---イッセー---
目の前から、あの野郎と共にリアスが消えた。二人でどこかへと転移したようだ。俺の眷属、リアスの眷属を使い、消えたリアスの行方を捜す。
そんなあたふたな俺達に、吉報が届いた。アザゼル先生や義兄さん達が、無事に生還をしたそうだ。あれ?なんだか予定よりも早すぎないか?
早速、俺の元へ義兄さんとアザゼル先生がやって来た。
「リアスは?」
挨拶など無く、開口一番、義兄さんに訊かれた。
「知らない野郎に連れ攫われて、今捜索中です」
と、報告をした。隠しておいて、後でバレるとマズいから。
「知らない?まさか…」
「あぁ、アイツだ」
アザゼル先生には、心当たりがあるようだ。
「アイツって、あの野郎は何者ですか?」
「アイツは、リアスのガーディアンだ。お前さぁ、リアスとアーシアを同列にしていなかったか?」
「していますよ。俺の女に上も下も無いですから。平等に接してこそ、ハーレム王だと思います」
と、格好良く言い切った俺。
「それだよ。それが原因だ。リアスを一番に据えていれば、何も起きなかっただろうに」
えっ?!何がいけないんだ?
「サーゼクス、リアスの心はアイツに移っていると思うぞ。あいつはリアスを一番に考えるからな。リアスを護る為なら、手段はまったく選ばない、不器用なガーディアンなんだ」
「それはそれでリアスは幸せ冥利に尽きるが…イッセー君と婚約しているからな…」
頭を抱える義兄さん。
「心配しないでください。リアスは絶対に取り戻します!俺の婚約者ですからね♪」
力強く言い切る俺。
「はぁ~、イッセー、お前達では勝ち目は無い。戦うだけ無駄だ、止めておけ」
って、アザゼル先生。何を言っているんだ?アザゼル杯を経て、俺達は高みに至ったはずだ。敵になるヤツなんか、いないはずだ。
「神様相手だって、一歩も引かないですよ、俺達は」
アザゼル杯での経験で、自信をもって言える。
「お前の戦った神は、神では無い。あれは神族だ。本当の神の怖さは、あんな物ではないぞ」
うん?意味がよくわからない。端的に言うと、アイツは神なのか?
「あの野郎は神なんですか?」
「まぁ、神だと思う。本人談では否定していたが…」
「否定?じゃ、問題無いです。リアスには二度と近づけないように、お灸をすえてやりますよ!」
「いや、本人が否定したからといって、神では無いと言い切れないぞ。隔離結界領域での戦闘を、1時間で終わらしたぞ、アイツは…」
え?数千年規模の戦いを、1時間…はぁ?眉唾っぽい事実だ。
「目撃した俺が言うんだ。やめておけ。イッセー達に勝ち目は無い。でだ、サーゼクスよ。そうなると、リアスの事は考えておいてくれ。ここで揉めるのは、得策では無いと思う」
「う~ん…そうだな。リアスの気持ち次第ではあるけど…嫌々付いて行った訳でも無いし…困ったなぁ~」
「ちょっと、待ってください!リアスは俺の婚約者ですよ。そんな胡散臭いヤツに、リアスは渡せない!」
アザゼル先生と義兄さんの会話に割り込む俺。
「じゃ何で、うちのリアスを一番に思ってくれなかったんだ?なぁ、イッセー君!」
俺に怒りの感情をぶつけてきた義兄さん。何で?今更、そんなことを言われても…今まで問題は無かったはずだけど。
「イッセー、悪いけど、今回の件では、イッセーの味方はできない」
って、アザゼル先生。何でよ~!
「俺にはアイツの記憶が残っている。アイツが如何にリアスを大切にしていたかを知っているんだ。アイツに比べるとイッセー、お前はクズだぞ」
何?その言われ方は!
「クズ?なんでですか?俺はリアスの為に戦ってきましたよ!」
「戦うだけだろ?プライベートではどうした?リアスのやりたいようにさせたか?」
やりたいように?想像と妄想が入り乱れて、鼻から何かが垂れて来た。
「イッセー先輩、妄想しましたね。サイテーです」
小猫ちゃんの小言が聞こえてきた。えぇ、サイテーな男です。でも、
「リアスを思う気持ちは誰にも負けません!」
「なら、問おう。リアスとアーシアのどちらと生きたいのだ?一人選べ!」
そんなの決まっているだろ?
「二人ともだ!」
アザゼル先生と義兄さんが俺を睨んでいる。あれ?今質問した声って…声の主を見ると、アイツだった。リアスが隣に立っている。
「リアス!ソイツから離れろ~!」
俺はアイツ目がけて、渾身のドラゴンショットを放った。真面に命中した…はずだったのだが、何事も無かったようにアイツはリアスの前に立っていた。
「お前はバカか?家の中でそんな物を放つって…おい、リアスに何かあったらどうするつもりだ」
あ…そうだ、ここは家の中だったな…リアスの視線がとても冷たい。なんで、そんな視線を向けるんだ?
「アザゼル、サーゼクスさん、今の問いの答えと彼の行いで、決めました。僕はリアスを妻にして、護ります。いいですね?」
「おい、良い訳無いだろ?リアスは俺の婚約者だ!」
正式な婚約者を前にして、妻にするだと?ふざけたヤローだ!
「今の君は、以前のライザーと変わらないと思わないか?」
アイツの指摘に、言葉が詰まる俺。言われればそんな気もするが…いや、婚約に際して、リアスの同意を得ている。
「わかった。君と君の眷属と戦う。僕が勝ったら、文句は言うな。いいな!」
「ははは、俺が勝ったら、リアスは返して貰う!」
俺達に勝てる訳ないだろ?コイツはバカか?
「おい、リアスは物じゃない。返す返さないの問題では無い。文句を言わせないって話だ。女を物と思う、お前には分からないだろうけどな」
あっ…アイツの指摘に、反省する俺。そうだ、リアスは物じゃない。しかし…
「いいですね、サーゼクスさん」
「あぁ、俺も、君のリアスを想う心が痛い程わかる。一つだけ、頼めるか?イッセー君達を殺さないでくれるかな?」
「死んだら、生き返らせます。その辺は慣れていますから、問題無いです」
生き返らせる?なんだ?その回復術は?
「では、明日までにフィールドを設置してくださいね」
アイツとリアスが消えた。
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「相手の能力がまるで分からないのでは、戦略が立てられませんわ」
軍師のレイヴェルが、唸っている。う~ん、迂闊にも戦うことになってしまった。アザゼル杯を経て俺達は何段も強くなっているはずなんだが…生き返らせる能力って言うのが、妙に気になる。アイツは何者なんだ?
「アザゼル先生からの情報では、元陰陽師の聖戦士としか、情報が無かったです。これでは手の打ちようが無いですわ」
聖戦士って、マズイ気がする。聖属性攻撃なんかされたら、灰になる可能性が大だ。
「聖戦士対策は、私とイリナでどうにかする」
ゼノヴィアが心強く言う。
「元陰陽師って、陰陽師を生業に出来ずに、聖戦士になったのだろうから、そんなに恐くないですよ」
って、コーチンがアドバイスをくれた。
「問題は、蘇生術ですね」
って、アーシア。俺と同じ点で引っ掛かっていたようだ。
「うん?聖属性なら出来る術なんでしょ?」
「出来ません。魂を扱うことは禁じられています」
て、俺の問いに予想をしなかった返答が戻ってきた。
「禁じられている?」
「魂を管理しているのは天界なのよ」
って、イリナ。転生天使なので、天界の関係には詳しい。
「天使なら可能なのか?」
「天使にすら権限は無いわ。権限があるとすれば、天界より上の神だけ」
え?
「天界より上って?」
「天上界とか…さらに上かな?」
「あとは、闇魔術系だわね」
って、ロスヴァイセ先生。
「ネクロマンサーとかの禁術系も有りうるわ」
「禁術系?」
「えぇ、禁断の魔術と言われる系統よ。人間がそれを使えば、リッチとかの不死属性にされて、二度と人間に戻れないと言われているの」
危険だろ…それって…
「あっ!」
コーチンが声を上げた。何かに気づいたのか?
「どうした?」
「いえ…昔話を思い出しただけですが…」
コーチンの顔から、みるみる血の気が引いている。
「どんな昔話だ?」
「遠い昔の話なので、実際の出来事か、創作か、わからないのですが。記録にも残っていない、口伝の昔話なんですけど…若い陰陽師がある魔物を封じるのに、禁術を使ったっていう話です。その後、破門されて聖戦士になったとか…」
はぁ?今までの情報にどんぴしゃじゃ無いか…
「なぁ、どの程度の陰陽師だったんだ?そいつは…」
「陰陽師として、5本の指に入るレベルです。なんせ選抜隊に入隊したくらいですから…」
マズいだろ?そいつだったら…死亡フラグが立ちそうだ。
---シュウ---
戦闘フィールドに先に入り、ウォーミングアップをする。リアスと服を着たままのスキンシップだけどね。心が落ち着く。はやる気持ちを落ち着かせていく。あせったら負けだし♪
「亘…負けないでね」
「…負けない。ガーディアンとして、リアスを護りきる」
「うん♪」
リアスが僕と唇を重ねた。彼女の舌が僕の中に入ってきて、僕の心を穏やかにしてくれる。二人だけのゆったりとした時間を過ごしていると、突然、空気が揺らめいた。やって来たか。ふふふ♪
「おい、リアスと何をやっているんだ。俺のリアスに手を掛けるな!」
「相変わらず、リアスは物扱いか。リアス、下がっていて、直ぐ終わらせる」
リアスが後ろへと下がっていく。ゼノヴィアが剣を手にして構え、僕の方へ足を踏み出した。
「もう開始なのか。せっかちだな」
男性には『四肢損壊』、女性には『緊縛』『催淫』を発動した。フィールドにうめき声が響き渡る。戦えるヤツは残っているかな?
達した女性達が、次々と光に包まれて退場していく。
「貴様…」
龍の仮面を被った少女が立ち上がり、僕の方へと近づいて来た。このオーラは…え?反則で無いの?年齢改竄の術かな?本能的に『脱衣』を発動した。突然全裸にされて狼狽える少女。
「リアス、目を瞑っていてくれるかな?ちょっと惨いお仕置きをするから」
「うん、わかったわ」
少女の仮面を外して、逆さまにして持ち上げる。彼女の股間は僕の顔の前、僕の股間は彼女の顔の前に位置した。
「やめて~見ないで~」
少女の悲鳴が聞こえるがスルーする。念動力で小さなポッチをいたぶる。
「あぅ!ダメ…やめて…お願い…」
肉体を10代の頃にした為、あれの刺激の抵抗力も10代並だったのか、大量に潮を噴き上げて、光に包まれて消えた。あとは男性のみかな?死なない程度の攻撃って何かあったかな?う~ん…基本殺傷力が大きい攻撃しか持っていないしな。では、悪戯程度にするか。一人ずつ、心臓を舐めて、失神させていき、全滅させた。
「これで、文句は言わせないでくださいね。サーゼクスさん♪」
会話用魔法陣を開いて、観戦モニタを見ているお兄さんへ伝えた。
「わかったよ、亘君。約束は護る」
お兄さんは、了承してくれた。