※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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少し残虐な表現があります。


初めての危機*

---一誠---

 

睡眠中、上司との会話をした。

 

『良い知らせと悪い知らせがあるのじゃが、悪い知らせは、この世界で高校卒業まで最低いないといけないことじゃ』

 

なんで?

 

『この身体をベースに、同化吸収させるためじゃ。理由は良い知らせなのだじゃが、この世界の身体をベースにすることによって、お前の壊れ掛かったハートの器が、新品になるのじゃ』

 

あぁ、そういうことか。新品故傷もないし、強度もある。この状態で、その歳まで鍛えれば、闇に飲み込まれての暴走がなくなるってことか。

 

『その通りじゃ。まぁ、アチラの時間の進行を遅くしてあるので、安心して鍛錬せよ』

 

上司との会話が終わった。

 

------

 

そうだ、この世界でのことを少し話そう。この世界のグレモリー家は、僕の遭遇した様々なグレモリー家の中で、一番真面に思える。黒頭巾集団に襲われた姫島家を救うために尽力をして、問題を解決に導き、今は冥界の堕天使領に住まわせてくれた。その代わりだけど、朱乃ちゃんをリアスの眷属にしたみたいだ。朱乃ちゃんに聞いたら、リアスとは良く話し合って、納得して眷属になったそうだ。

 

そして、あの姉妹。僕の予想通り、黒歌、白音姉妹だった。グレモリー家が彼女達の後ろ盾になることで、他家との眷属問題を無くしてくれた。リアス的には二人共眷属にしたかったようだが、黒歌はリアスの能力値では眷属にできなかったようだ。

 

沖田先生の道場での鍛錬の後、リアスの家から地上に転移をするようになっている。で、次の週末、リアスの家に行った時に、黒歌に僕の駒を入れてみると、すんなり入っていった。それを見た白音が

 

「お姉様、ズルいです。私も一誠さんの眷属が良かったです」

 

って。

 

事はそれで終わりにならなかった。僕が駒を持っている事実を、リアス、魔王達、父さんに知られることになったのだ。まぁ、いずれバレることだけど。

 

「一誠君、その駒はなんだい?」

 

アジュカさんに尋ねられた。僕は返答に困り、父さんを見た。

 

「一誠、言いにくいことなのか?う~、でも、真実を話してくれないか?」

 

父さんのお許しが出たので、話す事に。

 

「僕の作った龍の駒です。入れると転生ドラゴンになります」

 

驚いた表情の皆さん。

 

「もしかして、一誠、種族を変更できる能力って…」

 

父さんが蒼い顔をしてきいたきた。

 

「父さん、正解です。この駒を使いました。おかげで、魔力の上限が、少しずつ上昇しています」

 

「まさか、魔法が使えるのか?」

 

「父さん、正解です。でも、まだ上限値が低いので、簡単な転移魔法しか無理だけどね」

 

父さんの顔から血の気が引いていっているようだ。

 

「おいおい…」

 

「一誠君、駒はどうやって作ったのかな?」

 

アジュカさんが尋ねてきた。

 

「悪魔の駒を参考にして、悪魔の駒の問題点を改修しながら、必要な機能を加えたんだよ」

 

信じられないという顔のアジュカさん。

 

「悪魔の駒の知識はどこで手に入れたんだい?」

 

言っていいのかな?父さんの方を見ると、首を縦に振っていた。言って良いってことだな。

 

「僕がいた世界での義理の父さんに、習いました」

 

「一誠君のいた世界?どういう意味だ?」

 

「僕の名前は、シュウ・ヨハネ・鬼門。訳あって、この身体の受精卵に魂が着地しました」

 

父さん以外のみんなに『ガーン!』っていう効果音が、鳴り響いた感じがする。衝撃的な発言だよね。人間の幼稚園児としては。

 

「シュウっていうのか、君の本当の名前は?」

 

「僕は兵藤一誠です。シュウという名前は、魂の持ち主の名前と思ってください」

 

僕の話した内容についてこれているのは、アジュカさんとファルビウムさんだけみたいだ。後、父さんも。

 

「魂の持ち主…わかった。君のことは魂を含めて、一誠君と呼ぶよ」

 

「了解です。アジュカさん♪」

 

「それで、君の義理の父さんとは誰なのかな?」

 

「アジュカ・ベルゼブブ。僕の冥界での立場はシュウ・ベルゼブブです」

 

アジュカさんの顔は困惑しているようだ。まぁ、そうだろう。別世界でとは言え、息子がいた事実は、生涯独身を決め込んだ彼には、困惑するのに充分だろう。

 

「俺に…息子…」

 

「僕は、アジュカ父さんの元で、悪魔の駒を改良したり、レーティングゲームの保守をしたり、術式プログラムの研究をしていました」

 

「そうか、それで、禁術魔術を知っているのか?」

 

父さんが、僕に言葉を投げて来た。

 

「父さん、それは不正解だよ。冥界に禁術魔術がないもの。あれは、ネクロマンサーを育成するギルドで研究したんだよ」

 

「ネクロマンサーだと…」

 

ファルビウムさんが驚きの声を上げた。

 

「今の僕の魔力の上限では何も発動できないけど、光・闇・聖・魔の4系統の魔術は極めています。ネクロマンサーだけでなく、ウォーロック、ソーサリアン、ロードなどのジョブも極めていますからね♪」

 

「考えられる魔術の殆どが使えたの?」

 

セラフォルーさんが震える声で呟いた。

 

「それ以外に、僕のオリジナルな禁術もあります。術式プログラマーなんで、オリジナルな魔術系に走っています。うふっ♪」

 

リアスは、リアスの知識の範疇を超えた話で、呆然としていた。

 

「で、他に聞きたいことって、ありますか?」

 

「君は我々の味方なのか?敵になるのか?」

 

サーゼクスさんから、もっともな質問が飛んできた。

 

「基本、味方ですよ。僕はリアス、ソーナ、シーグヴァイラと結婚して、それぞれとの間に子供がいますから。でも、世界によっては敵になったこともあります。その場合は、問答無用に退場してもらいましたよ。ふふふ」

 

「私は一誠君の奥様になるのね…」

 

真っ赤な顔をしたリアスが、小声で呟いていた。この世界ではそうなるのかな?

 

「敵対した世界とはどんな世界だったのだ?」

 

サーゼクスさんが恐る恐る質問しているようにみえた。

 

「悪魔至上主義が世界を征服して、セラフォルーさんがラスボスでした。天使、堕天使は悪魔により絶滅寸前。リアスは創造神、破壊神を滅びの力で消滅させ、サーゼクスさんは僕の教え子を殺しに来ました。アジュカさん、ファルビウムさんは失脚させられて、行方知らずに」

 

「それは、酷い世界だな…サーゼクス、そうさせるなよ」

 

って、父さん。

 

 

---誠---

 

一誠は、長時間に渡って話をしすぎ、疲れて寝てしまった。幼稚園児には、ちと重労働だったかな。リアスのベッドで、リアスと共に寝ている。

 

「誠殿、一誠君の話は真実ですか?妄想ですか?」

 

アジュカが聞いてきた。

 

「残念だが、真実だ。破壊神のシヴァに確認した。一誠の魂は、シュウという人物であるのは間違いない」

 

「どんな人物なの?そのシュウという人物は」

 

セラフォルーが聞いてきた。

 

「神格階位2位、絶対神の特務機関の団長だそうだ」

 

「「…」」

 

魔王達は驚いて、声が出ないみたいだ。俺も驚いたよ。最高神より上の階位なんだもの。

 

「星を一瞬で壊滅する能力があるそうだ」

 

「一瞬でか?」

 

ファルビウムが困惑している。そうだよな。一瞬で壊滅って、どんな能力だよな。

 

「彼の配下だけでも、星1つの壊滅が可能だそうだ」

 

「手下もスゲェーのかよ…」

 

ファルビウムがあきれたようだ。あきれるよな。あれは…

 

「現状でも、もし息子と対峙したとして、勝てる自信はない」

 

「誠殿でもか…おいおい」

 

サーゼクスの顔から血の気が引いている。

 

「サーゼクスも見ただろう?沖田君が、もう既に勝てそうではない状態なのを」

 

今日の鍛錬で、沖田君の剣技を超え始めていた。問題はスタミナと体力のなさだけだ。それは一誠も俺も沖田君もわかっていた。ベースとなる身体が幼稚園児では、その二つの問題だけは、解決できないのだ。

 

「俺のくそオヤジは初対戦で倒されたよ」

 

「源氏殿が…」

 

「俺の見る限り、くそオヤジは手を抜くこと無く、一誠と戦っていたのにだ」

 

あれは、俺にとっても衝撃的だった。俺ですら、くそオヤジに勝てたことが無かったのに…

 

「闘戦勝仏様は、一誠…いや、シュウの配下の者に瀕死の状態にされていた」

 

「配下の者も、この世界に来ているの?」

 

魔王4名に衝撃が走ったみたいだ。一誠は幼稚園児だから、それなりに対処できる自信があったのだろうが、配下がいるとなるとなぁ

 

「まだ、召還魔法が使えないそうだ。だから龍門を開いて呼び出した」

 

「龍門?あれはドラゴンが4匹以上が存在しないと開けないだろ?」

 

アジュカの言うことは正しい。だが

 

「俺の息子は、4匹以上の龍を従えている。魂に一緒に宿しているそうだ」

 

「4匹以上…一人で?」

 

「俺はこの目で見たんだ。闘戦勝仏様が逃げ惑う姿を…群がるという表現が正しい数の多さだったよ」

 

一誠の恐ろしさはドラゴンではない。きっと、ドラゴンは目眩まし程度なんだろう。

 

「どんなドラゴンがいたのだ?」

 

「問題はドラゴンではないんだ。ドラゴンだけでも脅威なのに、一誠には、それ以上の恐怖の対象が宿っている」

 

場が静かになった。俺の言った意味を即座に理解したのだろう。誰かのツバを飲み込む音が聞こえた。

 

「怪異の王と言われている伝説のバンパイア、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。聖書に記されている獣の数字、トライヘキサ。この2体も配下として、この世界に連れてきているそうだ」

 

「「「「えっ?」」」」

 

目が点になったような表情の魔王4名。写真に撮りたい表情だぞ。

 

「どちらも単体で、地上を壊滅させる力を持っていると、昔から言われている。しかし、今までは、その存在を確かめた者がおらず、伝説、空想の魔物とされてきた。だけど、この世界に確実にいるんだ。これが真実だ」

 

魔王4名が円陣になって、ごにょごにょと相談をしてから、アジュカが俺に近づいてきた。

 

「誠殿、一誠君を悪の道に進まないように育ててくださいね」

 

だと。そのつもりだよ。いや、シュウという者は正しいと思えることをする奴だと思う。一誠の行動、姫島家の件、猫又姉妹の件を見ているとわかる。

 

きっと、性癖以外は正しいはずだ。

 

 

---一誠---

 

沖田先生に「もう教えることがない」と、言われてしまった。もっと、強くなりたいのに。さて、どうしようかな?あと、剣使いだと、バチカンとペンドラゴンだけど、今の僕には接触する機会がないなぁ。

 

いや、ある。「九十九屋」だ。場所を調べないと。

 

結局、「九十九屋」の所在地はわからなかった。もっと、魔力の上限を上げる方が先かな?もう少しあれば、広範囲に転移できるはずだし。

 

週末、母さんに連れられて、転移した。転移した先は、式森本家の邸宅だった。

 

「数馬、ただいま♪」

 

母さんが、現当主に挨拶をした。現当主は母さんの実の弟だ。

 

「姉さん、どうしたんだ?珍しいな。うん?この子は?」

 

「私の愛しい息子の一誠よ。頼みがあるのよ。この子に魔術の基礎を教えてくれないかな?」

 

「姉さんが教えれば?前当主なんだし」

 

「私は基礎なんか興味ないから無理」

 

母さんにツッコミを入れたくなった僕。

 

「ふぅ~、そういうことか。わかったよ。姉さんの子供の実力も知りたいし」

 

で、式森流の魔術の基礎を学ぶことになった。教わる通りに、基礎魔術を発動していく。

 

「ほぉ、なかなか才能がありそうだねぇ」

 

その後も、基礎魔術を繰り返し、発動しまくる。これで上限あがるといいなぁ。

 

「父さん、叔母さんの子供が来ているんだってね。僕対戦してみたいよ」

 

って、叔父さんにせがんでいる男の子。こいつは和樹か?

 

「彼はまだ基礎を教えはじめたばかりだぞ」

 

「弱いんだね」

 

この親子の会話に母さんがキレたみたいだ。オーラに怒りの色が見える。

 

「一誠、相手をしてあげなさい」

 

「母さん、本気出してもいい?」

 

「殺さない程度よ♪」

 

こちらも、相手を挑発するような親子の会話をしていた。

 

そして、和樹と試合になった。ルールは相手が戦闘不能になるか、降参するかするまで続く。魔術以外にも持てる力を使って良いみたいだ。

 

どうしようかな?アレできるかな?仲間に相談してみた。ブリトラ、オーフィス、アルビオン、ドライグに協力をして貰うことにした。

 

そして、試合開始。オーフィスの鎧を纏い、ブリトラに鎧へラインを巻き付けて貰い、アルビオンの能力をラインに付加してもらった。そして、ドライグにはカウントを始めて貰う。ふふふ。

 

「和樹、撃ってこいよ」

 

相手を挑発していく。

 

「生意気な奴だ。式森家次期当主の力を思い知らせてやる。そんな鎧を着込んでも無駄だよ」

 

魔法陣を発現させて来る。ソレを見て威力のなさそうな物は、発動しないように書き換えていく。発動しないことにあせる和樹。

 

『ドライグ、タイミング勝負だ。頼むよ』

 

『了解だ、シュウ。ゾクゾクするぞ、こんなテクニックがあったとはな、ふふふ』

 

ドライグのカウントが終わるまで、和樹から一発ももらっていない。さてと、やるかな?

 

『ウルティマウエポン』の術式から屠る要素を消した、即死性のない『ウルティマウエポン』の魔法陣を和樹の頭上に展開させた。

 

「え?なんだ、この魔法陣?」

 

僕が魔法陣を発動させる魔力を放つと、その魔力に対して、ドライグが『倍化』の恩恵を『譲渡』した。そして、現在の僕の魔力の上限では発動出来ない禁術『ウルティマウエポン』は発動した。全身から煙が立ち上る和樹。そして、その場に倒れた。

 

衝撃的なシーンを見た数馬叔父さんは、直ぐに動けなかった。母さんもだ。僕は鎧を解除して、

 

「母さん、勝ったよ~」

 

と言いながら母さんに抱きついた。その僕の声で、我に返った数馬叔父さんが、和樹に駈け寄り、介抱をし始めた。

 

「おい、和樹。しっかりしろよ。何が起きたんだ?」

 

叔父さんの介抱の甲斐もなく、和樹は病院送りとなり、その後、僕と母さんは、叔父さんの部屋に呼ばれた。神妙な面持ちな叔父さんと母さん。母さんには、僕に対する恐怖の色が浮かんでいる。

 

「一誠君、和樹に何をしたんだ?」

 

僕は母さんの方を見た。僕の視線から逃げた母さん。そんな時、父さんが転移してきた。

 

「何があったんだ?一香?」

 

母さんは、無言だった。母さんにとっても衝撃的だったのかもしれない。

 

「数馬君、何があったんだ?一香がこんなにショックを受けるって」

 

「誠さん…あなた方の息子さんは何なんだ?和樹が、病院送りになるくらいのダメージを受けるとは、ありえない。あいつは、式森家の次期当主なんだよ。それがたった1発の魔法で…」

 

父さんが、僕を見つめた。

 

「一誠…何をしたんだ?怒らないから真実を教えてくれ」

 

「母さんが、殺さない程度に本気でいっていいって…」

 

「はっ」とした表情の母さんが僕の方を見た。そう、母さんの発言で、このような事態になったことに、気づいたのだ。

 

「だから、現状で撃ち込める最強の魔法を、死なない程度に書き直して、発動させたんだよ」

 

「死なない程度に書き直した?誠さん達の息子は、術式プログラミングができるのか?」

 

叔父さんは驚いたような表情で、僕を見た。

 

「あぁ、一誠は、そのスキルがあるんだ。一香は知らなかったみたいだが」

 

父さんは母さんを見ずに言った。

 

「まさか、一香が俺に内緒で、ここに一誠を連れ出すとは思わなかった。俺の失敗だ。数馬君、すまない」

 

父さんは叔父さんに謝った。僕も父さんの後ろで、叔父さんに向かって、頭を下げた。

 

「一誠、発動させた魔法陣を発現させて、見せてくれないか?」

 

僕は頷き、父さん達に魔法陣を発現させた。

 

「これは…なんだ、この文字は…」

 

叔父さんから唸るような声が聞こえた。

 

「これって…禁術系の…一誠、禁術系が書けるの?」

 

驚いたような声の母さん。

 

「書けるよ、母さん。これは僕のオリジナルの魔法陣。発動するにはパスワードを込めた魔力を入れないと発動できないようにしてある。コピーされる危険を回避するためにね」

 

「こ、こんな複雑な物を…一誠が…」

 

母さんは、魔法陣から目を離さない。

 

「誠さん、一誠君はどこで、こんな魔術を覚えたんだい?俺の知る限り、この手の参考書なんかないはずなんだが…」

 

叔父さんの目付きは驚きから、探求するようなものになっていた。

 

「一誠、どこでだ?」

 

父さんが優しい口調できいてきた。

 

「禁断の魔術ギルドで、口伝で教わりました」

 

「「禁断の魔術ギルド?」」

 

叔父さんと母さんが同時に驚きの声を上げていた。

 

「どうして、驚いているんだ?二人とも」

 

魔術に関しての知識に疎い父さんが、式森の者に尋ねた。

 

「そのギルドは伝説のギルドなの。名前だけは古い書物に出ているけど、ギルド関連の書物は何も無いのよ」

 

母さんの説明は正しい。あのギルドでは、ギルド員以外に、情報が漏れることを防ぐために、総て口伝で伝えられた。

 

「そうなのか?一誠、どうして…いや、言わないでいい」

 

父さんは何かに気づいた。

 

「だから、お前は…アイツを使役できたのか」

 

「そうだよ、父さん。悪い奴の仲間になる前に、どうしてもしないと、いけないことだった」

 

「ねぇ、二人で何の話をしているの?」

 

蚊帳の外に置かれた形になった母さんから、声がかかった。

 

「うん?親子の会話だけど、一香」

 

「誠さん、わかるように説明してください。魔術を極めている式森家の当主として知る権利があるはずだ」

 

僕の中で何かのスイッチが入った。

 

『思い上がるな、式森家の者よ。人間の知って良い領域には限りがある。ソレを超えるには、人間を辞めることになるが、その覚悟はあるのか?』

 

僕の中の魂が言い放った。

 

「シュウ・ヨハネ・鬼門か?」

 

父さんが僕にその名前を告げた。

 

 

---シュウ---

 

僕は、一誠の後ろにオーラ体という形で発現した。

 

「そうだ、誠よ。あまり長時間は出ていられない。聞きたいことがあれば、少しなら答えられる」

 

「一誠はどうなるんだ?」

 

「僕の魂が定着している。僕の世界に帰る日まで、この世界で成長する。たぶん、18~20歳くらいには帰れる予定だ」

 

「帰ったら一誠はどうなるんだ?」

 

「僕の元の身体が、一誠に同化吸収される。そして、元の身体は消え、一誠に僕の全能力が引き継がれる」

 

「この世界には帰ってこないのか?」

 

「帰って来る。父さんと母さんと姉妹がいる世界を、僕は絶対に見捨てない。全能力が戻れば、次元や時間を超えての転移も可能となるから」

 

「君はどうしたいんだ?」

 

「僕には選択肢がない。あるとすれば、目先のエロだけかな?まぁ、そんな感じだ。式森の者よ、僕はあの術を極めるために、普通の生物であることを辞めた。お前に、その覚悟はあるのか?あるのであれば、あのギルドに誘ってやる。全能力が戻れば可能だからな。それまでに、覚悟を決めておけ」

 

そして、僕のオーラ体は霧散した。

 

 

---誠---

 

オーラ体という形で、出て来てくれたシュウ。一誠の疲れが溜まったのか、シュウが霧散すると同時に、一誠はその場に倒れた。

 

俺は、一誠を抱き抱えて、抱きしめた。そして、数馬君の方に向き直った。

 

「今出て来たのが、一誠に宿るシュウ・ヨハネ・鬼門の魂だ」

 

「憑依されているのか?」

 

「憑依ではない。一誠の魂がシュウなんだ」

 

「何者なんだ?ソイツは」

 

俺は、今までに手にした情報を、数馬と一香に伝えた。

 

「なんだって…神格階位2位って…神じゃないか…」

 

「私達の一誠って、そんなにエライの…」

 

二人は真実を知り、なんらかの畏敬の念を持ったのかもしれない。

 

「誠さん、彼の強さはどのくらいなんだ?」

 

「この星を一瞬で破滅できるらしい」

 

「ねぇ、誠さん、私達の息子って、ラスボスなの?」

 

「一香、そうならないように、一誠を真っ直ぐに育てるが、神から与えられた俺達の使命なんだと思う」

 

「そっ、そうだよね。私達の育て方が重要なのよね…数馬、ごめんなさい。反省しています。一誠を責めないでね」

 

「姉さん…俺は、彼が能力を取り戻せるように協力をするよ。彼が帰る時までに、決意も決める」

 

 

---一香---

 

家に親子三人で戻って来た。一誠をリーラに預け、誠さんは仕事に出掛けた。たまには、一人で寝るか。

 

衝撃的な展開で少し興奮気味だったので、なかなか寝付けなかった。それは、うつらうつらし始めた時に起きた。

 

何者かが私に覆い被さってきた。私はその場から逃げようとしたのだが、金縛り状態になっていて、声すら出ない。目の前にいるのに見えない侵入者。パジャマが脱がされていく。そして、下着すらも。侵入者は、胸を弄び始めた。気持ちが凄く良い、身体の中が熱い、太ももの内側の筋肉がピクピクしているのがわかる。私は侵入者の行為により、快楽の世界へと引きづりこまれて行った。

 

絶頂感を満喫して、全身の筋肉が弛緩していくのが分かる。その余韻に浸る間もなく、次なる刺激が押し寄せて来た。私は四つん這いにされて、お尻の谷間を何かでなぞられている。その刺激だけで、私の中から暖かい液体が湧き出て来ている。口の中に肉棒が入れられた。頬張り、舌で奉仕をしていく。こんなプライドを汚される行為なのに、なぜか私は満足している。私ってエムなのかな。そして、下腹部にも挿入されていた。侵入者は二人なのか?

 

2度目の絶頂を迎えた。私は力無く布団に横たわるが、またも余韻に浸ることなく、次の行為をさせられた。今度は騎乗位。下から杭のように固くなったモノが挿入されて、私は自力で上下に動く。口にも挿入され、胸の谷間にも挿入されている。そして、後ろの穴まで…4人の侵入者がいるのだろうか?私は見えない4人の者達に弄ばれ、3ラウンドが終了すると、侵入者の気配が一気に消え去った。

 

部屋には、力がまるで入らずに布団の上に置かれている、全裸の私だけになった。

 

 

---一誠----

 

翌朝、目が覚めると、全裸のリーラに抱かれていた。僕はまだ幼稚園児なのに…

 

「一誠様、おはようございます。ご加護をありがとうございます」

 

と、お礼を言われた。僕には加護を与える能力はまだないはずなんだけど。不思議に思いながらも、幼稚園に行く用意をした。それから家族で食事をして、リーラさんの付き添いで、姉ちゃん二人と幼稚園へと向かった。

 

そして、三時頃に帰宅して、遊びに行く。ヘタに、家にいると、ひたぎ姉さんがお医者さんごっこを仕掛けてくるし、万が一、それから逃げ切っても翼姉さんに捕まり、読み書きの練習を一緒にすることになるので、外へ遊びに行くのが日課だ。

 

遊び場はもっぱら、姫島神社の境内だ。ここは高台にあり、段数の多い階段があり、鍛錬するにも良い。境内に着くと、由良がいた。由良は髪の毛が緑で、ボーイッシュな女の子だ。

 

「由良、遅くなって、ごめん」

 

「一誠。名前で呼んでほしいな」

 

「だって、姉さんと同じ名前だから…」

 

僕の姉さんの片割れが「翼」なのだが、由良の名前は「翼紗」と、漢字で書くと違うけど、声にだすと同じ「つばさ」になるのだ。それに「ゆら」の方が発音が楽だし。

 

「わかったよ、由良」

 

「もう!」

 

突然、襲いかかってきた由良。僕は彼女の攻撃を受け流したり、避けたりしていく。僕と由良の遊びは、格闘術ごっこなのだ。ごっこというには、少し本格的ではあるけど。由良の攻撃をかいくぐり、腕を極めて、関節技に持ち込む。

 

「一誠、くすぐったいよ~」

 

由良の弱点、脇腹辺りに刺激を与えていく。

 

「まいったといえば、やめるけど」

 

「これくらい…あぁ、ダメだよ~くすぐったいよ~」

 

由良の反応が鈍くなってきたところで、関節技を解いた。くすぐり地獄により、由良の体力は下限近くのようだった。

 

「はぁ、脇腹が痛いよ。一誠のバカ!あっ…」

 

由良が何かの気配に気が付いた。彼女は、人外の者が見えたり、触れたりする能力があるようだ。僕も気配を読めた。なんだ、これは?索敵能力がまだまだの僕は、対象物の正体までは読めないでいた。

 

由良を守るようにして、彼女の前に立った。

 

「由良、正体はなんだ?」

 

「式神みたい…」

 

「敵意は?」

 

「様子見をしている」

 

「逃げられるかな?」

 

「無理、私、今走れないよ」

 

由良に肩を貸して、立ち上がらせた。

 

「そこの鬼畜なお兄やん、ちょっと待ちい」

 

僕は声を掛けられた。この声に覚えがある。式神の主だ。

 

「影縫さんが、僕に何の用ですか?」

 

相手の名前を出した。バトルマニアにして、暴力的陰陽師の影縫余弦。式神・斧乃木余接の主だ。僕は別世界で遭遇していた。その攻撃は人間とは思えないほどに強く鋭く、残虐である。

 

「鬼畜なお兄やん、なんで、うちの名前を知っているん?」

 

まずいな。由良を社務所まで、連れて行って、置いてきた。

 

「鬼畜なお兄やん、彼女には手は出さへん。安心おし」

 

「僕に用ですか?」

 

影縫さんが攻撃を仕掛けてきた。僕はオーフィスの鎧を纏い、ダメージを減らした。

 

「なんや、そのけったいな鎧は?」

 

僕もパンチを繰り出すが、影縫さんには当たらない。

 

「一誠くん!」

 

由良の声がした。手を出さないっていっただろ?声のした方をみると、式神に囚われた由良がいた。

 

「約束が違うだろ?」

 

「はぁ?約束はしてへん。ただ言っただけや。大人しく鎧を脱ぎな。彼女どうなっても知らへんよ」

 

「汚いぞ、ヤリ方が。幼稚園児にすることかよ?」

 

「はぁ?人間ではない鬼畜なお兄やんに言われたくあらへん」

 

僕は鎧を解除した。その瞬間、腹部に激痛が走った。腹を割かれて、小腸を引き釣り出されていた。

 

「うん?なんや、鬼畜なお兄やん…困ったなぁ。人間なのかい。どないしよう」

 

影縫さんが困り顔になった。その場に膝を着き、前のめりに倒れる僕。僕の意識はそこまでだった。

 

 

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