※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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あの樹へ
謎大き案件


---シュウ----

 

みんなが寝静まった深夜、姉ちゃんと神の間に転移した。他の宇宙を司る絶対神から、エマージェンシーコールが届いたから。届いたデータを見る姉ちゃん。

 

「おかしいわね。データが異常するぎる」

 

姉ちゃんからデータを手渡され、僕も確認した。確かに異常である。他の星の平均寿命に対して短すぎる。

 

「星を管理している最高神はなんて言っているの?」

 

「それが、連絡が取れないって」

 

「全員?」

 

それぞれの星には、創造神、維持神、破壊神の3柱1組の最高神が必要である。まぁ、生物がいないとか、知的生命体が少ないとかの場合は、他の星の最高神が担当する場合もあるが、今回問題になっている星には、人類という知的生命他が存在していた。

 

「うん?1柱しかいないわよ…」

 

1柱?余程のベテランの最高神なのかな?1柱で3柱分こなすのには、それなりの経験と実績が必要であるから。

 

「でね…この星の創造神なんだけど…」

 

姉ちゃんが見せてくれたデータを見て、僕は問題の星に急いだ。そこには、『創造神 シュウ、維持神 篝、破壊神 篝』と書かれていた。

 

------

 

篝は僕の弟子の最高神である。僕がスカウトしたのだ。彼女は自分の身を犠牲にして、産みの親を護ったのだ。真面目で、淡々と仕事をこなす彼女。いい加減なことは、しないはずなのだが。もし、彼女が原因であれば、僕には指導責任が生じる。いや、今は彼女の身の安全が心配である。

 

絶対神から連絡が取れない場合に考えられることは、死んでいるか、死にそうなのか、抗戦中のいずれかの場合が多い。希にサボりってケースもあるが、異常事態時にサボることは考えられない。

 

 

彼女の担当している星に降り立った僕。そこの風景を見て、驚く。人類がいる世界なのに…人の姿は見えない。街は廃墟というか、空爆を受けたような感じで、地面が所々異様な隆起をしている。地殻変動によるカタストロフィーなのか?

 

空やビルのガレキの合間に、魔物がたくさんいる。なんで、こんなにいるんだ?それも、知的な魔物ではなく、恐竜時代の生物形態の魔物ばかりだ。この星は、今何紀なんだ?

 

魔物達は僕の存在を知ると、襲い掛かってきた。う~ん、今は戦っている場合では無い。篝を見つけることが優先だ。『ネメシスより愛を込めて♪』と刻印されているカプセルを投げて、キングギドラとレッドキングとラドンを召喚した。彼らにガードをして貰いながら、篝を探す。チームドラゴンを出撃させた方が効率が良いのだが、この世界の戦力、属性が分からない今、下手に出して怪我を負っても、回復役は僕しかいない上、今の僕は回復をしている暇が無いのだ。で、カプセル怪獣なんだけど、カプセルに戻ると怪我とかが回復するので、こういう場合に、助けて貰っている。

 

前方に森が見え始めた。その森から微弱ではあるが篝の波動をキャッチできた。急がないと…篝の波動を追う。大きな樹がある開けた場所に彼女はいた。誰かに覆い被さり護っているようだ。

 

「裏切り者を庇うのか。ならば、二人とも死んで貰おうか」

 

その声を合図に、得物を手にした集団が、彼女に向かっていく。彼女はぴくりとも動かない。くそっ!遅かったのか。僕はその集団に対して、上空から『ダイヤモンドダスト』を撃ち出した。集団はミンチ状態になり四方八方へ肉片、骨片が散らばっていく。敵らしき者達を一掃して、僕は彼女の傍に降り立った。

 

「おい、篝…しっかりしろ!」

 

「私はいいの…瑚太朗を助けて…」

 

僕を見ること無く、呟くように言った彼女。僕は、カプセル怪獣達をカプセルに戻し、篝と瑚太朗という少年を抱えて、最高神の間に転移した。

 

------

 

篝と瑚太朗に、回復術を試みる。傷らしい傷は無いようだ。今はエネルギー切れで意識を喪失って感じだな。瑚太朗という者を調べる。彼は元人間の魔物のようだ。元人間って言うのは、能力値の上限を書き換えが出来るようで、人間として超えてはダメなレベルを超えてしまったようだ。篝を護る為に…

 

次に篝を調べた。元魔物の最高神。彼女は元々魔物だった。自分を生み出した魔物使いを護る為に盾となり命を落とし、元の材料の状態に戻ってしまったんだ。その結果、護ろうとした者も命を落とした。彼らを助けたかったが、案件外なので、僕は介入できなかったのだ。くそっ!

 

僕は、彼らを屠った者達が去った後、招魂をしてみた。基本、作られた魔物には魂は無いのだが、希に想いの強い魔物に魂が宿ることがあるので、彼女の魂を呼び出してみたのだ。すると、彼女の魂はあった。なので、元の材料を使い、彼女を再生し入魂をして、その当時の僕のベースキャンプに連れ帰り、最高神としての教育をした。

 

『自己犠牲を厭わず、護りたい者を護り切る精神』がある者は、スカウト対象になるらしい。僕や姉ちゃんがそうだったように。まぁ、姉ちゃんの場合は、爆睡中に死んじゃったけどね。

 

想いに耽っていると、姉ちゃんが転移してきた。

 

「彼女が、シュウの弟子の最高神?」

 

「そうだよ。なんで、こんな目に遭ったんだ?くそっ!」

 

怒りがこみ上げてくる。そんな僕を姉ちゃんが抱きしめる。

 

「怒りを収めなさい。今はやることがあるでしょ?ねぇ♪」

 

そうだね。原因を突き止めないと…

 

「姉ちゃん、新しい星の手配はしてくれた?」

 

「それがねぇ…チームシュウ預かりの案件にしてくれって…」

 

はぁ?あの絶対神は、篝を見捨てるのか?また、怒りがこみ上げて来た。

 

「だから、怒りを収めない!まったく…血が無い割に、血の気が多い行動取るわね」

 

って…魔物になった僕には、確かに血が流れていない。姉ちゃんの言うことは正しい。

 

「う~ん。じゃ13宇宙に転移して、検証だな」

 

「今、転移の手続きをしているわ。許可は間もなく下りるはずよ」

 

姉ちゃんの言う通り、許可はすぐに下りて、篝の最高神の間は、僕の管轄する第13宇宙へ転移した。しばらくは、本拠に係留しておく。星を作るのに、時間がかかるから。

 

まず、元々担当していた星を、安楽死させて、星の種を得る。この種には、星の初期データと、この星に宿っている者達の魂が入っている。それを持ち帰り、取り敢えず、保存しておく。

 

姉ちゃんは、新たに作る星を設置するエリアを作っていた。まず、太陽を中心に作りだし、成長を待つ。

 

その間、あの星のあった太陽系の衛星の軌道、周期を、元の宇宙の絶対神からデータを送って貰い、それに基づいて、太陽系を作り出す。僕は保存してあった、星の種を所定の位置に配置して、設定されている速度で周回軌道を動く様にした。これで、種が発芽して、星になるまでは放置プレイだ。

 

放置プレイ中に、篝が記録したアカシックレコードを精査していく。アカシックレコードは星の記録と呼ばれる物で、星の歴史を記録している。本流の歴史から、もしもの世界と言う並行世界が枝分かれして、世界の流れがわかるようになっている。

 

最新のアカシックレコードを精査しようとすると、おかしい点に気づいた。

 

「どうしたの?」

 

姉ちゃんが僕の表情を見て、訊いてきた。

 

「版数が多すぎる…」

 

姉ちゃんも見て、

 

「本当だ。これは多すぎるな」

 

版数は、星をリセットする度に増えていくのだが、滅多にリセットはしない。本当にどうしようもなくなった場合だけ、破壊神により終末を迎え、創造神によりゼロスタートもしくは、維持神が良かった時代まで遡らせて、リスタートをさせる。

 

あの星の創造神は僕だけど、リセットによるゼロスタートをさせた記憶は無い。なので、維持神による途中リスタートだと思う。何が原因でリスタートさせたんだ?

 

複数のアカシックレコードを見比べる。どれも同じ年代で途切れて、リスタートしている上、同じリスタート地点だった。なんで、こんなことをしたんだ?これじゃ、あまり変化しないだろうに…

 

更におかしい事に気づいた。どれも本流を元にしてリスタートをしている。もっと長く歴史を刻んでいる並行世界もあるのに、それらを元にしたリスタート地点は無い。

 

「おかしいわね。短命な歴史を繰り返すなんて…あれ?」

 

姉ちゃんが何かに気づいた。

 

「エラー検知のチェッカーが抜かれている…これも…あっ、これも…」

 

アカシックレコードには、長く歴史を刻んでいる世界3つくらいから、選ばないとエラー表示が出る。意図的にしたのであれば、絶対神に通報が行き、事情聴取が行われるのだが、それを行ったという記録は無い。通報が行かないように細工してあるのか…なんでだ?

 

「これって、何らかの悪意を感じるわね」

 

僕も姉ちゃんと同意見だ。でも、篝がそんなことをするかな?そもそも、チェッカーはずしなんかのスキルが無いはずだし。

 

「あっ…アカシックレコードの生成システムが、改竄されているわ」

 

最高神の間には最高神が扱えるシステムが少なからずある。アカシックレコードの生成システムも、その1つで、リセットもしくはリスタートした場合に、未使用のアカシックレコードが発給されるシステムである。

 

「来客者記録システムも弄られている…これじゃ、侵入者がわからないわね」

 

来客者記録システムは、最高神の間に訪れた、最高神以外の者の記録である。それが、機能していないってことは、篝以外の者がここに侵入して、何かの目的の為に、システムをハッキングしたのだろう。

 

でも、スタート地点を選択するのは、篝しか出来無いはずだよな。ふと、閃く物があった。そうか、操れば良いのか。選択する瞬間だけ…

 

僕は篝の身体を調べて行く。怪しい部分は無い。見えない部分かな?

 

『脱衣』

 

エロ系の術を使い、篝を全裸にした。そして、調べて見る。インプラントした形跡は見付からない。頭部に埋め込まれた物は無い。あと、どこだ?

 

「姉ちゃん、女性の場合、見つけにくい隠し場所って?」

 

耳が真っ赤になる姉ちゃん。そうか♪アソコか…篝の股間の割れ目を調べる。割れ目自体に問題は無い。未使用のようだ。で、膣の中は?僕は指を内視鏡モードにして、潜行させていく。

 

暫くすると、有るはずの物が無いことに気づく。それも、破ったっていう感じでなくて、膣壁から切り取られているようだ。どうやったんだ?

 

「姉ちゃん、処女膜って切り取れるの?」

 

「え?無理じゃ無いかな?経験ないけど…」

 

「レーザーで切り取ったみたいに見える。どこで切り取られたんだ?」

 

更に奥へと潜行を続けた。そして、子宮内に突入。うん?子宮の奥に何かが埋め込まれている。内視鏡の先からピンセットを出し摘まんで引き抜こうとするが、取れない。無理をすると大出血しそうだ。どうするかな?

 

そうだ!『強奪』を発動して、ソレを奪い取った。そして、姉ちゃんに手渡す。僕は篝の子宮内を再生治療していく。ソレは深く食い込んでいた為、大きな裂傷になっている。止血はうまくいき、子宮の失われた部分を再生していく。

 

その間に、姉ちゃんは埋まっていたアレを、調べていた。

 

「音叉みたいねぇ。何かの周波数を関知すると振動するみたい」

 

「子宮内で振動すると、どうなるの?」

 

耳が再び紅く染まっていく姉ちゃん。そういうことか。

 

「そうなると、絶頂状態の無意識状態の時に、篝の意識を乗っ取るんだろうな。で、無意味なリスタートを掛けさせるんだな」

 

「そうなるわね。彼女は被害者だわ。でも誰が、そんな無意味な事を?」

 

「謎が多い案件になりそうだ。そうだ、現状での一誠のロス時間は?」

 

僕が仕事をしている間、一誠は学校に行けない。心苦しい。

 

「45~90日かな?」

 

「平均2ヶ月か…下手すると、6年生になっちゃうな…」

 

「最短で斬り抜けよう。一誠君の為にも」

 

そうだな。でも、謎が多すぎるぞ。どうするか…

 

 

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