制裁タッグデュエルが決まった後、俺たちはとりあえず放課後にまた集まることにしていったん別れることにした。授業に出るためといったが、実際は睡眠をとりたかったからである。それは十代達も同じだったようで、俺たち男子組はとレッド寮に帰り、そのまま睡眠した。
寝ているときに夢を見た。現実世界で俺が幼いとき、小学生のころの夢である。家族全員でピクニックにいった夢。太陽の日差しの暖かさ、野原の柔らかさ、空気のおいしさ、それが忠実に再現されていた。その中で俺たち家族はかけごっこ、かくれんぼなどをして遊んでいた。あのときは楽しかった。家族の仲がよく、家族の顔には笑顔があふれていた。しかし、それからすぐに笑顔が消える出来事があった。そのことに思いをはせようとして、目が覚めた。
時刻を見ると約束の時間より2時間ほど早かった。もう少し、寝よう。そう考えていると声をかけられた。
「お寝坊さん、私と愉しいことしましょ。」
そこには雪乃がいた。
「あ、あ♡♡」
それからの展開は早かった。キスをしたり、胸を揉んだり、互いの性器をなめあった。そして互いの気分が盛りあがたところで今、セックスをしている。・・・考えてみれば、童貞喪失のときも、いまこうしてセックスをしているときも楽しいことは楽しいがいまい現実感がわいてこない。やはり、俺は心のどこかでこれがゲームだと思っているからだろうか。しかし、そんな思いとは関係なく俺の体は雪乃を絶頂へと導くために動き、急所である膣の奥深くを襲い続けた。
「いい、きもちいい♡♡」
「俺もだ、雪乃。気持ちいいぞ。最高だ。」
雪乃はとろけ顔になって自分の気持ちを言ってきた。これを受けて俺も言葉を交わす。ピストンをさらに早め、雪乃の秘所をついていく。そして
「ああー♡♡」
雪乃は絶頂し、俺は射精を迎えた。
雪乃との事後、二人で狭い部屋でだらだらとおしゃべりをして過ごした。そして時計を見ると、もうそろそろ集合の時刻だった。
「私を放っておいてどこに出かけるの?」
「約束があってね。」
「買い物?」
「違うよ。」
「もしかしてデートじゃないでしょうね。」
「まあ。そんなところかな。」
冗談交じりで俺はそう言ったのだが、雪乃は冗談と受け止めてくれなかったようだった。
「私も行っていいかしら?」
雪乃は表情を少し険しくしてそう言ってきた。俺は少し考えて許可をした。
「おそいですよ。小南君・・・。」
原会長は俺に気付くと声をかけてきた。しかし、俺の隣で腕を組んでいる人物に気付くと途端に表情が険しくなった。
「・・・どうしてあなたがここにいるのですか?」
「あら、来ちゃいけないのかしら?」
「できれば、部外者の方がいない方がよいのですがね。」
いつになく険悪な口調で麗華はいう。どうやらタッグフォースの設定と同じく二人の仲は良くないようだ。そうこう思っているうちに麗華はなぜ、俺たちがここに集まっているのかについて語りだした。
「・・・退学?」
雪乃は眼を大きく見開いて事実をつぶやいた。
「ええ、もし制裁タッグデュエルに勝利できなければそうなります。」
雪乃は俺をじっと見た。真実なのかを確かめようとしてだ。俺はただ黙ってうなづいた。すると雪乃の視線が非難を含んだものになった。
「どうして教えてくれなかったの?」
「問題ないと思ってね。どうせ俺が勝つから。」
「それでも心配するじゃない!」
・・・他人から心配されたのはいつ以来だろうか。そんなことを思いつつ、言葉を交わした。
「ごめん、次からは気を付けるよ。」
この一言でこの場はとりあえず、収まった。
その後、十代達とツァン達が来た。そして明日香もなぜかついてきた。
「二人が退学になるっていうじゃない?それを防ぐために何かできないかと思って。」
話を聞くとこんな返答が帰ってきた。いいやつだと思った。
集まってまず始めたことはチーム分けである。俺、十代、翔、隼人、ツァン、ウサミンをどうチーム分けするか。まあ、タッグを組みたいと真っ先に手を挙げた十代と翔は決定としてこの4人でどうペアを組むかである。ハーレムルートに進むにはここからどう話が展開していくのかを読み切らないといけない。俺がハーレムにこだわるのは男のロマンであるというのもあるがこのゲームで攻略しなかったキャラが不幸になる事態を防ぐためでもある。俺が攻略しなかったがために不幸になるのは見たくない。そんなことを思いつつ、これまでのデータから推理を進める。・・・結論が出た。
「宇佐美さん、俺と組まない?」
「え!?」
ウサミンと組む、これが俺の答えである。自分の推理が正解であることを俺は祈った。
俺の主張は認められ、タッグは俺とウサミン、十代と翔、ツァンと隼人になった。これから実際にタッグデュエルをやってみることにした。
「よーし、それじゃあ早速やろうぜ!」
「だったらあたしが手伝うわ。」
「私も。」
十代の言葉に答えて雪乃と明日香がそういった。というわけで最初は十代・翔vs雪乃・明日香になった。審判は麗華がすることになった。そしてデュエルが始まった。
「私のターン。」
雪乃が先行を宣言してターンを始めた。
「手札から『強欲な壺』発動。2枚ドロー。さらに『強欲な壺』発動。2枚ドロー。『天使の施し』発動。3枚ドローして2枚捨てる。『成金ゴブリン』発動。相手ライフを1000ポイント回復させ、1枚ドロー。今引いた『強欲な壺』発動。さらに2枚ドロー。『打出の小槌』(アニメ効果)発動。このカードと手札4枚をデッキに戻し、戻したのと同じ枚数分だけドロー。『魔術師の書庫』発動。デッキから『愚かな埋葬』(原作効果)を手札に加える。」
十代・翔ペア LP8000→9000
・・・禁止制限を守ることの大切さとカードパワーの調整がいかに大切かがよくわかるプレイングだな。俺のプレイングって他人からはこんな風に思われているのか。今度から自重しよう。そう思いつつ、これから起こることの予想がつき、ひたいに手を当てた。
「『愚かな埋葬』(原作効果)発動。あなたの墓地に『インフェルニティ・ポーン』を送る。」
「!遊も使ってたな。このカードって確か。」
「『インフェルニティ・ポーン』が墓地に存在し、手札が0のときドローできない。」
このどう考えてもデメリットにしかならない効果が、『ダイガスタ・エメラル』のドローを止められるメリットであると言える満足民は頭がおかしい。
「手札を1枚伏せて『手札抹殺』発動。互いに手札をすべて捨て同じ枚数分ドローする。だけどあなたたちの墓地には『インフェルニティ・ポーン』がいるからドローはできず、手札を捨てるだけになる。」
「くっ!それじゃあ、俺か翔は手札を失うのか。」
「ア、アニキ。ボクが捨てるよ。アニキはボクの分まで頑張って。」
「なにいってるんだ、翔!俺が捨てる。お前ががんばるんだ!」
今回は普通に互いのプレイヤー1人ずつが『手札抹殺』の効果を受けたけど、制裁タッグデュエルでは『手札抹殺』などの互いのプレイヤーが影響を受けるカードは相手を自分のパートナーにして発動できるからな。いろいろと悪用できそうだ。十代と翔の二人は言い合いの末、結局十代が手札を捨てることとなりデュエルが進んだ。
「『死者蘇生』発動。墓地から『ゼンマイマジシャン』特殊召喚。伏せておいた『ソウルチャージ』(アニメ効果)を発動。墓地から『幽鬼うさぎ』、『魔界発現世行きデスガイド』を蘇生。2体のモンスターを蘇生させたことにより、私たちは1000ポイントライフを失う。」
雪乃・明日香ペア LP8000→7000
『ソウルチャージ』(通常魔法・アニメ効果)
自分の墓地のモンスターを任意の数だけ選択して発動できる。 そのモンスターを特殊召喚し、 自分は特殊召喚したモンスターの数×500ライフポイントを失う。 この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃する事はできない。
ターン1制限がない時点でぶっ壊れだよな。アニメ版『ソウルチャージ』。・・・OCG版でも相当のぶっ壊れだが。しかし、この時点でもう勝負はついたな。『エフェクト・ヴェーラー』などの手札誘発は十代と翔のデッキにはない。だから終わりだ。
「『幽鬼うさぎ』と『魔界発現世行きデスガイド』でオーバーレイ。ゼンマイ仕掛けの空母よ。仲間を勝利へと飛び立たせよ。エクシーズ召喚。ランク3『発条空母ゼンマイティ』。『発条空母ゼンマイティ』の効果発動。デッキから『ゼンマイハンター』を特殊召喚。「ゼンマイ」と名の付いたモンスターの効果が発動したことで『ゼンマイマジシャン』の効果発動。デッキから2体目の『ゼンマイマジシャン』を特殊召喚。『ゼンマイハンター』の効果発動。効果使用済みの『発条空母ゼンマイティ』をリリースし、翔君の手札を1枚ハンデスする。『ゼンマイハンター』の効果が発動したことで2体目の『ゼンマイマジシャン』の効果発動。デッキから2体目の『ゼンマイハンター』を特殊召喚。『ゼンマイハンター』2体でオーバーレイ。2体目の『発条空母ゼンマイティ』。2体目の『発条空母ゼンマイティ』の効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、デッキから『ゼンマイネズミ』を特殊召喚。『ゼンマイネズミ』の効果発動。このカードを守備表示にし、墓地から『ゼンマイハンター』を特殊召喚。『ゼンマイハンター』の効果で『発条空母ゼンマイティ』をリリースし、手札を1枚ハンデスする。『ゼンマイネズミ』と『ゼンマイハンター』でオーバーレイ。3体目の『発条空母ゼンマイティ』。『発条空母ゼンマイティ』の効果で『ゼンマイハンター』を取り除き、2体目の『ゼンマイネズミ』を特殊召喚。2体目の『ゼンマイネズミ』の効果で墓地から『ゼンマイハンター』を特殊召喚。『ゼンマイハンター』の効果発動。『発条空母ゼンマイティ』をリリースし、手札1枚を捨てさせる。2体の『ゼンマイマジシャン』でオーバーレイ。現れよ。生きる貪欲な壺。ランク4『ダイガスタ・エメラル』。『ダイガスタ・エメラル』の効果発動。『発条空母ゼンマイティ』2体と『ゼンマイネズミ』をデッキに戻して、1枚ドロー。2体目の『ゼンマイネズミ』と『ゼンマイハンター』でオーバーレイ。再浮上せよ『発条空母ゼンマイティ』。『発条空母ゼンマイティ』の効果でデッキに戻した『ゼンマイネズミ』を特殊召喚。『ゼンマイネズミ』の効果で『ゼンマイハンター』を特殊召喚。『ゼンマイハンター』の効果で『発条空母ゼンマイティ』をリリースし、手札1枚をハンデス。『ゼンマイネズミ』と『ゼンマイハンター』でオーバーレイ『発条空母ゼンマイティ』。『発条空母ゼンマイティ』の効果でデッキから最後の『ゼンマイネズミ』を特殊召喚。『ゼンマイネズミ』の効果で『ゼンマイハンター』を蘇生し、『ゼンマイハンター』の効果発動。『発条空母ゼンマイティ』をリリースし、手札を1枚捨ててもらうわ。これで私はターンエンドよ。」
雪乃 手札6枚
場:『ゼンマイネズミ』、『ゼンマイハンター』、『ダイガスタ・エメラル』伏せ1枚
・・・初手で相手の手札全てハンデスするとかいくらなんでもひどすぎると思うんだ。しかも墓地に『インフェルニティ・ポーン』があるから通常ドローもできないし。結局、デュエルは十代がサレンダーをして終わった。
「いやあ、すごかったな。雪乃のプレイング。」
「アニキ、やっぱりボクなんかじゃ。」
十代はいつも通りの笑顔でデュエルを振り返っている。翔は自分が何もできなかったことで自分に対して自信を喪失している。隼人はそんな翔を慰めている。明日香は自分が出るまでもなく勝負か着いたことに困惑している。雪乃は雪乃で麗華とプレイングの妥当性で喧嘩している。そうした中で俺と一緒に見学していたツァンとウサミンは終始表情が和らぐことが無かった。二人とも何かにおびえているようだった。そんな二人を見て俺は言った。
「それじゃあ、次は俺と宇佐美さん対ツァンと隼人をやろうか。」
俺はウサミン、ツァン攻略の第一歩を踏み出すのであった。