ビー!
ライフポイントが尽きた音を聞くと、俺は彼女に話しかけた。
「今回は俺の負けですね。そろそろやめましょうか。」
「ええ、そうね。」
「それじゃあ、送っていきますよ。」
そういって手を差し出した。
ここのところ、俺はデュエルを始めたセイコさんと購買の仕事が終わった後にデュエルをしていた。セイコさんは本当に初心者なのかと思えるようなプレイングをしている。そのため、デュエルは先行をとった方がほぼ勝つという現実世界でもいつぞやの時代にあったようなことが再現されている事態となっている。しかし、そんなことはどうでもいい。重要なのはセイコさんの攻略具合についてである。
端的に言うとセイコさんはあと一押しで落ちる状態にある。最近のデュエルでセイコさんと俺の新密度は極めて増した。例えば、最初のころにはセイコさんの部屋まで送っていこうとしてもやんわりと断られていたが、今や手をつないで送っていくまでになっている。それもセイコさんが顔を朱くするというおまけつきでだ。あと一押し、あと一押しで彼女は落ちる。そのことを理解しながらセイコさんを俺のものにするイベントをただただ待つのだった。
「武藤遊戯さんのデッキがこのデュエルアカデミアにくるから一緒に見に行きたい。」
「はい!そのとおりです!」
仲のいい姉のような態度で元気よく肯定の言葉を返された。
「この購買部で朝一番から見られる整理券を今日、配るじゃないですか。その整理券を2枚もらって一緒に見に行きたいなあ、なんて。だめかな。」
そう、小首をかしげるように言われた。俺はそれに対して返答をした。
「・・・駄目ですね。」
「・・・えっ!どうして?もしかしてもうだれかと一緒に行く約束をしていたとか?」
「だって、購買で働いている人間は働いている間に整理券などを自分のために取り置きすることはできないじゃないですか。」
「・・・そうだね。・・・確かにそうだね。」
俺の言葉に納得の言葉を返すものの、その瞳には失望がみえていた。武藤遊戯のデッキをみれないから失望しているのか、一緒にみれないから失望しているのか定かではなかったが。
「だけど・・・」
そんな彼女に希望を与えることにした。
「購買の仕事が終わった後に一緒に行きましょうか。そのデッキを見に。」
「・・・・・・うん。」
彼女の希望がかなったのを理解すると、うれしそうな笑みを俺に返した。
それから俺たちは整理券を捌くために働いた。その際に、最後の整理券を巡ってデュエルが起こったが、それはどうでもいいことである。
と思ったらそうではなかった。
「遊!遊戯さんのデッキを盗んだやつを探すのに協力してくれ!」
デッキが何者かによって盗まれたらしい。俺はふう、とため息をつき、事態を知り合い全員にメールで送った。
全員と集合場所で落ちあい、各々別れて犯人を捜した。俺はセイコさんと探すことになった。しばらくして、翔の悲鳴が聞こえた。俺たちがその場所に行くとそこには翔、そして最後の整理券を争ったラーイエローの生徒がいた。
ラーイエローの生徒は神楽坂といい、デッキを盗んだのはコイツらしい。とりあえず、俺はいつものようにデュエルをすることにした。ここにいる連中は武藤遊戯のデッキと戦うのは無謀といっていたが、気にしない。
『デュエル!!』
「先行は俺がもらう!俺のターン!」
さて、この世界の武藤遊戯のデッキとして考えられるのは大きく分けて2つ。1つ目は【ブラック・マジシャン】。もう1つは【スタンダード】。さて、どちらか?
「俺は『召喚師のスキル』を発動。デッキから『ブラックマジシャン』を手札に加える。『強欲で謙虚な壺』を発動。デッキからカードを3枚めくり、1枚を選んで手札に加え、その後残りのカードをデッキに戻す。」
めくられたカードは『神の宣告』、『強欲な壺』、そして『マジシャンズ・ロッド』
『召喚師のスキル』(通常魔法)
(1):デッキからレベル5以上の通常モンスター1体を手札に加える。
『ブラックマジシャン』
通常モンスター ☆7 闇属性 魔法使い族
攻撃力2500 守備力 2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
『強欲で謙虚な壺』(通常魔法)
強欲で謙虚な壺」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
(1):自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選んで手札に加え、その後残りのカードをデッキに戻す。
【ブラック・マジシャン】か。まあ、【スタンダード】よりはましだな。【スタンダード】なら、コンボを採用せずパワーカードに頼る戦術だから誰が使っても一定の実力を発揮できる。しかし、カテゴリデッキなら、使い慣れてないデッキをそう簡単に回せるわけがない。
そんなことを思っていると、三沢君が不吉なことを言ってきた。・・・ミスは期待できそうにないな。そんな思いを尻目にプレイを続ける。
「『神の宣告』を手札に加える。そして『召喚師のスキル』と『強欲で謙虚な壺』を除外して『黒魔術の継承』を発動。『マジシャンズ・ナビゲート』を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド。」
『黒魔術の継承』(速攻魔法)
「黒魔術の継承」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地から魔法カード2枚を除外して発動できる。「黒魔術の継承」以外の、「ブラック・マジシャン」のカード名または「ブラック・マジシャン・ガール」のカード名が記された魔法・罠カード1枚をデッキから手札に加える。
神楽坂LP4000 手札3枚
場:伏せ2枚
「俺のターンドロー。」
「ドローフェイズ時にリバースカードオープン。『マジシャンズ・ナビゲート』!この効果により、手札の『ブラック・マジシャン』を特殊召喚し、デッキから『マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン』を特殊召喚する!」
『マジシャンズ・ナビゲート』(通常罠)
(1):手札から「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。その後、デッキからレベル7以下の魔法使い族・闇属性モンスター1体を特殊召喚する。
(2):自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が存在する場合、墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
『マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン』
効果モンスター ☆7 闇属性 魔法使い族
攻撃力2100 守備力 2500
「マジシャン・オブ・ブラック・イリュージョン」の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分が相手ターンに魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、カード名を「ブラック・マジシャン」として扱う。
(3):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分が魔法・罠カードの効果を発動した場合に自分の墓地の「ブラック・マジシャン」1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
相手ターンに展開とか、わけわからんな。まあ、むしろ都合がいいが。
「俺は『苦渋の選択』を発動!お前の伏せカードはおそらく『神の宣告』だろうが、無効にするか?」
「・・・ああ。『神の宣告』を発動し、無効にする。」
神楽坂 LP4000→2000
まあ、なにをしようと無駄なんだがな。
「俺は『増援』を発動。デッキから『終末の騎士』を手札に加える。そしてそのまま召喚し、墓地に『クリッター(最初期効果)』を送る。『クリッター(最初期効果)』の効果でデッキから『エフェクト・ヴェーラー』を手札に加える。『俊足なカバ バリキテリウム』を特殊召喚。そして『終末の騎士』と『俊足なカバ バリキテリウム』でオーバーレイ。ランク4『ラヴァルバル・チェイン』。オーバーレイユニットを1つ取りのぞいて効果発動。墓地に『ライトロード・アサシン ライデン』を送る。」
『終末の騎士』
効果モンスター ☆4 闇属性 戦士族
攻撃力1400 守備力 1200
(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。
『俊足なカバ バリキテリウム』
効果モンスター ☆4 風属性 獣族
攻撃力1600 守備力600
このカードは手札から特殊召喚できる。この方法による「俊足なカバ バリキテリウム」の特殊召喚は1ターンに1度しかできない。この方法で特殊召喚に成功した時、相手はレベル4モンスター1体を、自分または相手の墓地から選択して特殊召喚できる。
『ラヴァルバル・チェイン』
エクシーズ・効果モンスター ★4 炎属性 海竜族
攻撃力1800 守備力 1000
レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。
●デッキからモンスター1体を選んでデッキの一番上に置く。
さてぶっ壊れカードを出すか。
「光属性・戦士族の『ライトロード・アサシン ライデン』と闇属性・悪魔族の『クリッター(最初期効果)』をゲームから除外し、『カオスエンド・ルーラー -開闢と終焉の支配者-』を特殊召喚。」
「『カオスエンド・ルーラー』だと!?」
「すっげえ!」、「あの伝説の!」という声が聞こえた。・・・さて、終わらせるか。
「効果発動。ライフ1000ポイントをコストに相手の手札・フィールド上・墓地に存在するカードを全てゲームから除外し、この効果で除外したカードの枚数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。」
「なんだと!?」
『カオスエンド・ルーラー -開闢と終焉の支配者-』(アニメ遊戯王ZEXALオリカ)
効果モンスター ☆10 光属性 戦士族
攻撃力3500 守備力 2000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する光属性・戦士族モンスター1体と闇属性・悪魔族モンスター1体をそれぞれゲームから除外して特殊召喚する。このカードの特殊召喚に対して魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事ができない。1000ライフポイント払う事で相手の手札・フィールド上・墓地に存在するカードを全てゲームから除外する。この効果で除外したカードの枚数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。
ゲームから除外されるカードはひぃ、ふぅ、みぃ・・・計7枚か。3500ダメージで俺の勝ちだな。
神楽坂 LP2000→-1500
その後、「なぜ、俺は勝てないんだ・・・」と傷心の神楽坂に「どんなデッキでも使いこなせるんだったら、常にそのとき境トップのデッキを使うようにすればいいんじゃないか?」という極めて現実的かつ実践的なアドバイスをプレゼントした。そして、神楽坂や十代達、俺たちのデュエルを観戦して(盗み見ともいう)、まだ興奮の冷めない観衆を後にした。
今はセイコさんと2人夜道を歩いている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
互いに会話はない。だが、俺はもうわかった。さっきのデュエルがセイコさんの攻略条件なのだと。そう思いながらも何食わぬ顔で彼女にささやく。
「セイコさんの家につきましたよ。」
「・・・・・・」
セイコさんは教師・職員用にあてがわれた部屋に寝泊まりしている。待遇はそれなりだ。少なくともレッド寮よりはずっといい。
「それじゃあ。また明日。」
「・・・・・・待って!」
予想通り呼び止められた。振り向き、不審げな顔を作った。
「今日のデュエルや明日のことで話があるから部屋に来てほしいの・・・」
俺はその誘いを受け入れた。
「あ、ああ♡」
それからは軽く会話をした後、興奮が冷めぬうちにと行為に及んだ。
「あ、ああソコ!遊君、いままでで一番気持ちいいわ♡」
「・・・セイコさんって今までに経験があったんですね。何人ぐらい?」
「ふ、ふ♡それは、聞かないのがマナーよ♡」
「そうですね。」
そして俺はセイコさんをイクまで攻めた。イッた後は攻守交代して反対にセイコさんが俺をいじることになった。セイコさんのおっぱいに俺のペニスが包まれた。
「ふふ。どう遊くん。」
「すごく、気持ちいいです。こんなの初めてです。」
「ふふ、うれしい♡」
パイズリは胸の柔らかさやペニスの密着度などから手でするよりも気持ちいいのだが、セイコさんのは格別だった。経験と才能から男のイチモツがどうすれば、興奮するのかをよく理解していた。強弱、タイミング、駆け引きすべてに文句のつけようがなかった。そして、舌や口を絡められ始めるともう我慢が出来なかった。
「出します!」
「出して!」
セイコさんは顔で受け止めた。
そして、それからはセイコさんはベットに寝そべり、俺はセイコさんに覆いかぶさった。
「はじめますよ。」
「うん♡」
それからは朝日が昇るまで腰を振り続けた。
こうしてセイコさんとは男女の仲になった。
翌日の放課後、セイコさんと一緒に約束通り、デッキを見物した。俺は昨日見たのだからもういいのではとおもったが、セイコさんの「デッキを最後までみれなかった」という言葉と
「それに、遊君と初めてのデートだから♡」
という言葉にやられてしまい、見物することになったのである。
まあ、デッキを見に言った結果、なぜかツァン達と出くわしてしまい、修羅場の対処に追われることになるのだが、それはまた別の話である。