散々食べ歩いた後は、観光して。
幽香さんが予約した旅館に行った。
受付で、幽香さんが話を聞いて、
2階の部屋に案内してもらった。
「ふ~ん まあ こんなもんよね」
部屋は和室で、真ん中にテーブルが置いてあるだけの
シンプルな部屋だった。
僕は、旅館に泊まるのが初めてなので、
部屋の感覚がよくわからいけど、いい部屋な気がした。
そんな事より。
「う~疲れた~」
結構歩いたから、疲れた……。
荷物を置いて、座りこんでしまった。
「だいぶ歩いたもんね~」
幽香さんも少しは疲れたのだろうか?
膝を崩して座っていた。
「遅い時間になると 屋台の雰囲気も変わるから ちょっと休んでましょうね」
「そうする~」
鞄からお茶を取り出し一口飲んだ
「ふわぁ~」
涙が出るほどのでかい欠伸が出てしまった。
「あら楓 そんなにお疲れだったのね」
「いやまぁ……うん……ちょっと……」
「気にしなくていいのよ こっちにいらっしゃい」
言われるがままに、ほいほい幽香さんに寄った。
「ほら膝を貸してあげるか お昼ねしてていいわよ」
「わぁ~いやった~」
幽香さんの膝に頭を乗っけた。
「ふふふ」
頭を撫でてくれた、それとほんのり甘い匂いが漂ってきた。
だんだん意識が遠のいって……zzz
「お休み♪」
――
―――
――――
「ふみゅ」
「あっ起きた」
幽香さんは小説を読んでいた。
「外を見てごらんなさい」
僕はベランダから外を見てみた。
「わぁ~」
夜なると、また屋台が増えていた。
「外に行きましょうか」
「うん!」
幽香さんの手と繋いで外に出た。
色んな所を回って、
射的や輪投げやくじ引きをやった。
「……何かしらあれは?」
「ん? あれなんだろう?」
とある屋台に人だかりが出来ていた
看板を見てみると……。
「うっ腕相撲??」
『勝ったら掛け金の1万倍あげます』と書いてあった。
「がはははは 今回も負けなしで終わりそうだな」
そこには、一本角の鬼がいた……。
「勇儀さんだ!」
「おっ! この前神社にいた確か……楓だったかな」
「はい久しぶりです!」
どうやら腕相撲で巻き上げているようだった。
「すさまじい妖気があると思ったら あんただったのかい幽香」
「すさまじい妖気はあんたの事よ」
「それもそうか! あははは!」
なんだかすごい楽しそうだった。
「どうだい! やっていくか?」
「嫌よ あんたと腕相撲なんかして 怪我でもしたら つまらないもの」
「まあまあ そう言わずにだな もし勝ったら 今までの売上全部やるよ」
「へぇ~今までね~ よし! 乗ったわ!」
幽香さんは僕の手を離して、勇儀さんの所へ行った。
「楓……離れてた方がいいわよ」
「え?」
僕は固唾をのんで見守る事にした。
幽香さんが勇儀さんの手を掴むと。
空気が震え……周りの人も怯え始めた……。
「泣き言は無しよ!」
「おう! 望むところだ!」
二人の目つきが変わった……お互いの手に力が入った瞬間。
空気の震えが激しくなった……。
肘を置いていた机がひしゃげた……周りの人が座り込んでしまい……。
遠くにいた僕も腰が抜けた。
どどどどどうなっちゃうの!?!?
「……」
「……」
両者睨み合っていたが……。
「やっぱりやめとくわ」
「なんだよ つれね~な~」
勇儀さんの手を離してお開きになったようだ。
「そう言えば 参加費を払って無かったわね」
「なんだ? くれるのか?」
幽香さんが勇儀さんの頭に手をやると。
「うふふふ 似合ってるわよ」
「おっ! なんだ!」
勇儀さんの頭に花の飾りが付いた。
とても似合っていて勇儀さんが可愛くなった。
「こっちも デートの邪魔した代わりに」
「デデデッデートって バババカ」
僕もちょっと照れてしまった。
「これをやるよ」
「……なによこれ?」
「それを渡せば大抵の店は半額になるぜ」
「へぇ~ ありがたく貰っておくわ」
幽香さんは何かを貰っていた。
「行きましょう」
「うん」
――
―――
――――