※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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最高神

---シュウ---

 

「二人でこの量はきついよ~。誰かいないの?チームメンバーにさぁ」

 

と、姉ちゃんが愚痴っている。アカシックレコードは、最高神以上でないと、読めないし、触れないし、解析できないし…

 

「いないよ。こんな大変な作業をまかせられる仲間はさぁ」

 

と、返事をすると、姉ちゃんの顔がニタっている。何か、やらかしたのか?身構える僕。

 

「団長、こういう作業があるなら、声を掛けてくださいね」

 

って、知った声が後ろから聞こえた。

 

「姉ちゃん!僕に内緒で、声を掛けたの?ねぇ、そんな権限無いよね?」

 

「団長、権限の問題でなくて、なんで仲間を頼ってくれないんですか?」

 

姉ちゃんは涼しい顔をしている。ドエス上司の時は、あんな表情だったんだろうな。

 

「ヤマト、お前は自分の世界を満喫しろ。メイビス、メイドの仕事を優先してくれ」

 

振り返らず、声を掛けてきた者に指示を出す僕。

 

「あらあら、シュウ、涙腺が緩いのねぇ♪」

 

って、振り返られない理由をばらす姉ちゃん。お前…許さん!

 

『催淫』

 

その場で喘ぎ出す姉ちゃん。

 

「5分モードだよ。弟を虐めるなよな。もう…」

 

「そんなことだと思った。来てみて良かったね、ヤマト。あの兄妹を二人だけにしておくと、埒が明かないわ」

 

って、ヤマトの叔母さんのシヴァさんの声がした。振り返った僕。そこには、破壊神のシヴァさん、維持神の息子で破壊神のヤマト、元聖書の神の維持神のメイビスが、笑顔で立っていた。

 

「もう、団長は涙脆いから…お姉さんに虐められっぱなんでしょ?で、反撃はそれですか?」

 

ヤマトが訊いてきた。

 

「僕よりも一般的な術の能力が上だから、エロ系の術しか効かないんだよ」

 

外道な術しか効かない姉ちゃん。生前、喰らったことが無いので、対処がわからないらしい。

 

「え?こんなにあるんですか?」

 

アカシックレコードの数を、見て驚いているメイビス。

 

「おかしいだろ?こんなにあるのはさぁ。それも、リスタートの意味が分からないんだよ」

 

ここまで姉ちゃんと解析した結果を、3柱に話した。

 

「おのれ…ちょこざいなマネを…」

 

5分経過したので、下半身がグチョグチョな姉ちゃんが立ち上がって、僕を睨んでいる。面倒なのでスルーして、ヤマト達に、今後の作業内容を説明していた。

 

「ふふふ、私が用意したサプライズをこれだけと思うなよ」

 

はぁ?まだ何か、弟虐めのサプライズを用意しているのか?

 

「シュウの暴走抑制の人物を呼んであるんだよ~♪」

 

誰だ?思い当たるのは…白音だけど、クリスのチームで活動中だから、無いよな。後は…まさか…僕が思い悩んでいる姿を尻目に、ヤマト達が作業をしてくれている。

 

「作業のジャマになるから、このメンバーだけでいいって…」

 

「もう、着いている♪」

 

はぁぁぁぁ~、もう、ここにいるのかぁぁぁ~。この腐れ姉がぁぁぁ~!

 

「ふふふ♪」

 

楽しそうな姉ちゃんの顔。まさか、アイツか?紅髪のアイツなのか?動揺を隠しきれない僕。

 

「誰を想像したのかな?」

 

「お邪魔ですか?」

 

へぇ?想像していた人物と違う者の声がした。それも二人も…

 

「シュウ、ごめんね。お前の予想は、ハ・ズ・レ♪」

 

もの凄く楽しそうな姉ちゃん。くっ、くやしい~。

 

「いや、想像通りだよ、ヴァイラ、深雪」

 

振り返り、二人を笑顔で…涙でグショグショな顔で出迎えた。

 

「嬉し涙…では無くて、悔し涙っぽいな♪」

 

ヴァイラが笑っている。深雪は近寄って来て、ハンカチで僕の涙を拭ってくれた。悪魔と人間の違いなのかな?

 

「二人に注意だ。最高神でない二人は、あれには触るなよ。触ると、膨大なデータが脳を直撃する。最悪、脳が暴走して破裂するからな」

 

と、マジな情報を知らせて、注意をする。

 

「そんなに凄い威力なのか…わかった。触らないようにする」

 

一息吐き、次の一手を考える僕。仲間を頼っていいんだよな。

 

『頼ってください。頼られて嫌な顔する仲間はいませんよ』

 

と、ヤマトから念話が届いた。そっか♪

 

「ナヴィ、アルフガンから聖騎士のファルコンとアスナを呼び出してくれ」

 

本拠の通信係である、ハーフガーゴイルのナヴィに伝令を頼んだ。

 

「了解です」

 

「深雪達が来たってことは、ドラン君も来ているのかな?」

 

「はい♪」

 

深雪が返事をした。

 

「じゃ、ナヴィ。達也をドラン君経由で呼び出してくれ」

 

「了解です」

 

「あと、シーナとアリス」

 

「了解です」

 

あと、回復系だと…

 

「フィン、アミッドとナァーザとジョゼを頼む」

 

「了解です、団長♪」

 

「ヴァイラ、回復系が来たら、あっちで意識が戻らない二人を、回復させてくれ。訊きたいことが山ほどあるからな」

 

「了解」

 

「深雪…添え寝して♪」

 

「はい♪」

 

僕と深雪の二人で、本拠にある僕の部屋でしばしの休憩を取った。

 

------

 

篝が意識を取り戻したと、ヴァイラが起こしに来てくれた。三人で篝の元へと向かった。知らない部屋に連れ込まれて、篝は暴れていたようだが、僕の顔を見て、僕に走り寄って来た。

 

「師匠~」

 

僕に縋り泣いている篝。

 

「何があったんだ?」

 

「私は今回も滅びを止められなかった」

 

滅び?

 

「滅びって?」

 

泣き止まない篝。

 

「深雪、美味しい珈琲を2つ頼むよ」

 

「はい♪」

 

ヴァイラに厨房に案内されていく深雪。

 

「珈琲ですか…飲みたい♪」

 

好物の珈琲にありつけるので、泣き止む篝。まぁ、辛い修行中も、珈琲を飲んでいる時は嬉しそうだったよな。って、昔を思い出す僕。

 

「で、滅びって何?」

 

「聖女がこの世に良い記憶を見ないと、滅びをの詩を合唱するんです。その歌声を聞くと、篝ちゃんは…」

 

自分を「篝ちゃん」呼びする篝。歌声かぁ…音叉に反応する周波数なのかも知れないな。

 

「で、聖女って?」

 

「それは、下僕の瑚太朗に訊いてください。篝ちゃんはわかりません。ねぇ、師匠、珈琲はまだですか?」

 

深雪が珈琲を持って来てくれるまで、篝はソワソワしている。で、珈琲が来ると美味しそうに飲み干した。

 

「師匠、最高神の間に、珈琲を淹れる道具を差し入れてください♪」

 

「わかった。なぁ、お前の体内から、インプラントが見付かったんだけど、何時、入れられたか、分かるか?」

 

音叉の出所を探る。

 

「インプラント?記憶に無いです。篝ちゃんの身体に触れたのは、師匠と瑚太朗くらいですし」

 

まぁ、そうだろうな。身も知らない者は切り刻む能力持ちだし。そうなると、撃ち込まれたか、転移させてきたかだな。相手も、そっち系の能力持ちか?

 

「シヴァさん、最高神の身体にインプラントできる輩って、何者ですか?」

 

最高神歴が一番長いシヴァさんに訊いてみた。

 

「最高神以上だろうな。いや、神族もできるかな?」

 

う~ん…

 

「姉ちゃん、神関連の項目は見付かった?」

 

「それがさぁ、無いんだよ。おかしいようね。あの世界の人々は、何を信仰していたんだろうな」

 

無い?神のいない世界って、遭遇したことは無いなぁ。あの世界も篝という神はいたけど、信仰の対象には、最高神はならないしな。

 

「聖女関連は何か有る?」

 

「本流の最後の項目に、聖女による滅びの詩で、世界は滅んだって有るだけ…聖女が信仰の対象で、ラグナロクを引き起こしているっぽいな」

 

聖女が鍵だな。そうなると、悪魔属性は出せないなぁ。悩んでいる僕に声を掛けてきた。

 

「団長、僕は何をすれば良いですか?」

 

声の主は達也だった。

 

「団長って呼ばないで良いよ。一応、妹の旦那扱いなんだから」

 

「でも、公式行動中は、団長ですよね?」

 

笑顔の達也。そうだけど…

 

「シュウさん、お兄様は何をすれば良いのですか?」

 

深雪が達也の言葉を復唱するように言う。

 

「まだ、武器が来ない。もうしばらく待って。そうだ。約束を果たすよ。本拠のラボを見てくると良い。ヴァイラ、案内してあげて」

 

「はい♪」

 

ヴァイラと共に、スカさんがいるラボに向かう達也。

 

「団長、目覚めましたよ」

 

ジョゼの声がした。瑚太朗という少年が、意識を取り戻したようだ。色々訊かないと、原因が究明できないな。

 

 

-------

 

彼を個室に移して、リラックスしてもらう。隣の部屋は篝である。でも、篝は部屋にいず、僕に引っ付いている。

 

「師匠、かまってくださいよ~」

 

一人で長いお勤めをしたので、かまってちゃんになっている篝。篝を肩車して、移動することにした。オーフィスのように、僕の頭をペシペシしたり、頭を抱きしめたり、色々なスキンシップをする甘えん坊の篝。で、彼の部屋に入った。

 

「あの~、ここはどこですか?」

 

瑚太朗が訊いてきた。

 

「第13宇宙の極点にある僕達の拠点だよ」

 

「はぁい?」

 

意味不明だろうな。でも他に言い方が浮かばない。

 

「君達の星は滅んだんだよ。で、僕達のチームで原因を究明しているんだ。で、その件で協力をして欲しい」

 

「あなた方は、ガーディアンですか?ガイアですか?」

 

分からないことを訊いてきた。それが、あの星の派閥なのか?

 

「僕達は、絶対神の特務機関の者だよ。ガーディアンとガイアについて、説明してくれるかな?」

 

「いや…その前に、絶対神って何ですか?」

 

あっ…そこからかぁ…

 

「現状を説明しておく、僕の頭で遊んでいる篝は、維持神だ。で、篝の下僕である君は、破壊神に任命した」

 

「維持神?破壊神?なんで、僕は神なんですか?」

 

「創造神、維持神、破壊神という3柱1組の神が、星を管理しているんだ。創造神は、地形をつくり、色々な物質をつくり、星の初期段階を担っている。次に篝のような維持神は、創造神の創り出した世界を、より長く維持できるように管理していく。で、君のような破壊神は、維持神の維持で行き詰まった時に、星をリセットして、創造神もしくは維持神に星を委ねる役目を持つ」

 

「あぁ、篝の見ていた樹の枝分かれみたいなチャートは?」

 

「アカシックレコードという星の歴史、並行世界を含めた歴史の記録だよ」

 

「あのチャートは何度やっても、行き詰まっていました。どの枝でもです」

 

あっ…

 

「もしかして、君はアカシックレコードに触れたんじゃ?」

 

「どうして、それを…」

 

「やっぱり…あれは最高神以上出ないと触れないモノなんだよ。もし触れば、膨大なデータが君の記憶領域に流れ込む。そして、世界の真理を学べるんだけど、適性が無いと脳みそがバーストするんだよ。で、君は人間としての領域を超えてしまって、今は元魔物の最高神になっているんだ」

 

「魔物なんですか…僕は…」

 

「仲間が増えて嬉しいよ」

 

「えっ?仲間?」

 

僕の言葉に驚く瑚太朗。

 

「そうだよ。僕も篝も魔物出身だし」

 

「篝も魔物なんだ…」

 

篝を見つめる瑚太朗。

 

「で、最高神は星を管理する神って、分かったかな?」

 

頷く瑚太朗。

 

「絶対神って言うのは、宇宙を司る神だよ。最高神の上司にあたる」

 

「そこの特務機関って…あなたも神なんですか?」

 

「僕はエロ神だけど、現在ペナルティーで、この第13宇宙の絶対神をしている」

 

「へ?ペナルティーで篝の上司?」

 

「瑚太朗!師匠は、私の師匠なんだよ~」

 

甘えすぎて、キャラ崩壊している篝。まぁ、いいっか。

 

「師匠?篝の師匠なんですか?」

 

「そうだよ。彼女は僕がスカウトして、最高神として仕込んだんだ」

 

「こ、こ、こっ、ここって…天界ですか?」

 

「ここは、僕達の本拠だよ。天界なんかでは無い。天界は星に付属する世界だからね。ここは星には属さず、この宇宙の中心にあるんだよ」

 

「え~!」

 

さっきから説明しているはずだけど…

 

「神様って、こんな場所に住んでいるんですか~」

 

って、感心されてもなぁ…

 

「で、ガーディアンとガイアって何?」

 

「ガイアって言うのは、魔物使いが中心の『鍵』を崇め星の再生を目指している組織です。ガーディアンは超人集団で、『鍵』、ガイア主義者や魔物を倒して、人類の存続を目指している組織です」

 

「魔物使い?超人?それは何?」

 

「魔物使いは、魔物を作り出して、アウロラという物で契約をして、命令ができます。超人は、アウロラを使って能力値を上げて、特殊な能力を持つ人間です」

 

なるほど…アウロラとは、僕達の世界で言うオーラだろうな。で、鍵って?

 

「鍵ってなんだ?両方の組織とも、その鍵を巡って対立しているみたいだけど」

 

「あ…鍵は、篝のことです」

 

はぁい?

 

「星により遣わされる裁定者であり化身と言われていました」

 

「それって、維持神と破壊神を担っていた篝その物だな」

 

「あっ!そういうことなのか…」

 

瑚太朗も理解したようだ。そうなると、篝を巡って対立する組織があったってことか。リスタートの嵐の原因はガイアだな。で、篝を殺そうとしていたのはガーディアンか。神を殺して、人類だけの世界にするって、人間至上主義者か?

 

「あと、わからないのは、聖女と滅びの詩だ。いや、疑問もあるな。ガイアとガーディアンは、どこで篝を知ったんだ?」

 

「知ったとは?」

 

「いや、篝にそういう能力があるって、どうやって知ったのかなって。人間の知って良い領域を超えている。双方の組織の初代ボスは、アカシックレコードを触り、君のように知識を得たのかも知れないな。もしかすると、2つの組織の初代ボスは同一人物の可能性もある」

 

「あ…」

 

篝はこういう話は興味が無いので、僕から下りて、珈琲を貰いにいったみたいだ。

 

「今まで、篝が破壊神も担っていたが、君を破壊神にした。それが、どう影響するかだな。あと、篝はインプラントされていた」

 

「えっ…」

 

言葉を失う瑚太朗。

 

「だから、滅びの歌を聴くと、インプラントされた装置のせいで、埋め込んだヤツラのいいようにされていたようだ。そこで、聖女と滅びの詩について、知りたいんだよ」

 

と、知りたい理由を述べた。

 

「聖女というのは、ガイア主義者の頂点で、代々、記憶と経験の一部を転写しているそうです。で、転写は聖女本人の意志とは無関係で、自動で行われて、継承しているようです」

 

篝のことを代々受け継いでいるんだな。リスタート後も。そうなると、新しい星でも記憶は受け継がれていく可能性がある。う~ん…

 

「滅びの詩は、総てのモノの魂を昇華させてしまいます。肉体は消滅して、魂だけが次の新しい世界へと向かうようです」

 

魂の昇華?それが出来るのは最高神以上だな。篝の能力か?

 

「そういえば、良い記憶がない鍵の救済を後押しするって」

 

篝の救済?何の?強制リスタート自体が、篝を追い込むことなのに。篝を道具にしか見ていないのか?

 

「そうなると、リスタートを止めても、その滅びの詩を止めないとダメってことか」

 

「元凶は分かっています。加島桜という聖女です。並行世界間で同期できるようで、並行世界から干渉もできます」

 

時空系の能力か?いや、アカシックレコードを持っているのか?そうか…

 

『姉ちゃん、アカシックレコードの生成システムなんだけど、新たに発行する際に、どこかにコピーを転送していないか?』

 

姉ちゃんに念話で指示をした。

 

『ちょっと待ってね…あぁ、ビンゴだよ、シュウ。送っているわ』

 

『どこに?』

 

『う~んと…星が無いから確かな事は言えないけど…送り先は聖女って設定されているわ』

 

元凶は聖女だな。

 

『星に生命体が出来はじめたら、聖女の行動をチェックしてくれないか?そいつが、元凶のようだ』

 

『わかったわ』

 

「人類が産まれ始めたら、最高神の間を星に連結する。誰が、篝を陥れたのか、あぶり出す。いいな、瑚太朗」

 

彼は頷いた。

 

 

 

 

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