※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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予想外の結末

---シュウ---

 

「ねぇ、この仕事が終わったら、お父さんとお母さんに会ってくれませんか?」

 

と、蘭に言われた。彼女の両親の僕に対する記憶は失ったままである。なので、もう一度挨拶をして欲しいと言うのだ。

 

「本当に僕と一緒に生きていいの?」

 

「うん♪一杯考えたんだよ。そして、出した結論よ」

 

身体能力だけの蘭を、仲間にするのに気が引ける僕。戦闘に連れ回せない。

 

「待っているだけになるよ。いいの?」

 

「うん♪帰る場所になりたいのよ」

 

欠点といえるのは、戦闘力だけである。後は問題無い。そこが問題であるんだけど…う~ん…どうするよ。メイビス達は蘭を応援している。つまり、そういうことだ。僕に拒否権は無さそうなのだ。

 

「まぁ、この仕事が終わったら考えるよ」

 

「うん♪」

 

今日も笑顔で、僕を仕事へと送り出してくれた蘭。

 

-------

 

羽川邸の前に行くと警察車両とAMPの車両が止まっていた。

 

「シュウ!」

 

キディに呼ばれ、規制線の中に入っていく。一応、AMPの非常勤捜査員という身分らしい。

 

「どうだった?」

 

「ビンゴだ。あの高校生と傷口は一致したぞ」

 

「そうか…厄介だな」

 

僕の見立てを話した。

 

「憑依では無くて、入れ替わり?」

 

「そうなんだよ、那魅。だから、本物を探し出さないと、ダメだな」

 

「本物は生きているの?」

 

香津美に訊かれた。

 

「わからない…まぁ、死んでいる気はする。生前の彼女の思いを受け継いで行動しているのだろう」

 

猫又系は悪い怪異では無い。

 

「死体を探すのか…いつ位に入れ替わったんだ?」

 

キディに訊かれた。

 

「最初の遺体の出来た前日かその辺りだな。あと、気になるのは、学習塾跡の思念の塊と大木だ」

 

「思念の塊?」

 

那魅に訊かれた。

 

「死体発見現場にいるんだ。あと大木は…建物をぶち抜いて生えている。樹齢300年以上だと思う。そうなると、建物を建てる時に、大木を伐らずに建てたってことだ。その辺りの経緯を知りたい」

 

「わかった。調べて、報告する」

 

「相手の斬撃力は人間では耐えられない。キディを盾にしろ。キディなら耐えられるはずだ」

 

「わかったわ」

 

僕は現場を後にして、次の調査へと向かった。向かった先は白蛇神社といわれる場所だ。朽ちた神社で、鳥居以外は朽ち果て始めている。御神体には、蛇の死体が釘や棒などで磔にされていた。見ていて、気持ちの良い光景では無い。

 

社殿と思われる残骸に、メメに貰ったお札を貼り付けた。まぁ、一時凌ぎである。その後で、チームドラゴンと忍を召喚した。

 

「じゃ、邪気がいたら、喰っていいぞ♪で、何かヤバい痕跡があったら報告して」

 

みんなが散らばる。蛇と同じ系統であるドラゴンにまかせる方が、発見があると思う。忍は、僕のガードである。彼女にガードして貰いながら、考え込む。ここに新たな御神体を置けば、神社ネットワークで、悪しき気から護られるが。御神体をどうするかだ。縁もゆかりもない御神体では根付くまでに時間がかかるし。あの大木…気になるなぁ。

 

神社の階段を誰かが駆け上がってきた。僕達の姿を見るや、物陰に隠れた。怪しいヤツだな。『強奪』でソイツを引き寄せた。うん?女子中学生かな?瞬時に、僕に抱かれたことで驚き、口をパクパクさせている。あれ?何か取り憑いている。『脱衣』で全裸にひんむく。更に驚き、顔から血の気が失せている。少女の身体には縛った痕が残っている。何で縛られたんだ?いや、痕では無い…蠢いている。取り憑いているのはこれか。引っぱがしてみる。二匹の蛇が捕れた。ソレを隣にいる忍に食べて貰う。その光景で、腰が抜けたらしい少女。彼女の身体を探査してみるが、何もいないみたいだった。なので、『着衣』をさせて、意識を狩りとり、浪白公園へ転移させた。

 

蛇の呪いか…神社の境内にある神木に近寄る。磔られた蛇たちの怨念が渦巻いている。祝福の聖剣を手にして、神木を浄化していく。闇に染まっていた蛇の怨念が、光の粒子に分解されて昇華されていく。それに伴い、神社内の重い空気が軽くなっていく。

 

チームドラゴンが帰ってきた。特にヤバい系はなかったようだ。次に、創造の扇を手にして、本殿を修復した。あとは御神体だな。メメに貰ったお札を剥がして、本殿の奥の壁に貼り直した。これで、少しは安心かな。

 

「主様、ドーナツが食べたい」

 

「我も♪」

 

幼子姿の二人を連れて、ドーナツ屋さんを目指した。

 

------

 

翌日、レビアから連絡が入った。あの大木についてだ。昨晩、あの学習塾跡が燃やされたそうだった。で、あの大木は跡形も無く消えたそうだ。はぁ?残骸も無いのか?僕は、急いで現場へと向かった。

 

現場ではキディ達が待っていた。

 

「どういうことだ?」

 

キディに訊かれた。えっ?あの大木…まだ有るじゃん…って…もしかして、僕にしか見えないのか…キディ達にソレを伝えた。

 

「えぇ…まだ見えるんですか?」

 

那魅が驚いている。大木に近づく僕。大木の周囲にチョークで線を引いた。

 

「キディ、ここを掘ってみて」

 

「あぁ、わかった」

 

地元の警察と共に、穴を掘り始めたキディ。用心の為、僕と那魅で警戒をする。たぶん、ここにいるはずだから。

 

ドォッ!

 

何かが放たれた音がした。『ダイヤモンドウォール』で、防御をする僕。壁に激突したのは大きな火の玉だ。

 

「ここは、私が守護します。行ってください!」

 

那魅に促され、僕は発射してきた場所へと向かう。

 

ドォッ!

 

違う場所から撃ち出された巨大な火の玉。機動性のある敵か…『ウォーターミスト』で、火の玉を囲い、消して行く。気配を読むが、通常の敵とは違うタイプで、読み切れない。何者だ?こういう攻撃向きでは無い僕。ストレスが溜まり始めた。広域で『身体停止』を発動した。これでどうだ♪で、火の玉の来た方向へ向かう。おぉ~やっと捉えた。悶えるソレ。ソレ以外の『身体停止』を解除する。那魅達にダメージが入るから…

 

「おい!何であんなマネをしたんだ?」

 

「五月蠅いにゃ…おい、術を解きにゃがれ!」

 

猫言葉…確定だな。

 

「おい、猫…いつ、羽川翼と入れ替わった?」

 

「しらにゃい!」

 

「あぁ、そうか。エロ神を舐めるなよ!」

 

『催淫』を『身体停止』に重ね掛けだ。どうだ、これなら♪

 

「ダメ…止めて…おかしくにゃる…」

 

四つん這いになり、自ら腰を振る猫。

 

「わかったよ。答えないでいい。身体に訊いてやる♪」

 

「えっ?」

 

『脱衣』を発動して全裸にして、股間を覗く。

 

「みにゃいでぇ~ダメにゃ~」

 

猫に僕のアレを見せる。

 

「無理にゃ~そんにゃデカいのは無理にゃ~あっ!」

 

一気に差し込むと、昇天した猫。あぁ、間違えて後ろの穴にいれちゃった。まぁ、いいか♪アレを外して、術をすべて解き、服従の首輪をして、リードを手にした。これで、逃げられない。

 

「鬼にゃ~!」

 

「そうだよ。鬼の子だし♪」

 

泣いている猫。

 

「で、何で撃ち込んだんだ?」

 

「…」

 

「答えないと、また、お前の穴に撃ち込むぞ!」

 

「やめてにゃ~!」

 

そういうと、猫は花川翼に戻った。変化か…白音が猫耳モードになる感じかな?

 

「やめてください…」

 

この前会った時と髪型が違う。この前はカツラか…目の前の翼は白髪のショートカットだった。眼鏡も無いし…印象がまるで違う。あの巨乳以外は…

 

「で、アソコに何を埋めたんだ?」

 

「想像通りの物です…」

 

「阿良々木君はどうした?彼女への供物か?」

 

「そうです。彼と一緒にいたかったって…彼女の最後の願いでした」

 

「で、羽川翼はどうして亡くなった?」

 

「育ての親に殴られて…殴られた直後は問題なかったけど、数時間後に…」

 

脳内出血か…

 

「私はどうなりますか?」

 

「僕のペットにする」

 

「ペット…飼い猫ですか?」

 

「オナペットだよ♪」

 

「はぁい?」

 

能力を剥奪して普通の猫にされると思ったのか、僕の裁定に驚いている翼。

 

「だって、もったいないじゃん。そんなに気持ちの良い身体なんだし。ふふふ」

 

「あ…あ、あ、あなたは怪異キラーですか?」

 

「いや、通りすがりのエロ神だよ。死んでも、魂をオナペットにするから、自殺しても無駄だよ~ん♪」

 

--------

 

彼女の供述通り、穴からは、羽川翼の遺体が出て来た。そして、彼女の供述通り、死因は殴られたことによる脳内出血だったらしい。羽川翼の遺体は、荼毘にふせず、そのまま棺に入れて、白蛇神社の本殿の地下に埋葬した。御神体にする為だ。その辺りは、AMPによる超法規的処置でどうにかクリアした。

 

で、猫には羽川翼として、高校卒業まで暮らして貰うことにした。この案件はまだ終わっていないから。そう、あの思念の塊がどこかに逃げたのだ。結界で囲っていたのに、建物自体を燃やされて、結界を物理的に破壊され、逃亡させてしまったのだ。なので、猫には、アレを捜させる事にした。

 

これで解決しないといけない問題は、鳥と塊だけ…いや蝸牛が残っているのか。う~ん…

 

ゴールデンウィークが残り僅かになり、蘭と共に一時帰宅することになった。後半戦は、伊豆湖、メメが合流する手筈である。

 

「ねぇ、挨拶に来てくれるよね?」

 

帰りの列車で、僕の腕に抱きついて離れない蘭。う~ん、谷間ホールドは深雪に軍配かな。蘭はそれ程大きく無いし…蘭の魅力は下半身…等と妄想していると、終点…う~ん。

 

一時帰宅のはずだが、何故か蘭の自宅に連れて行かれる。腕を放さないから…そして…

 

「何?新一とで無く、コイツと一緒になりたいだとぉ~!」

 

蘭の父親の毛利小五郎にコイツ呼ばわりされる。まぁ、記憶が無いからなぁ。

 

「そうだよ。お父さん。彼と一緒になって、彼と生きるの♪」

 

とても嬉しそうに僕のことを話す蘭。

 

「コイツは何者なんだ?」

 

「う~ん…」

 

僕の正体は言えない契約だ。なので、唸る蘭。

 

「シュウさん、どう言えばいいの?」

 

僕に振るのか…どうするかなぁ。

 

「自由人♪」

 

「はぁ?フリーターか?ダメだ。蘭、あきらめろ!」

 

「わかったわ。お父さんをお父さんと思うことをあきらめるよ」

 

うん?どこかで聞いたような展開だが…

 

「何を言っているんだ?お前は高校生だぞ。フリーターの嫁に出来るか!」

 

「シュウさんは、フリーターじゃ無いわよ…」

 

本業はエロ神って…信じて貰えないよな…どうするかな…

 

「シュウ様、お迎えに参りました」

 

後ろから声を掛けられた。振り返るとユリスがいた。なんで?

 

「シュウ様、お顔を見に来ちゃいました♪」

 

って、クラリスも…はぁ?

 

「おい、皇女と女王がガードも無しに何しているんだ?」

 

「大丈夫です。メイビス様が、ガードを手配してくれました」

 

って、クラリス。オーラを探ると、我が家のメイド軍団が、ここをガードしている。戦争でもする気か?

 

「蘭、悪いけど、帰る。ここで、戦争が起きるとマズいから」

 

「おい!皇女と女王って?その二人は何者だ?」

 

「私はリーゼルタニア皇国のユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトです」

 

「私はカリオストロ公国のクラリス・ド・カリオストロでございます」

 

二人が蘭の父親に挨拶した。そして、僕は両手に花状態で連行されていく…

 

 

 

---毛利小五郎---

 

二人に両腕を掴まれて、連れて行かれた蘭の…

 

「蘭…あれって…」

 

以前、テレビで拝顔した顔だ。あれって、本物だ…

 

「本物だよ~」

 

「アイツ…何者だ?」

 

「それは…言えない…口外できないの。ごめんね、お父さん…」

 

「公に身分を出せない地位なのか…お前、そんな処へ嫁ぐのか?」

 

「う~ん…一緒に生きたい…それだけ…旦那と嫁の関係で無くて、今の関係を維持したいのよ。ダメかな?ねぇ、お父さん!」

 

う~ん…蘭の言いたいことはわかるのだが、あんなのと一緒になったら、苦労するのは目に見えている。

 

「ダメなら、いいわよ。家を出ます!」

 

蘭は部屋を出て行った。家出して、アイツの元に行くのか?別居中の妻の英里に連絡をした。

 

 

 

---蘭---

 

新一との同棲を解消したばかりなので、荷物の箱詰め出来ている。最低限必要な物だけ、旅行バックに詰めて行く。そして…

 

お父さんに最後の挨拶をしよう、部屋に入ると、お母さんと新一がいた。

 

「おい、蘭。すまなかった」

 

謝る新一。許せない…私の記憶を…

 

「これが、新一と別れた原因だよ。お母さん!」

 

あの神との契約書を見せた。

 

「これって…」

 

契約書を持つ手が震えるお母さん。

 

「教会で確認して、あれの契約書で間違え無いって。コイツ、私と添い遂げる為に、私の記憶を供物として差し出したのよ!」

 

「蘭…俺にはその記憶がないんだ!」

 

「そうでしょよ。アンタの都合の悪い記憶も差し出したようだし」

 

怒りが…あぁ、またシュウさんに怒られちゃうよ…「怒りを纏うな」って。

 

「彼は私に誰にも言えない正体を明かしてくれた。私はその行為に報いたい。だから、一緒に生きたいのよ!私の人生、誰にも邪魔されたくないわよ!」

 

パチパチパチ

 

え?拍手…

 

「よく言い切ったわね。迎えに来たわよ♪」

 

知らない女性。誰?迎え?

 

「蘭ちゃん、荷物を運べるだけ運ぼうか」

 

あの女探偵さんもいる。

 

「あぁ、申し遅れました。私は警察庁の警視で野上冴子と申します」

 

身分証をお父さんとお母さんに見せる野上警視。

 

「えっ?まさか…野上警視総監の?」

 

お母さんが驚いている。彼女ってエライ人なんだ。

 

「長女です。あれが妹の野上麗香です。アイツは警察を辞めて、探偵稼業ですが」

 

女探偵さんの相棒さんを指差す野上警視。

 

「蘭ちゃん、車は三台ある。運び出せるだけ出すよ。部屋はどこ?」

 

部屋に案内する私。

 

「メイビスさんに頼まれたの…シュウを凹ませる作戦みたいだよ♪」

 

って、楽しそうな女探偵さん達。メイビスさんって…シュウさんの…

 

荷物を運び出しくれる女探偵さん達。お父さん達の元に戻ると、

 

「シュウの身分は、警察で保証する。彼は大きな声で言えないけど…他言無用でお願いしますよ。警察の特務捜査官です。ですから、本来の職業は言えないんです」

 

あぁ、そうだ。今回の案件も警察として調査していた…

 

「それなら、心配ないわね。ね、あなた…」

 

「あぁ、目暮警部程度に確認してもダメですよ。彼は警視庁では無く、警察庁ですから」

 

そして、私は私の荷物と共に、彼の家に送り届けられた。

 

 

 

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