---シュウ---
初代バアルとの話し合いは、無事に終わった。今は、自分の部屋で、今後どうするかを思案中である。
彼が言うには、リセットをしても同じだろうから、このままにして欲しいという。言う意味はわかる。交渉相手が望まないことはしない。今回は、メリットが少ないし。
あと、この世界で必要だと思う人材は、連れて行って欲しいと。この世界にいても、良い方向に進まない気がするからっと。欲しい人材はある。まだ出逢ってはいないけど、リアスとか、ソーナとか、ヴァイラとか…う~ん…
欲しい人材を、必要最低限まで絞り込み、考える。
「ちょっと、いいですか?」
背後から、グレイフィアの声がしたので、振り返った。
「どうした?アレの続き?」
はにかむ彼女。
「いや、何をそんなに悩んでいるんですか?初代バアル様と話し終わって、とても厳しいお顔だったので…」
あぁ、心配してくれたのか。
「そろそろ、この世界から帰ろうかなって…で、一緒に行って欲しい人材をリストアップしていたんだよ」
僕の書いたリストに目を通す彼女。
「何で?私は無いんですか…」
連れ帰りたい。こんなにもかわいいグレイフィアは初めてだし…僕は、同化吸収というシステムを説明した。
「そういうことで、グレイフィアの人格は吸収同化してしまう。記憶とか性格とか同化するんだ。それでも行きたい?」
悩む彼女。そして…
「また、来てくれますか?」
「わからない。たぶん、来ない可能性が大きいかな。僕の統轄する宇宙じゃないし」
「そんな…」
俯いて、小刻みに震えているように見える。
「じゃ…お願いがあります。私と朱宇の世界の私と話しをさせてください。それから、結論を出したいんです」
まぁ、それくらいなら、同化吸収NGのスイッチをONにすれば大丈夫だし。
「わかった」
僕は部屋から出て、セラフォルーとペンニーアにも同様の説明をして、意志を確認した。
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キャッスルドランに行くと、ハニーが笑顔で出迎えてくれた。
「リストアップされた者達に、連絡をしておきました。1両日中にはここに来る予定です」
仕事の早い秘書だな…リストは僕の手元にまだあるんだけど…
「ヴァイラのサポートにアリスとシーナを頼む」
「はい♪あと、勝手な判断ですけど、フィアさんに連絡をしました」
フィアに?フィアとは、クリスの世界のグレイフィアだ。同化吸収されないように、存在をイレギュラーにしたのだった。
「もう、来ちゃいました♪」
って、フィアが僕に抱きついて来た。
「久しぶりすぎて、忘れられたかと思いました」
忘れてはいないけど…
「ハニーさんから話しを伺いました。この世界の私と話せば良いんですね」
うん?なんで知っているんだ?あっ!ハニーのやつ、僕の行動をモニタリングしていたのか…
「優秀なアンドロイドを、甘く見てましたね♪」
って、ハニー…えぇ、見てました。凹む僕。
僕はフィアと共に、地上に転移をした。
---グレイフィア---
彼のチームメンバーであるフィアさんと、話し合うことができた。異世界に飛ばされた彼を献身的に支え、そして、彼が去る時に一緒に彼の世界に向かい、チームメンバーになったそうだ。しかし、彼の世界にもグレイフィアは存在するので、フィアというイレギュラーな存在になり、彼に今も仕えているそうだった。
「一緒に着いて行って、良かったですか?」
一番ききたいことをまず、きいてみた。
「もちろん♪まぁ、楽しいことばかりでは無いけどね。でも、異種族共存な世界…色々な経験もできるし。潜入捜査時には、彼と夫婦として潜入もできるし」
「え?献身的に支えているに、一緒になっていないんですか?」
「まぁ…プロポーズするのが怖いの。彼が変に意識して、私を案件からはずすかも知れないし。それだけは絶対にイヤなの…」
そう…一緒になれないのか…
「でも、一緒になれなくても良いことはある。奥様達といる時間よりも、長い期間、彼と一緒にいられるし♪」
うん?奥様達?
「朱宇って多妻なの?」
「う~ん…っと、言っていいのかな?4人いると思う…シュウ的には3名だけど…」
「その誤差の1名って?」
「本人は妻だって言うんだけど、シュウのいない時に結婚式をあげたって…」
「え~?何それ…」
「まぁ、魔王様の考えることだから…」
「え…まさか…セラフォルー?」
「ははは…シュウの世界のセラフォルー様は、他で類を見ないおバカキャラ化していて、今は魔王の地位を剥奪しているのよ」
「は、剥奪?魔王の地位って剥奪されるものなの?」
「まぁ…職務放棄と言うか…シュウが以前、作戦遂行中に行方不明になった時にね、魔王の間で自らを氷柱に氷り漬けにしたというか…
「なんで?」
「いつ帰還できるか不明だから、歳を凍結したというか…発想が凄い人なんだよ」
その発想は分からないでもないけど…魔王の間でって…冥界の魔王領にある魔王が集う会議室で冬眠って…
「そんな人だから、結婚したって言い張るのを、シュウですら破棄できなくなっているというか…」
「で、本妻って、誰なの?」
「う~ん…リアスとソーナとヴァイラの三人花嫁と、結婚式をあげたそうだよ」
え~本妻が3名なの…う~ん、私なんかが入る余地は無いのか…
「もし同化しても、あなたのキャラは活かしたい。私から見ても、あなたはグレイフィアの中で一番かわいいわよ♪」
えっ…かわいいなんて、言われた事無いのに…
「私はどちらかと言うと、姉御肌的だし、シュウの世界ではドエスで、シュウですら調教されたことがあるそうだし」
世界によって、私って色々なキャラなのか…
「決めた…朱宇に条件を後1つ出す。それで、飲んでくれたら…」
「わかったわ。私もシュウも無理強いはしない。あなたが決めてね」
フィアさんが転移していった。
---シュウ---
二人のグレイフィアの話し合いが終わり、この世界のグレイフィアが、僕の部屋に来た。セラフォルーとペンニーアは、既にキャッスルドランに転移していった。この家には、僕と彼女の二人しかいない。
「条件があります…」
「目を瞑ってごらん。グレイフィア…」
「惨いことをするの?最後に交わって、帰るの?」
まぁ、それも有りだけど…
「イヤならいい。条件は飲まない。もう交わりもしない。別れるのがつらくなるから…」
「条件を飲んでください。いや、条件を聞いて下さい。お願いします」
グレイフィアが目を瞑り、僕の前に立っている。僕は彼女の手を取り、彼女の指にリングを嵌めた。
「えっ!」
目を開けて、自分の指に嵌まるリングを見ている彼女。
「これって…」
「もし同化して、君が完全に消えたら、指輪はフィアには残らない。で、条件って何だ?」
「もう…飲んでくれてます。フィアさんと結婚してあげてください」
「言っただろ?僕は心が読めるんだ。君の考える事は、丸見えだよ」
彼女の手を自分にたぐり寄せ、彼女の口に軽く口づけをした。
「先に、行っていてくれ。お別れを言いたい人がいるんだ」
グレイフィアをキャッスルドランへと転移させた。
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「彼女達を連れて行くのか?」
「えぇ」
僕は緑髪の男性に、お別れを言いに来た。
「俺は?」
「もう少しいてください。魔王がファルビーさんだけじゃ、心配だし」
「そうだな。働いたら負けだって言うかもな」
「アジュカさんは、この世界がどうしようも無くなったら、迎えに来ます。それまで、あがいてみてください。この世界の最高神、この宇宙の絶対神には、僕の意向を伝えてありますから、必ず迎えに来ます」
「わかった。達者でな」
「アジュカ父さんも…」
そして、僕はキャッスルドランへと、転移した。
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「シュウ…抱いて…」
久しぶりに逢ったリアスの開口一番がそれだった。
「不感症は良くなったのか?」
「うんうん、この感覚久しぶりだよ~」
僕に抱きついてきたリアス。
「おい、鼻水を僕の服で拭うなよ~。いつも言っていただろ?」
「私、リアス・グレモリーは鼻水出ません~」
いや、出ている。それも大量に…指輪をしたフィアがティッシュを持って来て、鼻水を処理してくれていた。
「フィア…」
「はい♪指輪、残りました。彼女の想いを大切にしたいです」
「なんか、フィアがかわいらしくなっているわね。え?指輪?どうしたのよ」
って、ソーナが僕に詰め寄ってきた。
「どうって…長年連れ添ってくれたから…そんな理由じゃダメ?」
「そういう気持ちを持っているなら、もっと早く渡してあげれば良いのに…本当に焦らしプレイ好きだよね」
ソーナとは頻繁に会っている。留学生を頼みに行ったり、お小遣いを強請ったり…
「でも、ありがとう…もう少し、がんばれそうだよ♪」
同化吸収することで、若返ったソーナ達。1000歳に18歳が同化吸収されると、509歳になったりする。そのことで、更年期障害のリアスも症状が緩和したし。
「この世界の私は、生きる希望があんまり無かったみたい」
同化吸収することで、吸収した者の記憶を見ることができる。この世界のソーナの記憶を見たソーナが呟いた。
「この世界の冥界はダメだな。サーゼクスを甦らせるから、関わらないでって申し出を蹴ったもの。まぁ、悪魔らしいと言えば悪魔らしいけどね」
「そうね…シュウのおかげで、私達は人間臭くなっているもの♪」
で、もう一人の妻を探す。あぁ、セラフォルーは同化吸収して、大人しくなったらしい。この世界の彼女は真面でまじめだったのが良かったようで、落ち着いているそうだ。
「シュウ…ごめんなさい…」
久しぶりに愛しい…聞きたかった声を聞いた。とっても長い期間、聞けなかったけど。涙腺が緩んでいる。僕の頬を大粒の水滴が流れていく。
「ヴァイラ!」
振り返り、車椅子に座っている女性に縋りついた。
「ごめん…僕のせいで…君をこんな風に…」
「違うのよ…私が悪いの。あの時、シュウの姿を見て…目を手で被ってしまった。惨い姿だって、分かっていたのに…それも、私が唯一愛した大事な人なのに…」
「ヴァイラは気に病むことは無い。僕にとっては遠い昔の出来事だよ」
---ヴァイラ---
遠い昔…私にとっては、昨日のことのようだけど、彼は一人で、数千億年くらい単身赴任をしていた。いつでも隣にいるって言ったのに…
「ねぇ、アレ…まだ大事に取ってあるわよ。新婚旅行用のバトルスーツ…」
昔彼にもらったのだ。宇宙空間では生きられない私の為に。
「そうだな。オーフィスと三人で行く約束だったな。ヴァイラが運動できるようになったら、必ず行こうな♪」
「ず…ズルい…私も連れて行ってよ~」
リアスがシュウに詰め寄っていく。そうだった。こんな風景は日常茶飯事だった、あの頃。まさか、シュウがいなくなるなんて、考えて居なかったあの頃…
---シュウ---
「シーナ、彼女を寝室に…疲れたのか、寝ちゃったよ」
娘に指示を出した。ヴァイラの娘シーナと息子のアリスが、母親の乗る車椅子を押して寝室に向かっていく。
「シュウ…なんか、私は歳取ったみたい…」
って、セラフォルーが話し掛けて来た。あぁ、年老いたセラフォルーと同化吸収して、主人格を勝ち取った、この世界のセラフォルー。初めてだ。上書きされたのを見たのは。確かに、これなら静かだな。
「まぁ、慣れるよ。魔法の威力は倍以上になっているから、特訓場で威力を確認しておいてくれるかな?」
「うん♪わかりました~」
ガブが彼女を、この城の特訓場に案内してくれるようだ。
「シュウ、ナヴィから打電よ」
と、ハニー。
「何だって?」
「クリス君の両親のグレモリー夫妻が、ゲームデビューパーティーで、晴れ姿を見てくださいって」
あっちは、もうそんな時期なのか?まずいな。僕はまだ小学生なのに…
「そうだな。家族旅行とシャレこむか♪ハニー、打電して。行きますって♪」
「了解です♪」
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イッセー達が最悪のシナリオから世界を救っている世界…久しぶりに来た?いや、なんか頻繁に来ている気もするが、ま、いいっか。
まずは、僕だけが先遣隊として、様子を見に行く。冥界で、グレモリー邸を探す。ほぼ同じ場所にあるはずなんだが…あぁ、あった♪
空を見上げると、イッセとイッセーが悪魔の羽で飛んでいる。基礎体力作りかな?他の者は何しているんだ?
周囲のオーラを探査して、クリスを発見。こっそりと見に行く。どんな指導か、気になるし。
クリスの見える位置まで行くと、クリスの前にソーナが現れた。
「ソーナもリアスの様に、戦えるように成って欲しい。自分の身は自分でって感じだよ」
そうだな。この世界のリアスは滅の力の具現化が出来るし。今まで逢ったリアスの中で、一番優秀だと思う。残念なのは、一度死んだ…いや、殺されたことだな。
「具体的にはどうすれば良いのですか?」
ソーナがクリスに指示を仰いだ。
「まず、指に炎を具現化して、ごらん」
クリスが実演をしている。アイツの指先には、仄かな光を放つ小さな炎が発現した
「これは聖属性だから、これを投げただけで、悪魔にはダメージを与えられるんだ。で、ソーナの場合は氷属性の炎を出してごらん」
『え~っと…どうやって出すのかな?』
ソーナの心の声が聞こえた。クリスにも聞こえているはずだ。
「まず、指を1本出して、そこに炎をイメージするんだよ」
しかし、ソーナの指先には、現れなかった。
「クリス、それじゃダメだよ」
あっ!つい、声を掛けてしまった。彼らが僕の方を振り向いた。
「団長…何しているんですか…」
クリスの顔は青ざめていく。今日は何もしないよ~。ビビリすぎだよ、クリス♪
「何って…パーティーがあるからって、呼ばれたんだ。ちょうど、家族旅行中で、途中立ち寄ったんだ♪」
僕は、家族をここに転移させた。
「誰に招待されたんですか?」
「あ?クリスの義理の両親だよ。ゲームのデビュー前のお披露目会。ソーナは主役だろ?リアスとクリスはゲスト出演でさぁ。弟子達の晴れ舞台を見に来ただけだよ♪」
「あの…問題は起こさないでくださいますか?」
「僕、問題なんか起こしたこと無いよ♪」
クリス、心配しすぎだよ。
「あなたが、ソーナさん?」
ソーナが、この世界のソーナに声を掛けた。
「そうです…あなたがソーナ夫人ですか?」
「夫人って呼ばれたのは初めてかな…少し照れるわね」
おぉ、ソーナが照れている。久しぶりの彼女の表情に、懐かしさを感じる。
「あぁ、ソーナ。紹介しておくよ。今、話しているのが、アウロス学園の園長のソーナ・シトリー・鬼門だよ。で、こっちの紅髪がリアス・グレモリー・鬼門で、車椅子に乗っているのがシーグヴァイラ・アガレス・鬼門だ」
僕はソーナに、僕の世界の妻達を紹介した。
「で、あっちにいるのが子供。あの紅髪はリアスの子供のガイア・グレモリー・鬼門で、僕の世界では魔王をしている。で、あのセラフォルー似のヤツが問題児のシルキー・シトリー・鬼門で、我が家の問題児である。あと、あそこの姉弟は双子で、シーナ・アガレス・鬼門とアリス・アガレス・鬼門だよ。シーナは僕の専属回復要員で、僕のチームに帯同してくれている。アリスは別働隊の隊長で、細かい別件を捌いてくれている」
ついでに、子供達も紹介してみた。
「え~!何で…」
周回を終えて戻ったのか、イッセの悲鳴のような声が聞こえた。
「おっ!弱弱ドラゴン君じゃないか」
シルキーがイッセを挑発している。イッセは完全に、シルキーを恐怖の対象にしか見えてないようで、その顔色は良くない。
「おい!シルキー!来て早々問題を起こすなよ!」
問題児の娘を怒鳴る。しょうがないなぁ、躾でもするかな…シルキーに対する躾は、交わらないエロ行為である。交わるとメイビスが激怒するから…
「父ちゃん。問題だなんて、心外だよ~」
シルキーに念話で「躾…わかっているよな!」って送った。娘は目に涙を浮かべて、僕に近寄ってくる。躾がイヤなら、問題を起こすなよ…まったく…
「だから、お前はセラフォルーと帰れって言ったのに…お前、問題を起こしそうになった時点で躾な!」
真面になったセラフォルーには、僕の世界へと帰ってもらった。ここにガイアが来ているので、魔王ガイアの休暇の穴埋め要員というか、ガイアの代役ってことで。
「父ちゃん…酷い…躾はイヤ~!」
豪快に泣き叫ぶシルキー。躾は嫌いらしい。悶々とさせるだけさせて、見ているだけだからだろうか?
『本当にあの人は強いのかな?』
ソーナの心の声が聞こえた。シルキーのことを、単なる泣き虫と思ったようだ。
「ソーナさん。見た目で判断すると、死ぬから注意しなさい」
妻のソーナに注意された、この世界のソーナ。
「賑やかになったと思ったら…いらしてくれたんですね」
僕達を招待してくれたグレモリー卿が、家から出て来た。
「ちょうど、家族旅行の最中だったんで、大人数で来てしまいました」
「家族ですか…では、あの紅髪の方が、シュウ様の世界のリアスですか?」
紅髪を指差して質問してきたグレモリー卿。
「です。今はアウロス学園という学校で、事務仕事をしています」
「シュウ様の世界の話が、一杯聞けそうですね。どうぞ、シュウ様の家と思って、寛いでいってください」
ありがたい…堅苦しいことが苦手な家族だし…
「ありがとうございます。じゃ、皆の衆、部屋に荷物を置いて、グレモリー夫妻と語らって来てね。僕はソーナに教えることがあるから。あっ、ヴァイラは、いて。僕がこの世界のソーナに手を出していない証人になって♪」
「はぁ?あなたの事だから、既に手は出しているんでしょ?あなたと来たら、若いソーナ好きだしね♪」
図星です…イッセの世界では未遂に終わりましたが…ヴァイラを見ると笑顔だ。この笑顔を見る為に、頑張ってきた気がする。あぁ、弁明をしておこう。
「え…っと、その件につきましては…」
うまい説明が浮かばない。浮かぶのは、ヴァイラとの想い出ばかりだ…マズイ。
---ソーナ---
「彼はそういう男だよ。この世界では、豪快な生き方に思われているかもしれないけど。実際は繊細で優しすぎるんだ」
ヴァイラのことで、手一杯なシュウに変わり、この世界のソーナの相手をする。
「優しい人ですよ…」
「あら?繊細さはスルーなのね♪」
まぁ、繊細さは、隠し味だから。
「ソーナ…両手でボールを掴むイメージをしてみて」
立ち直ったシュウが、教え始めた。彼女は、言われた通りにしているようだ。
「ボールを掴んでいる感覚が掴めたら、それが冷たいと意識してみて」
「懐かしいな…」
ヴァイラが私の隣に移動してきて、彼女の練習風景から、昔を思い出したようだ。
「ソーナ、外野の声を聞かずに、集中しろ」
シュウは彼女の心を読み、注意をした。中級になれば、外野の声も聞きながら、ソレをしないとダメだけどね。
「目を開いてごらん」
両手の中に現れた氷のボールを見て、驚く彼女。
「そんな感じで鍛錬を続けてくれ。火属性だと屋外で無いとダメだけど、氷属性だから、家でもできるだろ?」
シュウは彼女の前に指を1本出し、そこに赤々と燃える炎を発現した。
「触ってごらん」
あぁ、私も最初、アレを見た時、驚いた。冷たいんだもの。
「炎に氷属性を持たしてみた。見た目で判断するなとは、そういうことだよ」
天才というよりも、努力と根性と愛情…あと、エロ心もかな?で、ここまで来たシュウ。そのせいか、教え方はうまい。参考になるなぁ。教師として働いて貰いたいけど…教師陣で一誠君と白音さん以外は、賛成しないだろうな。特にサイラオーグなんかは。
パーティー…無事に終わるかな?私の時は派手だったけど…少し、いや、とても心配になってきた。
リライト版58話の裏進行です(^^;