。すると気絶した美女が二人現れる。
「はぁ…はぁ…この、能力は危ないな…俺まで死にそうだ」
さて…気絶した今なら痛みは感じないだろう。
俺は真空波を発生させて二人の首をはねた。身体は圧縮して潰し、超高温でチリにする。そして歴戦の武将になら首は持ち帰った。
……
…
「ほら、お土産」
三人の前に首を投げる。疲れた俺は境内の隅に座った。
「これを…俊葵さんが?」
「俺に攻撃したからな。面白かったよ」
「へぇ~俊くんにそう思われるなんて羨ましいなぁ~」
「えぇ、まったく」
「人殺しはお嫌いかな?」
生首を見てえずいている蘭ちゃんに訊ねる。
「いえ、そうではないのですが…その…」
折角なので二人について説明をしよう。
「彼女には二人の娘と別れた夫がいた。娘の一人は大学受験間近でお金が必要だった。だが俺に敵意があったから殺したよ。こっちは彼氏と二人暮らし。結婚と出産のためにお金が必要だった。でも殺しちゃった。そんな生首は…こうだ!」
両手に持った首を思い切り互いにぶつけて潰した。血や脳みそが飛び知って地面を汚す。
「俺は敵に対して情けも容赦もない。相手が妊娠してようが自意識もはっきりしない赤ちゃんだろうが俺と俺の家族に敵意を向けるのなら関係ない。全員等しくゴミだ」
血や脳漿で汚れた手をクロエに拭かせる。
「蘭ちゃん、俺の家族へようこそ」
「はい♥」
……
…
俊葵が侵入者を排除している頃、箒は神楽舞の準備をしていた。
「ふぅ…一人で広い風呂に入るのも懐かしい」
檜造りの昔ながらのお風呂に入りながら自分の胸を見下ろす。昔から大きな胸には困っていた。人に注目されるし男子には揶揄われる。
「男女(おとこおんな)…か。男子に舐められないように始めたはずだったんだけどな」
今ではこの胸も筋肉質な身体も磨いた剣の腕も全て自分の一部として好きだ。きっとそれは俊葵のおかげだろう。俊葵は私を私として見てくれた。それは何よりも嬉しかった。
自分が束姉さんの妹ではなく私は箒だ。
「俊葵…大好きだ///」
何の気なしに口から本心が漏れてしまった。それに顔も真っ赤になっている気がする。きっとお湯に浸かり過ぎたせいだ。きっとそうに違いない…うん。
お風呂で身を清めてからきちんと梱包された巫女衣装を取り出して身を包む。昔から和装の箒はこの程度の着付けは何の問題もない。
「胸はきつくない?」
「母さん、いつからそこに」
「箒ちゃんがセクシーな下着を脱いだところから」
着物の下は下着の着用をしない。たとえそれが観客の前で舞を披露する時であろうと例外ではない。
「も、問題ないです///」
「俊葵さんの趣味かしら」
「胸はきつくないので出ててください///」
「折角だからお化粧してあげるわ♪」
母さんは昔からこうだ。人の話を聞かない。勿論それは良い意味でだ。実は聞いていないようでちゃんと聞いているし考えもてもいる。
「ほらお母さんに任せて」
うちの化粧品はスティックリップとか今どきの物は使わない。昔ながらの化粧品を使っている。
母さんは貝殻に入った紅を小指で刺してくれた。こうして母さんに化粧されていると昔を思い出す。
昔は巫女衣装に身を包み化粧をしている母さんに『私も踊るから化粧して』と我が儘を言ったものだ。
「あらあら、にやけちゃって。どうしたの箒ちゃん?」
「ほんのちょっぴり昔を思い出した。ありがとう、母さん」
「何も出ないわよ」
そういった母さんの顔はとても綺麗だった。
……
…
神楽舞が行われる舞台の前はとても盛り上がっている。シャルロットたちがすでに俺たちの席を取っておいてくれたのでそこへ座った。
「もぅ、どこ行っていたの?」
「ちょっとしたゴミ掃除。ほら、始まるから黙って」
舞台の上で箒はまるで天女の様だった。煌びやかな着物に身を包んで手には女性が扱うには大きすぎる太刀と鉄線が握られていた。
『女性も強く在れ』というのがこの篠ノ之流剣術の根幹らしい。なんでも開祖は女性の剣豪で大太刀を扱った居合の達人だったとか。歌舞伎役者の女方が開祖で舞踊から剣術に変わったとか諸説ある。
本来の件の役割は『斬る、受ける、突く』なのだが篠ノ之流では『触れる、流す、抜く』に重きを置いている。敵を翻弄し攻撃を流し腰を軸に刀を抜き相手に触れる。斬るのではなく触れるとはどういう事かと一度聞いた事がある。すると『相手を斬るのに力は必要ない。必要なのはタイミングと脱力だ』と言っていた。
その時は分からなかったし今でも分からない。でも何となく感覚で分かる気がする。
シャン…
鉄扇についている鈴が鳴る。
まるで空気を斬っているようだ。一つ一つの動作が洗礼されている。笛や太鼓の音すら邪魔に思えるくらい綺麗だ。邪魔なものなど一つもない。一つの完成された芸術がそこにあった。
……
…
神楽舞を終えた箒は神社の傍にある自宅で休んでいた。
「ふぅ…」
「お疲れ様、凄く綺麗だった」
「ほ、本当か?」
「俺は嘘つきじゃあないって。本当に綺麗だった」
俺は巫女衣装を脱いで浴衣になった箒を膝枕している。そして頭を優しく撫でていた。
「実はこの後、近所で打ち上げ花火大会があるんだが…その、良い穴場があるんだ」
「穴場?」
「うちの裏手の林を抜けるとちょうど花火が目の前で見れるんだ。山の上だから邪魔する建物もないし私たち以外は知らないから誰も来ない。だから…その……二人で…いやみんなで見に行かないか?」
「みんなで?別に二人きりでもいいじゃん」
「みんなに悪いし…」
「気にするなって。そうだろ皆?」
障子の向こうで聞き耳を立てているみんなに話しかける。返事がないって事は肯定って事だな。
俺は箒を起こしてその場所へ向かった。
その場所は小さな広場みたいになっていて丁度二人分のスペースしかない。こうして箒と寄り添って座るだけで埋まってしまう。
「また人を殺したのか」
「また人を殺したよ。仕方なかった。俺を攻撃する方が悪い」
「そうだな…でもその人たちにも家族がいたと思う」
「分かってくれなんて言わないよ。でも…」
分かっている、と箒は優しく抱きしめてくれた。
「ずっと俊葵と一緒に居たから分かる。俊葵は誰よりも優しいんだ。だからきっと落ち込んでいると思う」
ズバリ今の俺の心情を言い当てる。なんだか心の奥底を見透かされている感じ。
「私はそんな事でお前を嫌いになったりしない。安心して良いんだ」
「ありがと…」
箒の胸に顔を埋めると天然物の香水の香りがする。それに張りがあるおっぱいが心地良い。
すると大きな破裂音が聞こえた。花火大会が始まったのだろう。
「すっげ…確かにここは穴場だな」
「だろう…」
ムードは満天、二人しかおらずまるで浮世から隔絶した場所にいるみたいだ。夏の夜はほんのちょっぴり肌寒いので肌を寄せ合っている。
「箒と二人で何かをするのって初めてだな。デートとかしたことないし」
「私はもっと構って欲しいな。そりゃあ姉さんと一緒に住んでいるから私と縁遠くなるのは仕方ないがほんのちょっぴり寂しいぞ」
箒の素直な気持ちは俺の心の扉を粉砕した。
「寂しい思いをさせてごめん」
「俊葵は人の痛みを分かる人間だからな。私も愛してくれ」
どうも愛してるとか大好きとか言われると心が締め付けられる。勿論ときめきとかそんな可愛い気持ちじゃなくて罪悪感で押しつぶされそうになる。
「大丈夫、愛してるよ」
「ありがとう///」
「綺麗だ…」
「あぁ、この場所から見る花火は綺麗だろ?俊葵にこの風景を見せれてよかった」
「違う」
「え?」
「綺麗なのは花火じゃないって」
「あ…///」
何かを察した箒は俺の身体に密着した。俺も身体を預けてくる箒を優しく抱き寄せる。
セックスしなくったって心は満足する。俺と箒は花火の音が止むまでずっとこうしていた。
今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます
次回は未定
まだ夏休みを続行するか早めに切り上げて二学期にするか
とりあえずこれからは俊葵が覚醒します
もっともっと人を殺すけど嫌いにならないでね
作者とのお約束だよ(強制
次回予告
強大な兵器に立ち向かうために必要なものは何だ
それは同じように強力な兵器か
覚悟か
戦術か
答えは簡単
全てだ
次回『灼熱戦線』
絶対的な破壊力を前に有象無象はなす術なく散る