---シュウ---
翌日、学校へ…
見知ったクラスメイト達が僕を目にするや、寄って来た。
「昨日はどうなったんだ?」
エリカが訊いてきた。
「特にお咎めは無かったよ。だって、僕は何もしていないし」
達也の僕を見る目が、まろやかになっているような。昨日、深雪とあぁいう関係になり、僕に親近感を持ったのかな?って独自解釈をしておく。
放課後…呼び出しアナウンス。
『一科生1年の司波深雪さん、二科生1年の司波達也さん、神代亘さん、生徒会室にお越し下さい』
って…今日は何もしていないけど…達也と生徒会室へと向かうと、生徒会室の前に深雪がいた。
「お兄様、亘さん」
僕達の方へと駆け寄って来た。三人で生徒会室に入室する。中には、アッチの世界では見知った顔ばかりが並んでいた。真由美、摩利、あずさ、服部、十文字など…
「いらっしゃい♪」
真由美が声を掛けてきた。
「あなた達には、生徒会の仕事を手伝って欲しいんだけど、どうかな?」
って…達也と深雪はそうだろうけど、僕はどうなんだ?摩利が暖かい視線を送ってきている。こいつ…推薦したのか?これは誤算だ…帰宅部の夢が…
「ちょっと待って下さい。ウィードはどうかと思います」
ウィードとは二科生を指す差別用語である。
「はんぞー君、差別発言は控えてね。あなたは、生徒会副会長なんですから」
真由美が服部に釘を刺した。
「しかし…」
「実力は一科生並かな?達也君、亘君」
「ならば、俺がこいつらの実力を試します。いいですかね、会長」
「そうね。それで納得してくれるなら。許可します」
って、模擬戦を行うことになった僕と達也。深雪が心配そうに僕達を見ている。まずは服部と達也。実力は達也の方が遥に上なので、当然のように達也が勝利。その場で意識を失っている服部。
「次は僕ですね。では十文字克人先輩、お願いします」
こちらから、相手を指名した。
「うん?何故俺の名前を知っているんだ?」
怪訝な顔をして僕を睨む十文字。
「有名人じゃないですか♪」
背中合わせに立ち、同時に五歩歩いたら、戦闘開始だ。で、5歩目…振り返らずに指を鳴らして『ウルティマウエポン』の瀕死版を発動。十文字が倒れる音がして、美味しそうな焼き肉の香りがしている♪
「十文字君…ねぇ、大丈夫?」
真由美が十文字に縋っている。僕は近づき、回復術を施した。怪我がみるみると完治していく。
「まぁ2,3日程度の怪我までには治しておきましたよ」
痛みをわざと残し、僕に恐怖をいだいてもらう作戦だ。あれ?司波兄妹を含めて、僕を畏怖するような目付きである。何かやらかしたかな?まぁ、いいか。
「では、帰ります」
僕はその場から転移した。
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その夜、家の玄関で呼び鈴が鳴った。はぁ?誰だ?ヤスミンが来客を確認しに行った。
「七草真由美さんと渡辺摩利さんがいらしていますが…」
真由美が?はて?ヤスミンに家に入れるように指示をした。玄関先でヤリ合うと、隣に迷惑をかけてしまうし。
「どうしました、生徒会長さん、風紀委員長さん」
二人をソファに座らせた。リアスが、彼女達の前に、お茶とケーキを置いて行く。
「メイドさんが二人もいるの?」
経済力のチェックかな?
「そうです」
「一人暮らしなの?」
家族チェックかな?
「妹とメイド二人の四名で暮らしています。それが、何か校則に抵触しますか?」
「いえ、そんなことは無いわ。ねぇ、教えてください。十文字君に何をしたの?」
真由美が本題を出して来た。
「何をした?見た通りです。倒して、回復させただけです」
「それはわかる。だから、どうやって倒したの?あなたは十文字君の方へ振り返らずに、何をしたの?」
どう答えようかな?
「実演しましょうか?」
僕が指を鳴らすと、真由美と摩利へ『催淫』が発動された。
「え…あっ…」
まぁ、お試しってことで5分モードだ。
「いやっ…あっ…」
5分後、下半身が体液塗れの真由美と摩利が倒れている。
「どうでしたか?実演しましたけど」
真由美の顔を鷲掴みにして起こして、耳元で囁いた。
「お願い…熱い…楽にして…」
涙目の真由美にお強請りをされた。真由美と摩利と1ラウンドずつこなし、性欲を抜いてあげた。満足げな表情の二人。コイツら、何をしに来たんだっけ?
全裸にして、シャワーできれいにして、新しい下着を履かせて、僕の部屋のベッドに放置しておく。
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翌朝、深雪と達也が朝練に向かったようだ。なので、白音と共に、彼らに気づかれないようにお供をする。二人は九重寺(きゅうちょうじ)というお寺の敷地に入っていく。僕達も気配を消して付いていく。
寺の住職と弟子達が鍛錬をしていた。そこに達也と深雪が参加している。この世界の住職の実力は如何ほどだろうか?
鍛錬をしている全員に対し、『百鬼夜行』を発動してみた。突然現れた鬼達と魑魅魍魎達に、驚きながらも戦う達也、深雪、住職。
「くそっ!術者はどこだ?」
僕達を探しているようだ。空気と同化しているので、見付からないはず。達也を除いて…アイツは微少の波動すら感じられるから、反応するだろうな。
「うん?亘か?」
あれ?正体までバレちゃったし。術を解いて、姿を現す深雪に抱きついている僕達。
「亘さん…この女性は?」
深雪に訊かれた。
「僕の妹の白音だ。仲良くしてあげてね、深雪♪」
僕と白音で、深雪の頬に自分達の頬を擦り合わせる。うっとりする深雪。僕の『安堵』と白音の『浄化』で、心が軽くなっているのだろう。
「いつから、いたのだ!」
住職の九重 八雲が訊いてきた。
「初めからいたよ。だって、深雪達に着いてきたんだよ♪」
「おい、お前は何者だ?」
「陰陽師、神代亘♪で、こっちは妹の白音だよ」
血の気が失せていく八雲。神代家の怖さを知っているようだ。
「神代家の…あの術は、まさか…」
「あぁ、あれは『百鬼夜行』だよ。100匹の鬼と魑魅魍魎を、相手に向ける妖術系だ」
「そうだったのか…何をしに来たのだ?」
「深雪と朝のデートしたくて♪妹は、僕が朝から無茶しないように、監視役だよ」
深雪の顔が更に赤くなっていく。
「神代家か…お手合わせ願えるかな?」
八雲が攻撃を仕掛けてきた。白音が対応をして、防いでいく。で、手首を極めて、八雲を地面に寝かせた。
「弱い…そんなのでお兄様に勝てる訳ないでしょ?」
「こんなかわいい女性に負けるなんて…」
泣いて悔しがる八雲。
「まぁ、忍術は僕達もマスターしているから。あぁ、幻術も効かないよ。そうだな、ケーキ食い放題とか、和菓子食い放題は効くから、それを今度してね♪」
と、タカっておく。
四人で帰路に着く。
「亘さんの家ってどこですか?」
「深雪の家の隣だよ♪」
「はぁい?」
「あれ?気づいていないの?表札出してあるけど」
顔を真っ赤にして俯く深雪。気づいていなかったようだ。達也も…無表情ではあるが、驚いているオーラを感じるし。玄関前で別れて、それぞれの家に戻った。
家の中に入ると、下着姿の真由美と摩利が、朝飯を食べていた。こいつらを朝飯代わりに喰うかな?
「亘くん…昨晩…あの…ご迷惑を…」
真っ赤な顔をした真由美が俯きながら、ゴニョゴニョ言っている。
「迷惑で無い。まぁ、どうやって倒したかを実演しただけだ。気にしていない」
「でも…あんなことを…きゃっ!」
何かを想像したのか、真っ赤になって俯いてしまった。
「摩利はどうなの?」
「え?いや…満足です…はい…」
こっちも真っ赤な顔で俯いている。まぁ、いいっか。
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学校へは5人で登校である。
「まさか、隣の家が達也君達とは…」
真由美と摩利が驚いている。
「それよりも、真由美さんと摩利さんが泊まっていたとは…」
深雪が何かを想像して、真っ赤な顔で俯いている。
「深雪、大丈夫か?」
彼女の肩を抱きしめて、『安堵』感を与えていく。
「あ、はい♪大丈夫です」
「亘君と深雪さんが付き合っていることにも驚きだけど…」
僕以外、驚きの連続なんだろう。無表情の達也にも…
「で、生徒会ではなんだって?」
教室に入るなり、エリカに訊かれた。
「あ!どうなんだ?何も言われていないけど…達也達はどうなった?」
「亘を放課後連れて来いって言われている。つまり、そういうことだろ?」
僕も生徒会の仕事をかぁ…
で、授業には、色々な学科がある。苦手なのは、現代魔法史かな。まるで判らない。僕の知らない歴史である。暗記すら出来ていない。得意なのは、剣術かな。鍛えているから。
今日の相手はエリカだ。
「亘、私に勝てたら、良いことをしてあげるよ♪」
しなくてもいい。でも負けたくは無い。エリカは木刀を手にして構えた。僕も愛用の木刀を2振り手にして構えた。
「えっ?2刀流?まさかなぁ」
そう、まさかだよ。4刀流だし。エリカの木刀を2振りの木刀で防ぎつつ、こっそりと鞘にいれて腰に付けている2振りで、居合い斬り攻撃を仕掛けていく。
「うそっ…2刀流じゃない…3?いや4…」
あ、気づかれたでは、飛ばすか。距離を取りつつ、飛ぶ斬撃を放っていく。
「えっ…木刀で…なんで?」
飛ぶ斬撃で、エリカの道着だけを斬り裂いて行く。そのことには気づいていないエリカ。
「おい、エリカ…」
レオが気づいた。美月も…
「おい、やりすぎだぞ!」
達也が乱入してきた。木刀をすべて空間にしまい込み、拳に切り替えた僕。達也の道着を飛ぶ打撃でダメージを入れていく。道着だけダメージを入れるのは難しい。大抵は着ている者にもダメージを入れちゃうからな。僕の意図に気づいた達也の瞳に、恐怖の色が浮かんでいる。感情の無いポーカーフェイスでも、瞳に纏うオーラの色までは、コントロールできない。
劣勢になってきた達也とエリカ、そこに幹比古が乱入。これって剣術じゃないだろ?いいのか?微精霊と式神を操り、僕を翻弄しようとする。そんなの僕の魂に宿る者達が許さない。幹比古の能力を無効化にして、幹比古には真空切りを放っていく。
「おい、お前ら何をしているんだ?」
レオが乱入してきた。こいつは肉体系だっけ?ノーマル攻撃では、さすがに4人相手はキツい。どうするかな?剣術だよな。エリカとレオがCADを使い始めた。じゃ、僕も♪
『我が剣よ ここへ!』
空間から愛剣を取り出した。膨大な聖なるオーラが、道場を振動させていく。
「え…ちょっと…それはマズいでしょ?」
剣のオーラを受け、冷静になったエリカが声を上げた。
「殺す気…」
「はぁ?CADを使うからだろ?エリカ、レオ!それなら、愛剣で対抗するのが筋だ」
殺す気は無い。そもそも祝福の聖剣では、ゾンビ系しか屠れないし…
「あ…ごめんなさい」
エリカが突然土下座をしてきた。聖剣にビビリすぎだろ?この騒動は生徒会の耳に入り、僕、エリカ、レオ、幹比古、達也が呼び出しを喰らった。
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「事情はわかったわ。そうね、CADを先に使った、千葉さん達に非はあるわね」
冷静に裁定を下す真由美。
「でも、真剣を出すっていうのは、いかがなものかな?」
問題はそこなのか?
「でも、僕はCADを持っていないし…」
「えっ?」
驚いた表情で僕を見るみんな。どうした?何かやらかしたかな?
「持っていない?どういうこと?」
「う~ん…現代魔法師じゃないから…ははは」
笑ってごまかす僕。
「まさか、ネイティブの魔法使い?」
「そっちに近いかな?」
やらかしたかな?この世界では、魔法使いはほぼいないし…だから、科学技術の粋を集めて、現代魔法師という者を作り出した。
「陰陽師が現代魔法師な訳が無いでしょ?」
幹比古と美月と達也は頷いた。
「ねぇ、亘君…真剣は何振り持っているの?」
「没収?」
「しないから、教えてくれるかな?」
「聖剣が3,妖刀が2、魔剣が1、魔皇剣が1、ソードが1です。8振りかな?」
指を折りながら数えた僕。
「一人で8振りも?」
「相手によって使い分けるからね。どんな相手にも立ち向かう。それが、陰陽師です」
すべて陰陽師で済ませようとする僕。
「再度訊きます。十文字君を倒した術は何の術だったの?」
それは、これと関係無いじゃん…
「おい、亘…お前、十文字先輩を倒したのか?」
真由美の言葉に、驚いているレオ、エリカ、美月、幹比古。
「まぁ、倒したかな…ははは」
「どんだけ強いだ、お前ってやつは…」
レオが誉めてくれている。照れるなぁ。
「ねぇ、亘君。これ、大事なことなの。だから、教えて!」
真由美が必死に食い下がる。なんで大事なんだ?
「どうして大事なんだ?」
「十文字君は『鉄壁』という二つ名を持っているほど、防御に自信が漲っていたの。それを、一撃で粉砕って…彼の今後の為に教えて」
「一撃って…」
エリカが物凄く驚いている。あ、一応、数字付きだから、十文字の事を知っていたのかな?
「真由美、そういうことなら、教えましょう。あれは、相手の防御力を無視して撃ち込む魔法です。だから、防御すること自体が無意味だよ」
「え?なんで名前呼び?」
あずさが、余計な箇所に喰い付いた。あぁ、やらかしてしまった…蟻地獄の巣穴に落ちた感じだ。
「えっ?あーちゃん…いいの、彼だけは♪」
真由美が余計な事を言う。それでは言い間違えたと言い訳が出来無いじゃないかぁぁぁ~
「えぇぇぇぇぇ~、いつの間にそういう関係なんですかぁぁぁぁぁ~!」
あずさ、驚き過ぎだよ~
一応、無罪放免で帰宅できたけど、やらかしてしまった…嫌悪感満載だよ。