---シュウ---
一誠の睡眠中に、上司から念話が届いた。
『また、暴走気味の者がいてな…そっちに送ろうとしら、自力でそっちにいたぞ…』
はぁ?自力でここに?僕でも無理なのに、誰だ?
『今抱えておる案件に、直接関係ないから、見逃したぞ。シュウ、お前が管理せよ』
誰?理性が無さそうなのって…誰だ?
悩んでいるうちに、一誠が目覚める時間になった。
---一誠---
中の人から記憶を受け継いだ。人格の統合化は進んでいるようだけど、完全には統合していなかった。中の人がこの身体で長時間動くには、燃費が悪いというか。
誰かが、この世界に?誰?うん?ユリス以外の感触がある。この感触は…
「シュウ、おはよう♪」
声がした方を見ると、レビアさん並のプロポーションの女性が全裸で添え寝をしていた。
「ハニー…なんで?」
「なんで?愚問でしょ?私はシュウとしか交われない印を、刻まれているのよ。悶々としてきたら会いに来ると思いませんか?」
それはそうだよな…
「で、あと一人は?」
「キャッスルドラン」
……なんで?
「なんでとか言わないでよね、主が留守だったら心配するでしょ?」
そうだけど…
「どうやって、ここに?」
「私の能力とキャッスルドランの機能を使えば、造作もないでしょ?」
ハニーの能力、空中元素固定装置。これは、空気中に存在する元素分子を自由に結合させることができ、あらゆる物が創造できる夢のシステムだ。で、キャッスルドランの機能というか、城の中に時空を自由に旅するできる扉がある。たぶん、その扉のシステムを改造したんだろう。
「シュウ、正解♪」
「あぁ、ハニー、この姿の時は、兵藤一誠だよ。そう呼んでね」
「え?そうなの?」
「服を着てくれない?隣のユリスが起きると、一悶着あるから」
「了解♪」
そう言うと、ハニーは一瞬で服を着た。
「で、アレ以外には用は?」
「シュウ…じゃなくて…イッセーの秘書かな?ここにはリアがいないでしょ?」
「あぁ、なるほど…」
ユリスが起きたみたいだ。ユリスの方を見ると、ハニーを見たまま固まっていた。
「ねぇ、イッセー君。この美人な人は誰?」
「僕の秘書で、如月ハニーっていうんだよ」
「ハニーさんかぁ…私はユリス、ユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトです。この国の王女です。よろしくお願いします。ハニーお姉さん♪」
「はい、ユリスさん、よろしくね!で、イッセー、相棒が暴れる前に、入城してくれるかな?」
「僕、転移魔法がまだ使えないけど…」
「たぶん、念じれば、ドラン君が引き寄せてくれるかと…」
念じて見ると、僕とハニーと全裸のユリスが、キャッスルドランに入城した。
「こ、このお城はどこ?」
いきなり転移して、転移先が、ユリスの知らないお城で戸惑っているみたいだ。その前に服を着ろよ。ハニーが気を利かせて、ユリスにTシャツと短パンを履かせた。
「このお城は、僕のお城だよ。ユリス」
「え…イッセー君って王様だったの!?」
驚いているユリス。
「僕の中の人が王様なんだよ」
「シュウ、随分とかわいくなったなぁ」
フィン…なんで?
「キャッスルドランが、シュウを迎えに行くっていうから、チームオラリオ全員で乗り込んだんだよ」
フィン以外にも、レフィーヤ、アイズ、ベル、オッタル、ティオナ、フレイヤ、ヘスティア、イシュタルがいた。
「リヴェリアはまだ子育て中で動けない。まぁ、これだけいれば、戦力的に申し分ないだろ?」
「あぁ、フィン。ここでも、サブをしてくれるかな?僕はこんな状態だから」
「了解だ!シュウ」
「あ、そうそう、この状態の時はイッセーと呼んでくれ」
そして、一呼吸してから、僕は本来の姿に変身をした。
「それが本来の姿なのか?シュウ!」
「フィン、正解だ。で、チームオラリオは、基本キャッスルドランにいてくれ。厄介な仲間ばかり来ているんでね」
「了解した。で、この世界でもロキか?」
「いや、あの野郎は仕留めた。だけど、オーディンとの間に子供がいて、二代目ロキを名乗っている。それが今回の敵の一角だ」
「え?ロキとオーディンが?」
女神3柱が驚いているようだ。
「この世界のオーディンは女なら誰でも良いそうだ。女性陣、気をつけろよ。オーディンも場合によっては、仕留めるから」
その後、今後の方針を話し合い、ユリスを城内の案内してあげた。それから、ユリスの城へ二人で戻った。朝から能力を使いきったみたいで、ユリスの胸に倒れた。
目が覚めると、ユリスの膝枕で寝ていた。
「ごめん、ユリス…」
「しょうがないよ~まだ、幼稚園児なんだから♪」
「この電池切れは致命傷だよな…」
「そうだよ…でも、しょうがないよ~」
「ユリス、明日はステラの国に行く。書物を見せてもらおうと思う」
「一緒に行っていい?」
「いいよ。お兄さんに、言っておけよ」
「うん♪」
部屋を出て行ったユリス。言葉遣いが、人格が定まらないのか、ボロボロだよ~
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翌日、ユリスと共にステラの国に向かった。キャッスルドランのおかげで、転移魔法いらずで移動ができるようになった。お城の中では、オーフィス、忍、アポがヘスティアにドーナツを作って貰っていた。毒気を浄化してから、顔も心も穏やかになったイシュタルは、ユリスの髪をとかしている。伊豆湖はハニーにあれこれ知識をもらっているし。
なんか、このカオスな雰囲気がとても懐かしい。
ステラの城につくと、僕とユリスの二人だけ、城の前に転移した。そして、門番にステラを呼んでもらった。しばらくするとステラが出て来た。
「イッセー君、ひさしぶり~♪って、なんで、ユリスがいるの?」
「おい、ステラ、ユリスにケンカ売るなよ」
納得はしていないようだが、頷くステラ。そして、ステラの父親、ヴァーミリオン国王に挨拶に行く。
「初めまして、兵藤一誠です」
「こんにちわ、ユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトです」
ユリスと共に国王に頭を下げる。
「おぉ、ユリス王女、久しぶりだな。それで、君が兵藤家の次期当主君かね?」
「次期当主になろうとは、思っていません」
「では、何になろうとしいるのかね?」
「元に戻ろうと思っているだけです」
「元に?ステラから聞いたが、神のなれの果てだそうだな?」
「なれの果てかぁ…ステラ…」
「イッセー君、私はそんなことを言っていないわ。お父様、酷い言い方は止めてもらえません?」
「だって、どう見ても神に見えん」
僕は、本来の姿に変身した。
「これなら良いのか?」
僕の姿に驚く、ステラ父。
「気分が悪いので帰る」
僕はユリスと共にキャッスルドランに戻った。
「あれは酷いな」
フィンが呟いた。僕のガードのため、僕の周りを写し出す機能を、キャッスルドランは編み出していたようだ。
「書物、盗めないかな?」
「抜かりはないです。コピーしてきましたよ」
ハニーが書物の山を、出現させた。
「それらしい題名の本を全てコピーしてきました」
「ハニー、さんきゅ~!」
みんなで手分けをして、古地図と、湖の由来、オラリオ関連を探した。
「これかな?神格文字で書かれている書物があるけど」
フレイヤが声を上げた。僕も一緒に書物に目を通していく。
「うん?なぁ、ユリス、ユリスの兄さんの名前ってなんだっけ?」
「お兄様は、ヨルベルトです」
「いや、フルネームで」
「ヨルベルト・マリー・ヨハネス・ハインリヒ・フォン・リースフェルトですけど…」
「やっぱし…」
「お兄様の名前がどうかしましたか?」
「マリー・ヨハネスって…マリア・ヨハネが訛ったんじゃないかな?」
「「あっ!」」
ユリス以外の者が驚きの声をあげた。
「たぶん、母さんはこの世界で神滅具に封印されたんだ。この地にで、信仰の対象になっていた記述があるんだ」
「マリア・ヨハネってどなたですか?」
ユリスがきいてきた。
「僕の本来の母親の名前だ。本来の世界で殺されて、この世界に魂を飛ばれさて転生したのかもしれない。そうなると、僕がこの世界に飛ばされたのは必然なんだな」
「そうなると、シュウの母親が先か、オラリオが先かだな?」
フレイヤが問題点を挙げた。
「古地図がないなぁ…すでに盗まれたのか?」
「ロキにか?」
「フィン、あの湖の大きさって、オラリオよりデカイか?」
今、キャッスルドランは湖の上にいる。窓から湖を見るフィン。
「比べる物がないから、わからないなぁ」
「伊豆湖、建造物を湖の底に丸ごと転移ってできるのかな?」
「能力があれば、可能じゃないかな?ただ、埋まっているんだろ?それは難しいなぁ」
「元々の水深なんかわからないよな?」
「なるほど、湖の形にあわせて、切り抜いて、地表ごと沈めたってことか、シュウ?」
「それしかないよねぇ。もし、僕だったら、その方法だなって…う~…そうだ、ハニー湖の地形を測量できるかな?」
「まかせて!」
「そうか、湖の形に合う地形を探すんだな?」
「そうだ、フィン、正解だ。そうすれば、オラリオの場所がわかる可能性がある」
「シュウ、無いなぁ、湖の地形と同じ地形は、今の地図には…」
ハニーから、測量しての地形検索の結果が、もたらされた。そうなるとどうなるんだ?…うん?もしかして…キャッスルドランにハルケギニア大陸の上空に行く様に念じた。
「ハニー、この浮遊大陸でどうだ?」
ハニーが地形検索をし始めた。
「ある。ここだ。たぶん、あの砂漠地帯だな」
キャッスルドランに、ハルケギニア大陸の周囲と底面が、見えるように飛行してもらった。
「ハニー、地層に変な部分ないか、チェックしてくれ」
ハニーが、地層の変化を調べ始めた。
「分かった。あの砂漠にある家、あの位置が魔法陣の位置と一致する」
あの家って、誠の知り合いだったよな。誠をここに強制転移させた。突然転移されて驚く誠。
「シュウ…ここはどこだ?」
「僕の城。僕の世界から僕を追ってきた」
「城が追ってきた?どういうことだ?」
「この城は移動できるんだよ。で、あの砂漠の家って、誠の知り合いの家だよな?」
「うん?あぁ、サンドリオンの家かぁ。そうだけど、あそこがどうしたんだ?」
「湖の封印が元々あった場所らしいんだ。その辺の事情を聞いてきて貰えないかな?」
僕は。サンドリオンの家の隣に、キャッスルドランを着陸させた。
「僕と誠とハニーと伊豆湖で向かう。後の者はここで待機だ。イシュタルとフレイヤは、僕に魔力を送ってくれ。この姿で乗り込みたい」
「「了解!」」
2柱は頷いた。
---誠---
4人でサンドリオンの家に向かった。サンドリオンは俺の顔を見ると、快く家に入れてくれた。
「どうしたんだ?なにやら、すごいパーティーじゃないか」
サンドリオンが興奮している。たぶん、連れの女性2名の容姿にかな?サンドリオンの妻のカトリーヌが彼の頬をつねった。
「あなた、誠のパーティーの方に失礼よ、そういう目付きは」
「いや、久しぶりにナイスバディな女性を見たから」
カトリーヌに殴られるサンドリオン。奥さんの前でそれはイカンだろう。
「で、誠。どう言った用件だ?」
「この家を建てる前に、ここに何かなかったかな?」
「う~む?何か?あったかな?」
「あぁ、あったわ、誠。魔法陣が。その魔法陣の上に家を建てたのよ。消してはいけない封印系の魔法陣だったから、この家で魔法陣を護るようにしているの」
カトリーヌから情報を得られた。
「この辺りの古地図って、ありますか?」
シュウがカトリーヌに尋ねた。
「古地図?エルフの者が持っているかもな?」
と、サンドリオン。
「誠、間違いない、ここだ。オラリオで感じた波動を感じる」
シュウが、波動を読み取っているようだ。それで、本来の姿のまま、ここに来たのか。
「誠、エルフに知り合いはいないか?」
「ビダーシャルっていうエルフなら知っているが…」
「会いに行こう」
俺はサンドリオンとカトリーヌに礼をいって、家を出て、シュウの城に戻った。城は、エルフの集落に移動して、ビダーシャルの家の中に転移した俺達4名。
「えぇ~、誠お兄ちゃん?」
ルクシャナが俺達が突然転移して驚いている。
「ルクシャナ、ビダーシャルは?」
「まだ、帰って来ないけど…何か用?」
「この大陸の古地図ってないかな?」
「あると思うけど、叔父さんの部屋にねぇ」
シュウが何かの波動を感じ取ったようだ。
「シュウ、どうした?」
「オラリオの生き証人がいるな、この集落に」
「誰のことかな?」
鬼の姿が物珍しいのか、ルクシャナが、シュウに近寄り、きいている。
「ヘルメスって神族がいるんじゃないかな?」
「うん、いるよ。レフィーヤさんと暮らしているよ」
「悪いけど、ここに呼んで来てもらえるかな?この姿で会いに行くには目立ち過ぎるからね」
ルクシャナが頷いて、呼びに行ってくれた。しばらくすると、見窄らしい男と戻って来た。
「シュウ…お前…シュウなのか…」
その男がシュウに声をかけた。
「ヘルメス、久しぶりだな」
「何千年振りかな?」
「そこが知りたいんだ。何年振りになる?」
「う~、わからない…」
「マリー・ヨハネス信仰より前か?後か?」
「その信仰はわからない。どうしたんだ?」
「オラリオが消えた原因を調べているんだ」
「あぁ…ロキだ…あいつが、やったんだ。俺達は地上に降りる時に、神としての力を封じ込められるのだが、ロキは封じ込められた振りをしていたんだ。その頃、俺はレフィーヤとイシュタルの宿に住んでいた。ロキがある日、オラリオ全域を覆う巨大魔法陣を出現させて、発動したんだ。レフィーヤの機転で俺達は難を逃れて、この地に移り住むことができたが、オラリオにいた住民は全員、どうなったかわからない。オラリオが一瞬にして消えてしまったんだ」
「なぁ、オラリオはこの大陸にあったのか?」
「のはずだが…ここじゃない。迷宮がここにはないから」
「迷宮の場所は見つけた。未だにウラノスの封印で護られている」
「迷宮はこの大陸にあったのか?」
「ここじゃない。僕も、ロキの奴に能力に封印をされて、何もできないんだ。ロキのやつ、迷宮の底に居る奴を呼び出そうとしているみたいなんだ」
「シュウもやられたのか…あの野郎…俺も能力がない状態なんだ。そうだ!シュウ、頼みを聞いてくれないか?レフィーヤの忘れ形見をお前に預けたい。預かってくれないか?」
あの男がシュウに土下座をした。
「ヘルメス、頭を上げろ。お前…」
「なぁ、頼めるか?」
「あぁ、ついでに、お前を天界ではなく、レフィーヤの元に送ろう」
「いいのか?力を俺の為に使っていいのか?」
「あぁ、昔のよしみだ」
「今、連れて来る。待っていてくれ」
男は出て行った。
「シュウ、アイツは誰だ?」
俺はシュウに聞いた。
「神族のヘルメスだ。オラリオの住民だった神だ」
オラリオの住民がまだ生きていたのか。男が戻って来るのを待っていたのだが、突然大きな地響きがした。
「まさか…」
シュウ達が外に出た。俺も後を追う。先程の男は、全身から血を流していた。近くにエルフの女の子が泣いている。
「誠、彼女とヘルメスを頼む」
---シュウ---
くそっ…ヘルメスが襲われた。アイツらもヘルメスの存在に気が付いたのか?目の前には、『暴龍』アンギラスがいた。許さない…僕は天使の翼を展開し、ドラゴンスレイヤーを片手にもち、アンギラスに向かった。僕の後ろから魔力弾や魔法が降り注いできた。全て僕の身体を透過して、アンギラスに命中していく。
「なんだと、攻撃が透過するだと?なんてチートな野郎なんだ?」
声の主は、他の仲間達にたのんだ。僕はアンギラスの首を斬り落として屠った。
「お前ら、何者だ?俺を神の王ロキと知っての乱行か?」
僕は、ロキに方を向き、名乗る。
「『神殺し』シュウ・ヨハネ・鬼門だ。神の王?ふざけんなよ!単なる神族のくせに」
ロキを屠りに行くと、リゼヴィム・ルシファーが魔力弾を撃ち込んできた。巨大な奴だ。透過すれば、僕の背後が被害甚大になりそうな規模だ。僕は祈るような気持ちで、魔人の血を覚醒させる。全身が黒くなっていく。魔力弾は僕に当たるも吸収していく。膨大なエネルギーによって、僕の身体が壊れそうになる。アルビオンが余分なエネルギーを放出するも、間に合わない。僕はここで暴発するのか?
キバットバット3世が現れて、僕に強制的に黄金の鎧を着せてくれた。
『これで、身体の暴発は防げるが、危険な状態だ。撤収しないと…』
いや、ここでアイツらを逃す訳にはいかない。追撃の為にオーラを高めようとした時、目の前のリゼヴィム・ルシファーの身体が爆ぜていく。シルキーが参戦したようだ。ロキは殴られて、地面に叩き落とされていた。忍が参戦してくれたようだ。ロキとリゼヴィム・ルシファーは全身ボロボロになって、どこかに転移してしまった。逃がしたか…
僕は最後の力を振り絞って、ヘルメスの元に急いだ。
「ヘルメス…大丈夫か?」
「シュウ…彼女を頼む…名前はレフィーヤの尊敬する人物…リヴェリアだ…俺をレフィーヤの元に…」
「あぁ…」
僕は祝福の聖剣を頭上に掲げ、ヘルメスに祝福を授ける。ヘルメスから闇の部分が浄化され、綺麗な魂が現れた。
「この者の魂…レフィーヤと共にあれ!」
僕は祈りを捧げ、黙祷を捧げた。目の前の魂の元に、天から降りてきた魂が近づき、寄り添い、2つの魂は絡み合いながら、天へと昇っていった。ヘルメス達を見送ったあと、僕の目の前は真っ暗になった。
---誠---
シュウの力を垣間見た。2つの寄り添う魂から、幸せという感情が感じられた。これが、ネクロマンサーの力なのか?
変身状態が解けたのか、鎧は消失し、全身から血が噴き出し、その場に倒れる一誠。くそっ!急いで、一香を呼び出した。シルキーが、氷系の魔法で、一誠を仮死状態にして、生かすようにした。一香は転移してくるなり、禁手状態になり、一誠を天使の翼で抱きしめた。
神の魔法…あんなに大きな魔法陣は見た事が無い、あんなに威力のある魔法も見たことがなかった。シュウがやられた。いや、まだシュウは完全に覚醒をしていない。だからか?
「誠さん、シュウのダメージが酷いみたい。一誠の方はどうにか治せたけど…」
あぁ、シュウのダメージは、一香の禁手では治せないからな。仲間達が集まってきた。アザゼルやセラフォルー…サーゼクスとミカエル、ガブリエルまでもが。
「酷い…シュウ…ねぇ、大丈夫?」
セラフォルーが抱き縋るも、シュウの意識は回復しない。
「セラフォルー、リゼヴィム・ルシファーを追うぞ!」
サーゼクスはセラフォルーを連れて転移していった。
「ガブ、我々は、ロキだ」
ミカエルとガブリエルが転移していく。
リヴェリアという女の子は、一誠を抱きしめて、回復魔法を掛けてくれているようだ。しかし…一誠には効いているみたいだが、シュウには効かないみたいだ。
「ごめんなさい。父上を助けてもらったのに、私はあなたを助けられない…」
「シュウ!貴方の回復用の魔法陣を出して。私が魔力注いで発動させる」
シュウの仲間のエルフの女性が、シュウに向かって声をかけた。一誠を覆う程の巨大な魔法陣が出現して、その魔法陣に魔力を注ぐ、彼女。オーフィス、アポ、忍が、一誠の身体に戻っていく。
『ツヴァイ シュウを助けて…』
オーフィスの声が聞こえた。一誠の身体から、妖精が現れて、シュウの魔法陣に魔力を注いでいく。魔法陣は光輝き、発動し始め、一誠の身体が光の渦に飲まれて、しばらくすると光の粒子が霧散していった。
微かだが、シュウのオーラを感じる。シュウが自己再生を始めたのか、オーラが少しずつ強くなっていった。
---レフィーヤ---
シュウに抱きついていた女の子が、私に向かって近寄って来た。
「母上?生きていたんですか?」
うん?私はまだシュウとの間に子供を作っていないんだけど…
「誰かと間違えていない?私はまだ子供を作っていないわ」
「レフィーヤ母さんですよね?」
あっ…そういうことかぁ。
「私は別の世界のレフィーヤ。あなたのお母さんじゃないのよ」
「えっ?違う世界の?」
「そう、あなたのお母さんは、お父さんと一緒に天に召されたのよ」
彼女を優しく抱きしめた。
「あなたのお名前は?」
「リヴェリア…」