---シュウ---
「次の休みはミアさんに連休にしてもらったので、50階から下を攻めようかと」
と、ホームとなったリューとアストレアの部屋に集まった、アストレア・ファミリアの団員に告げた。
「「はぁい?」」
リュー、フィン、ベートが呆気に取られていた。
「どうしたの?みんなベテランだよね?」
「いや、1泊2日で行ける距離ではないぞ」
と、フィン。
「あぁ、大丈夫♪僕、転移魔法持ちだから、マーキングした場所への転移ができるんだよ。既に50階にマーキングして来たから、一瞬で行けるんだ」
「そんな能力があるのか?」
「うん♪」
頷く僕。
「それよりも、ギルドで改宗手続きはしたのかい?」
「してないよ」
「なんで?」
「アストレア・ファミリアは正式なファミリアでないから。アストレアはファミリアを再び持つことはできない。ロキから聞いているでしょ?忌まわしい過去をさぁ」
頷くフィンとベート。
「そういうことだから、二人の改宗がバレるのは、ロキ・ファミリアの遠征後のステータスチェックまで大丈夫♪」
「ファミリアとして機能はしているのかい?」
「うん♪そもそも、団長を名乗っている僕は、彼女の恩恵を受けていないし」
「どうして?」
「彼女より僕の方が神格階位が上だから…」
「「はぁ?」」
開いた口が塞がらないフィンとベート。
「で、これからの予定だけど」
「ちょっと待て!今の件をスルーするのか?」
フィンが真剣な眼差しで僕を見つめる。
「うん?今の件って?」
「君は神なのか?」
「まぁ、そんな感じだ。気にする程の事ではない」
「神なのか…どうして、君自身がファミリアを持たないんだ?」
「僕はこの世界の神じゃないから。管轄外だ。僕がここにいる理由は、剣の鍛錬と、オラリオの歴史の研究だ。ファミリアを設立する権限はない」
って、ことにしておく。まぁ、ウソではないから。
「神なのに鍛錬をするのか?」
「神は鍛錬をしていけないのか?神はフィン達と冒険しちゃいけないのか?」
「いや…この世界の神とは、本当に違うみたいだな。そんな努力家の神は見た事無い」
興味津々で僕を見ているフィン。
「じゃあ、正体がバレたついでに、仲間を紹介しておくよ。出ておいて♪」
僕の中から二人の少女が出て来た。これにはリュー、アストレアもビックリしている。
「黒髪の方が『無限の龍神』オーフィス、金髪の方が『怪異の王』忍だ。オーフィスはドラゴンの頂点、忍はバンパイアの頂点だから、まず敵はいない」
おぉ、みんなが目が点になっている。その様子を、オーフィスが写真に収めている。
「え?種族の頂点が二人もいるんですか?さすが、神の頂点ですわ」
って、アストレア。おぃ、それはバラすんじゃない…
「君は神の頂点なのか?」
フィンが聞き漏らさずに、意味を理解している。理解が早いのは長所だと思うが、こういう失言時には困るなぁ…アストレアはフィンの言葉で、失言をしたことに気づき、口を手で塞ぐが、遅い!遅すぎる!
「まぁ、フィン、気にしないで良いから。そういうことは、神が気にする問題で、神以外は問題ないから」
「変わった神様だなぁ、お前は」
っと、ここまで無口だったベートが口を開いた。
「僕は僕が神であることを否定して生きている。だから、みんなと同じ扱いでよい。それで、今後の予定だけど、リューはお店の仕事、僕達はジャガ丸くんを食べに、フィンには換金してきてほしい」
フィンに魔石の入った袋を手渡した。
「こんなに集めたのか?」
「当面の冒険資金と、ホームも自前にしたいからね♪」
「俺はどうする?」
「ベート兄ちゃんは、ロキ・ファミリアの団員にバレないように生活してね」
「兄ちゃんって呼ぶなよ~」
って、こいつ照れているような。
「じゃ、そういうことで」
と、それぞれが行動に移った。僕と忍とオーフィスは、ヘスティアの屋台に向かう。そして、三人分のジャガ丸くんを買い、ベンチで食す。そんな僕達の前に、一人の女の子が寄ってきて、ジャガ丸くんをロックオンしていた。僕は彼女の口にジャガ丸くんを1つ入れてあげる。美味しそうに食べている。その仕草がかわいくて、もう1つ…
「ありがとう…今日、お財布忘れて来ちゃって…」
って、天然を醸し出す発言をする『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタイン。
『餌付けついでに、こやつも眷属にすれば?』
と、忍から念話が届いた。アストレアの処まで誘導できない気がするが…
「君、リューと一緒にいた子だよね?」
「そうです」
「私はアイズ・ヴァレンシュタイン。君は?」
「シュウです。よろしくお願いします。アイズお姉ちゃん♪」
「ジャガ丸くんをくれたお礼に、何かしてあげるけど、何がいい?」
「僕達のファミリアに入ってください」
「それは…無理だ。ごめん…」
無理だよな…そうだと思う。そんな時、忍が動いて、普通の人の目に止まらない速さで、アイズの溝落ちに一撃。僕達の方に倒れて来たアイズ。
「あの女神の処に転移じゃ、主様」
と、忍。心配そうにアイズを見ているオーフィス。忍の厚意を重んじて、僕達はアストレアの元に転移した。そして、僕がアイズの身体から、ロキの汚れを浄化して、アストレアが恩恵を与えた。
ちょうど、そんな場面に、リューが入室してきた。
「はぁい?アイズも改宗させたの?大丈夫か?ロキ・ファミリアから三名も引き抜いて」
「どうだろうね。改宗させちゃったんだから、後には引けないけど」
あきれているリュー。団員が増えて喜んでいるアストレア。意識を飛ばしているアイズの身体をツンツンしているオーフィス。どうなんだろうね、この先。
後のことは、アストレアにまかせて、忍とオーフィスという最凶のガードを従えて、ある場所に向かう僕。ギルドにある隠し階段を見つけて、階下に降りていくと、
「誰だ?ここに何をしに来た?」
と、薄暗い部屋の奥から声が響いてきた。
「オラリオの歴史関連の書物が見たい。僕はシュウ・ヨハネ・鬼門。後の者は僕の付き人だ」
質問には丁寧に答えておく。
「シュウ?何者なんだ?何故、ここを知っている?」
「並行世界から来た。だから、ここを知っている。僕はこの街に関わる問題を調べに、この世界に来た者だ」
「並行世界?どこの者だ?」
「第13宇宙を統轄する絶対神と呼ばれる者だ。最高神に問い合わせをしてみろ」
しばらく無言の時が流れる。そして、
「近くに来てくれ、シュウ」
最高神に問い合わせをしたようだ。身分を証明されて少し嬉しい。
「で、並行世界ではオラリオはどうなったのだ?」
「それがわからないから、調査にきた」
「わからないとは?」
「ロキが何かをして、オラリオを時空間転移させたようなんだが、その理由がわからない」
「ここをか?封印はどうなったんだ?」
「並行世界の君が祈りを捧げ続けてくれている。だが、いつまで持つかわからない。フェルズは身体が風化して、魂の存在となり、僕の側近になってくれた」
「そうか…迷宮に封じ込めている物を、取り出すのかもな」
「何が封じ込められている?」
「…」
身分が明かされても、教えてくれることはないのか。
「昔、三位一対がオラリオを襲撃したことに関連があるのか?」
違う世界のオラリオで得た情報を投げかけてみた。
「そこまで、わかるなら、答えは出るだろう?」
「じゃ、問題ないんだな」
「問題ない?何故言い切れるのだ?」
「ソイツは、既に僕が使役させた」
「はぁ?…」
「三位一対も使役させている。あと、脅威になりそうな物は何だ?」
「お前は何をしたのだ?」
「天界を壊滅させた。僕の母親を殺したからな」
「ヨハネの血族か?」
「何か問題でもあるかな?そうそう、お付きの者は、ドラゴンの頂点とバンパイアの頂点だ」
「お前…何をするつもりだ?この世界で…」
「剣の鍛錬とオラリオの研究だ。迷宮の魔物の発生源もどうにかしないと、並行世界が危ないんでね」
「まだ脅威はある。赤い龍と白い龍。あの二匹ならば、ドラゴンの頂点クラスでも」
「それも使役させた。問題ない。問題があるとすれば、ロキだ。アイツは何者だ?」
「お前は一体…」
「神になる前か?ネクロマンサーなドラゴンマスターだ」
「お前が一番危険じゃないか…」
「そうかもな。でも、僕はもっともっと強くなりたい。護りたい者を護る為にな!」
「ロキ…あいつは元々この天界の神ではない。出生は不明だ」
「なぁ、封印してある物って、ロキの本体ってことは無いよな?この世界に来る前に推測をしたんだけど、迷宮はパンドラの壺で、中身は…」
「わからない」
「わからないはずないだろ?お前が封印したんだからな」
「封印したのは神を憎む悪意の固まりだ。形はわからぬ」
「そうか…僕自身って可能性もあるんだな。迂闊だったよ。その推測はしていなかった。強い方が同化吸収する権利を有する。僕はもっと強くならないといけないんだな」
そうだろ?ドエス上司!
上司から念話は届かない。あれ?違うのかな?それとも、放置プレイかな?
「で、書物はあるか?」
彼は本棚を指差した。僕はそこにある書物を総てコピーして、不思議な袋に入れた。あちらの世界でハニー達が解析をしてくれるだろう。気づけばだけど。
「ジャマしたな」
僕達は、その場から立ち去った。
部屋に戻ると、アイズが困惑していた。
「ねぇ、シュウ。どういうこと?なんで私は、ロキの許可なく改宗されたの?」
許可?あぁ、正式な手順を踏んでいないからだ。
「正式な儀式をしないで、行ったからだよ。アイズお姉ちゃん♪」
僕の顔を見つめる彼女。
「ずるいよ~そんなかわいい素振りで言われたら…困るぅ~」
そこには剣姫と呼ばれた豪腕な冒険者の姿はなく、ただの女の子がいた。
「って、言われても。改宗した後、1年は改宗できないし。あぁ、来週の『豊穣の女主人』の休みの日に潜るから、準備をしておいてね、アイズお姉ちゃん♪」
凹んでいるアイズの頭を優しく撫でているオーフィス。
「で、戦力は揃ったのかな?」
っと、アストレアがきいてきた。
「たぶん。芋虫対策にアイズお姉ちゃんと、オーフィス、忍。僕は壺を攻める。残りの者でカドモスを叩けば、経験値とドロップは得られるでしょ?」
---フィン---
「フィン、お前ら、何を企んでいるんだ?」
副団長で、ハイエルフである リヴェリア・リヨス・アールヴに問い質されていた。
「企てというか、次の遠征の計画を練ってはいるけどね」
っと、惚ける。どこまで通じるだろうか?結構、勘が良いからな、こいつは。
「ベートと二人で、最近出掛けているようだが。あれは何をしているんだ?そんなに仲が良くないだろう、お前らは!」
確かに、最近…いや、改宗してからだな。うん、リヴェリアの指摘は正しい。
「同じファミリアの仲間だ。仲良くなっておかしいか?」
「いや、そういうことではないが…」
「何を疑っているんだ?遠征する準備はまだ整っていないし、やることは山のようにあるんだぞ」
いや、バレる前に、出来ることはしておこうと思っただけであるが。
「すまない。疑って悪かった…」
彼女が部屋を出て行った。これで、疑いは晴れたのかな?不安が一杯だよ、シュウ。
---リヴェリア---
ベートとフィンの動向が気になる私だったが、レフィーヤから更なる事態を聞いた。
「アイズさんが戻って来ないんです。無断外泊中です。どうしましょう?」
って…フィン達のことが気になって、それは見落としていた。100名を超える団員がいるから、隅々まで見えていない部分もあるが、幹部であるアイズが無断外泊中って…
「どこに泊まっているか、見当はつかないのか?」
「わかりません。アイズさんに限って、男に走るとは思えませんし…」
あぁ、それは無いな。戦闘が好きな冒険者だし。まさか一人で、潜っているのか?
「一人で潜っているのか?」
「それは無いと思います。そんな素振りをしていませんから。それに、ジャガ丸くんを食べに行ったっきりですし」
ジャガ丸くん?ヘスティア・ファミリアか?
「ヘスティア・ファミリアのホームを探索してきてくれ。確か、あそこのベルと仲が良かったよな?」
「あっ、そうです。直ちに向かいます」
レフィーヤが出て行った。フィン達はっと窓を見ると、あの二人が門を出て行くのが見えた。追跡してみるかな。門に向かうと、アマゾネスのティオナ、ティオネのヒリュテ姉妹がいた。
「フィン達を尾行するんだろ?付き合うよ」
って、妹のティオナが言った。
「ベートのヤツ、フィンに悪い遊びを教えているのかな?」
フィンが大好きな姉のティオネが心配そうに言う。
「まぁ、尾行して真実を確かめよう」
尾行をしていくと、二人は開店していない『豊穣の女主人』に入っていった。まさか、朝から飲むのか?
私達も中に入ると、店主のミアさんに
「おい、今日は休みだ。明日、来てくれ!」
と、言われた。
「フィンとベートが来たはずだが?」
「客は来ていない。見間違いだろ?」
と、店の外に出された。何が起きているのだろうか?
---シュウ---
お店の裏口の前に、全員集合したので、50階へ転移した。一瞬で50階に転移したことに驚くオラリオ組。それよりもアイズがいることに驚き倍増なベート。
「なんで、アイズが…」
「ベート、フィン…なんで?」
ロキ組の驚き再会はスルーして、
「じゃ、まず、テントを設営してから、51階を攻略だ。51階が初めてなのはリューだけかな?」
ロキ組は経験済みのようだ。
「注意事項は、芋虫だけだ。コイツの粘膜は金属を腐食させる物質だ。だから、こいつが出たら、風を纏えるアイズ、オーラ弾が撃ち出せるオーフィス、忍で対処。カドモスの泉のある森林地帯には来ないので、対処できない組は、そっちに逃げてくれ」
「シュウは?」
アイズに聞かれた。
「僕は狙撃が始まったら、竜の壺に行く」
「おい、危険過ぎるぞ」
フィンが心配してくれた。でも、
「僕はもっと強くなりたい。だから、がんばる」
設営が終わり、装備を整えていく。僕は剣を4本、左右の腰に2本ずつ差した。
「四刀流…」
アイズが不思議そうな顔で、僕の姿を見た。
「シュウ、鎧は着けないのか?」
フィンが、また心配しくれた。
「うん。僕は攻撃が透過するんだ。だから、一人の時は着けない。仲間と一緒だと、僕の後ろにいる仲間が危ないから着けるけどね」
「おい、それはチートというか、チーム戦に向かないだろ?」
ベートの言う通りだ。まぁ、僕は基本ソロプレイだから、
「だから、一人で壺に行くんだよ、ベートお兄ちゃん♪」
「えっ?ベートが照れている…」
お兄ちゃん呼ばわりされて、照れるベートを目撃したアイズが漏らした。
「じゃ、行こうか?」
---リヴェリア---
「どないなっとるんだ?なんで、フィンもベートもアイズたんもいないのや?」
主神のロキがお冠である。幹部会に団長を始め、お気に入りのアイズも参加していなかったのが発端だ。
「どうなっているって言われても…何も聞いてません」
「まさか、アイズたんは引き抜かれたんか?」
「それは無いと思います。ギルドに確認しましたが、改宗依頼は提出されていません」
「団長のフィンはどないした?」
「ベートと二人で行方不明です」
「はぁ?行方不明だと?どこに雲隠れしたんや?」
「分かりません」
「リヴェリア、お前、分からん、分からんって、ガキみたいな返事しかできへんのか?」
「分からないものは、分かりません。それよりも、ロキは何も聞いていないんですか?」
主神の睨むと、たじろいだ。こいつ、何かを隠しているな…
「ロキ、何を隠しているんだ?」
形勢逆転した私は、主神を責めた。
「いや、なんも…」
目が泳いでいる主神。
「何かを言われたんですね?誰に何を言われたんですか?」
「あぁ…誰やったかな…うぅ~…そやっ、フィンにだ。内容はベートがアストレア・ファミリアに改宗したって言うてたなぁ」
お前が、聞いていたんじゃないか…何で、私が責められないといけないのだ?
「ベートが?改宗?何で?」
「わからへん。だけどなぁ、もう、アストレア・ファミリアは存在しないのや。パス・パレードでみんな喰われてしもうたから」
あっ、聞いたことがある。ロキ・ファミリアが力を持つ前、ここオラリオで警察のような役目をしていたファミリアで、敵対ファミリアにパス・パレードを仕掛けられて…酷い有様だったらしい。確か、一人生き残って、復讐を果たしたようだったけど。
「だから、ベートに夢でも見たんやないかって言うたんや」
「分かりました。その線で調べてみます」
主神の前から立ち去る。そして、ティオナ、ティオネ、レフィーヤにアストレア・ファミリアのことを調査するように伝えた。
「そんなファミリア、聞いたことないですよ」
レフィーヤが疑問を口にする。
「あぁ、私も無い。だが、それしかヒントが無いんだ。まず、そのファミリアの生き残りについて、聞き込みをしてこよう」
「どこで?」
「どこでって…あぁ、聞き込むまでもないか。ギルドで確かめれば良いな」
ギルドに向かう私達。ここにいても主神の理不尽な怒りを喰らいそうだしな。
---シュウ--
1日目の鍛錬が終了。ドロップが大量だよ♪
「ねぇ、シュウ。食事の後、私に剣技を教えて」
って、アイズに言われた。剣技って言ってもなぁ。
「弟子に教えている方法で良いかな?」
「うん?シュウって、弟子がいるの?」
「多少なりに居ます」
そうなると、木刀がいるなぁ。錬金釜を取り出して、木片を入れて木刀を創り出していく。
「シュウ、君は錬金術も出来るのか?」
フィンが驚いているけど、僕の作業を少年のように目を輝かしてみている。子供姿の僕が言える立場では無いけど。
「まぁ、大抵の事はできるよ。創造神をしていた時もあるから」
神という言葉にアイズが目を輝かしている。神様大好きなのか?
「これ、木刀っていう練習用の剣だ。これで、練習をするんだよ」
アイズとフィンとリューに2本ずつ渡す。ベートはオーフィス、忍と組手をしていた。
「悔しいぞ。女の子に勝て無いって…」
いや、あの二人、実際は女の子では無いから…とも、言えず。
「イメージは太鼓を叩く感じで、最初は良いと思う。両手をリズミカルに動かせるようになったら、次のステージだ」
と、説明してから、食事を済ませた。教えようとした時、アストレアから緊急信号が入り、彼女の元に転移した。
---リヴェリア---
ギルドで昔の資料を調べた結果、生き残ったのは、【疾風】の二つ名を持つレベル4の冒険者、リュー・リオン。『豊穣の女主人』で働いているリューだった。
「リューって…そんなに凄い冒険者だったんだ」
ティオナが震えるように呟いた。そして、『豊穣の女主人』に向かうが、閉店。扉をぶち破って、侵入して、捜索をする。
「おい、あたしの店で何をしているんだ?」
怒気を孕んだミアさんの声が響いた。
「家捜しだ。リューはどこにいる?」
「ロキ・ファミリアは、押し込み強盗をするのか?」
「強盗ではない。リューを引き渡せ!」
「ここにはいないよ。今、潜っている」
「潜っている?何階だ?」
「50階だ」
「リュー一人では潜れないだろ?リューの仲間は誰だ?」
「僕だけど?」
階段から降りてきた少年が声を出した。
「お前は誰だ?」
「リヴェリアごときに名乗る必要性は無い。ミアさん、ごめんなさい。僕のせいで…」
「いいんだよ、シュウは心配しないで良い。ここは私の店だ」
シュウっていうのか?少年の出で立ちは異様だった。左右に剣を2本ずつ差していた。
「何だよ?リヴェリア、何が興味あるんだ?地獄を見るか?」
彼の言葉で、真っ暗な空間に転移させられた。剣はフェイクで魔導師なのか?
うっ…そこはダメ…
耳タブを舐められている。そんな感覚があり、全身が蠢く。
あぁ…あっ…
エルフの耳はダメだって…衣服を着ている感覚すらなくなる。風が身体の皮膚を刺激する。全裸に剥かれて、屋外にいるのか?
いやっ…ダメっ…もぅ…
両腿の内側が痙攣している。今までに感じたことのない刺激。全身を貫くような刺激だ。嫌ではない。むしろ求めていたような刺激ではある。
あぁっん…いいっ…もっと…
私の身体に何か太いモノが入って来て、蠢いている。天を舞うような感覚だ。口元から、唾液が流れ出ている気がする。乳房を丸ごと吸われている。そんな感覚もする。
意識が戻ると、私達4名は、全裸でロキの部屋にいて、ロキが私達を弄んでいる最中だった。こいつ…嵌めたな…このユリ神めぇ~
攻撃魔法をロキに叩き込む。
「痛いやないか。リヴェリア…何を怒っておるんや?主神が子供達と遊ぶのは、大事なコミュニケーションやで」
「お前が仕組んだのだな?ロキ!」
ティオナ、ティオネ、レフィーヤと共に、ロキに対峙した。
「何を言っておるんや?全裸で、ここへ来たんは、お前らやないか…」
聞き耳は持たん。私の大事な耳を…おのれ~
4人でロキをしばいた。結果、弄んだことは認めた。だが、裸でここに転移させられたようだった。弄んだ方法も聞いたのだが、あの時に感じた刺激とは違うものだ。では、あの少年が私達を…まさかなぁ…
---シュウ---
躾をして、リュー達の元に戻った。
「どうしたの?」
「ミアさんのところに、ロキ・ファミリアが押し込んだ。躾けて来たから、大人しくなるだろう」
「エロ神、復活?」
リューが口にした言葉にアイズ達が食いついてきた。
「エロ神って?」
って、アイズ。
「子供なのに出来るのか?」
って、フィン。
「なぁ、御利益あるのか?」
って、ベート。三者三様な反応ではあるが。
「エロ神については、アイズお姉ちゃんは知らなくてもいい。で、ペナルティーで子供の姿にされて、直接は出来ないようにされている。まぁ、神であるから、それなりの供物があれば、御利益は考慮します」
と、返答してみた。それでも知りたいのかアイズは、リューに質問をして、リューが真っ赤な顔で困っていた。
「なぁなぁ、何を供物に出せば、御利益あるんだ?」
って、ベート。
「ベート兄ちゃん、アイズお姉ちゃんはダメだよ。それ以外なら御利益を用意してあげる」
アイズ大好きなベートが凹んだ。どんだけ好きなんだ?
「同族の女の子を希望だ」
って、フィン。まさか、フィンから祈願が入るとは…予想外です。
「フィン、見つけたら、考えるよ」
「ねぇねぇ、私、ジャガ丸くんで餌付けしてくれるシュウが良いな」
って、アイズ。何かを勘違いしていないか?その時、ベートの悲鳴が…声のした方を見ると、忍とオーフィスがベートを追っている。
「ごめんなさい、アイズは祈願しないから、襲わないで~」
精神的な面で、アイズを妹のように思い始めた、オーフィスと忍が、ベートに制裁に出たようだった。基本、アイズのような天然無垢な心の子が好きな二人だし。
「私は、アストレア様とシュウがいてくれれば良い。アイズが本気なら応援はしたい」
って、リューが僕にはにかんで言った。