---シュウ---
達也は、案件の完了を選択した。自分達だけ助かれば良いってことでは無いらしい。まぁ、そういう選択をするだろうと思っていたけどな。
次の一手。深雪と達也の人生を弄ぶヤツに制裁かな?僕と達也で、或る場所に転移した。
「ここは…結界が張ってあったはずだが」
「僕は『結界無効』の能力がある。結界を壊さずに、フリーパスできるのさ」
僕達は、四葉家の本邸の玄関前にいた。
玄関を開けて入る。
「鍵が掛かっているはず」
僕の行動に驚く達也。
「僕には『封印無効』の能力がある。鍵なんか無いも同じ」
僕達が侵入したことで、家にいる者達が多数現れた。
「四葉の当主に会いたい。代羽の血族の者が来たと伝えろ」
「代羽の血族?どういう意味だ?」
「達也は知らないでいいことだ。おい、早くしろ。妙なマネをしたら消すからな」
四葉の当主のオーラを探る。アッチの世界のオーラを知っているので、それに似たヤツを探す。
魔法を発動したヤツがいた。だけど、僕達を囲うように張ってある防護結界で弾かれ、家が破壊されていく。
「やめなさい!」
老執事が一喝すると、魔法の発動は無くなった。
「申し訳ありませんでした。達也さんと代羽の当主様が、お知り合いだったとは、少し戸惑っております」
「で、こちらの当主と会いたいのだが」
「御用件はどのような?」
「直接伝える。取り次いで欲しい。シュウ・ヨハネ・鬼門が会いに来たと伝えてくれ」
「鬼門?」
達也は知らないようだ。まぁ、いいや。
「鬼門家…まさか…」
「鬼門家の当主でヨハネの血族だ。取り次げ!異論反論は認めない。もし、敵対行動を取るなら、全軍で攻撃する。そう伝えろ!」
全軍で四葉なんか攻めない。全軍を招集したら、この星は1時間保たないだろうから。
「しょうしょう、お待ちください」
脅しが効いたのか、全身から血の気が引いていく老執事が奥へと下がっていった。
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やっと取り次いで貰い、四葉家の当主である四葉真夜に会えた。
「で、何用か?鬼門家の者よ」
「高飛車なんだな。どこまで保つかな。ふふふ」
「はぁ?鬼の末裔のクセに生意気だわね」
「え?そういう認識なのか?まぁいい。本題だが、お前の抱くドス黒い物を捨て、深雪と達也を自由にしろ。まぁ、達也を当主にして深雪はその嫁でも構わないけどな」
目を見開いて驚く真夜。
「な、何様なの…あなたは…」
少しずつプレッシャーを掛けていたので、動揺している様子の真夜。
「何様?人札だよ」
『人札』という言葉で固まる真夜。あの老執事もだ。
「僕に宿る者達を解き放てば、この屋敷にいる者、総ては喰われるだろうな。どうする?」
「者達?」
「そうだよ。1匹しか封印が出来無いってことは無い。伝説クラスが10体以上、僕の魂と共にいる。どうする?」
「お前は何を知っているのよ」
「真夜が人体実験の被害者で、達也は復讐の為に作り出された人造魔導師で、深雪は達也の暴走を止める為の調整体であることだ」
真夜の顔から血の気が失せていく。もう一段脅しのレベルを上げるかな。僕は僕本来の姿に戻り、むじゃ君を隣に発現させた。
「鬼…末裔でなくて…鬼なの?」
「正確には違う。鬼門家は鬼の一族だが、ヨハネ家は天使の血族だ。なので、産まれた僕は鬼と天使のハーフなんだよ」
天使の翼を展開した。僕の放ったオーラで、達也も腰を抜かしたようだ。老執事は藻掻いている。真夜は僕を直視して固まっている。
「その上、神代家で人札になった。隣にいるのが、お前達人間共が恐れている無邪鬼だよ」
真夜は恐怖のあまり口をパクパクさせている。むじゃ君は、真夜の首元に噛みついた。歯などは無いからハムハム状態だけど、真夜の野望を喰いまくる。徐々に穏やかな表情になっていく真夜。
久しぶりの食事で満足したむじゃ君は僕の中に戻っていく。僕は神代亘の姿に戻った。
「達也、大丈夫か。終わった。これで四葉の次期当主は達也だ」
「俺が…」
「深雪を嫁に迎えろ。案件が終われば、深雪の中にある僕の記憶は総て消す」
「それは、この世界から出て行くってことか?」
「ここは僕の世界では無い。永住は出来無い」
「そうか…」
達也の手を取り、立ち上がらせた。
「これで信じて貰えるかな?」
「あぁ」
力強く達也が頷いた。
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翌日、四葉本邸で、能力を一杯使ったため、学校は欠席。ただひたすら寝る。窓からきれいな夕日が差し込む頃、ヤスミンに起こされた。
「お客様がお見えです。たくさんいますけど…」
たくさん?誰だろうか?まだ、頭がボンヤリしている。通してくれるよう、ヤスミンに頼んだ。そして、たくさんの知り合いが部屋に入って来た。達也、深雪、レオ、エリカ、美月、幹比古、ほのか、雫、真由美、摩利、あずさ。はぁ?
「何しに来たの?」
「学校を休んだから、心配で…」
深雪が代表して答えた。
「慣れない生徒会の仕事をしたから、疲れがたまって…そんな感じだよ。病気とかでは無い」
「え?疲れる程、仕事していたか?」
って、エリカ。お前に言われたくない。
「亘さんの好きなケーキを買って来ました」
って、美月。エライ♪
「で、なんで、あずさがいるんだ?」
「えっ?いや、何となくですよ」
頬を赤らめるあずさ。
「雫は?」
「ほのかのボディーガードだ」
摩利と真由美は…触れるのは止めようっと。
「深雪さんはいいな。隣に住んでいるなんて~」
って、ほのか。添い寝は出来無いので、そんなに良い物では無い。
せっかく来てくれたので、夕食を振る舞い、明日は休まずに学校に行くことで、帰ってもらった。みんなで食べる食事は嫌いでは無い。だけど、今は寝たいんだよ~。
---達也---
風間隊長へ連絡をした。
「少し情報がわかりましたので、お知らせをします」
「何がわかったのだ?それより、昨晩のアレはなんだったんだ?」
通信の中断の件はスルーする。
「俺は、彼を信じます。彼の行動をアシストします」
「どうしたんだ?何か根拠を示してくれ」
「彼の正体をしりました。他言しない契約をしましたので、誰にも言えませんけど」
「契約?約束で無くて、契約なのか?う~ん…」
「彼から俺は恩恵と加護を前払いで貰いました。なので、彼の為に動きます」
「おっ、恩恵と加護だと…それって…まさか…」
「報告を終わります」
通信を切断した。
---藤林響子---
風間隊長から連絡が来た。達也君の隣人の追加情報だ。だけど、これって…
『特尉は彼から恩恵と加護をもらい、正体を明かさない契約をしたそうだ』
って…彼は人間では無い。直感がそう言っている。人間の行為で『加護』ってそうそう無いし、『契約』では無く約束って言うんだと思うから。人間で無くて、恩恵、加護、契約…そこから想像できるのは、神である。まさかなぁ。
「そう、まさかだよ」
え?知らない声で周囲を見ると、闇の中にいた。服を脱がされている。抵抗出来無い。いや、抵抗する気が無い私。なんでだ?
「ふ~ん…最近、遊んでいないんだね♪」
あっ…ダメ…舐めないで…うっ…唇と乳首とデリケートな部位が同時に舐められている。何人の者に食されているんだ?腰が自然に動く。太股が震える。乳房が揉み込まれている。
ふぁ…いい…とってもいい…乾いていた心が満たされていく。揉まれる度に、心のモヤモヤが抜けていく。病みつきだ…もっと、虐めて…
手首を拘束され、激しく突かれている。パンッ!パンッ!と、肉同士が力一杯叩き合う音が聞こえる。音がする度に、身体全体に振動が突き抜けていく。身体の中で何かが蠢いている感じもする。乳房の内部から乳首の裏を舐められている。有り得ない刺激、筋肉が弛緩していく。
意識がはっきりとして来ると、車の運転席にいた。夢か?いや、下腹部に違和感を感じ見てみると、下半身には何も履いておらず、フロアは体液が大量に溜まっている。上半身はジャケット以外何も身に着けていない。その上、携帯していた銃の銃口は、アソコに突っ込まれていた。
悪夢?ふと、助手席を見ると、映像を記録した媒体が置いてあった。それを再生してみると、私が調教されいる物だった。私は進んで虐められている。リクエストをし、口を使って、身体を使って…映像の最後に
『加護と恩恵は与える。他言は無用だ。僕のペットくんへ(はぁ~と♪)』
と表示された。
---シュウ---
夜遊びをしていたので、眠い…でも、学校に行かないと、また大量に押し寄せてくる気がする。なので、頑張って通学をする。
「おはようございます」
ほのかと雫と出逢った。
「眠そうですね」
「うん…まだ眠いよ。雫、掛け布団になって…」
僕の言葉で真っ赤になる雫。
「朝から…何をほ、ほざいているんだ?」
「私は?」
寂しそうな顔のほのか。
「胸枕かな?」
「はい♪」
朝から、なんて会話をしているんだ?エロ心を発散しないと…
授業は寝る。いや、うっすらと聞いている。いわゆる睡眠学習ってヤツだな。で、昼休み。皆で食堂へと移動した。
「亘さん、何がいいですか?」
深雪に訊かれた。
「プリンアラモード」
「はい♪」
買いに行ってくれた深雪。そして、プリンアラモードを食す。徐々に糖分が、眠気を散らしてくれる。
「そんなんで足りるのか?」
って、エリカ。
「まぁ、眠気を飛ばすのが先決だ」
うん?少し離れた場所で、達也が知らない女性と話し込んでいる。あれは、壬生 紗耶香だっけ?まぁ、どうにかなるかな。
放課後、生徒会室へ…真由美から歓迎を受けた。今日は見回りを免除で、ケーキを与えられた。なんか、真由美のペットになった気分だ。
「亘、できる限り学校へは来い。お前が休むと生徒会が機能しなくなる」
と、十文字。真由美と摩利と深雪、後あずさが使い者にならないんだね。
「了解です。ヘロヘロですが、がんばります」
ケーキを頬張っていると、摩利の無線機から応援要請の依頼が聞こえた。摩利と僕と十文字で現場に向かう。
「おい、何をやっているんだ?」
十文字が警告をした。そんな十文字に魔法が発動された。学生レベルではない威力のヤツだ。でも十文字の防御は、そんな攻撃には屈しない。
僕は妖刀村雨を手にして、十文字の前に移動し、敵と思われる奴らに飛ぶ斬撃を放ち、意識を刈り取っていく。
そんな僕に大きな男が特攻を仕掛けて来た。刀をしまい、ナックルを装着し、拳を叩き込む。インパクト時に聖なる槍を、男の身体に突き刺した。灰化して消える男。
「今のは何だ?」
「あれ?リビングデッドですね。聖属性攻撃で灰化したから」
「そ、そうなの…そ、それもだけど…今の攻撃って何?」
摩利がどもる。人間らしき者が目の前で灰化したからな。驚いているのだろう。
「今、拳から槍が飛び出した様に見えたが」
十文字にも訊かれた。
「ナックルに聖なるオーラを集めて、発動する『ホーリーランス』って技だよ」
「術では無く技なのか?」
十文字が驚いている。
「そうだよ。聖戦士学校で習える技だ」
---真由美---
摩利と十文字君から報告が為された。校内にリビングデッドがいたと。
「どういうこと、亘君」
それを倒した亘君に訊いてみた。
「この前、喫茶店で襲われた時も、リビングデッドでした。どこかの組織が、学校の生徒を狙っているのかもね」
それは、警戒をしないとダメね。
「倒す方法は?」
「器となる身体を使えなくするか、聖属性攻撃ですね。前者だと、十文字さんと達也が適任です。後者だと僕かな。後、深雪の氷系は効かないから、使わない方がいい。まぁ、一時的な足止め程度だと考えた方が安全かな」
「それだと、戦力不足よね。有効な戦いが出来るのが3名だと」
「まぁ、見かけたら戦わないで、足止め程度をして時間を稼ぐしか無いかな。噛まれると厄介ですから。死に至らせる毒か、リビングデッドにしてしまう毒か、症状がでるまで判別は難しいです」
「解毒方法は?」
「浄化しかないかな…浄化が使えるのは、僕と僕の妹だけです」
「なぁ、なんでそんなに詳しいんだ?」
十文字君が亘君に訊いた。
「僕と妹は聖属性の戦士ですから」
「聖属性の戦士?」
聞き慣れない言葉だ。聖戦士と違うのかな?
「聖戦士は、聖なる武具を使える戦士で、戦士自体は聖属性で無くてもなれます」
「どうすれば、なれるの…」
私の質問で、困った表情になる亘君。追い込む為に訊いたんじゃないのよ。
「そういう者に産まれるしか無いです…」
何かを感じたのか、深雪さんが亘君を優しく抱き締めた。
「ダメだよ…闇に染まったら…ねぇ、亘さん…」
「深雪、亘と一緒に帰れ。そして、亘が落ち着くまで傍にいてやれ」
達也君が、また亘君を護る盾になった。