※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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残酷な真実x

---シュウ---

 

翌日、教室に向かうと、僕の顔を見るなり、抱きついて来たエリカ。

 

「ありがとう…凄く心配してくれてぇぇぇぇ~」

 

「してないよ」

 

「そんな、テレないでも…私と亘の間柄でしょ?」

 

「単なるクラスメイトだよ」

 

「膝枕してくれたでしょ~」

 

「あぁ、あの場に枕が無かったから、使える物を使っただけだ。気にするな」

 

「気にするって」

 

う~ん、寧ろ気にしたいのは、エリカの涙と鼻水で、汚れた制服なのだけど…

 

「まぁ、お前の実力はわかった。お前にまかせた僕の戦略ミスだ。今後、レオと行動でもしていろ。護ってくれるはずだ」

 

「おい…俺を巻き込むなよ」

 

レオが抗議するがスルーしておく。

 

 

放課後、達也と共に生徒会室に…

 

「やっと、業務内容が話せるわ♪」

 

って、嬉しそうな真由美。頬を赤らめた摩利、不思議そうな目付きで見るあずさ。三人三様な反応だ。

 

「達也君、亘君には風紀委員の仕事を頼みたいの。この季節、クラブの新入部員勧誘でトラブルが多いから、見回りをお願いしたいの。深雪さんには生徒会の仕事を手伝ってもらうわ」

 

見回りか…達也とか…摩利の下か…僕達は、風紀委員の部屋に連れて行かれた。

 

「風紀委員には、生徒会からCADを貸与できるけど」

 

達也はCADの並ぶ棚を物色して、2つほど借りていた。で、見回り…地味な仕事だ。仕事としては、トラブルを見つけたら摩利に報告して対処、応援要請を受けたら現場に急行して対処である。摩利への連絡用の無線機を渡された。

 

構内を練り歩く。で、トラブルを発見。摩利に連絡すると殺さないように言われた。そんなことした学校にいられなくなるだろうに、まったく…

 

女の子二人が頑強な男子に囲まれて、入部届けにサインを求められている。

 

「風紀委員です。強引な勧誘は禁止されていますよ」

 

僕の方を見るなり、

 

「はぁ?ウィードが風紀委員になれるわけ無いだろ?」

 

って、僕に襲い掛かってきた。面倒なので、『スリープ』を発動して眠らせた。CADで僕を狙っている奴らがまだいる。『リバース』を発動して、CADに内臓している術式のベクトルを逆方向に書き換えた。自分で自分の術で倒れる者多数。僕は女の子達の手を引いて安全な場所まで誘導した。

 

「あ、これに学年とクラスと名前と被害状況を書いて貰えるかな?」

 

彼女達に被害届けの紙とペンを渡した。それに記入してくれる彼女達。光井 ほのかと北山 雫で、クラスは深雪と同じだった。

 

「深雪のクラスメイト?」

 

二人に訊いてみた。

 

「え?深雪さんを知っているんですか?」

 

ほのかに訊かれた。

 

「深雪の兄貴の達也とクラスメイトなんだよ」

 

「なぁ、名前は?」

 

雫に訊かれた。

 

「神代亘だ」

 

「神代…あの?」

 

ほのかは知っているようだ。

 

「どのかは知らないけど、まぁ、そんな感じだ。じゃ、仕事があるから、またな♪」

 

二人と別れて、見回りを再開。で、すぐに知り合いが巻き込まれていた。もみくしゃにされ、衣服はズタズタだし。

 

「美月大丈夫か?」

 

「あっ、亘さん…」

 

「おい、亘!私の心配は?」

 

エリカが手足を抑え込まれ、あたふたしている。スルーだな。どうするかな?『男根喪失』1時間モードという悪戯をしてみる。二人をどうにかしようとしていた全員が、股間の違和感を感じ、下腹部を触っている。この隙に、二人を救出。で、安全な場所に連れ込む。

 

で、被害届けの紙を書かせた。

 

「うぅっ…服が…」

 

美月が蹲り泣いている。彼女達に手を翳し、服を再生させた。布地はシルク地にして…

 

「えっ?あれ?シルク地になっている…亘君…ありがとう」

 

「おぉ~シルクってこんな着心地なのか、亘、サンキュー」

 

二人に抱きつかれた。

 

「まぁ、再生するなら、良い布地の方がいいだろ?手間は同じで済むし」

 

「いったい、お前はいくつの魔法を使えるんだ?」

 

エリカに訊かれた。

 

「現存するほぼ総ての魔法、魔術は使える。魔力の上限問題で、まだ使えないのもあるけどな。あぁ、仕事に戻るわ」

 

二人の元を去り、見回り続行。で、時間になり摩利の元に戻った。摩利の前に被害届けの紙の束を置く。

 

「こんなに対処したの?」

 

「まぁ、目についた案件は、総て取り締まりました」

 

達也は剣道部絡みの案件の援軍に行ったそうだ。そっちの方が良かったなぁ。

 

「で、対処方法は?」

 

「え?」

 

あっ…被害届けの紙には、担当した委員名と対処方法を書く欄があった。気づかなかった。

 

「今回は何をやらかしたの?ふふふ」

 

楽しそうに、僕の答えを待つ摩利。

 

「う~ん…眠らせたり、CADをリバースさせたり、男根を喪失したと思わせたり…」

 

楽しそうに頷く摩利、苦笑いしている達也。

 

「CADのリバースだと?このウィードの嘘に騙されてはいけませんよ」

 

って、誰だっけ?モブ君かな?

 

「森崎君、彼なら可能なのよ」

 

「なら、実演しやがれ!」

 

森崎はCADを構え僕に放とうとした。では『リバース』を発動。自分のCADからの攻撃で、その場に倒れる森崎。

 

「えっ?ノーアクション?」

 

楽しそうだった表情が、一変して恐怖を感じた表情になった摩利。達也は目を大きく見開き、僕を見ていた。

 

「あぁ、ものぐさなだけです。アクションするだけ、無駄だし。じゃ、帰りマス。お先に~♪」

 

達也と摩利を残して、校門へと向かう。

 

「亘さぁ~ん♪待ってくださぁ~い」

 

って、深雪が追いかけてきた。

 

「一緒に帰っても良いですか?」

 

その時の深雪の笑顔に堕ちた僕は頷いた。彼女の肩を抱き、自分の方へと引き寄せ、校門へ向かう。

 

「えっ?深雪さんと…そういう関係なんですか?」

 

あれは、ほのかだっけ?

 

「ほのかさん…」

 

ほのかと雫の登場で、顔を真っ赤にして、僕から少し離れる深雪。

 

「あ?お前、学校に通うたびに取り巻きが増えていないか?」

 

って、エリカと美月が寄って来た。待ち伏せか?

 

「エリカさん…制服の布地が…」

 

深雪がすぐに気づいた。

 

「いいでしょ~♪亘が再生してくれたんだよ~」

 

自慢げに言うエリカ。悔しそうに僕を見る深雪。

 

「あぁ、新入部員勧誘トラブルで、衣服をはぎ取れていたから…裸で返す訳に行かないだろ?」

 

「えっ?そこまでひどい状況で無かったですよ~」

 

美月が指摘してきた。

 

「じゃ、深雪にも」

 

その場で、深雪の制服と下着を最高級シルク仕立てに置き換えた。

 

「一瞬で…」

 

雫達が驚いている。

 

「ありがとうございます。亘さん」

 

僕の頬にキスをした深雪。それを目撃した4名の女子達が真っ赤な顔になった。

 

「大胆な…」

 

クラスメイトの大胆な行動に驚きを隠せない雫。

 

「さて、帰るか」

 

深雪と並んで帰り始めると、ゾロゾロと付いてきた。

 

「はぁい?」

 

振り向いて、美月に声を掛けた。

 

「いやっ…あのですね…今日もケーキ行きませんか。美味しいお店を調べてきました♪」

 

って…6名でケーキ三昧をして帰宅した。

 

-------

 

その日の夜、珍客がやってきた。この世界では初対面だけど、見て直ぐにわかった。この世界の姉ちゃんだ。

 

「亘…生きているなら、連絡をくれれば良いのに」

 

突然僕に抱きついて、泣き始めた姉ちゃん。この世界の姉ちゃんは、玩具にすると壊れそうな雰囲気である。

 

「僕は死んだ事になっている。連絡なんか取れないだろ?」

 

「でも、当主…お父さんには連絡をしたでしょ?」

 

まぁ、協力要請だけどな…

 

「なぁ、鍛錬を辞めて、引きこもっているって聞いたけど、どうして?」

 

この世界の姉ちゃんは、この世界の僕よりも遥に上のレベルだったらしい。討伐隊に入らなかった理由は、僕の姉ちゃんと同じく、野ぐそをするのがイヤだという理由だそうだ。まぁ、女性ならそうだよな。その理由で、どうのこうの言うことは無いが…

 

「なんで、鍛錬を続けていない。なんで、僕を見て何も思わない」

 

当主は僕を見るなり人札だと見破り、並行世界から来た亘だと認識できていた。なのに、目の前の姉ちゃんは…

 

「思わない?こんなに感情が爆発しているのが、亘にはわからないの?」

 

いや、それはわかる。う~ん…苦手なタイプだ。スマホで、神代家へ連絡をすると、姉ちゃんのお付きの者達が、すぐに訪れて姉ちゃんを引き取ってくれた。

 

「若、ご迷惑をおかえしました」

 

総代の者が声を掛けてきた。

 

「僕を見て、当主と同じことが言えるようになるまで、ここには連れて来ないでください。あの状態では護れない」

 

「はぁっ!当主にお伝えします」

 

と、帰って行ってくれた。

 

 

 

---達也----

 

「特尉、あれからどうなった?」

 

亘のことだな。

 

「彼の術の発動は、俺でも止められないです。彼はノーアクションで多彩な術を使えるようです」

 

「そうか…あぁ、こちらでも調べた。彼は最強な陰陽師らしい」

 

そこで、通信が突然途絶えた。

 

「こそこそと、僕を嗅ぎ廻るのは辞めてくれないかな?お義兄さん」

 

いつの間にか、俺の真後ろにいる亘。気配が薄い。ここで撃たれたら、たぶん…

 

「深雪の兄を殺すわけ無いだろ?」

 

そうだと思うが…

 

「僕を信用しきれていないのか?」

 

次の瞬間、知らない湖の畔にいた。ここはどこだ?何の術だ?まるで術の発動がわからない。一つ確かな事は、俺を殺せるのはこいつだけだと確信は持ててはいる。

 

「ここはエデンの園。人間風情が来られる場所では無いので、盗聴、盗撮の危険は無い」

 

目の前に穏やかな表情の亘がいた。エデンの園だって?ここは天界か?

 

「そう、天界だ。ここは僕の好きな場所の1つさぁ。エロいマネすると出禁になるので、注意は必要だけどね」

 

出入り禁止になるほど、来ているのか…

 

「で、何を知れば、信用をして貰えるのかな?」

 

「お前は何者だ?」

 

「う~ん…どこまで言おうかな。引き受けた案件上、あまり明らかにはしたくないから」

 

引き受けた案件だと?

 

「誰からか?この世界を見守る最高神達からの依頼だ」

 

神からの依頼だと?何者なんだ?

 

「う~ん、それは答えられない。君に名乗っても、信じないだろうし、存在を知らないからね」

 

知らない存在?

 

「人間には知って良い限界がある。ソレを超えるには人間を辞めることだ。達也、お前にその覚悟があるか?」

 

あぁ、亘は人間を辞めたんだったな。俺は…深雪を残して辞められない。覚悟は無い。

 

「じゃ、知る権利は狭まる。それでいいな」

 

「あぁ」

 

「これから話すことは、深雪以外他言は無用だ。契約できるか?」

 

約束では無く契約?そのいい回しに違和感を覚えた。

 

「わかった。する。だから、教えてくれ」

 

目の前に羊皮紙が浮かび上がり、添えられたペンでサインをすると、燃えがり消えた。

 

「神との契約だ。無断で破棄すれば、お前には神の呪いが降りかかる。注意しろよ。後、深雪には良く考えて話すか決めろ」

 

温和な表情なのに、言葉に恐怖を感じる。そもそも声が聞こえない。直接、心に語りかけているのか?

 

「そうだよ。じゃ、話せることを話そう」

 

彼の口から信じられない事実が告げられた。深雪は人間では無く完全調整体であること。俺は人造魔法師であること。彼が阻止したいことは、俺と深雪の脳を用いたソーサリアンブースターの開発…

 

「どう?信じられないだろ?だから、話さなかった。深雪と達也は結ばれても問題は無い。四葉家当主は二人が結ばれることを望んでいるかもしれない。それこそ、完全なる魔法師が産まれる可能性があるからね」

 

深雪は単なる妹では無いことはわかっていた。深雪のDNAには、俺には無いDNAが多数混じっていたから。それはDNAを弄った調整体で有る証拠なんだと思う。

 

「どうする?僕は2択しか持ち合わせていない。案件を完了させるか、深雪と達也だけ救済し、この世界を消すかだ。どちらでもいい。達也が決めろ」

 

そんなこと決められない…俺達二人だけが助かれば良いのか?そんな時、先日の亘の言葉がフィードバックしてきた。

 

『護りたい者だけが護れればいいんです。世の為とかそんなお題目は要りません』

 

彼は、俺と深雪だけを護れれば良いんだ。そんな気がした。

 

 

 

 

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