---シュウ---
蘭を白音と九重に預けて、冴子、キディと三人で現場検証へと向かった。
川澄舞と倉田佐祐理の供述…10年前、舞と祐一と一弥は三人で魔物退治ごっこをして遊んでいた。姉の佐祐理は、いつも病弱な弟が、友人の舞と舞の彼氏と三人で、元気そうに楽しく遊んでいることに、腹が立ったらしい。
その夜、佐祐理は一弥を連れ出し、二人で魔物退治ごっこをし始めたそうだが、佐祐理が一弥に怪我を負わせてしまったそうだ。そのまま、連れ帰れば、姉である佐祐理が両親に怒られるので、以前見つけた祠に、一弥を隠し、そこで治療をすることにしたそうだ。これが第一の神隠し事件の真相になる。
その際、祠内にあった封印のお札や神具などを、一弥の玩具変わりに地下の座敷牢へと運んだらしい。祠の中が蛻の殻だったのはそうのせいだ。そのせいで、封印されていた良く無い物が解放された上、あの奥座敷は、生け贄を入れる牢だったらしいので、結果的に一弥は姉により生け贄にされたのだ。
第2の神隠し事件、月宮あゆの場合、佐祐理は祐一が舞の彼氏と誤解していた為、あゆにお別れのプレゼントを渡した祐一が許せなかったそうだ。なので、あゆを騙して一弥の元に連れて行き、一弥の彼女になることを強要した。祐一からのプレゼントを人質変わりにして。しかし、あゆも生け贄になり、封印された物の餌食になった。
ここで良く無い物は佐祐理を利用すれば、生け贄を持って来てくれると思い、一弥に成りすましたようだった。佐祐理は佐祐理で、舞から祐一が水瀬家に居候していたことを聞き出し、あのプレゼントを七瀬家の玄関に置いたんだそうだ。
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あの祠に着くと、伊豆湖と那魅が儀式を執り行っていた。良く無い物はもういないが、生け贄にされた彼らの魂を、鎮魂する祭壇を祠内に作り、祠自体には神格性を感じるような作りに変えていた。
最後の仕上げに、亘と降臨した綾香が、神代家流の強靱な封印を施した。
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佐祐理は一弥に化けた良く無い物に命令されて、生け贄を運び込んでいたようだ。生け贄の命の炎は良く無い物が食し、エネルギーにしていたようで、人化できる狐達も生け贄にされたようだった。
そして、第3の神隠し事件である相沢祐一の場合、名雪から送られて来た彼女の写真に写るカチューシャに見覚えのあった彼は、あゆの元を訪れた。だけど、神隠しに遭ったことを知ってしまった。彼は舞を頼り、二人で調べた結果、おかしいことに気づいた。10年前に神隠しにあったはずの一弥が、今も姉と会っている事実…それを確かめる為に、彼は佐祐理の元を訪れ、そして、生け贄にされてしまったようだ。
で、第4の神隠し未遂事件である天野美汐の場合、良く無い物は男女の営みに興味を持ったようで、祐一君の身体を使い、美汐と交わったようだった。で、良く無い物の正体は、昔退治された九尾の狐で、男にも女にも狐にも化けることが出来たようだ。命を食していたせいで、死因をノーシーボ現象によるものと勘違いしてしまったのは、反省点である。
そして、狐は佐祐理に化け、工藤君を惑わして、捕まえた。工藤君が喫茶店と思っていたのは、あの祠だったようだ。狐は工藤君の身体が欲しかった。生きた人間でないと男女の営みが出来無いと判断したようだ。祐一君の死体では気持ちが良くなかったのかもしれない。そして、佐祐理には工藤君が一弥に見える幻術を施し、彼の元へ生け贄を運ばせ始めた。
蘭が連れ攫われたのは、工藤君の記憶を読み取って、強奪術で呼び寄せたようだ。その後も工藤君の記憶にある女性達を呼び寄せ、キディ、香津美、彼女達と一緒にいた那魅を連れ去った。
そして、男性だけで無く、女性としても試したくなった狐は、舞を人形にして、舞に成り代わった。そして、妖術が解けかかった佐祐理を生け贄にしたようだ。
まぁ、なんともやりきれない事件だな…
「なぁ、お前、後始末はちゃんとしていけよ」
って、キディ…何の話だ?
「水瀬家の二人…どうするんだよ?」
「祐一は死んだ…で良く無い?」
「そんな幕引きでいいのか?あぁ、そうそう、天野美汐も逢いたがっていたぞ」
「えっ?僕はキディと…」
「ふっ…私とはいつでも出来るだろ?あとさぁ、お前の妹二人は、もう少しいたいみたいだぞ。蘭ちゃんも含めな」
って、僕を置いて、冴子と共にキディ達が帰って行く。駐在ベースに戻ると、九重、白音、蘭が、待っていた。
「話は着きましたか?」
「居座って何をしたいんだ?」
「スキー♪」
「ジンギスカン♪」
「一緒にいたい…シュウさんと妹さん二人と一緒に♪」
こうして、残務処理をしながら、希望を叶えることになった…
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まず、天野美汐から。物見の丘で待ち合わせ。
「あなたは何者ですか?」
「通り縋りのダメ亭主ですが…」
「はぁ?そっか、結婚されているんですね」
僕に抱きつき、口づけをしてきた。
「今のはお礼です。もっと、いい女になって、奪いにいきますね♪」
美汐がスキップして帰っていく。呆気に囚われている僕。奪いに来る?僕の居場所を、誰かが教えたのかぁぁぁぁ~!
そして、水瀬家…気が重い…しかし、留守だ。あぁ、そうだった祐一君の葬儀だったなぁ。場所は東京だったな。彼の両親が来やすい場所って事で…
駐在ベースに戻ると…え?なんで?蘭、白音、九重…そしてなぜか深雪…
「ずるいですよ。私も混ぜて下さい♪」
「仕事の後始末中なんだけど…」
「もう一人いるんですよ」
もう一人?深雪の後ろからヤツが現れた…戦場ヶ原ひたぎ…
「見つけましたよ。これからは、私も混ぜてくださいね」
水と油とマッチがいる気がする。この組み合わせはダメだろ?
「お兄様、逃げないでくださいね」
「そうですよ。逃げちゃダメ!」
二人の妹に、見透かされている。逃げたいのに…
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数日過ごしていると、真琴とあゆまで来た…おぃおぃ…
「懐かしいなぁ♪」
「うんうん、懐かしいねぇ♪」
って、お前達の世界はここの並行世界だろ?そうだ…ここって…
「主様、たい焼きを食べたいです♪」
「我も♪」
忍と、オーフィスまで…そうだった、あゆはこの街のたい焼きが大好きだったんだ。
賑やかになった駐在ベース。平日は伊豆湖と共に、パワースポットの点検。良く無い物がいないかをチェックしていく。結界に問題が有れば、手直しもしていく。週末は、パワースポットは人で賑わうので、みんなで街で甘味三昧をしたり、温泉巡りをしたり、皆さんのお相手もしたり…
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雪が溶け始めた頃、撤収作業を始めた。来月から高校へ通わないといけないし。ひたぎ、蘭は僕と同じ1年生として入学するようだ。そういや、クラリスとユリスも…なんか、更に賑やかになっていくな…別れがつらくなりそうだ。不老不死で時を駆け巡っている僕達と違い、蘭たちは一般人である。連れてはいけない。逢いに来たら老婆かな…あの紅髪のように…
想いに耽っていると、呼び鈴がなった。深雪が応対しにいった。
「あの…水瀬秋子さんと水瀬名雪さんがお見えですが…どうします?」
って…なんで、バレているんだ?逃げようとするが、白音と九重が、転移不可の魔法陣で僕を捕らえていた。こんなの訳無くスルー出来るが、それをすると九重が哀しそうな顔をするので、出来無い…くそっ!白音の作戦勝ちだ…凹む僕。
応接間で面会することにした。僕の顔を見て固まる二人…平静を装う僕。
「どういった、御用件でしょうか?」
「祐一さんの両親に聞きました。私達の家に潜入捜査をしていたそうですね」
秋子さんの表情は険しい。名雪俯いているので、表情が分からない。
「えぇ、祐一君の神隠し事案を捜査していました。任務とは言え、祐一君に成りすました件は、申し訳ありませんでした」
二人に頭を下げた。
「それだけですか?」
え?まだ、何か有ったっけ?
「盗んだ物はどうしてくれるのですか?」
盗んだ?僕はルパン達と違うから、盗まないけど…
「何も盗んでいませんけど…」
「私と娘の心を盗みましたよね?」
いや、盗まないけど…
『だから、女心を学ばないとダメなんですよ、お兄様』
って、白音から念話。
『もう、兄さんはそんな問題ばかりよね♪』
って、九重。何のことを言っているんだ?
「僕にどうしろと、言うんですか?」
「責任を取って、一緒に住んで下さい」
「一度で?」
「死ぬほど…したではないですか…」
秋子さんの顔が真っ赤になった。死ぬほど?あ!それはあれだ…
「それは僕じゃないです。工藤君です。今日辺り釈放ですから、迎えに行ったらどうですか?」
二人を道警本部の前へ、強制転移させた。
「強引ですね」
って、深雪。
「だって、死ぬほどしていないし」
「それって、新一は、あの二人に…」
「え?蘭にも死ぬまでしていたじゃん」
「え?」
真っ赤な顔に染まった蘭。
「新一君が良いのなら、彼の元へ行っていいよ。僕は去る者は追わない主義だから」
悩む蘭。では、蘭も道警本部の前へ強制転移させた。
「じゃ、帰ろうか♪」
「鬼!」
九重が僕の行為を非難した。
「そうだよ。鬼の子だからね。って、九重の義理の父親も鬼だろ?」
「そうだけど…でも…」
「鬼にならないとダメな時はあるんだよ」
この場にはあゆ達はいない。キャッスルドランへ転移していった。連日、ヘスティアを連れてたい焼き屋さんを観察して、ヘスティアが味の再現に成功したらしく、この街に未練が無くなったらしい。まぁ、どこの世界でもたい焼きが食えるのは良いなぁ。今川焼きも覚えて貰おうかな…
----工藤新一----
釈放されて、道警本部を出ると、蘭とあの親子がいた。死ぬまでやったからなぁ…
「すまない、死ぬまでやってしまって…」
「あれは、あなたなんですか?」
「そうです。どうお詫びをいっていいのか…」
「言葉でのお詫びは要りません!一緒に住んでください。私と娘と彼女とあなたの4人で!」
えっ?三名の女性に取り囲まれて、連行される俺。お詫びが済むまで解放はされないんだろうな。
---シュウ---
久しぶりの我が家…って、訳にいかなかった。ファントムに呼び出されたのだ。僕以外の者に撤収をさせて、僕だけはアルフガンへと向かった。アルフガン…アウロス学園とは違うカルキュラムを持つ、戦士養成場である。複数の試練と大迷宮を持つ、実戦タイプの養成場である。
ここの責任者には、精霊王のファントムに任せている。彼は精霊王で有りながら、ヤマトと同じ電脳世界へのアクセス能力であるビジョネイルも持っている。
彼には、阿良々木君の案件で捉えた黒い塊の解析を頼んでいた。
「何か分かったのか?」
「えぇ、あの物体は、団長の読み通り、電子データでした。修復を終えて、実体化をしたのですが…」
ファントムが僕を管理棟にある個室に案内した。そこには魔法少女っぽい姿の女の子がいた。
「彼女は?」
「煌樹 まみか…アニメ『マジカルスレイヤー・まみか』の主人公だと言うのです」
はぁ?アニメの主人公が現実世界に?
「どういうことだ?」
「本人に訊いて下さい」
「あっ…ファントムさん…」
「まみか、僕の上司を連れて来た。団長に相談してくれないか?」
「助けて下さい…このままだと、世界が滅びます…」
それは困る。
「ナヴィ、各絶対神に確認しろ。異常のある宇宙は無いかを」
『団長、了解です!』
「何が原因で滅ぶと言うのかな?」
まみかの視線と同じになるように屈んだ。
「アルタイルによって、私達被造物は、創造主達のいる現実世界へと召喚されたのです。それにより、現実世界と虚構世界が同時に存在する矛盾を解消する為の修復力が間に合わない場合に大崩潰が起きて、双方の世界が消えるらしいんです」
『団長、7で異常値が見付かりました。8を巻き込みそうです』
8だと…僕の師匠である絶対神が司る宇宙じゃないか…
「ナヴィ…緊急事案にする。姉ちゃんへ知らせて、モニタリングしてもらえ。情報が欲しい」
『了解です!』
「まみか、君の話をもっと聞きたい。必ず助ける。いや、助けないダメな世界があるんだ」
「お願いです。何でもします。だから、助けてください」
「ファントム、まみかを連れ帰って大丈夫か?」
「大丈夫です。実体化していますから」
「ファントムとヤマトに参戦をしてもらう。ビジョネイラーがいないとつらそうだ」
「わかりました。出陣までに戦力を整えておきます」
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まみかと共に、家に帰還した。
「お前というヤツは、どうして、毎回、出先で女の子を連れ帰ってくるんだ?」
誠から心外なことを言われた。今回は無実なのに…
「え?毎回なんですか?」
うっすらと笑みを浮かべたまみか。僕と誠の会話で、緊張がほぐれたのか?
「まぁ…あぁ、みんなに紹介しておく、煌樹まみかだ。現状は客人だ。今後は未定だ。深雪とメイビスで、彼女がここで慣れるように頼む」
「「了解です!」」
「まみか、もう少し訊かせてくれ。どんな戦力が必要かを知りたいんだ。参戦するからには、勝ちに行くからね♪」
「はい…お願いします」
色々なアニメの主人公が、現実世界に集められているそうで、戦力は反則級ばかりらしい。で、アルタイルという軍服を着た少女が、鍵を握っているそうだ、いや、コイツが元凶か?つぇー敵が多いのか♪創造主だらけの世界って言うのも興味有るなぁ。どんな創造主なんだ?
そうなると、戦力は神クラスで無いとダメか?僕とファルコン、ジムくらいか…あと、ヤマト、ファントムだな。男所帯か…現地で調達しないとな♪