---コナン---
母さんから「おめでとう♪」ってメッセージが届いた。思い当たる節が無いので、自分の家から連絡を取ってみた。
「あれ、どういう意味?」
「ふふふ、惚けなくてもいいのよ。蘭ちゃんと婚姻したようじゃない」
はぁい?
「そんなことはしていないぞ!」
「またまた♪戸籍を取りに行ったら、蘭ちゃんが入っていたわよ♪」
うっ…アイツか?仕返しなのか?どうやったんだ?
「それは、嵌められたんだ。だって、俺は子供姿だぞ!それに俺は法律上結婚出来無い年齢だよ、母さん」
「あぁ…そうだったわね。そうなると、蘭ちゃんの戸籍を汚したことになるわ。まぁ、この際、事実婚ってことにしなさいよ」
おいおい…マズいだろ?ただでさえ、マズい立場なのに…
「取り消し出来無いのか?」
「英里に相談してみて。そう言う法律的なことはさぁ」
はぁ?蘭の母親に相談出来る訳ないだろ?
-------
変声機で俺の声にして、蘭の母親に連絡した。
「あら、新一くん。蘭が怒っているわよ。あまりにかわいいからって、襲うのはダメよ」
「罠なんだ。俺と蘭が婚姻しているようなんだけど、どういうことかな?」
「えっ…それは本当?確認して、折り返し連絡するわ!」
2時間ほどして、蘭の母親から連絡があった。
「確認取れたわ。婚姻届けは受理されているわよ。君の生年月日を操作されていて、18歳ってなっていた。誰かにデータを書き換えられたようだわね」
「どうすればいいんだ?」
「書き換えた犯人を見つけないと。あと、君の生年月日を裏付ける証拠が必要なの。元になるデータが書き換えられているから」
おい…この姿で証明できない…あのヤロー!
「事件ばっか追いかけていないで、ちょっと私の事務所に来て。蘭を交えて今後の相談をしましょう。今夜はどうかな?」
この姿では…そうか、俺を追い込む為に…くそっ!
「今、離島にいるんだ。そっちに着けたら、連絡をします」
嘘を言って、通話を切った。どうする?灰原がいないから、薬は無いし…
---シュウ---
結局、誰に襲われたか、わからなかった。分からないってことは、黒の組織なんだろうな。誰がリークしたんだ?
シェリー、バーボン、ベルモットの三名には恐怖を与えてみたが、自白も記憶にも無かった。後、可能性は…シェリーのPC、あれって阿笠邸にあるはず。使うとしたら、アイツだけだ。何かを組織に送ったか、見つけられるように細工したようだ。なので、プレゼントを贈呈した。ついでに、阿笠邸からシェリーのPCも回収してきた。
スカさんからの品物待ち状態である。弾薬類の手配を終えているし、後、何かするんだっけ?暇と言えば、暇な僕を意外な人物が訪ねて来た。
客間に蘭の母親の妃英里といる。
「どうしました?」
「娘を助けて下さい」
本当に困っているように見える英里。
「蘭がどうかしましたか?」
「う~ん…新一君の敵対勢力に…戸籍を弄られて…」
「新一君?あぁ、蘭の彼氏ですね」
「えっ…蘭がそんな事を言ったんですか?」
「いやいや、工藤新一君から連絡が有り、彼の妻だから手を出すなって、言われまして」
嘘八百である。アイツは僕の連絡先を知らないし。
「それは、たぶん彼の敵対勢力の罠です。彼の生年月日などの戸籍データも弄られているみたいで…本当の年齢では結婚できないんですから」
18歳未満の男性は結婚できないものな。
「で、僕にどうしろと?」
「傍に置いてもらえませんか?」
工藤君の傍だろ?この場合…なんで、僕なの?
「工藤君の傍ではダメなんですか?」
「こんな事態なのに、娘にも会いに来ないんですよ!アイツは!」
怒り心頭の英里。あっ!そうか、子供姿だものな。後で、戻しに行こうっと♪
「わかりました。工藤君を探して、連れて行くようにします。まず、彼との話し合いが先です。僕はその結果を受けて、蘭を支えたいです」
「そうですか…わかりました。その節はお願いします」
僕が支えることが前提の蘭の母親。アイツはどんだけ信頼が無いんだ?
蘭の母親が帰ったので、工藤君の処へと行く。
---コナン---
自分の家で善後策を考えていると、アイツが現れた。
「てめぇ~!何しやがるんだ!」
「はぁ?そっちが先にしたんだろ?シェリーのPCでさぁ」
アレの仕返しなのか?
「でさぁ、君を元の姿に戻すよ」
アイツはノーアクションであったのだが、俺の身体は高校生に戻った。
「どうやったんだ?!」
「魔術師はネタをバラさ無いよ♪」
魔術師なのか?
「で、君を蘭の母親の処に連行する」
次の瞬間、おっちゃんの事務所のドアの前に、移動していた。どうやったんだ?ドアを開けて連れ込まれる。
「英里さん、お連れしました。僕は失礼します」
アイツだけドアから出て行く。
「新一!どういうことよ!」
蘭に胸倉を掴まれた。
「どういうことって?」
「離島にいて来られないんじゃ無かったの!」
あっ、まじぃ…嘘がバレている。
「いや、それはなぁ、蘭」
「新一君、どうするのよ。蘭をどうしてくれるの?」
「どうするも…俺は敵対組織に狙われている。一緒にいると蘭も危ないんだ」
正直な胸の内を話したが、
「はぁ?既に蘭は被害を受けているんだぞ!どうしてくれるんだ?蘭の気持ちを無視するな!」
おっちゃんがキレている。
「蘭、だまされているんだぞ。嵌めたのはさっきのヤツだ!」
「はぁ?何言っているの?彼が嵌める訳ないでしょ?何の得が有るの?私と新一が婚姻することでさぁ!」
蘭の声…こえぇ~。コイツもキレている。
「有るとすれば、後を新一に託したいだけだよ。彼はそういう人よ♪」
アイツの話になると、声の質が変わる蘭。洗脳か?
「新一、責任は取ってもらうぞ。今からお前と蘭は、お前の家に住め。ケジメを付けろ!この探偵ボウズ!」
えぇ~、新婚生活か?蘭の瞳は哀しそうだ。
「新一…責任取ってね…彼にはもう会えないんだから…」
俺の胸に顔をもたげて泣いてしまった蘭。あのヤロー!
---シュウ---
各方面と最終調整。スカさんからの物は来週入荷である。来週の水曜辺りに仕掛けるか?今回は、クラリスと彼女の国の今後も有るので、ICPOとバチカンに協力を要請した。戦って終わりでは無いから。ゴート札製造という犯罪が絡み、バチカンの司祭による婚姻を利用した犯罪もあるし。近隣の国などの各方面にも協力を要請している。
資料の山が増えていく。部屋が狭くなっていく。う~ん…
コンコン!
ドアがノックされた。
「どうした?」
「警察の方がお会いしたいそうです」
リーラだ。
「何の用件?」
「重要参考人として、任意の取り調べだそうですよ」
「治外法権なのに?」
ここ、駒王町は政府公認の異種族共存エリアであり、人間で無い者には、特別な法規で縛っている。なので、人間の法律では縛れない。
ドアを開けて、応対に行く。玄関に行くと、美和子と知らない男性がいた。
「美和子…どういうことだ?」
僕の顔を見て、青ざめる美和子。
「佐藤刑事、お知り合いですか?」
相棒の刑事が美和子に訊いた。
「えぇ…ボーイフレンド…」
「えぇ~!」
美和子の返答に驚いている相棒刑事。
「で、ここ、治外法権なんだが…知っていて来たのか?」
「治外法権って、どういうことですか?」
美和子の相棒刑事が訊いてきた。知らないのか?
「法務省に確認して来い!」
僕の手に手錠を打つ、美和子の相棒。
「そんな戯言は通用しない。公務執行妨害と見なし、緊急逮捕します」
別件だぞ…ドアの奥に目配せをすると、誠が頷いた。後は任せるか。ここで、騒ぎを起こしたくないし。そして、僕は警視庁へ連行された。
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取調室に、さっきの相棒刑事と、知らない男性といる。所謂、取り調べってやつだ。
「おい、何様のつもりだ?治外法権?佐藤さんのボーイフレンドだと!ふざけるのも、いい加減にしろよ!」
バーン!
机を叩く知らない男性。
「白鳥刑事、落ち着いてください」
コイツ、白鳥って言うのか。美和子のボーイフレンドであることは、犯罪とは無関係だと思うのだが。
「まず、本名と本籍を言ってください」
「シュウ・ヨハネ・鬼門。国籍はバチカン」
国籍に関しては、天国とか地獄って言うのはアレなので、バチカンにしてくれと教会のエライ人に言われている。
「何?お前、愚弄しているのか?なんだ、その国籍は!」
って、言われてもなぁ…
暫くすると、冴子と冴子の父親である警視総監が現れた。
「シュウ様、すみません。手違いがあり、こんな目に遭わせて」
冴子の父親が頭を下げた。僕を取り調べていた二人の刑事が、驚くような目で見ている。
「わかってくれればいいんですけど、この大事な時期に、この待遇は問題にさせてもらいますよ、警視総監殿」
今回の作戦については、ICPOと冴子から連絡が彼にはいっている。
「お忙しい中、すみません。しっかりと、彼らには警告を与えますので、ここは穏便にお願いします」
冴子に手錠をされた腕を見せ、手錠を外してもらった。
「高木刑事、白鳥刑事、彼は釈放します。あなた達の上司には、詫び状を書いて頂きますからね」
冴子と共に、取調室を後にした。部屋の外では、美和子が心配そうな表情で待っていた。
「すみません。こんなことになって…」
「しょうがないよ。冴子くらいの階級で無いと、逆らえないだろうし」
美和子と冴子と3名で、警視庁を後にした。
---高木渉---
目暮警部が唸っている。とんでも無い大物を、僕と佐藤刑事で引っ張ってしまったから…
「まさか、そんな法律があったとは…」
彼の家のある駒王町は、政府公認の特別エリアで、エリア内ではこの国とは違う法律で守られている。所謂、治外法権エリアになる。
「彼の国籍からもわかる通り、彼に関しては、政府と話し合いをしないと手は出せない」
外務省へ問い合わせた結果、彼の言っていることは事実だった。バチカン公認の聖者で有り、彼を敵に回すということは、あの宗教の信者全員を敵に回すことになるらしい。
「で、元々の彼の容疑は何だったんだ?」
「工藤新一君に対しての私文書偽造です。彼の戸籍類のデータが総て書き換えられていた上、毛利蘭さんと婚姻したことになっていたそうです」
「彼がやったと言う証拠は?」
「有りません。任意での事情聴取でしたが、当初の予定通り、公務執行妨害で現行犯逮捕しました」
白鳥刑事からの指示を、正直に答えた。
「白鳥君、どういう指示を出しているんだ?」
「はぁ?あの高校生探偵の工藤君が、アイツがやったと言っているんですよ。まして、佐藤刑事のボーイフレンドだと言うし。これは公務執行妨害での逮捕は妥当だと思います」
いや、佐藤刑事の件は関係無いと思うのだけど。
「う~ん…工藤君が…なんらかの確証は持っているのだろうな。だが、現状では無理だ。これは表面化すれば、国際問題になりかねない。高校生の証言だけで、他国の重要人物の逮捕は出来無い。今後は慎重に調査してくれ」
「継続捜査で良いですか?」
白鳥刑事が食い下がる。
「彼はダメだ。警視総監が直々に手を出すなと言われているんだ。いいな、キモに銘じてくれ」
---工藤新一---
蘭と二人で暮らすことになった。でも、いつコナンに戻されるかわからない。あのヤロー!白鳥刑事からは、アイツのやった証拠を見つけてくれと言われた。なんとしても逮捕したいらしい。執念だな。
証拠って言われてもな…アイツの為すこと総てマジックである。物理法則なんか無視しまくっているし。そもそも、役所で厳重保管されている紙ベースの書類まで、筆跡鑑定でも尻尾を残さない偽造をしてくれているし。アイツは何者だ?
蘭は、何かを思い詰めているようだ。
「どうしたんだ、蘭?」
「どうもしないよ…もう、どうにもできない…」
アイツのことが忘れられないようだった。何をされて、洗脳されたんだ?
「アイツは蘭に何をしたんだ?」
「新一には言えないことよ!あなたが、傍にずっと居てくれれば、こんな事にならなかったのに…」
俺に言えないこと?
「拷問か?」
「違う…躾よ、あれは躾…」
躾?調教か…あのヤロ~!
「俺がアイツを仕留める。だから、待っていろよ、蘭」
俺の目を睨む蘭。何か地雷を踏んだか?
「彼は、私に待っていろと言えないって言った。待ちたいなら、帰る場所になって欲しいと言った。でもね、覚悟もしていてくれてって…わかったわ、彼と新一の違いがね。新一は待たせる男。彼は待てとは言わない男よ。この違いって、分かる?ねぇ、新一!」
待てとは言わない?他に女が居るのか…
「彼は、命がけで仕事をしているの。万が一、帰れない場合も有るってこと。だから、待っていてくれは、嘘になるかもって…アンタみたいに、趣味で探偵しているヤツには分からないだろうね!」
顔を手で被い、泣いてしまった蘭。命がけの仕事?テロか?いや、あれは仕事とは言わないか…なんだ?
---シュウ---
物は届いた。現地に向かう僕♪