「先行は君からだ。」
「それじゃあ、遠慮なく俺のターン。」
全く、しれっとドローをすることができ、サイバー流にとって有利な後攻をとるなんてしっかりしてるよ。しかし、考えようによっちゃこれでよかったのかもな。アニメを見た限りカイザーのドロー力があれば、先行をとられると『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』、伏せ『神の宣告』、『神の警告』、『神の通告』のような鬼布陣を敷かれかねない。
『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』
エクシーズ・効果モンスター
★6 光属性 機械族
攻撃力2100 守備力 1600
機械族・光属性レベル6モンスター×3
「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、自分フィールドの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。(2):1ターンに1度、フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし破壊する。
『神の宣告』(カウンター罠)
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
『神の警告』(カウンター罠)
(1):2000LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
『神の通告』(カウンター罠)
(1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。
そうした心配なく、カードを展開できることを考えたら後攻を取られたのはよかったのかもな。そう思いつつ、手札を見る。・・・・・・。
「む、無理っスよ!勝てっこないよ・・・。兄さんは今まで・・・」
「ええ、そうね。亮はサイバー流の奥義を極めてから今までに吹雪兄さんにしか敗北したことがない。留学したアメリカでも今まで無敗。いくら遊が強いと言ったって勝てるとは思えない。」
うわあ、俺の評価低い!もしもオッズがあったら相当の見返りが期待できるだろうな。
「だけど遊ならなんとかするぜ!がんばれ遊!!」
「その通りだぞ!がんばるんだな!!」
うん、リアルではぼっちだったのでこんな声援を受けるとどう対応すればいいのかわからない。だけど、うれしいです。だけど、問題はここにいる残りの1人。
「・・・・・・」
ウサミンはまだ、どんな反応をすればよいのかがわかっていないようだ。まあ、そうだわな。俺が宣言通り【恐竜族】を使うのか、そして【恐竜族】で帝王丸藤亮に勝てるのか、わからないんだもん。しかしだ。俺はこの【恐竜族】デッキで勝たねばならない。さもなければウサミンは攻略できないし、ついでに翔も攻略できないもんね。まあ、翔は原作の展開から言ってカイザーとデュエルしさえすれば勝敗はどうあれ攻略できそうだけど・・・。
「・・・君のターンだ。早く進めたらどうだ。」
「・・・ああ、その通りですね。すいません。」
デュエルを早く進めろとの催促に丁寧に答えた。そして、そのついでに・・・
「それから、またすいません。どうやらあなたの不敗神話はこれで終わりのようです。」
慇懃無礼にこれから起こる現実を無情にも宣告してやった。これにはカイザーだけでなく、みんなが驚いたね。それを確認して俺は行動した。
「まず、『愚かな埋葬』(OCG版)を発動。墓地に『黒き森のウィッチ』(最初期テキスト)を墓地に送る。墓地に送られた『黒き森のウィッチ』の効果発動。デッキから守備力1500以下のモンスターを手札に加える。俺は守備力 100の『レスキューラビット』を手札に加える。そしてそのまま『レスキューラビット』を召喚し、効果発動。『レスキューラビット』を除外してデッキから『セイバーザウルス』2体を特殊召喚。そして恐竜族レベル4モンスター2体でオーバーレイ。」
「・・・【恐竜族】デッキとしては理想的な初手だが、たとえ『エヴォルカイザー・ラギア』を出されようとも俺は必ず、突破して・・・」
「誰が『エヴォルカイザー・ラギア』をエクシーズ召喚するといった?俺がエクシーズ召喚するのはこいつだ!エクシーズ召喚『エヴォルカイザー・ドルカ』!」
この選択に周りにいる全員が不可解な顔をした。
「どうして『エヴォルカイザー・ラギア』ではなく、『エヴォルカイザー・ドルカ』を?サイバー流は高攻撃力による戦闘が主流戦術だからモンスター効果に対するメタカードである『エヴォルカイザー・ドルカ』はあまり役に立たないのに?」
みんなの疑問を代弁するウサミン。その質問に対して俺はこう答えた。
「そうだね。それが当然の考えだ。だけど宇佐美さんに教えてあげるよ。どんなカードにも、そしてどんな人間にもかけがえのない個性があり、魅力があるってことを。」
そうかっこつけながら言い放ち、プレイを続ける。ちなみにウサミンはというと「そして~」のくだりを聞いて、しばらく放心した後、顔を赤らめた。・・・毎度思うがこのゲームのヒロインは基本チョロインだわ・・・。
「手札から魔法カード『魔術師の書庫』を発動。デッキから魔法カード1枚を手札に加える。俺は『かえんじごく』(ゲームボーイ遊戯王デュエルモンスターズ版)を手札に加える。」
「聞くからにバーン系のカードみたいね。」
「その通りだ、明日香。そしてこのカードが勝利への切り札だ!『火炎地獄』発動!このカードは相手に5000ポイントのダメージを与える!」
『5000ポイントのダメージ?』
『かえんじごく』(まほう ゲームボーイ遊戯王デュエルモンスターズ収録カード)
あいてのライフポイントを5000もうばう しゃくねつじごくをはっせい
ゲームボーイ版はこのカード40枚でデッキを組んで連打するのが必勝法だった。実に懐かしい思い出だ。そんな感慨に浸っている俺を差し置いてすっごく焦った表情のカイザーが行動を起こした。
「手札から『ハネワタ』の効果発動。このターンのダメージを無効に・・・」
しかし、しゃべっている途中で気づいたようで声が止まった。
「チェーンして『エヴォルカイザー・ドルカ』の効果発動。『ハネワタ』の効果を無効にして破壊する。」
『ハネワタ』
チューナー 効果モンスター
☆1 光属性 天使族
攻撃力200 守備力 300
このカードを手札から捨てて発動できる。このターン自分が受ける効果ダメージを0にする。この効果は相手ターンでも発動できる。
どうやら『ハネワタ』は1枚だけだったようで丸藤亮は腕を組み目を閉じた。そしてチェーンの逆順処理が行われる。光り輝く竜になった恐竜が羽の生えたシュークリームのようなモンスターをその炎で包んだ。そしてその後、恐竜が滅んだ理由である隕石の落下を思わせる火球が丸藤亮に直撃し、彼のライフが0になった。というわけで、俺は見事ウサミンとの約束を守って勝利できたのである。