※この作品はR-18です。

神器なき男2   作:もっち~!

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九校戦 Part1X

---シュウ---

 

九校戦に向けて出発する朝。合宿所状態の僕の家で、雫とほのかが荷物を玄関で運び出している。昨夜渡したキャリングバックは大切に扱っている。ゼノヴィアとアスナはバイクに跨がり、大きなバックパックを背負っている。アーシアを含めて3名分の荷物だそうだ。ほとんど着替えらしいけど。

 

僕も着替えとお菓子が殆どだ。糖分は頭脳労働に不可欠だし。で、僕、アーシア、達也、深雪、雫、ほのかで学校へと向かう。

 

学校にはバスやトラックやらが既に出発の準備をしていた。バスのトランクへ荷物を入れていく。雫とほのかはキャリングバッグを手荷物として持ち込む。精密機械だからね、

 

そのバックは大きめで目立った。群がるヤジ馬。真由美やあずさも混じっている。

 

「それが秘密兵器?」

 

真由美が訊いた。

 

「いえ、練習機です。実機は当日の朝までに仕上げてくれるそうです」

 

雫が応対した。

 

「どんなのですか?」

 

CADヲタクのあずさが興味津々である。

 

「ごめんなさい。今はお見せできません。練習機と言えども、精密機械ですから」

 

「う~ん、気になるなぁ…」

 

って、深雪。

 

「アーシアはバスに乗ってくれ。あと、幹比古。結界を頼むぞ」

 

「はぁ~い♪」

 

「了解」

 

「達也、服部、克人も頼む」

 

人員配置表を見ながら、指示を出していく。

 

「ゼノヴィアは前、アスナは後ろを頼む」

 

頷いた二人はバイクを始動させた。

 

「克人、服部、摩利、達也、無線を頼むよ。指示を出すから」

 

「亘はどうやって行くんだ?」

 

克人に訊かれた。僕は指で上を指す。

 

「空か…飛行ユニットか?」

 

「企業秘密だよ。ガードのプロを信じてくれ、克人」

 

「あぁ、まかせたぞ」

 

そして、一高の参加者と機材を載せた集団は移動を始めた。

 

 

 

----真由美----

 

移動は順調である。高速道路に入ったので、安全性は高まるかな。何事も無く着くと良いな。あれ?十文字君の顔が険しい。達也君、はんぞー君、摩利もだ。

 

「どうしたの?」

 

「亘から連絡があり、バスに細工有りって。今、亘が上空から分析してくれています」

 

って、達也君。上空から?飛行デバイス?

 

『運転手はチェックしたか?まずいぞ…運転席付近に反応がある。あと、床下…駆動系かな?アスナ!ユイを車体の下へ送り出せ』

 

『了解です!』

 

「ユイって?」

 

「アスナさんの専属妖精です」

 

アーシアさんが答えてくれた。そのアーシアさんは運転席に近寄る。で、何かの術を発動した。

 

『団長!まずいです。こいつ、リビングデッドでした。今灰化しました』

 

えっ?運転手がリビングデッドですって?

 

『アーシア、バスの運転を頼む。ユイが外したら、制動を掛けて止めてくれ』

 

『団長、了解です』

 

アーシアさんが、運転席に座り、椅子を調整している。

 

『はずします。カウント3・2・1・ゲット!』

 

バスはゆっくりとブレーキを掛け止まった。

 

『安心するな!ゼノヴィア、反対車線1キロにタンクローリー。運転手は浄化した。でも止まらない。アスナ後方1キロにタンクローリー。運転手は浄化したが、こいつも止まらない。火の海でサンドかぁ…ゼノヴィア、車線を越えたら、上空へ撃ち出せ!』

 

『団長、了解!』

 

『後方は僕がどうにかする。持ち場を離れるから、バス内の指示を達也頼む』

 

『亘、了解だ』

 

『アスナです。ユイちゃんによると、術での駆動では無く、魔物が移動させている模様です』

 

無線から信じられない報告が聞こえて来た。魔物が車両を移動させている?

 

『相手は召還師か…そうなると、術師は近くにいないな』

 

反対車線から大型のタンクローリーが飛び出して来た。ゼノヴィアさんは慌てずに、飛ぶ斬撃でタンクローリーを上空へと撃ちだした。上空で爆発する車両。後方でも爆発音が響いた。亘君が処理したようだ。

 

『ゼノヴィア、バスの運転を頼む。アーシアはバイクで警戒してくれ』

 

『『了解!』』

 

 

そして、亘君達の警護により、無事に宿泊施設に到着した。バスから降りると、亘君が空から舞い降りてきた。あれ?飛行デバイスを背負っていない?どうして?

 

「克人…後、頼めるか?疲れた…久しぶりの長距離飛行だったから」

 

「あぁ、任せろ!達也、亘を部屋に連れて行ってくれ」

 

「わかりました」

 

達也君の肩を借り、部屋へと向かう亘君。見るからに、ヘロヘロな状態だ。

 

 

 

---シュウ---

 

何か柔らかい物が僕の身体をマッサージしてくれている。極楽、極楽だ。生暖かいし。眠気を誘い、うたた寝状態だ。えっ?深雪のオーラを感じる。それも近くにだ。ゆっくりと目を開けると、全裸の僕と全裸の深雪が交わっていた。

 

「なんで?一人で寝ていたはず…」

 

「私と相部屋ですよ♪」

 

「相部屋だと、こういうサービスがあるのか?」

 

「シュウさんだけですよ♪」

 

深雪の身体はノーマルプレイにおいて、気持ち良い感触だ。でも…

 

「体力使うなよ、深雪」

 

「大丈夫ですよ。使うのは性欲だけですから♪」

 

ダメだ…暴走状態の深雪に何を言っても…これまでの学習で学んだことである。

 

-------

 

窓から夕日すら入らなくなった頃、内線電話で起こされた。

 

「夕食会ですよ、亘君♪」

 

真由美の声だ。

 

「眠いよ~」

 

「美味しそうなケーキ有るけど…要らないのかぁ」

 

「要ります!」

 

隣で寝ている深雪を起こして、一緒にシャワーを浴びて、制服に着替えて、レセプション会場へと向かった。

 

会場に入ると、雫達が迎えに来てくれて、一高メンバーの集まるテーブルに連れて行ってくれた。席に座ると、何故か、エリカがケーキを盛った皿を持って来て、美月がブラックコーヒーを持って来てくれた。

 

「なんで、エリカと美月が?」

 

「バイトだよ。選手の食事時間専門のウェイトレスのね。宿泊費と食事代にバイト料も入るおいしいバイトだよ♪」

 

「ふ~ん…エリカの身体に生クリームを塗って、舐めたい…」

 

僕の言葉で顔と耳が真っ赤になるエリカ…

 

「おい、セクハラか?」

 

「好みを言っただけだ。気にするな…眠いよ~」

 

隣に座った雫の肩を枕に、しばし睡眠♪

 

------

 

「亘…助けて!」

 

テーブルに頭をもたげていた僕は、深雪の声で目覚めた。彼女の前に立ち、彼女へ迫る輩に、死を感じさせるオーラを放つ。青ざめていくナンパ野郎。

 

「深雪に何をするんだ?」

 

「僕の婚約者だ。君は関係無いだろ?」

 

はぁ?

 

「お前、鬼門の名を語るのか?」

 

不届き者を強制転移させた。

 

「ねぇ、将輝君をどこに転移させたの?」

 

真由美に訊かれた。

 

「途中で見かけた肥だめ…」

 

「はぁい?」

 

「クソヤロ~って思ったら、浮かんだのが肥だめ…」

 

「ありがとう…」

 

僕の背中に抱きついて深雪。

 

「将輝って?」

 

真由美に訊いた。

 

「一条家の次期当主候補よ」

 

「深雪の婚約者で無いだろ?」

 

「親が決めた婚約者って言っていたわよ」

 

「後見人として、聞いていないけど…」

 

スマホで真夜に確認するが、真夜も知らない話らしい。

 

「真夜も知らないって」

 

「真夜?えぇぇぇ~!四葉家当主を名前呼び?亘君、どんだけの立場なのよ?」

 

達也、深雪以外の知り合い達が驚いている。何か、やらかしたか?

 

「立場?深雪と達也の後見人だけど…それが?」

 

「後見人って、そんなにエライ立場なの?ねぇ、十文字君…」

 

「亘の立場か?う~ん…」

 

克人が困ったような表情をしている。

 

「まぁ、それなりの立場かな?一応、当主相当だし♪」

 

って、ことでお茶を濁す。

 

「神代家の当主相当って、そんなにエライのかぁ~」

 

「で、舞台にいる叔父さんはマジシャン?」

 

気配を消して立っている老人。達也は気づいているようだ。

 

「あれは、マジシャンでは無いですよ。九島烈老師です」

 

達也が教えてくれた。

 

「ほぉ~、私を見える者がいるのか」

 

皆に見える状態になった老人。

 

「最初からここにおったのだが…見所のある者が2名いるのか…」

 

挑発的だな。う~ん…深雪が僕の腕を、いつもの様に胸の谷間でホールドした。

 

「撃っちゃダメですよ。あの方はエライんですから」

 

耳元で囁いて、耳タブをハムハムしてきた。

 

「撃つ?亘君、ダメだって!」

 

真由美が僕と老人の間に立った。腕をホールドされていて撃てませんけど…

 

そして、大会のスケジュールが発表された。アレが必要になるのは2日目か…あさっての朝までに用意か…

 

「間に合いますか?」

 

雫が心配そうに訊いてきた。

 

「間に合わせる。だから、お前達も間に合わせろよ♪」

 

雫とほのかの頭を撫でてあげる。

 

------

 

大会1日目、事故が起きた。バトル・ボードの決勝で、摩利が後続の選手の直撃を喰らい、コース外に叩き付けられたそうだ。腕を折るなどの重症らしい。アーシアと僕とで、摩利の病室に向かった。

 

僕の顔を見て、怯える摩利。

 

「はぁ?襲わないよ。怪我を治しに来ただけだ」

 

骨と神経の修復は僕が担当し、筋肉皮膚の修復をアーシアにまかせた。10分ほどで、摩利は健康体に戻った。

 

「凄い…全治2週間を、たった10分で?」

 

真由美が驚いている。傷が残らないように気を遣ったからで、いつもなら一瞬だし。

 

「で、原因は?」

 

「達也君達が、調べているわ」

 

現場にアスナと向かった。克人も付いてきた。残留オーラから、何があったかを推察していく。

 

「ユイ、召還術の形跡は?」

 

「無いです」

 

「そうなると、別の場所で召還して、ここに来させたのか…タンクローリーの時と一緒だな」

 

「有効距離はどのくらいだ?」

 

克人に訊かれた。

 

「この世界ならどこでもだ。移動時間とか…あっ!」

 

『フィン、半径50キロ圏内で、召還術の発動の痕跡はあるか?』

 

キャッスルドランにいる副官に念話で連絡をした。

 

『無い…だけど気になるトラックがいる。扉の開閉だけで、何も積み卸しをしていないんだ』

 

「克人、このナンバーのトラックを追跡してくれ」

 

フィンに知らされたナンバーを克人に伝言した。

 

「このトラックは?」

 

「召還された者を輸送していた可能性が大だ」

 

「わかった」

 

-------

 

大会2日目、仕上げたCADを、大会運営に不正事項が無いかの検査をしてもらう。二人のCADを検査してもらう。その時、異常を知らせるシグナルが光った。

 

「おい、お前、今何を入れた?」

 

検査員を問い詰める僕

 

「なんのことだ?」

 

惚ける検査員。

 

「ウィルスチェッカーを内臓しているんだ」

 

「何?」

 

逃げようとしたので、『緊縛』を発動して捕らえた。

 

「どうしたのだ?」

 

この前の老人が近寄って来た。

 

「僕の仕上げたCADにウィルスを入れたんだよ、コイツ…徹夜作業だったのに…」

 

僕のCADを手にして、精査する老人。

 

「確かに入っているなぁ。これはどういうことだ?おい、こいつを連れて行け!」

 

老人の指示でウィルス混入野郎が引っ立てられていく。

 

「しかし、見かけたことの無い仕組みだが、これは?」

 

「テスト段階です。結果が出たら公表します」

 

「そうか…君の名前は?」

 

「一高の神代亘です」

 

「まさか…君が神代家の当主相当か?」

 

驚愕な表情をしている老人。

 

「まぁ、そんな感じです。あぁ、ウィルス除去しないと…すみません、時間との勝負なんで、失礼します」

 

その場を後にして、一高のエリアに入って、『強奪』で不純物を抜いた。不純物はパッキングして、ドランへ転移させ、分析をしてもらう。ワクチンを作る為だ。

 

--------

 

急いで、アイス・ピラーズ・ブレイクの会場へ向かった。雫達が近寄って来た。

 

「同点決勝だよ。私もほのかも深雪と戦える♪」

 

二人に実機を手渡した。

 

「亘、ありがとう。試合の後…ちゃんとお礼をするから…」

 

二人は、実機を持って、控え室へと向かっていく。

 

「検品場でトラブル?」

 

真由美が近寄って来た。

 

「だ。で、遅くなった。間に合って良かったよ」

 

「そうだね」

 

----------

 

深雪、ほのか、雫が同点で1位らしい。なので、1位、2位、3位決定戦だという。

 

第一試合、深雪VSほのか。自陣に設置されている指揮所のような櫓の上に、深雪、ほのかが、巫女衣装で現れた。

 

試合開始前からオーラを溜めているほのか。試合開始直後、ほのかがミラーリングフィルターを自陣を囲むように展開した。そこに、氷の微細粒を撃ちだして来た深雪。ダイヤモンドダストの氷版だな。それは予想済みだ。勝ったな…ミラーリングフィルターに氷の粒が当たる度に、『ライトニングアロー』が深雪の氷柱を破壊していく。深雪はオウンゴールで敗退した。

 

ショックな顔の深雪、達也が近寄り、二人で作戦を練っているようだ。どう来るかな?作戦時間が長引く程、深雪が不利になるとも知らないで…ふふふ。

 

第二試合、深雪VS雫。雫は、深雪達の作戦タイム中も、オーラを右手の手の平に溜め込んでいた。そして、試合開始…ミラーリングフィルターを警戒する深雪は、速攻で冷気を雫の陣地へと流し込んで来た。冷気により、雫の最前列の氷柱は悲鳴を上げてひび割れていく。そして、完全に割れた処で、深雪の最後部目がけて『地獄の業火』を発動。冷気と熱気に挟まれた氷柱は、急激な温度変化に晒されて、破壊されていく。雫の陣地は火種から遠く、深雪の冷気で護られていた…深雪はまたもオウンゴールで敗退。

 

第三試合、雫VSほのか。通常のCADに変えて、対戦した二人だけど。魔力の量で勝る雫がほのかを下さした。

 

これで、僕の役目は終わった…さて、徹夜明けだし、寝ようっと…

 

 

 

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