※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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迫りつつある危機X

---シュウ---

 

やらかし過ぎたことを反省中。こういう時は寝るのが一番♪

 

しかし、僕の安眠は長く続かなかった。ヤスミンに起こされた。

 

「お客さんですよ。真由美さんと十文字さんです」

 

何?その組み合わせは?ヤスミンに、中に入れてもらう。

 

「まだ、何か?」

 

リビングのソファに座る二人。しかし、十文字は威圧感あるなぁ。息苦しいし、暑苦しい。

 

「あの後、調べたんだけど、亘君の言った術は、魔法大全に出ていなかったの。どういうこと?」

 

現存するあらゆる系統の魔法、魔術が載っている魔法大全を調べたんですか?暇だな…

 

「あれには出ていない系統です」

 

「出ていないって?」

 

真由美がぐいぐいと土足で踏み込んできている。う~ん、でも十文字がいるから、無理は出来無い。

 

「出ていません」

 

「出ていない系統とは何だ?」

 

十文字まで踏み込んできたよ~

 

「禁断の魔術系です。あれには載っていないませんから」

 

「「禁術系?」」

 

二人が同時に驚きの声をあげた。

 

「そうです。神代家に伝わる術です。ですから、本家の正統な後継者にしか口伝しか伝えていない物です」

 

と、嘘半分の情報を引き渡した。

 

「神代家…お前は、後継者なのか?」

 

「それについてはノーコメントです。一応、死んだことになっていますから」

 

「そうだったわね…どうして、死んだことになったのか?」

 

ここで言うのはちょっと…ほとんど、僕の正体がバレる内容かと思う。

 

「さぁ」

 

お茶を濁す僕。

 

「亘さん…お客様です」

 

ヤスミンがやって来た。で?誰が来たの?

 

「誰?」

 

「隣の司波兄妹です。いかがされますか?」

 

「入れて。後で、また訊かれるのも面倒だし」

 

「はい…」

 

そして、達也と深雪がやって来た。

 

「聞き耳を立てていた訳では無いのですが…」

 

聞こえたのね…まぁ、聞こえるようにしたけど。

 

「亘さん、なんで死んだことになったのですか?」

 

えぇぇぇ~深雪が訊くの?達也が訊けよな?心配そうに僕を見つめる深雪。

 

「う~ん…達也、どの位知っているんだ?」

 

「少しだけです。死んだとされる討伐についてだけです」

 

「人札って知っているか?」

 

4人共知らないようだ。

 

「答えてはそこに有る。以上。後は勝手に調べてくれ。さぁ、帰れ!」

 

全員を達也の家に強制転移させた。

 

「疲れた…リアス…」

 

「はい♪」

 

今夜はリアスと添い寝決定。

 

 

 

---真由美---

 

翌日、十文字君、摩利、深雪さん、達也君と共に、彼の言った『人札』について調べた。中々扱っている書物は無かった。しかし、やっと見つけた。

 

『陰陽師に伝わる秘術…自らの身体を札にして、魔物を封じ込める術。使えば、人間では無くなるので、禁断の魔術系に含まれる』

 

と、あった。彼は人間では無くなり、死んだことにされたのかもしれない。

 

「ひどい…魔物を倒したのに、人間で無くなるなんて」

 

深雪さんは顔を伏せて泣いてしまった。彼には彼なりの重責を担っていたのかもしれない。ふと、達也君を見ると、違うページを見ていた。

 

「何を見ているの、達也君」

 

「昔話ですよ。人札にまつわる」

 

そこには、人札になった為に、愛する者を愛せなくなった者の悲劇が書かれていた。亘君も色々と失ったのだろうか?人では無くなり…

 

「でも、なんでアイツは学校に通えるのだ?死んだはずなら、戸籍が無いはずでは?」

 

十文字君が疑問を口にした。生徒会室にある端末から、彼の情報を見てみると、戸籍は神代家に残っていた。死んだことにしていない。世間体だけの問題なのか?

 

「七草、渡辺、アイツと一緒になろうと思うなよ。世間体では死んだ事になっているのだ。表舞台に上げない方がいい」

 

十文字君は彼を庇うようなことを言い始めた。

 

「俺も同意見です。でも…」

 

深雪さんを暖かい目で見る達也君。深雪さんならいいの?

 

「お兄様…私は…支えてあげたいです」

 

目を腫らした深雪さんが顔を上げて、そう達也君に伝えた。そうだよ、支えてあげたい。

 

「七草…お前は惚れ症だからな…」

 

十文字君が苦笑いしていた。

 

 

 

---シュウ---

 

土日を挟んで、久しぶりの学校。教室に入るとエリカが寄って来た。

 

「約束だ。良い事をしてあげるよ…」

 

顔を真っ赤にして言うエリカ。

 

「勝って当然のことだ。あの位で褒美は要らない」

 

「なんだよ~私じゃ不満なのか?」

 

不満?何をする気だ?

 

「何をする気だ?」

 

「えっ?ここで言うのは…二人っきりになったら…」

 

嫌な予感しかしない。スルーだな。

 

今日の授業は、CADのメンテナンス方法…持っていないんですが…いや、持っているか…あれは地雷を踏みまくる危険性が大なのだが…

 

「なんだ?これ?」

 

レオが興味を示した僕のCAD。メーカー名は消してある。この世界には存在しないメーカなので…

 

「これ?背負うんだよ。う~ん、この中だと幹比古が使えるかな?」

 

「えっ?僕?なんで?」

 

「気の流れを利用しているから、これを背負って、背中に気を集めてみな」

 

幹比古は僕のCADを背負い、言われた通りに気を集めて、送り込む。すると、幹比古の身体は浮遊し始めた。

 

「えっ?飛行ユニット?」

 

「まぁ、そんな感じだ。普通のCADと違い、魔力で術を発動させるのでは無く、術で魔力をブーストアップして、飛行するんだ」

 

窓から外へ飛びだし、飛行する幹比古。

 

「幹比古、魔力を同じ様に背中に流せ。コンバーターを入れてあるから」

 

指でOKマークを作り、空中散歩をする幹比古。

 

で、放課後、また生徒会室に呼ばれて、尋問を受ける幹比古と僕。

 

「で、このCADでは誰の作品?」

 

「僕の設計ですが…何か?」

 

「どういう原理?」

 

「簡単に言うと、力をプロペラを回す事に使って、飛ぶだけです」

 

「ねぇ、これって、大発明なのよ!わかっている?」

 

まぁ、この時間軸では飛行ユニットは、まだ発明されていないよね。また、やらかしてしまった。項垂れる僕。そんな僕を背中から優しく抱き締めてくれる深雪。

 

「発表する気は無いです。個人使用です。ただ、CADを何かしら持って来いって…これしか持っていないから…」

 

「ねぇ、これって量産化しない?」

 

「しません。無理強いするなら。学校を辞めます」

 

CADを返して貰い、真由美を睨む。怯む真由美。

 

「七草、彼はこう言っているんだ。スルーしてやれ」

 

十文字が庇ってくれた。

 

「ですが…世の為になると思うんです」

 

「僕は、護りたい者だけが護れればいいんです。世の為とかそんなお題目は要りません」

 

「深雪、亘と、今日は帰れ」

 

「えっ?お兄様…」

 

「俺も護りたい者だけを護れればいい。だから、一緒に帰ってあげろ」

 

僕と深雪の盾になる達也。こいつら、週末に何を知ったのだ?それはそれで恐いのだが。

 

 

 

---真由美---

 

「達也君、どうして、邪魔をするの?」

 

「彼が言っていたでしょ?護りたい者だけを護れればいいと。俺も同感です。先輩、彼の覚悟を知っているでしょ?命を賭けて護ろうしていた、彼の過去を」

 

うん…そうだけど…

 

「でも…あれは大発明よ!」

 

「先輩、わかっていませんね。アレは軍事利用されますよ。爆撃機のように飛来する魔法師を撃ち落とせますか?」

 

「あっ…」

 

「幹比古のような古式魔法師でなら、誰でも使えてしまいます。原理が判れば、高性能な物を作れてしまいます。それをされると、護りたい者が護れなくなるんじゃないんですか」

 

そうだ…彼は、この世界を救った隠れた英雄だ。死んだことになることも厭わずに、アレを行使した。そんな彼はそういう事態を望んではいないだろう。

 

「非人道兵器は作らない方が良いんです。発表するなら、通常の者の使用時には、飛行時間とかが制限される物の方が良いと思いますよ。あれはエネルギー効率が良すぎる」

 

達也君は、アレの問題点に気づいたようだった。そして、量産化を望まない彼もまた。

 

 

 

---シュウ---

 

校門を出るとエリカと美月が待っていた。

 

「えっ?デート?」

 

エリカがいきなり妙な事を言う。それならば嬉しいけど。

 

「うん♪」

 

真っ赤な顔で俯いている深雪が肯定した。え?そうなの?それはそれで嬉しいが…

 

「良し♪私と美月も参加しま~す」

 

空気読めないエリカ…そうなるよな。

 

4人で、喫茶店に入り、ケーキセットを満喫する。

 

「なぁ、亘。深雪だけで無く、私と美月ともつきあってよ~」

 

何を言っているのだ?エリカはレオ、美月は幹比古がお似合いなはずだぞ。

 

「すまん。深雪だけ充分だ」

 

「え?何でよ~。そんなに私って魅力無いのか?」

 

「魅力の問題じゃない」

 

「おぉ、それは魅力はあるってことだよな♪」

 

その前向き過ぎる性格が苦手なんだけど…うん?何かが来る?突然、喫茶店の窓を突き破り、何かが侵入してきた。見た目はケルベロスだけど…何かのキメラか?

 

バトンソードを手にして、ホーリーソードにして、応戦。

 

「エリカ!深雪と美月を護れ!」

 

「あいよ~!」

 

二人を庇いつつ、外へ出ると、人型の…ミノタウロスもどきが大量に襲い掛かってきた。これって、深雪狙いか?あぁ~面倒だ!『地獄の業火』を発動して、焼き払う。

 

「凄い…」

 

深雪の呟いた声が聞こえた。でも、なりふりを構ってはいられない。護る為に戦う。それが僕の存在理由のはずだ。空からも襲い掛かってくる。『天の裁き』を発動して、空中ユニットを雷撃で狙撃して、撃ち落とす。

 

「貴様、何者だ?」

 

術者らしき者が現れた。質問はスルーして、『ダイヤモンドダスト』で、粉砕した。

 

「大丈夫か?エリカ、深雪、美月!」

 

「エリカさんが…」

 

エリカの肩に噛み痕が…噛まれたのか?浄化術で毒類を昇華して、傷口を治癒術で塞いでいく。そして、回復術で失った気力などを補填してあげた。

 

「凄い…亘さん♪」

 

僕に抱き着いてきた深雪。エリカは膝枕に頭を載せて、休ませる。

 

「エリカ、大丈夫か?」

 

「あぁ、手間かけさせた。すまない…」

 

「大丈夫か?」

 

達也と十文字が駆けつけてきた。

 

「エリカがやられただけだ。いや、喫茶店も…」

 

喫茶店がボロボロだ。後で直しに来ようかな。今はみんなの目があるから、創造能力は使えないし。

 

 

 

---達也---

 

「特尉、何か変わったことは無いか?」

 

風間隊長からの定期連絡だ。俺は、隣人について報告をした。

 

「何?神代家の次期当主相当が越してきたのか。で、今日、襲われていたのか。どこにだ?」

 

「敵の正体は掴めませんでした。敵の狙いもわかりません」

 

「う~ん、神代家かぁ…敵にすると厄介だな」

 

「彼とは敵対したくないです。妹のお気に入りの彼氏ですし」

 

「そうなのか…味方と思っていいのか?」

 

「まだ、謎めいた部分も有り、完全に信用していいのか、わかりませんけど」

 

「わかった。こちらでも調べてみる」

 

定期連絡が終わると、深雪が入室してきた。

 

「お兄様…彼は敵では無いです。必死に私達を護り、エリカさんを助けてくれました」

 

こんなに、俺以外の為に必死になる深雪は珍しい。

 

「でも、信じ切るほどの情報は無い。これも事実だ」

 

「そうですが…」

 

哀しそうな表情の深雪。優しく抱き締める。

 

「お兄様…」

 

 

 

---シュウ---

 

キャッスルドランに転移して、今日の相手の分析をする。

 

「あれ、あの魔石じゃないのか?」

 

あの魔石とは、賢者の石もどきである。

 

「可能性は否定出来無いな。確かに石らしき物が爆ぜた後、灰化していったからな」

 

と、この城の指揮を任せているフィンが言う。

 

「そうなると敵は大亜連合か?ソーサリアンブースターって、ノーヘッドドラゴンじゃないのか?」

 

資料に目を通す。あっちの世界と状況が違うのか?

 

「その二つの組織を監視対象にしよう。敵がわからないと、行動が起こせない」

 

「わかった」

 

作戦室から、リビングに行くと深雪がいた。

 

「この世界の私はいかがですか?」

 

「勿論、君の方が好きだよ。唇と…が同じでね」

 

言いにくい部分は耳元で囁いた。真っ赤になって俯く深雪。そんな彼女の顎をクイっと上げて唇を合わせた。

 

「この世界の私はダメですか?」

 

「ダメでは無いけど…アレコレしていないからなぁ」

 

「そっか…今夜はどうします?」

 

僕は深雪と共に、調教ルームへと入っていった。

 

 

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