---シュウ---
船内…とっても戦い難い。剣が振り回せない。居合い斬りも、飛ぶ斬撃も封じ込まれた感じだ。ゼノヴィアはへたばり気味だし。基本的に僕達は、狭い場所は苦手だしな。なので、拳での攻撃に切り替え、ゼノヴィア、アイズと入れ替えに、白音と直を呼び入れた。
「倒しても倒してもキリが無いんだけど」
って、直もへたばってきた。
「キリが無いよな。どうするかな…白音はまだ大丈夫?」
「はい。お兄様に付いて行きます♪」
返事は元気そうだけど、疲れて居るよな。次は誰を出す?直を戻すと、滅なる力を装備として具現化したリアスがやって来た。
「2時間くらいなら、いけます!」
いや、あと30分くらいで接岸なんだけど…効率が悪いな。
『ハニー、効率悪すぎる。まだ1/4くらいしか終わっていないよ』
っと、キャッスルドランにいる軍師に、アドバイスを求めた。
『魔法でケリ付けるしかないかな…避けたいけど…』
ハニーの声は哀しそうだ。でも、それで行こう♪
『ハニー、それで行く。船ごと、宇宙空間へ強制転移させるよ』
『戻って来てくださいね』
『努力はする』
ハニーとの通信を切り、リアスと白音をキャッスルドランへ戻し、転移術を発動して、宇宙空間へと転移した。
---真由美---
シュウさんが載っている船が、どこかへと転移して消えた。仲間に不安さいっぱいの動揺が広がる。
『海に逃れた奴らを一匹も逃さないように!彼の想いを無駄にしないでくれ!』
この現場の指揮をまかされた将輝君が、念話で指示を出した。波間に少し見えるリビングデッドを狙撃していく。でも、石に当たらないのか、中々灰化していかない。あせりが出始めた頃、
「一条、遅れてすまない」
この現場にいなかった声がした。
「司波…深雪さん…ここには来ちゃダメだろ?」
「シュウさんの力が及ばなくなって、自由になれた。それって、そういうことだろ?」
達也君の言葉が心に刺さる。そう、この世界にはいないってことだよね。
「深雪、海を氷らせてくれ」
「はい、お兄様」
二人とも感情が伝わってこない声で会話している。何かを押し殺しているようだ。深雪さんの魔法で目の前の海が氷り付いた。その氷の大地を達也君の術で、滅していった。
「何?なんだ、その魔法は…」
将輝君は目を見張った。いや、司波兄妹を除いた、この場にいた全員が…
「このくらい出来無いと、シュウさんにドヤされますから」
と、達也君は涼しい表情だ。
「深雪、索敵を頼む」
「はい、お兄様」
彼らに負けていられない。海から上がってきたリビングデッドを、確実に灰にしていく。
---綾香---
最後の力を振り絞り、シュウが帰ってきた。また、この子はボロボロな状態だった。まぁ、今回はしょうがないけど。シュウにしか出来無い仕事だったから。膝枕に頭を載せ、頭を撫でてあげる。どうするかな?魂と心は眠っているだけで問題は無い。問題は器である。術でどうこうのレベルで無い程、損傷していた。自己再生に任すしか無いかな。
「姉ちゃん…戻らないと…」
目覚めてすぐ、自分のいるべき世界に戻ろうとする弟。ダメだろう…この身体じゃ…
「ダメだよ。器の損傷が激し過ぎる。亜空間転移に絶えられないぞ」
自分の身体を見て、固まる弟。ここまで酷いとは思わなかったのだろうか?
「こんなに…もっと、強くならないと…この程度で、壊れているようじゃ…」
悔しそうな弟に掛ける言葉が浮かばない。相手が悪かったとしか言えない。神族の呪いを詰め込んだような魔石。神族の呪いを受けている弟には、ダメージが多大であった。神でありながら神族の呪いを受けている弟、不完全な神たる所以でもある。
「姉ちゃん…何か手は無いか?早く戻らないと…が暴走したら、世界は終わる…」
言いたいことはわかるが、どうするよ、これ…1年位は無理か?
「1年も?再生能力も上げないとダメだな。鍛錬が少なすぎたのか?」
後悔しまくるが、お前はやりすぎなくらい鍛錬をしている。高望みしすぎるんだ。仲間を心配する余りにな。
「姉ちゃん、専用フィールドに転移させてくれ。あっちで、3年くらい過ごして戻る」
まぁ、それなら、アッチでのタイムロスは1日くらいで済むか?弟の願いを叶える。ここで、反省の弁を延々と聞かされるのもつらいから…
---ルパン---
不二子ちゃんと工藤君に、わかった情報を知らせた。
「え?死んだかも…って?どういうことよ、ルパン!」
不二子ちゃんに胸倉を掴まれる。
「そういうことだ。生死不明らしい。マズい事態は避けられたようだが、お通夜みたな雰囲気だった。性癖以外は、尊敬されていたようだ」
「性癖に問題有るんだろ?」
工藤君から訊かれた。
「問題か?大有りだそうだ。破綻したドエスプレイだから、拷問紛いらしい。なのに、アイツの仲間の女は、誰も文句を言わずに、リクエストしているらしい。ドエム女の集団だと思う」
「私はドエムじゃ無いわよ」
胸倉を掴んで離さない不二子ちゃんが責めてくる。
「で、黒の組織に対抗できる勢力なのか?」
さすが、工藤君だね、要点を訊いてくるな。
「出来ると思う。俺達も参加することにした。アイツらと敵対したら、こっちがヤバい感じだしな」
裏業界大手が、アチラに多数いた。九十九屋、銀河、シティーハンター、兵藤家、式森家、鬼門家、神代家などに加え、複合企業財体が3つ、4つもあるらしい。正面からヤリ合ったら勝ち目は無い。
「ルパン達もアイツの傘下になるのか?」
「傘下というか、敵対しないってことだ。俺達の仕事に関わらないようだし。もし関わる事態の場合は、今回のようにヤバい案件ってことだ。まぁ、危険回避をするには、仲間になった方が被害は少ないと思う」
仲間になった見返りに、次元と五右衛門も、お咎め無しで返還してもらえるようだし。
「まぁ、生きていたら、再会したいな。アイツらのボスとな」
---深雪---
気が付いたら、拷問室にいた。生きている証拠で嬉しいのだけど、ここに呼ばれるって、そういうことだよね?初めて、ここに拘束されている。不安と恐怖が交差する。
「悪い…深雪、お前で愉しみたくなったんだよ。ふふふ」
オーラは彼だけど、見た目が違う。器が損傷したのか、まだ、いつもの姿に変身できないようだ。
「うん?もう準備出来ているの?今日は早いなぁ。まだ何もしていないのに」
彼に言われて気づいた。身体の内から湧き出る体液。身体は、彼からの仕打ちを欲しがっている。ふと、彼を見ると、有り得ない物を手にしていた。赤い液体の入った瓶だ。
「深雪がここからの持ち出しを禁止にしたから、ここでしか使えないんだよ」
瓶の蓋を開けると、あの痛い香りがしてくる。それだけの刺激で、私の身体は興奮していく。
「あれ?まだ、何もしていないのに、乳首が立っているし、クリトリスも大きくなって、剥けているけど、どうしたのかな?なぁ、深雪。ふふふ」
手首と足首と舌が拘束されている。言葉が出せない。あぁ、腰が勝手に動く…彼は細い筆先に赤い液体を纏わせていく。そして、それを私の乳首に…刺さるような痛み…
「あぁぁぁぁぁぁ~」
言葉にならない悲鳴を上げると、飲み込めないでいた唾液が、口から溢れ出て行く。私の苦しむ姿を楽しそうに見ている彼。あぁ、欲しい…アレをアソコに塗るとどうなるんだ?恐怖と期待が交差している。
「えっ?いいの?では♪」
筆先が、秘部のポッチを襲う…
「うっ!あぁぁぁぁぁ~」
有り得ない痛み…その先には快楽がフィードバックしてくる。これは、拷問だ。あの痛さの先に、こんな気持ち良さが待っているなんて…欲しい…
「まだ、欲しいのか…う~ん、やり過ぎると壊れるからな」
って、更に危険な液体を手にしている彼。手に緑色の液体の入った瓶を持っている。蓋を開けると、独特な刺すような刺激臭が、襲い掛かってきた。意識が遠くへと飛びだって行く…
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意識が戻ると自分の部屋だった。なんとも言えない癒やされるオーラに包まれていた。私の下には彼がいた。まだ、元の姿に戻れてはいないけど、先程よりは見られる姿にはなっていた。
「深雪、ごめんな…破綻している性癖で…」
自分の性癖を悔いる彼…
「役立てましたか?私は、再会できて嬉しいんです。おかえりなさい」
彼の頭部に口づけをした。どこに口があるのか、判らなかったから。
「うん、深雪の不安とか恐怖をドレインしたよ。どんどん、変態方向のドレインになっていくなぁ」
え?オーガズム時のエナジードレインでは無くなったの?恐怖とか不安のエナジードレインって…それはそれで困ったことだ。
「いや、今だけのようだよ。この身体の場合だ。そもそもこの身体には性器が無いし…」
言われて初めて気が付いた。そうだ、刺さっていない。刺さっていないから、オーガズム時のエナジードレインが、出来無いってことにも気が付いた。
「そういうことだよ。刺さないと、ドレインできないから…あぁ、不便な身体だぁぁぁぁ」
今の器に嫌悪を抱いている彼。
「これでも見られるようにはなったんだよ」
って、顔の判別できない頭部から、苦笑い気味の声が聞こえた。
---灰原哀---
あれから1ヶ月…彼から何も連絡が無い。死んだのかな…もう逢えないのかな?私はこのままの姿で一生を終えるのかな?
「灰原、大丈夫か?」
工藤君に、声を掛けられていた。上の空で、まるで気づいていなかった私。
「えぇ、大丈夫よ」
「また、アイツのことを考えていたのか?」
「そうよ。悪い?工藤君にはあの子がいるからいいけど」
あの子とは、探偵事務所の娘の事だ。
「蘭か?でも、この身体では…一緒に居られるだけ、幸せかもしれないけどな」
そう、彼の言った通り、このままでは一緒に居られなくなる。
「どうすればいいんだろう…」
不安で一杯だ。本当の事をいっても、事実を知らない周囲の者達に、信じて貰えないばかりか、黒の組織に殺される可能性が高くなるし。
「ねぇ、あなたが灰原哀さん?」
いきなり知らない紅髪の少女に声を掛けられた。少女と言っても高校生くらいかな?
「あなたは?」
「私は…団長の弟子です。シェリーさんを迎えに来ました。団長は、まだ外出が出来ませんので、私が代わりに来ました」
団長?まさか、彼なの?
「おい、団長って、誰の事だ?」
工藤君は敵意剥き出しで、彼女を睨んでいた。
「あなたが、江戸川コナンかな?工藤新一と言えばいいのかな?」
彼女も挑発的に工藤君に話し掛けた。
「お前らは何者だ?」
「人間風情に答える義務は無い」
人間風情?彼女は人間では無いんだ…
「はぁ?お前は何様だ?」
工藤君が彼女に掴みかかろうとすると、彼女は素早く私に抱きつき、どこかへと空間をジャンプした。
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ジャンプした先は、どこかの家だった。誰の家なんだ?
「団長、お連れしました」
彼女が声を掛けた人物が振り向いた。
「そうか、ありがとう、リアス」
紅髪の少女を抱き寄せて、頭を撫でてあげている。
「もう子供じゃないです。あぁ、恥ずかしいから、やめてください」
頬を赤らめて、嬉しそうに抵抗している。そして、彼は全身包帯で巻かれ、車椅子に載っていた。
「シェリー、こんな姿ですまない。まだ、気軽に見せられる姿では無いんだよ」
彼の声だ。
「生きていたんですね…全然連絡をくれないし…」
「すまない。ここに戻れたのは昨日なんだよ。どうにか人の姿には戻れたから」
人の姿に戻れた?
「う~ん…一昨日までは人というより、口で説明するのが難しい姿だったんだ」
「ここは、どこですか?」
姿に触れてはいけないと想い、話題を変えた。
「ここは、住処だよ。今日から、シェリーにはここに住んで貰う」
ここに?
「手続きはしてある。住民登録や、学校への編入手続きをした。生活には不便を感じないで良い。ただ、今までの人間関係は断ち切って貰う。いいね」
そう…なるよね…
「君の身体については。僕が全快したら、元に戻す。君の安全は、僕達で保証する。ここでの生活に慣れるまで、僕の妹が君をサポートする」
白髪の少女…高校生くらいかな?が、私の前にやって来た。
「代羽白音と言います。よろしく、お願いします」
「灰原哀です。こちらこそ、お願いします」
彼女と自己紹介をしあった。彼の妹さん?
「じゃ、白音。頼むよ。あと1ヶ月位はダメそうだから」