黒蠍盗掘団たちとのデュエルがあった翌日の朝、いや今日の朝というべきか。教室に入った俺はまず、ツァンや彰子達と話をした。宮田さんの様子を聞くためだ。話を聞くと、宮田ゆまの状態はだいぶましにはなっているようだ。手紙で「いつもすいません。」と書かれた手紙をもらったという。しかし、心の傷がいえるにはまだかかりそうだった。俺は宮田さんにあてた手紙を渡すと席に向かった。席に着くと遠少し離れた席にいる明日香にメールを送った。
「枕田さんと浜口さんの様子は?」。返信はすぐに返ってきた。あわてて書いたようで少し誤字が混じっていた。
「ジュンコとももえは二人とも朝からよそよそしいの。何かあったか聞いても曖昧に、土岐にはあわててごまかすの。多分、昨日の寄るのことを二人は見たんだと思う。私はあなたのことを、その愛してる。でも二人はかけがえのない友達で失いたくないの。これから、どうすればいいかしら遊?」
俺は文面を読むとしばし、考え打ち込んだ。
「今はいい考えが浮かばない。だけど、いい考えを何としても思い浮かべてみせる。だからとりあえず今は授業に集中しよう。」
送信してからの返信されるまでが早かった。それもそのはずで「わかったわ」と一言だけだったからだ。明日香らしい、そう思うと俺は抱えている問題をしばらくの間忘れて苦笑した。
「さて、みなさん。デュエルモンスターズで私たち現代のデュエリストがもっともよく知っているデュエリストはおそらく武藤遊戯と海馬瀬人です。しかし、当然のことながらデュエルモンスターズの歴史は古く彼らが生まれる以前から古代エジプトでは石板を用いてデュエルが行われていました。今回はそのデュエリストたちの軌跡をたどってみたいと思います。」
そう友紀はいって、授業を開始した。この授業はデュエル史だ。デュエル史も大徳寺先生の錬金術の授業と同じで卒業するには単位を取る必要はない。しかし、受講生は錬金術の授業と違って常に満員だ。それもそのはず、デュエルが生活に極めて密着しているこの世界で過去のデュエルを気にしない人などめったにいないだろう。ちなみに俺もその口である。
「・・・ですので、このエジプトの覇権を賭けたデュエルはそれまでの上級モンスターをアドバンス召喚することが主体のデッキではなく、優秀な下級モンスターと除去カードを組み合わせたデッキが戦いの主役になったという点でデュエルモンスターズにおける極めて重要な戦いだったわけです。」
・・・なるほど、面白いな。歴史でも設定がしっかりしている。さすがは俺が望んだ世界だ。
周りをみても普段つまらなさそうな顔をしているものまで、目を輝かせて授業を聞いていた。十代でさえそうだ。教室の雰囲気が極めて素晴らしいものになっている。その雰囲気に満足した表情を浮かべて友紀は授業を続けた。
「さて、これから話すのは古代エジプトで最も重要な人物であるアビドス三世です。彼は当時の文献によると最も偉大、偉人の中の偉人、デュエルの王と評されました。デュエルの力量はすさまじく若くして亡くなったのもありますが、生涯不敗だったようです。」
「生涯不敗!?すげー!!」
十代は目を輝かせてそう発言した。それに対して、「優等生」の麗華が立ち上がり、良く言えば「現実的」悪くいえば「冷めている」発言をした。
「ですけど、先生。学会だと、王のデュエルの強さに懐疑的なんですよね?王と対戦して勝利してしまえば不利益を被るから対戦相手が手を抜いてデュエルをせざるを得なかったための結果という考えが出てきたんですよね。当時では、王のデュエルでの敗北は不吉の前兆とも、亡国の兆しとも考えられていましたし。」
「なんだよ!夢を壊すなよ!」
「私はただ単に事実を述べただけです。」
友紀は先生らしく、いきり立つ十代をなだめて、言葉を返した。
「さすが、原さん。よく勉強していますね。確かに最近まで学説の主流の考え方はそうでした。ですが、今ではその考えにも問題があるということがわかってきました。」
「それは何ですか?」
「それはデュエルの勝因が八百長だった場合、王が八百長を受け入れるはずのない敵国相手に勝利できた理由がつかないからです。」
「・・・確かにそうですね。それでは最近の学説ではどうなっているんですか?」
「最近の学説では王が先行の達人だったという考えが主流です。」
「先行の達人?」
「はい、王は戦いにおいて常に先行を取って、先行に強いデッキを使い、勝利していたという考えが主流です。」
なるほど確かに先行でがっちりと防御を固めればよほど運がない限り勝てるな。しかし、それにも穴がある。麗華も同じことに思い当たったようで質問をした。
「ですけど、狙って先行を取れるものなのですか?」
「ええ、取れます。なぜなら当時では・・・」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響いた。
「名残惜しいですが、今日はここまでです。」
『えーーー!!』
「宿題はなぜアビドス三世が先行を狙ってとることができたのかを調べることとアビドス三世の使用したデッキレシピについて考えることの2つです。それでは。」
『えー!!』
宿題を出されたことに対して批判する声を無視し、友紀は颯爽と去っていった。十代をみてみると、宿題が出されたことで青ざめていた。やれやれと思っていると麗華がやってきた。
「もうすぐ、学園祭ですよね。だから、生徒会の仕事がたまっていて、手伝ってほしいんですけど・・・。」
「ああ、かまわないよ。今日は購買の仕事がないから。」
「そう。それはよかった!ならついでに宿題も一緒にしませんか?」
「そうだね。しようか。」
そういうと俺たちは互いをみて笑みを浮かべた。
「当時の先攻後攻の決め方がこうなっていたなんて驚いたね・・・。」
「そうですね。私も初めて知りました。なるほどこれなら才能があり、鍛錬を重ねれば先行をとれますね。」
「問題は彼がどんなデッキを使っていたかだね。」
「ええ、デッキの大まかな内容ではなくデッキレシピを答えよ、ですからね。これが辛い。アビドス三世の時代にシンクロ・エクシーズが無かったのが、幸いですけどね。」
「ほんと、そうだね。」
自然と微笑ができた。
生徒会室で俺たちは生徒会の他のメンバーと生徒会の仕事を終えた後、宿題に取り掛かっていた。そして宿題をある程度終え、ひとやすみをすることにして話し合っていた。
「そういえば、宮田さんはどうなのですか?」
麗華が思い起こしたように尋ねた。
「・・・詳しくは彰子たちに聞いて欲しいけど、状況は良くはなってきていると思う。だけど、まだ外に出てこようとはしていない。」
「そう、ですか・・・」
そういうと彼女は口をつぐんだ。俺はそのため、言葉を続けた。
「そんなわけだから、今は麗華とセックスするときに麗華のことだけを考えることはできそうもない。」
「・・・そうですね。」
麗華は悲しげで、少し残念な表情になったが、俺を責めたり宮田ゆまを責めようとはしなかった。なぜなら、彼女は生徒会長だからだ。
「小南くん。」
「なんですか?」
「でしたら、1つだけお願いがあるのですが。」
「俺にできることなら。」
「それじゃあ。・・・キスしてください。」
「えっ!!」
「私の欲求を溶かせるような甘くてやさしいキスを。」
「・・・わかりました。」
俺は彼女に近づくと抱きしめて、目線を彼女に合わせてキスをした。いつものように目をみひらいてはしなかった。いつものように舌を絡ませはしなかった。ただ、愛情を伝えようと努力した。『俺は彼女を他の女性たちのように愛している』、『今は君のことだけを考えるように努力している』。そのことが口先から伝わるように努力をして。
キスはどれだけ長くしたのかは自分でもわからない。たぶん、麗華も同じだろう。数分か、数十分か、数時間か。いや、もしかしたら数秒かもしれない。そんな永遠とも刹那ともいえる時間を俺たちはキスを通して共有していた。
しかし、それは物音によって破れた。
ガタン。多少おおきな音が近くから聞こえた。
俺と麗華は唇を離して音がした方に目をむけた。物音は入り口からやってきた。入り口の扉は中をうかがうことができるぐらいには開いていた。
俺は扉に近づいた。すると、入り口から駆け出す音が複数聞こえた。俺はすばやく扉を開け、音のなる方をみた。一瞬しか姿をみることができなかったが、誰なのかはわかった。それは今どのように対処するべきかで悩んでいる明日香の取り巻きの枕田ジュンコと浜口ももえだった。俺は彼女の去った方を見つめながら対処法について考えるのだった。
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それから麗華と別れ、1人になって対処法についてしばらく考えた。今後、枕田ジュンコと浜口ももえが取るであろう行動を考えたときに対処法を思い浮かべることができた。そのことに満足して旧校舎に帰ろうとした。しかし、「人」に阻まれてしまった。いや、「人」ではない。正確には「ミイラ」である。ミイラにあっという間に取り囲まれたと思った瞬間、光が差し込んできた。そして、なぜだかわからないが俺は船の上にいた。船は空を飛んでいた。乗客をみると十代や万条目、麗華、大徳寺先生などがいた。状況把握に戸惑っているうちに仮面をかぶった男性に声をかけられた。
「鍵を持つ者よ!余とデュエルだ。このアビドス三世と!」
そして、アビドス三世は自分の身の上について語った。
アビドス三世の話によると三世はこの世に未練があっていまだ成仏できずにいるそうだ。心の底から楽しるデュエルがしたいのに自分が強すぎるあまりそれができなかった・・・。そのことが成仏できない理由であるとのことだ。
そして、その話を聞くとすぐさま行動を起こした男がいた。
「いいぜ!俺とデュエルだ!この俺、遊城十代が相手になるぜ!」
十代はいつものように自信満々だった。その態度を頼もしく思いつつも俺は少々あきれていた。十代には「加藤先生の宿題はしたか?」という質問を「まだしてない」と答えた。つまり、十代はアビドス三世のことに対して今日の知識以外の知識を持たずに対峙することになる。そのため、「それだったら、俺がデュエルしようか」と提案したのだが。「デュエルは初めての相手とデュエルするのが醍醐味の1つじゃないか。」と却下された。
・・・まあ、時代が時代だし、勝てるだろ間違いなく。いくら三世が当時、強かろうが、今の環境だと多分ワンキルだな。
そう思いつつも、俺は2人の対戦を見守ることにした。
「そなたが相手か。それでは先手を決める勝負をいたそう。」
「先行を決める勝負?」
「十代、アビドス三世の時代はデッキから初期手札を先にドローした方が先行になるという決まりがあったんだ。」
「なるほど。それじゃやるか!!」
『デュエル!!』
先に初期手札をとったのはやはりというべきか、当然というべきか。アビドス三世だった。十代も早かったが、アビドス三世はそれ以上に早かった。神業と言っていいほどだ。
「余が先行だな。」
「アビドス三世。ちなみに言っておくが、今は先行ドローできないからな。」
「ほう?そうなのか遊城十代。ならば、ドローをせずにこのままメインフェイズに入る。」
そうして優雅な手つきでカードを操り始めた。
「手札から魔法カード発動『天使の施し』。デッキから3枚引き、2枚を捨てる。そして『王虎ワンフー』を召喚。永続魔法『強者の苦痛』を発動し、札を2枚伏せてターンエンドじゃ。」
アビドス三世 LP4000 手札1枚
場:『王虎ワンフー』、『強者の苦痛』、伏せ2枚
『王虎ワンフー』
効果モンスター ☆4 地属性 獣族
攻撃力1700 守備力 1000
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、攻撃力1400以下のモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、その攻撃力1400以下のモンスターを破壊する。
『強者の苦痛』(永続魔法)
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、そのモンスターのレベル×100ダウンする。
いきなり、厄介な布陣だな。これで攻撃力1900ポイント以下のモンスターは片っ端からやられる。除去を引けないときついな。それにしてもアビドス三世のデッキは【苦痛ワンフー】だったのか。確かに当時はレベル4の1900打点のバニラカードや除去などの効果持ちモンスターで圧倒するデッキが多かったからこの戦術は効果的だ。先行でこの布陣を当時敷ければまず勝利できるだろう。デュエルの王と呼ばれ、生涯不敗だったのも納得だな。・・・まあ、残念なことに現在の環境じゃあさほど強い布陣とは言えないが。
「へへ、俺のターン!ドロー!よし、まず『E-エマージェンシーコール』を発動。デッキから『E・HERO エアーマン』を手札に加える。そして『ヒーローアライブ』を発動。ライフ半分をコストにデッキから『E・HEROシャドー・ミスト』を特殊召喚!!」
遊城十代 LP4000→2000
『E-エマージェンシーコール』(通常魔法)
(1):デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。
『ヒーローアライブ』(通常魔法)
(1):自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、LPを半分払って発動できる。デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
「しかし、『王虎ワンフー』の効果で破壊だ。」
「そうはいかないぜ!速攻魔法『マスク・チェンジ』を使い、『E・HEROシャドー・ミスト』を墓地に送って『M・HEROダーク・ロウ』をエクストラデッキから特殊召喚する。」
「カード1枚で融合モンスターを特殊召喚するだと?」
「さらに『E・HEROシャドー・ミスト』が墓地に送られたことによりデッキから『E・HEROボルテック』(原作効果)を手札に加える。」
「サーチ条件が緩すぎる!?どうなっているのだ!」
・・・俺もカード効果をみたときに思ったよ。時代は変わってるんだって。
『マスク・チェンジ』(速攻魔法)
(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
「そして、『E・HERO エアーマン』を召喚する。『強者の苦痛』により攻撃力は1400に下がっているので『王虎ワンフー』の強制効果が発動するが、チェーンしてエアーマン第一の効果を発動し、『強者の苦痛』を破壊する。これで『E・HERO エアーマン』は破壊されない。」
「甘い!チェーンして『収縮』発動!これにより『強者の苦痛』が破壊されても『E・HERO エアーマン』の攻撃力は900。よって『王虎ワンフー』は破壊だ!」
『王虎ワンフー』の叫び声によって『E・HERO エアーマン』は苦痛に歪み、破壊された。
『E・HERO エアーマン』
効果モンスター ☆4 風属性 戦士族
攻撃力1800 守備力300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
『収縮』(速攻魔法)
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力はターン終了時まで半分になる。
「ん?『強者の苦痛』と『収縮』が墓地にではなく、除外ゾーンに行っている?」
「『M・HEROダーク・ロウ』の効果により相手の墓地に送られるカードは除外される!」
「なん・・・だと・・・」
『M・HEROダーク・ロウ』
融合・効果モンスター ☆6 闇属性 戦士族
攻撃力2400 守備力 1800
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手の墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(2):1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。相手の手札をランダムに1枚選んで除外する。
「バトルフェイズだ!『M・HEROダーク・ロウ』で『王虎ワンフー』を攻撃!」
「リバースカードオープン!『強制脱出装置』!これで『M・HEROダーク・ロウ』を融合デッキに戻す!!」
「融合デッキじゃなくてエクストラデッキだ!速攻魔法『マスク・チェンジ・セカンド』!手札を1枚捨てて『M・HEROダーク・ロウ』をコストに『M・HERO闇鬼』を特殊召喚!」
「また『融合』を使わない融合だと!?」
『強制脱出装置』(通常罠)
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
『マスク・チェンジ・セカンド』(速攻魔法)
「マスク・チェンジ・セカンド」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札を1枚捨て、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターよりレベルが高く同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を、「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
『M・HERO闇鬼』
融合・効果モンスター ☆8 闇属性 戦士族
攻撃力2800 守備力 1200
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
「M・HERO 闇鬼」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは直接攻撃できる。その直接攻撃で相手に与える戦闘ダメージは半分になる。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
「『E・HEROボルテック』(原作効果)の効果により墓地から『マスク・チェンジ・セカンド』を手札に加える。『M・HERO闇鬼』で『王虎ワンフー』を攻撃!撃破!!」
「う!!」
アビドス三世 LP4000→2900
「『M・HERO闇鬼』の効果により、『フォーム・チェンジ』を手札に加える。そして、『フォーム・チェンジ』を発動し、『M・HERO闇鬼』をエクストラデッキに戻して『M・HERO 光牙』を特殊召喚し、ダイレクトアタック!!」
「うぉ!!」
『フォーム・チェンジ』(速攻魔法)
(1):自分フィールドの「HERO」融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエクストラデッキへ戻し、そのモンスターの元々のレベルと同じレベルでカード名が異なる「M・HERO」モンスター1体を、「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
『M・HERO闇鬼』
融合・効果モンスター ☆8 闇属性 戦士族
攻撃力2800 守備力 1200
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。「M・HERO 闇鬼」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは直接攻撃できる。その直接攻撃で相手に与える戦闘ダメージは半分になる。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
アビドス三世 LP2900→400
アビドス三世は体に大きなダメージを受けていることが、うかがい知ることができた。しかし、王は気丈な態度を崩さずに十代に向かって宣言する。
「これでそなたの攻撃はすべて終わった・・・。次のターンで必ずや逆転・・・」
「次のターンはない!」
「なに!?ここからどうやって余のライフを削り取るつもりなのじゃ?」
「こうしてさ!カードを3枚伏せて手札から『E・HEROバブルマン』を特殊召喚。そして『死者蘇生』を発動して墓地から『E・HERO エアーマン』を特殊召喚!第二の効果で2枚目の『E・HERO エアーマン』を手札に加える!『E・HEROバブルマン』と『E・HERO エアーマン』をオーバーレイ!!戦士の遺志を受け継ぎし、荒野の銃士よ、敵を撃て!!エクシーズ召喚!ランク4『ガガガガンマン』!!」
「エクシーズ召喚?」
『ガガガガンマン』
エクシーズ・効果モンスター ★4 地属性 戦士族
攻撃力1500 守備力 2400
レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカードの表示形式によって以下の効果を適用する。
●攻撃表示:このターン、このカードが相手モンスターを攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は1000アップし、その相手モンスターの攻撃力は500ダウンする。
●守備表示:相手に800ダメージを与える。
「『ガガガガンマン』は表示形式によってその効果を変える。守備表示の効果はオーバーレイユニットを1つ使い、相手プレイヤーに800ポイントのダメージを与える。」
「なに?」
「撃ち抜け!!ガガガシュート!!」
『ガガガガンマン』が放った銃弾はアビドス三世の心蔵を貫いた。
勝敗は決した。
アビドス三世 LP400→-400
デュエルが終わるとアビドス三世は仮面をとり、整った顔をあらわにして俺たちを質問攻めにした。「エクシーズ召喚とはなんだ?」、「今の環境はどうなっておる?」、「今はアドバンテージを簡単に取れるカードが多いのか?」といった具合に。俺たちはそれを1つずつ丁寧に答えていった。そのため、王は俺たちに好意を抱いたようだった。特に十代が気に入ったらしく、十代の死後はあの世で一緒にデュエルすることを決めたぐらいだった。
そうこうしているうちにお別れのときが来た。アビドス三世がこの世に思い残すことが無くなり、成仏しようとしたのだ。三世は笑って「成仏する前にお礼をしたい。余にできることなら何でもいってくれ」と感謝の言葉を告げた。俺たちはその好意に甘えることにした。そして三世は笑いながら、成仏していった。
最後にアビドス三世の好意のおかげで俺たちのデュエル史の宿題の出来は授業に出ていた生徒の中で1番だったということを記して終わりにしておきたい。
アビドス三世、よい眠りを。