第4話 アカデミア入学と今後の方針
試験が終わった後、ツァン・ディレに感想を求めに行くとウサミンもいた。どうやら2人は友達になったようだ。俺がデュエルの感想を聞くと、ツァンは「あんたがデュエル問題で満点取れたのは嘘じゃないと分かった」と言い、ウサミンはただただ「すごかった」というだけだった。とりあえず、俺たち三人はデュエルアカデミアに合格することがほぼ決まっているので連絡先を交換し合い、デュエルアカデミアでも交友関係を持つことを約束しあい、連絡先を交換して別れた。
さて今日はデュエルアカデミアの入学式である。校長のあいさつ、生徒会長による新入生歓迎の言葉、新入生代表の宣誓、教師の紹介、校則の説明など式は着々と進んでいった。そんな中、俺は自分の置かれている現状について考えていた。
俺の目的は元の世界に変えることである。そのためにはこのゲーム「遊戯王エロゲモンスターズ」をクリアしなければならない。俺はエロゲーをやりこんだ経験からこれからどうするべきかを考えていた。まず最初にやるべきことは攻略対象キャラを把握することだろう。このゲームのシステムがエロゲーに基づいている以上、攻略キャラというものが存在する。それをいち早く見つけ出し、攻略していくことだ。
(とりあえず、2人は確実に見つけた。遊戯王タッグフォースのキャラであるツァン・ディレと宇佐美彰子。この2人はこれまでの関わり方から言ってもまず攻略対象キャラだろう。そしてこれまでの式進行で疑わしい人が何人もいる。)
緑髪で眼鏡をかけた生徒会長、原麗華。教師説明で紹介されたオベリスクブルーの担任鮎川恵美先生。オシリスレッドの副担任響みどり先生。ラーイエローの副担任加藤友紀先生がその疑わしい人物である。いづれも攻略対象キャラであっておかしくない容姿ばかりである。
(とにかく今は情報が少なすぎる。このゲームで攻略できるキャラが誰なのか、今後調べていく必要があるな。)
ひとまず結論を出し、俺は式が終了するのを待つことにした。
デュエルアカデミアではクラスが3つに分かれている。俺はそのうちの底辺であるオシリスレッドに所属することになった。ちなみにツァンとウサミンは一番ランクの高いオベリスクブルーである。といっても女性は必ずオベリスクブルーに所属する決まりになっているわけだが。その寮に着くと俺は十代に絡まれた。
「なあ、お前すげえ決闘をするよな。決闘しようぜ。」
「だめだよ、アニキ。試験を見たでしょ。試験でワンキルした人にかないっこないよ。」
これから俺は行きたいところがあり、時間があまりなかったのだがこのデュエルを受けることにした。これは十代とよい関係を築くことが今後の行動によい影響を与える、そう考えたからである。
「いいぜ、やろう」
「へへっ!そうこなくっちゃな!」
「「デュエル!!」」
十代とのデュエルは俺が先行1ターン目で『トリシューラ』を三体と『幻子力空母エンタープラズニル』二体を出して十代の初期手札をすべて除外し、原作版『愚かな埋葬』で十代の墓地に『インフェルニティ・ポーン』を送りつけることで十代のドローを不能にし、完勝した。それにしてもあれだけ何もできずにやられたのにもかかわらず、「楽しいデュエルだった」といえるあたり、十代の精神力は相当のものであると感じた。俺はデュエルを終えた後、十代に別れを告げ、目的地に向かうことにした。
『氷結界の龍トリシューラ』
シンクロ・効果モンスター ☆9 水属性 ドラゴン族
攻撃力2700 守備力 2000
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
(1):このカードがS召喚に成功した時に発動できる。相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚まで選んで除外できる。
『幻子力空母エンタープラズニル』
エクシーズ・効果モンスター ★9 風属性 機械族
攻撃力2900 守備力2500
レベル9モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●相手フィールド上のカード1枚を選んでゲームから除外する。
●相手の手札をランダムに1枚選んでゲームから除外する。
●相手の墓地のカード1枚を選んでゲームから除外する。
●相手のデッキの一番上のカードをゲームから除外する
『愚かな埋葬』(通常魔法・原作効果)
自分のデッキからカードを1枚選び相手の墓地に置く
『インフェルニティ・ポーン』(漫画版遊戯王5D’sオリカ)
効果モンスター 星1
攻撃力 0守備力 0
自分の手札が0枚で墓地にこのカードがあるとき自分はドローできない
目的地である学校の購買につき、トメさんにこの購買で働かせてもらえないかを頼んだ。俺が購買で働きたい理由は攻略キャラの情報を得るのに便利だと考えたからである。するとトメさんは事情を聴いてきたので、自分は天涯孤独の身であり、金がないのでまとまったお金がほしいという嘘をついてごまかした。トメさんは偽りの境遇に同情してくれ、きちんと授業に出席することを条件に働いてもよいと言ってくれた。
その後、寮に戻り歓迎会に参加することにした。そこではレッド生が自分たちの境遇を嘆いていたが、正直馬鹿だと思った。この立場が嫌なのであれば、実力をつけて這い上がればいい。それをせずにうじうじと過ごすのは時間の無駄であるのにそれに気づいていないからだ。そんなレッド生を無視し、大徳寺先生に自分をこの寮の寮長にしてほしいと頼んだ。寮長になりたいのも女性キャラ攻略のためである。大徳寺先生は「生徒のみなさんがよろしければ」といったので、みんなに確認したところ俺が寮長となった。
歓迎会が終わった深夜、メールが届いた。それは万条目準からのものであり、お互いのレアカードを賭け、アンティ勝負をしようというものだった。これはゲームにおける選択肢であると感じ、この決闘を受けることにした。デュエルコートにつくと、そこには万条目と二人の取り巻き、十代、翔、ツァンディレ、ウサミン、そしてこの世界ではあったことのない2人、天上院明日香と藤原雪乃がいた。どうやらゲームの選択肢という俺の予測が当たったようである。万条目は自分の力を示して崇め奉られたいようだった。その考えに多少の嫌悪感を抱きつつ、デュエルを開始した。