---シュウ---
3日ぶりに帰ってきた。深雪の甘え方が半端無い…達也は僕と深雪を暖かい目で見ている。あれ?リベンジ失敗なのか?
「予定より1日遅いんだもの…すっごく心配してんですからね」
僕と服を着たまま、身体を合わせ、頬を合わせ、そして唇を合わせて、舌が入って来た。どうした?この猛烈な歓迎ぶりは?リヴェリアを見ると苦笑いしている。お前が、何か仕込んだのか?
「私では無い。私は私のことしか話せぬ」
って、話したのか?僕の黒歴史を…
「あれは黒歴史では無いだろ?私にとっては、大切な想い出だ」
「だって、僕はあの時、助けられなかったんだよ」
「あの時、お前がしたことを恨んでいない。寧ろ、幸せ冥利に尽きる」
「そう…で、状況は?」
「来週、九校戦の会場へ出発します。明日は、選抜メンバーの発表です」
って、達也。
「で、深雪はどうしたんだ?」
「甘える相手がいなくて…シュウさんを見て爆発したのでは?」
嬉しそうな達也。
「おい、なんで、そんな顔ができるんだ?」
「別世界の俺を見習いました♪」
あぁぁぁぁ~アイツが来たのかぁ…
「別世界の深雪を伴ってね」
はぁぁぁぁぁぁ~?
「で、色々とシュウさんの話をしていたら、深雪がこんな状態に…」
苦笑いする達也。あの二人…あれ?同化吸収するはずだが…
「ホログラムだ」
と、リヴェリア。あぁ、その手があったか…開発部だものな、達也は…その夜は暴走状態の深雪と過ごす事に…
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翌朝…眠い…朝方まで深雪の暴走状態が続いた。この世界の深雪にとって、僕の長期不在は危険だと思う。どこで間違えたんだ?一応、間違えを起こさないように全裸には成らないように気を遣ったけど…
「おはようございます♪」
ほのかと雫が合流した。
「眠そうだな?」
「あぁ…」
深雪に視線を落とした僕。ほのかと雫は頷いた。今日も胸の谷間で僕の腕をホールドして、肩に頬を擦り寄せていた。
「昨日、だいぶ苛ついていたからな。あれって、禁断症状か?」
「たぶん…」
雫の問いに返事をした僕。
「で、そっちは順調か?」
「あぁ、気の流れか?基礎はわかったけど、まだ撃ち込めるでいっていない。間に合わないかな?」
「雫、がんばれよ。CADは決勝までに仕上げておくから」
雫の頭を軽く撫でた。
「私もお願いします!」
って、ほのかが頭を出してきた。
「このくらい、いつでもオーケーだよ」
ほのかの頭も撫でてあげた。
「お~い!、亘~!」
エリカ達が合流した。
「おっ…すでに、深雪が…」
深雪の甘えまくりの姿に、当惑しているエリカ。とりあえず、スルーだな。
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午後の授業は無くなり、九校戦の選抜メンバーの発表会になった。新人戦メンバーとして、深雪、雫、ほのかが選ばれ、達也が二科生としてエンジニアに選ばれた。達也に対して、ブーイングが飛ぶ。
「彼は実績がありますし、代表選手からの指名もあります。差別発言は控えて下さい」
と、真由美が一喝して、騒ぎが収まった。さすが、生徒会会長だ。
「後一人、十文字君の推薦と代表選手からの指名で、神代亘君もエンジニアとして、入ってもらいます」
えっ?聞いてないぞ…
「彼は、十文字君の推薦で警護部門にも在籍してもらいます。神代君、壇上に来てください」
エリカ達に押し出されて、僕も壇上へ上がる。深雪が選抜メンバーに送られるバッジを制服に付けてくれた。
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放課後、生徒会室…
「聞いていないんですけど!」
真由美に文句を言う。
「だって、昨日まで欠席だったでしょ?」
まぁ、そうだけど…
「雫さんとほのかさんが、ご指名なのよ。でもエンジニア経験が無いので、アドバイザーって感じでお願いね♪」
「しかし…僕より優秀な人って一杯いるでしょ?」
「いません!あなたの代わりに入りたければ、達也君、深雪さんのコンビに勝つことを条件にしたんだけど、誰もいなかったのよ」
涼しい顔で言う真由美。
「あなたは勝てるでしょ?わ、た、る、く、ん♪」
いや、そうだけど…
「要所要所でアドバイスに乗ってくれれば良いのよ。設計やメンテナンスは無理でしょうから」
まぁ、そうだけど。
「あとねぇ…深雪さん対策なの」
深雪が何かやらかしたのか?当の深雪は僕の腕を、お約束のホールドをしている。
「あなたが参加しないなら、出ないって。二人で家で留守番するって…」
真由美が苦笑いしている。そんなことを言う子では無いはずだ。深雪を見ると…あぁ、そうかもしれない。3日逢わないでこれだと、大会中逢わないと…う~ん…
「納得してくれたみたいね♪」
「で、当日の警護はどうするんだ?」
と、今度は克人に訊かれた。
「アーシアをバスに乗せて、僕とアスナとゼノヴィアはバイクでバスの周囲を警護する」
「バイク?載れるのか?」
「載れるよ。今、国際免許を申請中だ」
別世界の免許なので、この世界では通用しないってことで、鬼門家で国際免許を手配してくれている。
「バイクはあるのか?」
「有るよ。持ち込んである」
「あと、決めることは?誰かあるかな?」
真由美が皆に声を掛けた。しかし、声は上がらなかったので、今日はお開きである。
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校門に向かうと、いつものメンバーが待っていた。
「代表メンバー選出、おめでとう♪」
エリカが抱きついて来た。なので、彼女の背中に腕を回してみた。
「えっ?!」
いつもとは違う僕の反応に戸惑うエリカ。
「ど、ど、どうしたんだよ…亘…」
彼女の頬に自分の頬を擦り合わせてみる。
「おい…何の冗談だ?おい、恥ずかしいだろ?離れろよ!」
真っ赤な顔で照れているようなエリカ。彼女の耳をハムハムしてみる。
「あっ!」
股を固く閉じるエリカ。プチ絶頂か?早い…そこで、彼女を解放した。
「お前…虐めか?」
ワナワナと震えているエリカ。これはスルーする。
「今日は、ここで。雫とほのかとで作戦会議だ。打倒、達也アンド深雪だからね♪」
三人で、僕の家に向かった。白音にも参加してもらい、手立てを考える。
「現代魔法師は魔力持っていないからな…どうするかだ」
「やはり、オーラ起動でいくしか…」
「試合までにどうにかなりそうか?」
二人に訊いてみた。
「う~ん、どうだろうか?」
「でも、一矢は報いたいです」
難しそうだな。一応、別世界の達也監修で創ったCADを1丁を二人に見せた。
「達也のCADを模した。中身は別物だ。オーラを注ぐと、コンバーター、ブースターを通して、魔法を発動できる。たぶん、1回しか通用しない。2回目は深雪が対応出来てしまうからな」
「私とほのかのどちらかが、深雪との戦いで使うってこと?」
「雫、当たりだ。深雪との試合当日に、オーラの集中量の多い方に使わせる」
「効果は?」
「教えない♪当日のお楽しみだな。実は、まだ調整中なんだよ。で、相談なんだけど、これを使えない方には、ミラーリングシールドのCADを開発中で、それを使わないかな?」
「攻撃できるんですか?」
「ほのかが使うのであれば出来る。光系の攻撃を使えるようにしてある」
「じゃ、私はそれを使います。アッチは雫用にメンテナンスしてください」
「それでいいか?雫」
「私は、亘に従う。試合当日まで、ソレを使えるようになりたい」
「じゃ、出発の日まで、白音に気の流れを習い、一点集中できるようにしろ」
「わかった」
「わかりました」
早速、白音のオーラ教室が始まった。僕はお外へ出掛けた。向かった先は、いつものケーキ屋さん。今日も話に夢中で、ケーキに手を付けていないカモ。隣に座り、ケーキを奪い食べ始める。
「えっ?今日もケーキ泥棒かよ?!」
たいらげた辺りでエリカが気づいた。
「美味しかったよ♪」
「お前なぁ~、すみませ~ん!このケーキをワンホールください!」
エリカがケーキを注文した。
「どうですか?作戦は立てましたか?」
達也に訊かれた。
「ライバルチームには教えられないよ~」
「ねぇ、雫達に勝てたら、ご褒美ください♪」
って、深雪。いや、お前が勝つの前提では無いのか?この賭けは不利に思える。
「まぁ、勝てたらな…で、雫達が勝てたら、ご褒美くれるのかな?」
「いいですよ。私と婚約してください♪」
「「えっ!」」
深雪の言葉にエリカ達が驚いている。
「おい、深雪…亘は選択肢に入っていないぞ。そんな約束をするな!」
真顔で怒るエリカ。
「あっ…エリカさんは知らないんですよねぇ♪」
って、エリカに挑発的な笑みを浮かべる深雪。この世界の深雪は恐い…エリカを挑発するなんて。
「知らない?何をだよ~?!」
「うふふふ♪」
勝ち誇った深雪の笑み。あせるエリカ。あたふたする美月、レオ、幹比古。楽しそうな達也。混沌としていく…
「くそっ!物凄く悔しいぞ~!」
「エリカさんにはレオさんがいるでしょ?」
「えっ?レオか?」
名前を出されたレオは困惑しているぞ。
「レオとは何もしていない。信じてくれ、亘」
僕に抱きつくエリカ。記憶を読む。キスだけだな。舌は入っていないようだ。ケーキが来たので、ケーキに集中する僕。エリカよりケーキだな♪
「深雪、いい加減な約束をして、亘を困らすなよ!」
エリカの怒りは深雪に向いていく。
「いい加減では無いですよ」
余裕の表情の深雪。エリカは不利だ。
「おい、エリカ。深雪に勝負を持ちかけるなよ。お前は勝て無い」
忠告をして、エリカの耳をハムハムした。
「えっ…ちょっと…みんなが見ているよ…」
顔も耳も紅潮していくエリカ。純情系だな。苦手だ…
「達也…お前の妹、おかしいだろ?選択肢に亘はいないんだから」
深雪に勝て無いと悟ったエリカは達也にターゲットを代えた。
「うん?俺は亘でいいと思いますよ」
「おい、達也…何を言っているんだ?」
達也の発言に、僕が動揺した。リベンジ失敗か?
「あぁ、そうか。そういうことか。そうだね。亘が選択肢に入っていない。俺は鬼門の当主でいいと思う」
いや、同じだって…
「鬼門の当主?達也、逢ったことあるのか?」
レオが質問している。
「あるよ。大変お世話になっているし。彼になら深雪はまかせられる」
僕の分も悪くなった気がする。ケーキに集中しようっと♪
「どんな方なんですか?」
美月が質問を重ねている。
「どんな?う~ん…アニキ肌で、優しい方だよ」
「それって、達也より歳上なのか?」
幹比古がデリケートな部分に踏み込んだ。僕は達也に睨みを入れる。
「あっ…すまない。年齢は言えない」
「まさか、親子ほど開いていたり?」
レオが無茶な発想をしている。アニキ肌が、なんで親子になるんだ?
「シュウ、ここにいたのね」
突然、肩を叩かれた。え?誰?声の主を見ると…深雪だった。深雪を見て固まる深雪。
「シュウって?どういうことだ、亘」
「悪い、迎えが来たから帰るよ」
エリカ達に彼女の顔を見られる前に、彼女と共にキャッスルドランへ転移した。
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「どうして来たんだ?」
深雪を問い詰める。
「だって…シュウさんの困った顔は見たく無いから」
僕に抱きつく深雪。
「この世界の私は悪戯心が満載のようね。ごめんなさい」
「深雪の謝ることでは無い。そう言えば、同化吸収しなかったな」
同一時間軸に同一の人物は存在出来無いのだ。もし存在する場合、時間軸が同化吸収という現象で辻褄を合わせようとする。
「私には結婚指輪があります。これがID認識の代わりになると、お姉様に教わりました」
姉ちゃんの入れ知恵か…
「う~ん…エリカにフォロー入れないとダメかな」
「入れた方が良いですよ。彼女の貴方の為と思う心は空回りしすぎています」
深雪の顔は、いってきなさいって言っているようだ。僕は転移した。