※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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寅ちゃんのサプライズ

 

---シュウ---

 

秋が終わりに近づいた週末、寅ちゃんに呼び出され、破軍学園の理事長室にいる。

 

「年末にな、南郷カップ争奪戦という催しをしたいんじゃ、協力してくれないか?」

 

「勝つと良いことでも有るの?」

 

ここの戦力は予想が付くので、賞品次第だな。

 

「賞金100万円でどうじゃ?」

 

「桁が2つ足りないんじゃないかな?あぁ、僕はこれでも忙しいんで」

 

席から立ち上がろうとすると、

 

「億は出せないが…寧音を」

 

と、そこまで言いかけて、寧音ちゃんの視線により、固まる寅ちゃん。

 

「私を賞品にしないように」

 

「だよね。乳の出ない寧音ちゃんに価値は無いし」

 

「価値無いの?」

 

寧音ちゃんが困ったような表情になる。

 

「うん、女性に困っていないし」

 

「なら、何なら参加してくれるかな?」

 

「ユリちゃんの乳」

 

「出ません…」

 

ユリちゃんが泣きそうな表情になっていく。

 

「なぁ、小学2年生なんだろ?乳から卒業しろよな」

 

寧音ちゃんが、困ったような視線を向けてきた。

 

「でも、興味が尽きないんだよ。人によって、味に違いがあるのかさぁ。って言ってもね、まだ乳にありつけた試しは無いんだけど」

 

苦笑いする僕。

 

「留学してから2年経つんじゃ、互いに力を見せ合ってくれないかな」

 

引き下がる寅ちゃん。

 

「寅ちゃんの目的は、力を見るじゃなくて、スタイルを見るでしょ?」

 

「え?それは…」

 

図星って表情の寅ちゃんは、黒乃を含めた3名の女性から視線が刺さっていく。

 

「南郷先生、どういうことですか?」

 

黒乃が寅ちゃんを問い詰めていく。

 

「いや、一誠君がなあ、美少女剣士のコレクターなんで…見てみたいというか…」

 

「美少女剣士をコレクションしているのか?」

 

寧音ちゃんが、呆れたような表情で僕を見る。

 

「コレクションじゃないよ。仲間だよ。でも、女性の方が後々良いでしょ?」

 

「おい、小二の考える範疇じゃないだろ?このエロガキが!」

 

図星であるので、反論はしない。寧音ちゃんが激高する姿は好きだ。着崩した和服のおかげで、胸元が見えそうで見えないスリルがあるからね♪

 

「でだ、破軍学園としては6名の剣士を出す。試合形式は1対1のトーナメント方式じゃ」

 

えぇ~この状況で、話を進める寅ちゃん。

 

「それって、僕を含めて6名出せってこと?」

 

「話の飲み込みが早くて助かる」

 

「そっちの参戦メンバーは?」

 

「黒鉄兄妹、ステラ、ユリス、有栖院、綾辻じゃ。皆、知ったメンバーじゃろ?」

 

「う~、知っているな…それだと、トーナメントじゃ、つまらないと思うよ」

 

「なんでかな?」

 

「1試合目に全力を出し切って、2試合目はボロボロだから、僕の優勝は揺るぎないし。どうせ、ワンデーイベントなんでしょ?」

 

「そうなるか…マッチメイクをするとどんな感じになる?」

 

寅ちゃんが、僕にアイデアを求めて来た。これだとなぁ…

 

「たとえば、黒鉄妹に雷切、有栖さんに腹黒、綾辻さんには遥、一輝にはきりんちゃん、ステラは僕、ユリスはお持ち帰り、とか」

 

「6名出せないのか?」

 

「ユリスと相性の良い剣士が浮かばないんだよ。う~んっと…あっ、僕の弟子で良いかな?」

 

「弟子?小二なのに弟子がいるのか?」

 

「まぁ…色々と…」

 

「いい女なのか?」

 

女性からの視線を気にせず、きいてきた寅ちゃん。

 

「う~、好みの問題だな。僕的にはアレコレしようと思わないけど。天然なツンデレタイプで、僕の苦手なタイプというか…」

 

「ならば、そのマッチメイクで1試合ずつにしよう。そうじゃな、対抗戦って感じじゃな。破軍学園と駒王学園とのな」

 

「じゃ、そういうことで。僕は帰るよ。参戦メンバーのプロフィールは、後で送るから」

 

僕は、対抗戦のことを皆に知らせに帰った。

 

 

 

---ユリス---

 

一輝、ステラ、私、有栖さん、綾辻さん、珠雫さんが、理事長室に呼ばれた。そこには、理事長、寧音先生、南郷先生、ユリちゃんがいた。

 

「年末に南郷プレゼンツな対抗戦を開くことにしたのじゃ」

 

南郷先生から、イベントの発表があった。

 

「相手は駒王学園だ」

 

剣士の学校じゃないよな。アレ?どこかで聞いたことがあるんだけど、どこだっけかな?

 

「剣士の為の学校ではないですよね?聞いたことがないですが」

 

綾辻さんが質問をされた。

 

「まぁ、戦士の為の学校じゃ。で、アチラとは話が付いて、戦士を派遣してくれるそうだ。是非とも戦って欲しい」

 

「戦士だと、相手は剣以外ですか?」

 

「いや、全員、剣士もしくは魔導剣士じゃ。この2年間の成長を見てみたいのじゃよ」

 

2年間?2年前って…えっ…まさか…

 

「イッセー君の通っている学校ですか?」

 

声を上げた私。

 

「ふふふ、さすがユリスじゃな。その通りだ」

 

私を含めて、顔から血の気が失せていく参戦予定メンバー。

 

「無理…勝てないって…」

 

「いやいや、全員がヤツと対戦ではない。一人だけがヤツと当たるのじゃよ」

 

「対戦カードは決まっているんですか?

 

一輝が質問した。

 

「決まっておるが、この場では言わない。メインイベントから、逃げるかもしれないから」

 

いや、逃げるでしょ。一輝は2年前の対戦で入院を余儀なくされたし。ステラは攻撃できないし。私だって…無理だよ~

 

「で、じゃ。先方から参加メンバーのプロフィールが送られて来たので、君達に知らせておく。まず、兵藤一誠。あれから危険度が更に上がっておるそうじゃ。仕入れた情報では、魔王を瞬殺できる程度にまでなっておるそうじゃ」

 

無理だって…ここいるメンバー全員で戦っても、魔王なんか倒せないって。

 

「【雷切】東堂 刀華。この学園にいた者じゃから、実力は知っておるじゃろ?」

 

刀華さん…珠雫ちゃんだと不利だな。雷と水だもの、相性は最悪。一輝かステラでならいけると思うな。

 

「【千見の盟主】クローディア・エンフィールド。星道館学園から転校したそうじゃ」

 

ちょっと…なんて人をスカウトしたの、イッセー君は。

 

「刀藤流宗家、刀藤 綺凛。天霧辰明流、天霧遥。チームオラリオ、アイズ・ヴァレンシュタイン の6名が参戦するそうじゃ」

 

絶句してしまう私を含めた参戦メンバー達。

 

「さすがに、目利きじゃの~、良いおなごを集めておる」

 

「南郷先生、そういう目で見ないでくださいね」

 

理事長が南郷先生を窘める。いや、このメンバーって、壮絶でしょう。よく集めたなぁ。

 

「注目株はアイズって子じゃ。一誠君の弟子じゃそうな。2刀流なんじゃろうか?」

 

弟子…あのトレーニングルームにいたのかな?

 

「対戦カードは今、聞けませんか?」

 

一輝が再度質問をした。

 

「それじゃ、サプライズ感がないじゃろ?」

 

「そうかもしれませんが、しかし…」

 

「あまり、駄々をこねると、更に上位の剣士を、参加させると言っていたぞ。一輝よ」

 

寧音先生が釘を刺してきた。

 

「更にって、どういう意味ですか?」

 

「今回は学園対抗形式だけど、オープンにしても良いっている。年齢を問わずに出すって…」

 

それだと…とっても危険かもしれない。

 

「それに一輝、お前は幼稚園児に、病院送りにされたことを忘れるなよ。今回の参加者は全員、小学生だそうだ」

 

あれ?刀華さんは?

 

「刀華さんもですか?」

 

「そうだ。若返ったそうだ。刀華は今小4だって、あと、遥は小6、クローディアは小5、綺凛と一誠は小2だそうだ。お前らは中学生なんだから、勝って当然だよな?」

 

参戦メンバー全員、目が点である。刀華さんって、二つ上だったのに、五つ下って…

 

「そんな歳の誤魔化しはダメだしょ?」

 

一輝が噛みつく。

 

「駒王学園はそういうことに寛容なんだ」

 

うっ…なんか、空気が重くなってきたような…

 

「えっ?実際の年齢で制限をかけるの?」

 

この場にいなかったイッセー君の声がした。

 

「ユリス、君達が来る前からいたよ。気づかない時点で、詰んでいると思うけど♪ねぇ、寧音ちゃん」

 

「そうだな。その気になれば、全員死んでいたな」

 

「難癖付けるみたいだから、この場でケリつけようよ、寅ちゃん」

 

「え?イベントの意味は?」

 

南郷先生があせっていた。

 

「無いよ。だって、寅ちゃんが見たいだけでしょ?この場で全員、いやユリス以外全員を病院送りなり、棺桶送りで良いでしょ?」

 

イッセー君の声は聞こえるが、姿が、いや気配すら感じなかった。みな、索敵能力を駆使をしているのにだ。

 

「誰から、餌食になる?男はいらないから一輝と有栖さんかな?ふふふ」

 

空気が更に重くなってきた。

 

「重力系?」

 

有栖さんが苦しそうに言葉を吐く。

 

「僕、まだ何も攻撃していないよ、有栖さん。それなのに、こんな状態なの?」

 

どたっ!

 

有栖さんが意識を飛ばして、倒れた。

 

「オーラを纏っただけで、倒れる?論外だな。一輝、死んで来い!」

 

一輝がどこかに転移させられた。

 

「次は誰?駄々をこねるのは、ふふふ」

 

綾辻さんが獲物を構えたが、叩き落とされた。

 

「イッセー君は、私が護ります」

 

小さな女の子が木刀で、綾辻さんの手首を叩いたようだ。どこにいたの?この部屋に何名が潜んでいるの?綾辻さんの手を見ると、手首が折れたようだ。

 

「寅ちゃん、彼女が僕のお気に入りのきりんちゃんだよ♪」

 

きりん?あっ、刀藤流宗家の刀藤 綺凛かぁ。イッセー君のお気に入り?

 

「人間である限り、きりんちゃんの敵には、ならないからね」

 

そういうこと?人間ではないシュウさんの前では、赤子だったのね…

 

どさっ!

 

「えっ!」

 

きりんちゃんに寧音先生が仕留められた。そんな…

 

「うごっ…」

 

どん!

 

南郷先生が仕留められた。誰に?

 

「黒乃は襲うなよ。愉しむから♪」

 

「イッセー君、やっぱり大人の女性が良いの?」

 

きりんちゃんがイッセー君に質問をした。いや、あれはイッセー君と言う名のシュウさんなんじゃ…

 

「きりんちゃんもあと5年もすれば、美味しいと思うよ♪」

 

小2同士の会話に思えない内容だよ。

 

「あぁ、ユリスも襲うなよ。お持ち帰りの予定だから」

 

「了解♪」

 

そうなると、あとは珠雫とステラか…

 

「そうだ!ステラ、返してもらうよ」

 

「えっ…それはダメ!」

 

ステラはシュウさんから、何かを抜かれた。あれって…ドラゴンの駒かな?ステラにとってのドーピング装置。

 

「一輝といい感じらしいじゃん。他人の女になったステラに、加護も恩恵も与えない。一輝に与えてもらえ!」

 

どさっ!

 

上から、その一輝が落ちて来た。

 

「たわいもない。不壊属性のこの剣は折れないわ」

 

「2本あると便利だろ、アイズ?」

 

「えぇ、とっても♪」

 

金髪でスレンダーな女性がシュウさんの傍らに現れた。彼はアイズと呼んだ…参戦予定のシュウさんの弟子だわ。

 

「あとは、珠雫とステラだが、ステラに勝ち目はもうない。珠雫、降参をすれば許してあげるけど」

 

「お兄様をこんな目に遭わせたヤツを許せない」

 

珠雫がアイズさんに襲い掛かるが、あと2,3歩の処で、倒された。

 

「私がいる事に気づかないとは…シュウさん、空気と同化って凄いですね」

 

珠雫を襲った者が姿を現し、笑顔でシュウさんに駆け寄る。刀華さんだ。そして、シュウさんの両脇から、アイズさんと視線の火花を散らしていそうだ。

 

「そうなると、ステラと黒乃だな。で、ワンデーイベントはするの?って、寅ちゃんは、ダウンか。黒乃、どうする?」

 

「…」

 

「たぶん、一輝と綾辻さんは出場できない。ステラもかな?ユリスは転校させる。ここでは強くなれないから。寅ちゃんの抜き足よりも、僕達の空気同化術の方が上だし。黒乃、見ただろう?一応、参加者全員、この場にいるのに、誰も気づかなかっただろ?」

 

え?まだ、姿を現していない人がいるのか。理事長は頷いた。そうか、私達は試されたんだ。理事長と寧々先生、南郷先生は、彼らが居るのを知っていて、私達を試したのだろう。彼らと同じ舞台に立っても大丈夫かを。

 

「ユリスを連れて帰るよ~」

 

「「了解♪」」

 

 

 

---シュウ---

 

連れ帰ったユリスも、聖杯を使って同学年に年齢詐称させた。6つも上で、僕と同時に高校入学は、いくらなんでも有り得ないもんな。その後、身体を一誠にまかせて、魂の状態でまったりしていたのだが、一誠が人格をスイッチさせた。緊急事態発生か?

 

「リーラ、何事だ?」

 

「ははは、いきなりのスイッチで焦ったのね。お客様よ。一誠君じゃ、ダメだから、急いでスイッチしたみたいよ」

 

いたって常時のオーラのリーラが、笑顔で状況を解説してくれた。

 

「お客さん?誰?」

 

「黒乃さんと、寧音先生よ」

 

虐めがいのあるツートップが何をしに?リーラが、二人をリビングに通した。

 

「どうしたの?二人…いや、三人揃ってさぁ」

 

どっか~ん!

 

レムの鉄球でつぶされた寅ちゃんが、現れた。死んだかな?オーフィスがツンツンして、首を横に振った。死んだのか…

 

「寅ちゃんが死んだみたいだけど、どうする?」

 

「え~、あのスケベオヤジ…抜き足で付いてきたのか」

 

呆れるような声を出した寧音ちゃん。

 

「この家は、不審者は即潰されるのになぁ…生き返らせた方が良い?」

 

「そんなことができるんですか?」

 

黒乃がきいてきた。

 

「出来るけど…ちょっと待ってね。1階にいる者へ注意喚起します。蘇り処理のために能力を解放しますので、退避してください」

 

僕の注意喚起で、リーラ以外が他のフロアへ逃げ込んでいく。まだ、ダダ漏れしているので、仲間が危ない気がするので、注意喚起をしてから能力解放している。

 

寅ちゃんに対し、再生、招魂、入魂、再起動の処理を施して、

 

「処理終了しました。通常の生活に戻って大丈夫だよ」

 

と、注意喚起を解除した。この家の住民ではない客の二人は、リーラが防御していてくれた。

 

「リーラ、さんきゅ~♪」

 

「メイドとして当然です」

 

生き返った寅ちゃんが、ふらふらと立ち上がり、椅子に座った。

 

「地獄に行って戻れるとは…」

 

よほど、怖い思いをしたのだろうか、顔に血の気がない。

 

『それは、生き返ったばかりだからだよ』

 

と、一誠から念話が届いた。あぁ、そうかもな。

 

「で、用件は?」

 

「あの…南郷先生が簡単に潰されたんですが…彼女も戦士?」

 

黒乃が恐る恐るきいてきた。

 

「違うよ。この家の専任メイドだけど」

 

「メイドなのに、あんな攻撃ができるの?」

 

寧音ちゃんがきいてきた。

 

「できるよ。たぶん、この家のメイドだけで、破軍学園を潰せるんじゃないかな」

 

「戦闘メイド?」

 

「そうじゃないけど、あの程度の実力がないと、家の揉め事に介入できないからね」

 

「揉め事くらいで、あの戦闘力はいらないでしょ?」

 

世間の常識で話をしてくる寧音ちゃん。

 

「この家で人間なのは、寧音ちゃん達だけだよ。生きて帰れると思う?」

 

リビングルームにあるオーラ漏出防止用の結界を外した。様々な種族のオーラが溢れていく。

 

「息苦しい…」

 

「何、これ…」

 

苦しみ悶える寧音ちゃんと黒乃。寅ちゃんは、まだ覚醒しきっていないので、鈍感なようだ。

 

「これが、この家の通常時のオーラだ。これでわかるだろ?この家の危険度がさぁ」

 

寧音ちゃんクラスだと、オーラで敵の種別がわかるはずだ。

 

「これが、通常時?揉め事時だと?いや、試さないで良いからね」

 

「へたな戦場より危険かな。ボスクラスがうようよいるから」

 

結界を元に戻して、空気の質を戻していく。

 

「で、用件は?」

 

 

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