---一誠---
睡眠中、上司との会話をした。
『良い知らせと悪い知らせがあるのじゃが、悪い知らせは、この世界で高校卒業まで最低いないといけないことじゃ』
なんで?
『この身体をベースに、同化吸収させるためじゃ。理由は良い知らせなのだじゃが、この世界の身体をベースにすることによって、お前の壊れ掛かったハートの器が、新品になるのじゃ』
あぁ、そういうことか。新品故傷もないし、強度もある。この状態で、その歳まで鍛えれば、闇に飲み込まれての暴走がなくなるってことか。
『その通りじゃ。まぁ、アチラの時間の進行を遅くしてあるので、安心して鍛錬せよ』
上司との会話が終わった。
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そうだ、この世界でのことを少し話そう。この世界のグレモリー家は、僕の遭遇した様々なグレモリー家の中で、一番真面に思える。黒頭巾集団に襲われた姫島家を救うために尽力をして、問題を解決に導き、今は冥界の堕天使領に住まわせてくれた。その代わりだけど、朱乃ちゃんをリアスの眷属にしたみたいだ。朱乃ちゃんに聞いたら、リアスとは良く話し合って、納得して眷属になったそうだ。
そして、あの姉妹。僕の予想通り、黒歌、白音姉妹だった。グレモリー家が彼女達の後ろ盾になることで、他家との眷属問題を無くしてくれた。リアス的には二人共眷属にしたかったようだが、黒歌はリアスの能力値では眷属にできなかったようだ。
沖田先生の道場での鍛錬の後、リアスの家から地上に転移をするようになっている。で、次の週末、リアスの家に行った時に、黒歌に僕の駒を入れてみると、すんなり入っていった。それを見た白音が
「お姉様、ズルいです。私も一誠さんの眷属が良かったです」
って。
事はそれで終わりにならなかった。僕が駒を持っている事実を、リアス、魔王達、父さんに知られることになったのだ。まぁ、いずれバレることだけど。
「一誠君、その駒はなんだい?」
アジュカさんに尋ねられた。僕は返答に困り、父さんを見た。
「一誠、言いにくいことなのか?う~、でも、真実を話してくれないか?」
父さんのお許しが出たので、話す事に。
「僕の作った龍の駒です。入れると転生ドラゴンになります」
驚いた表情の皆さん。
「もしかして、一誠、種族を変更できる能力って…」
父さんが蒼い顔をしてきいたきた。
「父さん、正解です。この駒を使いました。おかげで、魔力の上限が、少しずつ上昇しています」
「まさか、魔法が使えるのか?」
「父さん、正解です。でも、まだ上限値が低いので、簡単な転移魔法しか無理だけどね」
父さんの顔から血の気が引いていっているようだ。
「おいおい…」
「一誠君、駒はどうやって作ったのかな?」
アジュカさんが尋ねてきた。
「悪魔の駒を参考にして、悪魔の駒の問題点を改修しながら、必要な機能を加えたんだよ」
信じられないという顔のアジュカさん。
「悪魔の駒の知識はどこで手に入れたんだい?」
言っていいのかな?父さんの方を見ると、首を縦に振っていた。言って良いってことだな。
「僕がいた世界での義理の父さんに、習いました」
「一誠君のいた世界?どういう意味だ?」
「僕の名前は、シュウ・ヨハネ・鬼門。訳あって、この身体の受精卵に魂が着地しました」
父さん以外のみんなに『ガーン!』っていう効果音が、鳴り響いた感じがする。衝撃的な発言だよね。人間の幼稚園児としては。
「シュウっていうのか、君の本当の名前は?」
「僕は兵藤一誠です。シュウという名前は、魂の持ち主の名前と思ってください」
僕の話した内容についてこれているのは、アジュカさんとファルビウムさんだけみたいだ。後、父さんも。
「魂の持ち主…わかった。君のことは魂を含めて、一誠君と呼ぶよ」
「了解です。アジュカさん♪」
「それで、君の義理の父さんとは誰なのかな?」
「アジュカ・ベルゼブブ。僕の冥界での立場はシュウ・ベルゼブブです」
アジュカさんの顔は困惑しているようだ。まぁ、そうだろう。別世界でとは言え、息子がいた事実は、生涯独身を決め込んだ彼には、困惑するのに充分だろう。
「俺に…息子…」
「僕は、アジュカ父さんの元で、悪魔の駒を改良したり、レーティングゲームの保守をしたり、術式プログラムの研究をしていました」
「そうか、それで、禁術魔術を知っているのか?」
父さんが、僕に言葉を投げて来た。
「父さん、それは不正解だよ。冥界に禁術魔術がないもの。あれは、ネクロマンサーを育成するギルドで研究したんだよ」
「ネクロマンサーだと…」
ファルビウムさんが驚きの声を上げた。
「今の僕の魔力の上限では何も発動できないけど、光・闇・聖・魔の4系統の魔術は極めています。ネクロマンサーだけでなく、ウォーロック、ソーサリアン、ロードなどのジョブも極めていますからね♪」
「考えられる魔術の殆どが使えたの?」
セラフォルーさんが震える声で呟いた。
「それ以外に、僕のオリジナルな禁術もあります。術式プログラマーなんで、オリジナルな魔術系に走っています。うふっ♪」
リアスは、リアスの知識の範疇を超えた話で、呆然としていた。
「で、他に聞きたいことって、ありますか?」
「君は我々の味方なのか?敵になるのか?」
サーゼクスさんから、もっともな質問が飛んできた。
「基本、味方ですよ。僕はリアス、ソーナ、シーグヴァイラと結婚して、それぞれとの間に子供がいますから。でも、世界によっては敵になったこともあります。その場合は、問答無用に退場してもらいましたよ。ふふふ」
「私は一誠君の奥様になるのね…」
真っ赤な顔をしたリアスが、小声で呟いていた。この世界ではそうなるのかな?
「敵対した世界とはどんな世界だったのだ?」
サーゼクスさんが恐る恐る質問しているようにみえた。
「悪魔至上主義が世界を征服して、セラフォルーさんがラスボスでした。天使、堕天使は悪魔により絶滅寸前。リアスは創造神、破壊神を滅びの力で消滅させ、サーゼクスさんは僕の教え子を殺しに来ました。アジュカさん、ファルビウムさんは失脚させられて、行方知らずに」
「それは、酷い世界だな…サーゼクス、そうさせるなよ」
って、父さん。
---誠---
一誠は、長時間に渡って話をしすぎ、疲れて寝てしまった。幼稚園児には、ちと重労働だったかな。リアスのベッドで、リアスと共に寝ている。
「誠殿、一誠君の話は真実ですか?妄想ですか?」
アジュカが聞いてきた。
「残念だが、真実だ。破壊神のシヴァに確認した。一誠の魂は、シュウという人物であるのは間違いない」
「どんな人物なの?そのシュウという人物は」
セラフォルーが聞いてきた。
「神格階位2位、絶対神の特務機関の団長だそうだ」
「「…」」
魔王達は驚いて、声が出ないみたいだ。俺も驚いたよ。最高神より上の階位なんだもの。
「星を一瞬で壊滅する能力があるそうだ」
「一瞬でか?」
ファルビウムが困惑している。そうだよな。一瞬で壊滅って、どんな能力だよな。
「彼の配下だけでも、星1つの壊滅が可能だそうだ」
「手下もスゲェーのかよ…」
ファルビウムがあきれたようだ。あきれるよな。あれは…
「現状でも、もし息子と対峙したとして、勝てる自信はない」
「誠殿でもか…おいおい」
サーゼクスの顔から血の気が引いている。
「サーゼクスも見ただろう?沖田君が、もう既に勝てそうではない状態なのを」
今日の鍛錬で、沖田君の剣技を超え始めていた。問題はスタミナと体力のなさだけだ。それは一誠も俺も沖田君もわかっていた。ベースとなる身体が幼稚園児では、その二つの問題だけは、解決できないのだ。
「俺のくそオヤジは初対戦で倒されたよ」
「源氏殿が…」
「俺の見る限り、くそオヤジは手を抜くこと無く、一誠と戦っていたのにだ」
あれは、俺にとっても衝撃的だった。俺ですら、くそオヤジに勝てたことが無かったのに…
「闘戦勝仏様は、一誠…いや、シュウの配下の者に瀕死の状態にされていた」
「配下の者も、この世界に来ているの?」
魔王4名に衝撃が走ったみたいだ。一誠は幼稚園児だから、それなりに対処できる自信があったのだろうが、配下がいるとなるとなぁ
「まだ、召還魔法が使えないそうだ。だから龍門を開いて呼び出した」
「龍門?あれはドラゴンが4匹以上が存在しないと開けないだろ?」
アジュカの言うことは正しい。だが
「俺の息子は、4匹以上の龍を従えている。魂に一緒に宿しているそうだ」
「4匹以上…一人で?」
「俺はこの目で見たんだ。闘戦勝仏様が逃げ惑う姿を…群がるという表現が正しい数の多さだったよ」
一誠の恐ろしさはドラゴンではない。きっと、ドラゴンは目眩まし程度なんだろう。
「どんなドラゴンがいたのだ?」
「問題はドラゴンではないんだ。ドラゴンだけでも脅威なのに、一誠には、それ以上の恐怖の対象が宿っている」
場が静かになった。俺の言った意味を即座に理解したのだろう。誰かのツバを飲み込む音が聞こえた。
「怪異の王と言われている伝説のバンパイア、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。聖書に記されている獣の数字、トライヘキサ。この2体も配下として、この世界に連れてきているそうだ」
「「「「えっ?」」」」
目が点になったような表情の魔王4名。写真に撮りたい表情だぞ。
「どちらも単体で、地上を壊滅させる力を持っていると、昔から言われている。しかし、今までは、その存在を確かめた者がおらず、伝説、空想の魔物とされてきた。だけど、この世界に確実にいるんだ。これが真実だ」
魔王4名が円陣になって、ごにょごにょと相談をしてから、アジュカが俺に近づいてきた。
「誠殿、一誠君を悪の道に進まないように育ててくださいね」
だと。そのつもりだよ。いや、シュウという者は正しいと思えることをする奴だと思う。一誠の行動、姫島家の件、猫又姉妹の件を見ているとわかる。
きっと、性癖以外は正しいはずだ。
---一誠---
沖田先生に「もう教えることがない」と、言われてしまった。もっと、強くなりたいのに。さて、どうしようかな?あと、剣使いだと、バチカンとペンドラゴンだけど、今の僕には接触する機会がないなぁ。
いや、ある。「九十九屋」だ。場所を調べないと。
結局、「九十九屋」の所在地はわからなかった。もっと、魔力の上限を上げる方が先かな?もう少しあれば、広範囲に転移できるはずだし。
週末、母さんに連れられて、転移した。転移した先は、式森本家の邸宅だった。
「数馬、ただいま♪」
母さんが、現当主に挨拶をした。現当主は母さんの実の弟だ。
「姉さん、どうしたんだ?珍しいな。うん?この子は?」
「私の愛しい息子の一誠よ。頼みがあるのよ。この子に魔術の基礎を教えてくれないかな?」
「姉さんが教えれば?前当主なんだし」
「私は基礎なんか興味ないから無理」
母さんにツッコミを入れたくなった僕。
「ふぅ~、そういうことか。わかったよ。姉さんの子供の実力も知りたいし」
で、式森流の魔術の基礎を学ぶことになった。教わる通りに、基礎魔術を発動していく。
「ほぉ、なかなか才能がありそうだねぇ」
その後も、基礎魔術を繰り返し、発動しまくる。これで上限あがるといいなぁ。
「父さん、叔母さんの子供が来ているんだってね。僕対戦してみたいよ」
って、叔父さんにせがんでいる男の子。こいつは和樹か?
「彼はまだ基礎を教えはじめたばかりだぞ」
「弱いんだね」
この親子の会話に母さんがキレたみたいだ。オーラに怒りの色が見える。
「一誠、相手をしてあげなさい」
「母さん、本気出してもいい?」
「殺さない程度よ♪」
こちらも、相手を挑発するような親子の会話をしていた。
そして、和樹と試合になった。ルールは相手が戦闘不能になるか、降参するかするまで続く。魔術以外にも持てる力を使って良いみたいだ。
どうしようかな?アレできるかな?仲間に相談してみた。ブリトラ、オーフィス、アルビオン、ドライグに協力をして貰うことにした。
そして、試合開始。オーフィスの鎧を纏い、ブリトラに鎧へラインを巻き付けて貰い、アルビオンの能力をラインに付加してもらった。そして、ドライグにはカウントを始めて貰う。ふふふ。
「和樹、撃ってこいよ」
相手を挑発していく。
「生意気な奴だ。式森家次期当主の力を思い知らせてやる。そんな鎧を着込んでも無駄だよ」
魔法陣を発現させて来る。ソレを見て威力のなさそうな物は、発動しないように書き換えていく。発動しないことにあせる和樹。
『ドライグ、タイミング勝負だ。頼むよ』
『了解だ、シュウ。ゾクゾクするぞ、こんなテクニックがあったとはな、ふふふ』
ドライグのカウントが終わるまで、和樹から一発ももらっていない。さてと、やるかな?
『ウルティマウエポン』の術式から屠る要素を消した、即死性のない『ウルティマウエポン』の魔法陣を和樹の頭上に展開させた。
「え?なんだ、この魔法陣?」
僕が魔法陣を発動させる魔力を放つと、その魔力に対して、ドライグが『倍化』の恩恵を『譲渡』した。そして、現在の僕の魔力の上限では発動出来ない禁術『ウルティマウエポン』は発動した。全身から煙が立ち上る和樹。そして、その場に倒れた。
衝撃的なシーンを見た数馬叔父さんは、直ぐに動けなかった。母さんもだ。僕は鎧を解除して、
「母さん、勝ったよ~」
と言いながら母さんに抱きついた。その僕の声で、我に返った数馬叔父さんが、和樹に駈け寄り、介抱をし始めた。
「おい、和樹。しっかりしろよ。何が起きたんだ?」
叔父さんの介抱の甲斐もなく、和樹は病院送りとなり、その後、僕と母さんは、叔父さんの部屋に呼ばれた。神妙な面持ちな叔父さんと母さん。母さんには、僕に対する恐怖の色が浮かんでいる。
「一誠君、和樹に何をしたんだ?」
僕は母さんの方を見た。僕の視線から逃げた母さん。そんな時、父さんが転移してきた。
「何があったんだ?一香?」
母さんは、無言だった。母さんにとっても衝撃的だったのかもしれない。
「数馬君、何があったんだ?一香がこんなにショックを受けるって」
「誠さん…あなた方の息子さんは何なんだ?和樹が、病院送りになるくらいのダメージを受けるとは、ありえない。あいつは、式森家の次期当主なんだよ。それがたった1発の魔法で…」
父さんが、僕を見つめた。
「一誠…何をしたんだ?怒らないから真実を教えてくれ」
「母さんが、殺さない程度に本気でいっていいって…」
「はっ」とした表情の母さんが僕の方を見た。そう、母さんの発言で、このような事態になったことに、気づいたのだ。
「だから、現状で撃ち込める最強の魔法を、死なない程度に書き直して、発動させたんだよ」
「死なない程度に書き直した?誠さん達の息子は、術式プログラミングができるのか?」
叔父さんは驚いたような表情で、僕を見た。
「あぁ、一誠は、そのスキルがあるんだ。一香は知らなかったみたいだが」
父さんは母さんを見ずに言った。
「まさか、一香が俺に内緒で、ここに一誠を連れ出すとは思わなかった。俺の失敗だ。数馬君、すまない」
父さんは叔父さんに謝った。僕も父さんの後ろで、叔父さんに向かって、頭を下げた。
「一誠、発動させた魔法陣を発現させて、見せてくれないか?」
僕は頷き、父さん達に魔法陣を発現させた。
「これは…なんだ、この文字は…」
叔父さんから唸るような声が聞こえた。
「これって…禁術系の…一誠、禁術系が書けるの?」
驚いたような声の母さん。
「書けるよ、母さん。これは僕のオリジナルの魔法陣。発動するにはパスワードを込めた魔力を入れないと発動できないようにしてある。コピーされる危険を回避するためにね」
「こ、こんな複雑な物を…一誠が…」
母さんは、魔法陣から目を離さない。
「誠さん、一誠君はどこで、こんな魔術を覚えたんだい?俺の知る限り、この手の参考書なんかないはずなんだが…」
叔父さんの目付きは驚きから、探求するようなものになっていた。
「一誠、どこでだ?」
父さんが優しい口調できいてきた。
「禁断の魔術ギルドで、口伝で教わりました」
「「禁断の魔術ギルド?」」
叔父さんと母さんが同時に驚きの声を上げていた。
「どうして、驚いているんだ?二人とも」
魔術に関しての知識に疎い父さんが、式森の者に尋ねた。
「そのギルドは伝説のギルドなの。名前だけは古い書物に出ているけど、ギルド関連の書物は何も無いのよ」
母さんの説明は正しい。あのギルドでは、ギルド員以外に、情報が漏れることを防ぐために、総て口伝で伝えられた。
「そうなのか?一誠、どうして…いや、言わないでいい」
父さんは何かに気づいた。
「だから、お前は…アイツを使役できたのか」
「そうだよ、父さん。悪い奴の仲間になる前に、どうしてもしないと、いけないことだった」
「ねぇ、二人で何の話をしているの?」
蚊帳の外に置かれた形になった母さんから、声がかかった。
「うん?親子の会話だけど、一香」
「誠さん、わかるように説明してください。魔術を極めている式森家の当主として知る権利があるはずだ」
僕の中で何かのスイッチが入った。
『思い上がるな、式森家の者よ。人間の知って良い領域には限りがある。ソレを超えるには、人間を辞めることになるが、その覚悟はあるのか?』
僕の中の魂が言い放った。
「シュウ・ヨハネ・鬼門か?」
父さんが僕にその名前を告げた。
---シュウ---
僕は、一誠の後ろにオーラ体という形で発現した。
「そうだ、誠よ。あまり長時間は出ていられない。聞きたいことがあれば、少しなら答えられる」
「一誠はどうなるんだ?」
「僕の魂が定着している。僕の世界に帰る日まで、この世界で成長する。たぶん、18~20歳くらいには帰れる予定だ」
「帰ったら一誠はどうなるんだ?」
「僕の元の身体が、一誠に同化吸収される。そして、元の身体は消え、一誠に僕の全能力が引き継がれる」
「この世界には帰ってこないのか?」
「帰って来る。父さんと母さんと姉妹がいる世界を、僕は絶対に見捨てない。全能力が戻れば、次元や時間を超えての転移も可能となるから」
「君はどうしたいんだ?」
「僕には選択肢がない。あるとすれば、目先のエロだけかな?まぁ、そんな感じだ。式森の者よ、僕はあの術を極めるために、普通の生物であることを辞めた。お前に、その覚悟はあるのか?あるのであれば、あのギルドに誘ってやる。全能力が戻れば可能だからな。それまでに、覚悟を決めておけ」
そして、僕のオーラ体は霧散した。
---誠---
オーラ体という形で、出て来てくれたシュウ。一誠の疲れが溜まったのか、シュウが霧散すると同時に、一誠はその場に倒れた。
俺は、一誠を抱き抱えて、抱きしめた。そして、数馬君の方に向き直った。
「今出て来たのが、一誠に宿るシュウ・ヨハネ・鬼門の魂だ」
「憑依されているのか?」
「憑依ではない。一誠の魂がシュウなんだ」
「何者なんだ?ソイツは」
俺は、今までに手にした情報を、数馬と一香に伝えた。
「なんだって…神格階位2位って…神じゃないか…」
「私達の一誠って、そんなにエライの…」
二人は真実を知り、なんらかの畏敬の念を持ったのかもしれない。
「誠さん、彼の強さはどのくらいなんだ?」
「この星を一瞬で破滅できるらしい」
「ねぇ、誠さん、私達の息子って、ラスボスなの?」
「一香、そうならないように、一誠を真っ直ぐに育てるが、神から与えられた俺達の使命なんだと思う」
「そっ、そうだよね。私達の育て方が重要なのよね…数馬、ごめんなさい。反省しています。一誠を責めないでね」
「姉さん…俺は、彼が能力を取り戻せるように協力をするよ。彼が帰る時までに、決意も決める」
---一香---
家に親子三人で戻って来た。一誠をリーラに預け、誠さんは仕事に出掛けた。たまには、一人で寝るか。
衝撃的な展開で少し興奮気味だったので、なかなか寝付けなかった。それは、うつらうつらし始めた時に起きた。
何者かが私に覆い被さってきた。私はその場から逃げようとしたのだが、金縛り状態になっていて、声すら出ない。目の前にいるのに見えない侵入者。パジャマが脱がされていく。そして、下着すらも。侵入者は、胸を弄び始めた。気持ちが凄く良い、身体の中が熱い、太ももの内側の筋肉がピクピクしているのがわかる。私は侵入者の行為により、快楽の世界へと引きづりこまれて行った。
絶頂感を満喫して、全身の筋肉が弛緩していくのが分かる。その余韻に浸る間もなく、次なる刺激が押し寄せて来た。私は四つん這いにされて、お尻の谷間を何かでなぞられている。その刺激だけで、私の中から暖かい液体が湧き出て来ている。口の中に肉棒が入れられた。頬張り、舌で奉仕をしていく。こんなプライドを汚される行為なのに、なぜか私は満足している。私ってエムなのかな。そして、下腹部にも挿入されていた。侵入者は二人なのか?
2度目の絶頂を迎えた。私は力無く布団に横たわるが、またも余韻に浸ることなく、次の行為をさせられた。今度は騎乗位。下から杭のように固くなったモノが挿入されて、私は自力で上下に動く。口にも挿入され、胸の谷間にも挿入されている。そして、後ろの穴まで…4人の侵入者がいるのだろうか?私は見えない4人の者達に弄ばれ、3ラウンドが終了すると、侵入者の気配が一気に消え去った。
部屋には、力がまるで入らずに布団の上に置かれている、全裸の私だけになった。
---一誠----
翌朝、目が覚めると、全裸のリーラに抱かれていた。僕はまだ幼稚園児なのに…
「一誠様、おはようございます。ご加護をありがとうございます」
と、お礼を言われた。僕には加護を与える能力はまだないはずなんだけど。不思議に思いながらも、幼稚園に行く用意をした。それから家族で食事をして、リーラさんの付き添いで、姉ちゃん二人と幼稚園へと向かった。
そして、三時頃に帰宅して、遊びに行く。ヘタに、家にいると、ひたぎ姉さんがお医者さんごっこを仕掛けてくるし、万が一、それから逃げ切っても翼姉さんに捕まり、読み書きの練習を一緒にすることになるので、外へ遊びに行くのが日課だ。
遊び場はもっぱら、姫島神社の境内だ。ここは高台にあり、段数の多い階段があり、鍛錬するにも良い。境内に着くと、由良がいた。由良は髪の毛が緑で、ボーイッシュな女の子だ。
「由良、遅くなって、ごめん」
「一誠。名前で呼んでほしいな」
「だって、姉さんと同じ名前だから…」
僕の姉さんの片割れが「翼」なのだが、由良の名前は「翼紗」と、漢字で書くと違うけど、声にだすと同じ「つばさ」になるのだ。それに「ゆら」の方が発音が楽だし。
「わかったよ、由良」
「もう!」
突然、襲いかかってきた由良。僕は彼女の攻撃を受け流したり、避けたりしていく。僕と由良の遊びは、格闘術ごっこなのだ。ごっこというには、少し本格的ではあるけど。由良の攻撃をかいくぐり、腕を極めて、関節技に持ち込む。
「一誠、くすぐったいよ~」
由良の弱点、脇腹辺りに刺激を与えていく。
「まいったといえば、やめるけど」
「これくらい…あぁ、ダメだよ~くすぐったいよ~」
由良の反応が鈍くなってきたところで、関節技を解いた。くすぐり地獄により、由良の体力は下限近くのようだった。
「はぁ、脇腹が痛いよ。一誠のバカ!あっ…」
由良が何かの気配に気が付いた。彼女は、人外の者が見えたり、触れたりする能力があるようだ。僕も気配を読めた。なんだ、これは?索敵能力がまだまだの僕は、対象物の正体までは読めないでいた。
由良を守るようにして、彼女の前に立った。
「由良、正体はなんだ?」
「式神みたい…」
「敵意は?」
「様子見をしている」
「逃げられるかな?」
「無理、私、今走れないよ」
由良に肩を貸して、立ち上がらせた。
「そこの鬼畜なお兄やん、ちょっと待ちい」
僕は声を掛けられた。この声に覚えがある。式神の主だ。
「影縫さんが、僕に何の用ですか?」
相手の名前を出した。バトルマニアにして、暴力的陰陽師の影縫余弦。式神・斧乃木余接の主だ。僕は別世界で遭遇していた。その攻撃は人間とは思えないほどに強く鋭く、残虐である。
「鬼畜なお兄やん、なんで、うちの名前を知っているん?」
まずいな。由良を社務所まで、連れて行って、置いてきた。
「鬼畜なお兄やん、彼女には手は出さへん。安心おし」
「僕に用ですか?」
影縫さんが攻撃を仕掛けてきた。僕はオーフィスの鎧を纏い、ダメージを減らした。
「なんや、そのけったいな鎧は?」
僕もパンチを繰り出すが、影縫さんには当たらない。
「一誠くん!」
由良の声がした。手を出さないっていっただろ?声のした方をみると、式神に囚われた由良がいた。
「約束が違うだろ?」
「はぁ?約束はしてへん。ただ言っただけや。大人しく鎧を脱ぎな。彼女どうなっても知らへんよ」
「汚いぞ、ヤリ方が。幼稚園児にすることかよ?」
「はぁ?人間ではない鬼畜なお兄やんに言われたくあらへん」
僕は鎧を解除した。その瞬間、腹部に激痛が走った。腹を割かれて、小腸を引き釣り出されていた。
「うん?なんや、鬼畜なお兄やん…困ったなぁ。人間なのかい。どないしよう」
影縫さんが困り顔になった。その場に膝を着き、前のめりに倒れる僕。僕の意識はそこまでだった。