再会*
---シュウ---
僕の成分は、1%の正義と99%のエロで成り立っている。その成分を120%の護りたい心で被い、僕の魂は出来上がった。出来たてのホヤホヤの僕は、遠くで鼓動を感じて目覚めた。僕を呼ぶ声で、僕の意識は呼び覚まされていく。長い長い眠りから…
心にダメージを被い、6年もの間、昏睡状態だったそうだ。その間に、僕の心と魂、そして身体、翼も一新された。記憶も統合され、僕が何者であったかを初めて知った。いや、思い出したというのか。
僕は遠い昔、神であった。妻達と子供達を人質に取られて、地上の神々にリンチに遭い、死の淵を彷徨っていた。そこに、僕を助けにドラゴン族と鬼族が援軍に来て、神々の黄昏…ラグナロクが始まった。僕の記憶はそこで一旦途切れた。
記憶が再び記録されて始めたのは、人間の受精卵に魂が着床してからだった。母体から産まれ出る前から、僕の知り合いの神により、能力を復元されていった。これからの人生に必要たったから。
日々が流れ、僕は息子と対峙していた。その時の僕は記憶に封印がされており、息子とは判別出来ていなかったけど…僕は息子を、自分の身体という器に取り込んだ。殺したくない、護りたいと思ったから。
その事により、僕の魂は不死の呪いを受けた。何故かって…その行為は、人間がやってはいけない事だったから。不死というのは楽では無い。死んで行いをリセットは出来無いから。行った業は消えずに積み重なっていく。そして、哀しみと後悔に苛まれていく。けっして消えることのない、心のストレスへと変貌していくのだ。
僕は、シュウ・ヨハネ・鬼門として不完全体ではあるが、そこそこの能力を甦らしてきた。そして護るべき者達を護るために、僕の全ては破壊された。いや、破壊されたことで、融合ができたのだと思う。個々の個性の壁が粉砕され、1つの個性に集約されていったのだ。
1%の正義である亘、99%のエロである無邪鬼、それらを120%の護りたい心が包み込み、シュウ・ヨハネ・鬼門は完成した。記憶も甦った。姉ちゃんが何で出来ているかも思い出した。それは、僕の妻達の僕を愛おしく思う心だ。まぁ、僕も姉ちゃんもどこかイカれているのは確かだ。本来、1柱であるべき者が2柱1対な存在になったのだから…
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篝の世界での負傷により、昏睡状態に陥った僕。そんな昏睡状態から、6年ぶりに目覚めた頃の話である。
「この機会だから、リハビリがてらに、リアスちゃん達を見てきたら、どうかな」
って、姉ちゃんが提案してきた。たぶん、この場合のリアスは、亘時代に知り合ったリアスなんだろう。転生の門へ送り届けてから、逢っていない愛しき者を思い出す。歴代のリアスの中で一番かわいいと思う笑顔…白音より上かな?転生の門で別れて以来、あの笑顔には出逢えていない。
「そうだな。幸せだろうか?」
脳裏には朧気な記憶の彼女の笑顔が浮かぶ。様々なリアスを見て来たことにより、あのリアスの記憶は薄れてきていた。
彼女のことを愛せないでいた僕がいない世界では、彼女には幸せになっていて欲しい。彼女の事が心配になり、一目見たい欲求に駆られ、僕的には1兆年くらい振りに、彼女的には1周回ぶりに逢いに行くことになった。彼女にとっての昨日は、僕にとっては大昔である。
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彼女のいる世界に降り立った。この世界の最高神であるシヴァに会って情報は仕入れて来たのだが、アザゼル達はあの計画を発動した後だった。もう、ここにはいない。まぁ、彼女に逢うだけで、介入する気は無いので、まずホテルにチェックインした。宿は、僕の世界での密会で良く使っていたアザゼルホテルにした。勝手は知っているつもりだから。
部屋に入り、1枚の大切にしていた魔法陣が描かれた羊皮紙を取り出し念じる。彼女と出逢った頃に、彼女から貰った記念の品。もう所々黄ばんではいるが、羊皮紙の為虫食いなどの欠落は無い。
『リアス・グレモリーに逢いたい』
と。それだけを何度も心を込めて念じていく。しばらく念じていると、空気の揺らめきを感じ、そちらに目を向けると、グレモリー家の紋章の入った転移陣が発現した。そして、紅髪の女性が…僕の見た事の無い大学生の彼女が現れた。
「私を呼び出すって…あなたは誰?」
警戒心剥き出しで、僕を睨む彼女。どの世界でも、この年齢のリアスには逢ったことは無かった。感慨深い。涙が溢れていく。
「なんで、泣いているの?どこかで逢ったかしら?」
不審感一杯な彼女。僕は言葉をどうかけて良いかわからず、あの羊皮紙を見せた。それを手に取り、何かを考え込む彼女。
「これって…どうして、これを持っているの?これって…もう配っていないバージョンなのに…」
不思議がっている彼女。あぁ、抱き締めたい…髪に触れたい…欲望が渦巻いていく。あの時、湧き出てこなかった感情が、今うなりをあげて湧き出ていく。
「あなたは誰?ねぇ…ごめんなさい。想い出せないの…」
困った顔になった彼女。昔の面影はある。違う周回なのに…困ったリアスの顔は好きだ。どこかかわいいのだ。あぁ、頬に触れたい…
「僕は…神内亘…昔、ビラをもらい、一度だけお会いしました」
この世界では逢ったことは無いので、嘘であるけど。
「亘…誰?想い出せない…」
考え込む素振りの彼女の目に輝る物が見えた。
「あれ?なんで、涙が出るんだろう…おかしいなぁ…」
彼女の魂が鳴動しているのが見える。記憶には無いが、魂は僕を覚えていてくれたようだ。
「あ…あの…近くへ行っても良いですか?」
恐る恐る彼女が訊いてきた。僕は静かに頷いた。僕に近づいて来た彼女。僕は彼女の髪を手ぐしで整えてあげる。
「暖かいオーラ…遠い昔に感じたことがある。いつだったかな…ごめんなさい…想い出せない…」
僕に縋り憑いて泣き始めた彼女。彼女の魂と僕の魂が鳴動し合う。そして、ハーモニーを奏でていく。怪訝な顔付きだったリアスの表情が穏やかになっていく。そして、僕に身を委ねるように、身体を接してきた。彼女のオーラが僕を包み込む。そして、僕のオーラと混じり合い、お互いを確かめ合っていき…はっとした表情のリアス。
「亘…何で、一緒に来てくれなかったの…」
魂とオーラのハーモニーにより、魂に刻まれていた記録が、彼女の記憶領域にアップロードされていく。そして彼女は、記憶を取り戻していった。
「だから、逢いに来た。遅くなって、ごめん…リアス」
リアスの方から、口を合わせてきた。僕は彼女の柔らかな唇へ舌を這わせる。僕の舌を彼女の舌が迎えに来て、2枚とも、彼女の口の中へ入っていく。そして、昔を思い出しながら、2枚はワルツを踊っていく。
リアスは僕に抱きついて来た。舌のワルツを中断することなく。僕はそれに応じる。『脱衣』を発動して、全裸で抱き合う。以前よりも大きくなった胸、その先にある乳首が僕の胸板を這い回る。リアスのしなやかな指が、僕の肉棒を巧にマッサージをして、彼女の身体の中へと導いて行く。彼女の身体の中で、僕の肉棒は歓迎を受けた。吸い付くような膣のヒダが、とても気持ち良い。僕の手はリアスのお尻の掴み、彼女の身体を前後左右に揺らす。彼女の脚は僕の腰の部分に巻き付き、落ちないようにアシストをしていた。
「亘…今度こそ、私を愛してくれますか?」
「リアス…愛しい…こんなダメダメな僕が、愛していいのかな?」
返事の代わりに、今度は彼女の舌が僕の口の中に入ってきた。今度は、サンバを2枚が舞い踊る。逢えない時を埋めるように、激しく強く。
リアスが果てるまで、再会記念舞踏会は続いた。
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ベッドで添い寝する僕とリアス。
「リアス、幸せか?」
「今?亘と再会が出来て幸せよ」
「いや、僕のいない世界のことだよ」
「…」
寂しげな表情の彼女。不安要素はアレか…僕がいない為に阻止出来無かったアレ…
「絶対隔離領域の件か?」
「それもあるわ」
「それも?だって、イッセーと婚約したんだろ?」
シヴァからの情報ではそうだったけど…
「うん…でも、彼はアーシア、イリナ、ゼノヴィア、レイヴェルとも婚約しているわ。私は彼にとって一番では無い。私は彼のハーレムのメンバーの一人にすぎない。そして、彼にとっての一番は、アーシアだと思うの」
イッセーはハーレム王の階段を順調に昇っているのか。でも…リアスは…
「僕の一番になってくれるか?」
僕のノープランな発言に、目を見開いて驚くリアス。
「住む世界が違うから、いつも一緒には難しいけど。う~ん、どうしてもダメな時に会いに行くようにする。ダメかな?」
たぶんお持ち帰りをすれば、同化吸収して、彼女は消えて仕舞う危険性が大である。なので、譲れる最大限の提案をしてみた。
「亘…うん♪それでもいい…ねぇ、私の旦那さんになってくれる?」
白音以上のクリティカルな笑顔のリアス。思わず頷く僕。リアスに堕ちた瞬間である。
「ありがとう…本当に、ありがとう…前世の約束を覚えていてくれて…」
次の周回で逢えたら、絶対に愛するって約束…それは覚えている。忘れる訳ない。そのせいなのか、色々な世界のリアスと関係を…そうだ。リアスの喜ぶことをしないと。
「じゃ、まずお兄さん達を救い出してくる」
「え?ダメ!」
僕に強く抱きつくリアス。
「ダメだよ…また再会が、おばあちゃんに成ってからはイヤだよ~」
あぁ、そんなこともあったね…あれはショックだった。でも、あんな姿になってまで、僕を待っていてくれた事は嬉しかったよ。
「大丈夫。あれから僕は少し強くなったから。2日有れば帰って来られると思うよ」
リアスのしなやかな髪の毛を撫でる。目の前のリアスは、生き抜いた年輪を感じさせない艶やかなで、しなかな紅髪である。ずっと触れていた気にさせてくれる。
「ほんと~に?」
「うん♪」
彼女の額に軽く口づけをした。
「ねぇ、契約をして」
彼女は契約書を出した。
『神内亘はリアス・グレモリーを妻とすることを誓います。必ず、今週中にはリアスの元に帰ります』
と、書かれている。僕はそこに僕の印を刻み、契約を結んだ。
「リアス、約束だよ」
「うん♪」
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リアスと一夜を過ごした後、僕は単身、隔離結界領域へと転移をした。突然の僕の転移に驚く、参加者達。
「君は誰だ?」
お兄さんに訊かれた。
「リアスに頼まれました。お兄さん達を解放します」
積もる話があるアザゼル以外の全員を、それぞれの所属する世界へと追放した。そして、アザゼルの記憶の封印を解放した。
「シュウ…どうして、ここに…」
「積もる話は山積みだけど、先にアレを倒してからにしよう」
僕は開けるだけ全部の龍門と獣門を開いた。
「野郎共、細胞を1つも残さずに、食べてきていいぞ。伝説の魔物を喰らう機会なんか、そうそう無いし♪」
みんな、我先にと目の前の獲物に食らいついていく。
「なんで、お前一人であんな一杯使役しているんだ?」
アザゼルが目が点状態で質問してきた。仲間の食事タイムが終わるまで、積もる話をアザゼルにした。
「そうか…お前、出世したな~♪」
食い終わるころには話も終わった。
「食事が終わったヤツから戻って。最後の確認はアジ、頼むぞ血糊も舐めておいてな」
「あぁ、了解だ!」
「で、リアスをどうするんだ?」
アザゼルに訊かれた。
「あの時出来無かった、彼女の望むことを、出来るだけ叶えたい。住む世界が違うから、叶えられないこともあるけどね」
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アザゼルと共に地上に降り、僕だけリアスの元に転移した。そこではリアスとイッセーが口論していた。
「リアス、終わったよ」
「あっ、亘。お帰りなさい♪」
イッセーに向けていた険しい表情が一変、僕には笑顔を向けて抱きついて来た。
「おい、お前!俺のリアスをどうするつもりだ?!」
イッセーが訊いた来た。このイッセーは自信に満ちあふれて、力強そうだ。でも、違和感がある。ドライグは何で、反応しないんだ?前回よりも、ドライグは警戒しなければいけないはずだ。チームドラゴンと共にいるんだから。それなのに、ドライグは反応しなかった。いや、リヴァさん達も反応しない。イッセーからドラゴンのオーラが感じ無いようだ。どういうことだ?
「お前は、アーシアが一番なんだろ?それとも魔王の妹枠が欲しいのか?」
リアスがイッセーに言え無い、彼女の内に秘めていた質問をぶつけてみた。
「はぁ?アーシアもリアスも俺が幸せにする。他人のお前が口を挟む問題では無い。失せろ!」
何かが違う。イッセーから感じる違和感。なんだろうか?イッセーを探査してみた。おかしい…人間、悪魔、ドラゴンのオーラを感じ無い。こいつ、何者だ?
「わかった、失せるよ」
目の前にいるイッセーに不審感を抱いたので、リアスをここには置いておけないと判断して、僕はリアスと共にキャッスルドランへと転移した。
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「ここは?」
リアスが転移した先を見回して訊いてきた。
「僕のお城のキャッスルドランだよ、リアス」
「亘って、王様なの?」
驚いたように言うリアス。
「う~ん、自覚は無い。でも、そんな感じだよ」
「ふ~ん♪亘らしいな」
お城の中を案内する。王の間、僕の部屋、厨房、広間、聖堂などなど…聖堂に入って、リアスが、
「ここで結婚式を挙げたい」
って…ここでか?お城の存在はリアス以外には、秘密にしておきたいんだけどな。
「ここだと、招待客は呼べないぞ」
「いいよ。二人でもいい。結婚証明書だけ欲しいかな?」
結婚証明書は僕が作れる。一応、聖者であるから…いいのか?悪魔が聖堂で結婚式ってさぁ…まぁ、ここなら灰化はされないけど…
「ねぇ、亘♪」
あのクリティカルな笑顔…僕は迂闊にも頷いていた。そんな僕へと、念話でクスクスと笑う声が多数飛んで来た。紅髪に屈する僕って、珍しいものな…
「わかった。でも、リアスの家族の許可は要るよ」
「う~ん…」
悩むリアス。現状、イッセーと婚約しているからな。